JapaneseOverseas
【WHITE ASH、後藤まりこ表紙】Skream!マガジン12月号配布スタート。androp、rega、たむらぱん、SpecialThanksのインタビューなど掲載
2013.12.02 12:35
Skream!フリー・マガジン12月号が配布開始となりました。
今月号の表紙は、今年メジャー・レーベルへ移籍後、2枚のシングルを立て続けにリリースし、移籍後初となるフル・アルバム『Ciao, Fake Kings』を12月11日にリリースするWHITE ASH、約1年半振りのリリースとなる2ndアルバム『m@u』を12月4日にリリースする後藤まりこ。
その他にも、androp、rega、たむらぱん、SpecialThanks、大森靖子、fifi、Welcome Toxicity、DRESSES、OH MY!のインタビューや、MUSE、BLURの特集記事、さらにKEYTALK、ねごと、フラワーカンパニーズ、FLiP、石鹸屋、ジョゼのライヴ・レポートを掲載。
また、好評連載中のアーティスト・コラム、0.8 秒と衝撃。の塔山忠臣による「アホボケカスは俺か?」、SEBASTIAN Xの永原真夏による「つれづれなるままに...サファイア!」、cinema staffによる「萌えもemo」、FLiPのSachikoによる「暴露してみましょうか?」、ハルカトミユキによる「伝言ゲーム」、UNCHAINの谷川正憲による「谷川正憲 改め、茉莉乃沢ガニ太」も掲載されています。
今月号も内容盛りだくさんで、読み応え抜群な内容となっていますのでゲットはお早めに。
なお、店舗、地域によって店着日が異なる場合がありますので、ご了承下さい。
定期購読も承っております。詳しくはこちらから。
関連アーティスト
BLUR, DRESSES, FLiP, KEYTALK, MUSE, Rega, SpecialThanks, UNCHAIN, WHITE ASH, Welcome Toxicity, androp, fifi, たむらぱん, ねごと, ハルカトミユキ, フラワーカンパニーズ, 大森靖子, 後藤まりこRelated GOODS
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BLUR
The Ballad Of Darren
正直、今年の"SUMMER SONIC"の大トリが発表されたときは若干の不安があったがこのアルバムでそんなものは吹き飛んだ。すでに絶賛されているこの8年ぶりのオリジナル・アルバムの魅力は傑作『Modern Life Is Rubbish』(1993年)以来のほぼメンバーのみで作り上げたサウンドなこと。英国的な捻ったセンスはギターのGraham Coxonの個性によるところが大きいが、今回のインディー・ギター・ロック・サウンドはまさにそれだ。Track.2のニヒル且つユーモラスなギター・リフ、Track.11の少し調子っぱずれなギター・リフなど、これぞUKのギター・ロックだ。斬新さはないけれど、いいギターの音といい歌メロと悲哀とロマンはこんなにもエモーショナル。サマソニでは過去曲との親和性の高さを実証しそう。
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BLUR
The Magic Whip
九龍のスタジオでの5日間のレコーディングはまるでインディー・バンドのようだったことはインタビューで明確になったが、仕上がりのいい意味で余白の多い音像にもそれは現れている。Graham Coxonのクランチ気味でどこか神経症的なギターのTrack.1、まさに"BLUR=模糊"なニュアンスな投げやりなDamon Albarnの歌やコーラスが聴けるTrack.3や、シンセ使いがシニカル風味のポスト・パンクなTrack.6などの不変の英国的センス。かと思えばエレジックなTrack.8や、サイケデリアに彩られたブルージーなTrack.12なども。現行の若い世代のバンド......例えばPALMA VIOLETSやSAVEGESの荒削り、もしくはBELLE AND SEBASTIANの繊細......どちらが好きな人も改めてベテランの才能を知って欲しい。
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DRESSES
Sun Shy
フォーク・ミュージックの影響も感じられるものの、トラディショナルに追求すると言うよりもあくまでも今の時代にふさわしいモダンなインディー・ポップとしてアピールしていこうという想いが窺える。それが今のところベストと言える形に結実したのがダンス・ビートが軽やかにハネるアルバム表題曲だ。ポートランドの男女デュオ、DRESSESのデビュー・アルバム。爽やかかつ、どこか切ないポップ・ソングはすでに本国では"幸せなラヴ・ソング" "完璧なポップ・ソング"と注目を集めている。因みにレーベルはFLOGGING MOLLYで知られるロサンゼルスの硬派インディー、SideOneDummy。レーベル・カラーを考えると、異色とも言えるリリースは、レーベルがこのデュオに寄せる大きな期待の表れと言ってもいい。
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FLiP
GIRL
初のセルフ・プロデュースに挑戦した3rdフル・アルバム『LOVE TOXiCiTY』から約1年3ヶ月ぶりの新作は、EMI Records移籍第1弾となる3曲入りシングル。Sachikoがインタビューで語ってくれたように、彼女自身もバンドも大きな転機を迎えていた。これまで女性としてのクールを構築しつづけてきた彼女たちだが、この3曲はそのスキルを持った体を裸にした印象。現在の彼女たちのヴィジュアルが示す通り、つきものが取れたようにナチュラルだ。地元沖縄で得た音楽的ルーツと、バンド活動で培ったスキルでもって、彼女たちは次の扉を開くことができた。4つの呼吸でできあがる強固なグルーヴ、そこに彩りを与えるシンセ、すべてが軽やかで心地よい。華麗なる新章の幕開けである。
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FLiP
"LOVE THE TOXiC CiTY TOUR" at LIQUIDROOM
最高にクールな映像作品だ。3rdアルバム『LOVE TOXiCiTY』のリリース・ツアー"LOVE THE TOXiC CiTY"の恵比寿LIQUIDROOM公演を収めたDVD。約90分の収録時間の中、恐らくMC部分は極力カットしたのであろう、とにかく演奏シーンを見せることに徹した構成。メンバーの指使いや表情まで明確に映し出した、ステージ上の4人の姿を臨場感溢れる視点で捉えたカメラ・ワーク。そのストイックさすら感じさせる映像は、とても生々しく、屈強なライヴ・バンドとしてのFLiPの姿を映し出している。メンバーの逞しく、華やかで、時に色気すら感じさせる存在感は、『LOVE TOXiCiTY』を作り上げたバンドの成熟をヒシヒシと感じさせる。ラスト1分にはとても等身大な姿も納められていて、そこも必見。ライヴ会場限定販売。しかも1000枚限定。意地でも手に入れたほうがいい。
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FLiP
LOVE TOXiCiTY
2ndアルバムである前作『XX emotion』から約13ヶ月、FLiPが全曲セルフ・プロデュースで3rdアルバムを作り上げた。サチコ(Vo/Gt)がパーソナルな部分をさらけ出した歌詞と同調し展開されるサウンドは、精力的なライヴ活動で築いた実力と熱量、何より隅々にまで飽くなき音楽的探究心が詰まっている。この4人で音を鳴らすことをひとつひとつ感謝するように奏でられる音色は、聴き手を衝動的に突き動かす。ロック・サウンドを基盤にハードなものからゆるめの横揺れの曲、メロウなナンバーなど様々な色を持つ楽曲群は、多様な表情を持つ“女性”という存在、そして現在のFLiPをそのまま投影しているようだ。結成から8年、自身の“核”を再確認した彼女たちが更に飛躍を遂げることを確信させる。
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KEYTALK
DANCEJILLION
"ダンス"を追求し続けてきたKEYTALKが、改めて"ダンス"と向き合ったアルバム。1曲目の「ハコワレサマー」が八木優樹(Dr/Cho)の書いた曲であるように、誰がメインで誰がオルタナティヴではなく、ソングライターとしてもプレイヤーとしても4人揃ってド真ん中を狙う姿勢。そしてKEYTALKがKEYTALKであるために4人が身につけた"王道"は、外から見ると"異様"であり、とんでもないスゴ技であることが今作を聴くとよくわかる。山場だらけのメロディ。突然の転調。それを見事に乗りこなすツイン・ヴォーカル。不思議な軌道を描くギター。様々なリズム・パターンを繰り出すドラム。これだけいろいろやっているのにどこかケロッとしているのは、重ねた歳月によるところが大きいのだろう。
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KEYTALK
ACTION!
思えばコロナ禍以前にリリースした「サンライズ」が、彼らには珍しいファストなポップ・パンクだったのも、バンドが初期衝動に満ちていた予兆だったのかも。何度も更新されてきたKEYTALK流カーニバル・ソングは、「宴はヨイヨイ恋しぐれ」でゴリゴリした感触さえ残すし、前作以降、冴えを見せる首藤義勝のファルセットは奇妙なメロの「大脱走」で映えているし、EDM路線でありつつドラムは生音がタフな「ラグエモーション」、16ビートの中にハード・ロック・テイストが否応なしに滲む「不死鳥」は、小野武正のギターあってこそ。終盤は首藤のソロ・ヴォーカル曲「あなたは十六夜」、「愛文」、寺中友将の「照れ隠し」が並ぶことで、自然体の歌詞の強さも伝わる。結成12年にしてこの飽くなき好奇心と振り幅が彼ららしい。
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KEYTALK
Best Selection Album of Victor Years
2013年にメジャー・デビューしてからの、14枚のシングル表題曲+タイアップやライヴ人気曲からなる20曲に、怒濤の5年間の進化を感じるベスト・セレクション。首藤義勝、寺中友将のツイン・ヴォーカル、四つ打ち、目まぐるしい転調とどこかメランコリックなメロディは今でも独特だ。「MONSTER DANCE」、「桜花爛漫」など和テイストの振り切れっぷり、祭りというテーマを太いファンクに昇華した「MATSURI BAYASHI」あたりから、全体の屈強さもアップ。ストリングスとプリミティヴなビートと、EDM風味を融合させた「Summer Venus」に至っては、楽しいことを120パーセント体現するKEYTALKの真骨頂だ。完全生産盤にはライヴ映像も。フィジカルならではのお楽しみは見逃せない。
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KEYTALK
Coupling Selection Album of Victor Years
ビクター時代のc/w集。人気曲「OSAKA SUNTAN」、寺中友将(Vo/Gt)の美メロ・メーカーぶりが発揮された「エンドロール」、ルーツであるthe band apart的なアレンジにニヤリとする「O型」、怒濤のブラストビートの「ナンバーブレイン」、小野武正(Gt/MC/Cho)、八木優樹(Dr/Cho)の共作で、めくるめく展開や早口のトーキングVoがユニークな「鏡花水月」、テクニックの高さを笑えるスクリーモ(!?)に昇華した「One side grilled meat」、レア・グルーヴ~ニュージャズ風の「wasted」、タフさが増した「SAMURAI REVOLUTION」、モンドなメロディが癖になる「誓い」など、高い作編曲能力と斜め上のセンスを満喫できる。
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KEYTALK
DON'T STOP THE MUSIC
移籍第1弾アルバムを幕開けるのは「DE'DEVIL DANCER」。この曲で思い起こすのは、最強のライヴ・チューンとしてバンドのスケールを大きくした「MONSTER DANCE」。あの曲のリリースから5年を経て、タフに進化をした今のKEYTALKが爆裂なダンス・チューンを描いたらどうなるかというのが冒頭の曲だ。同曲を筆頭にスマートなアレンジ力に磨きをかけて、EDMからロカビリー、彼らならではの躁的でカオスなサウンドからグッド・メロディのキャッチーさまで、多彩なエッセンスをKEYTALK節として昇華した12曲。4人のキャラクターを生かして曲を書き、曲の物語や力を最大限にするアイディアを重ね、テクニカルな面でも緻密なこだわりを感じる。ライヴでどう化けていくか楽しみ。
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KEYTALK
BUBBLE-GUM MAGIC
結成10周年にしてレーベルを移籍。新たな一歩を印象づけるのに十分なシングルが到着した。表題曲は、首藤義勝(Vo/Ba)のソングライターとしての新生面が発揮された、早めのポップ・ファンク・チューン。ソウルのフレーズを散りばめながら、サビではEDM以降のポップスのニュアンスを汲むメロディやコーラス、さらに間奏では小野武正(Gt/MC/Cho)のソロが炸裂するという情報量の多さ。しかも4人の音で構築するダンス・ミュージックであることに彼ららしいバンドの意地と矜持も。一方の「海」は寺中友将(Vo/Gt)お得意のスケール感のある爽快なバラード。ピアノとアコギを映えさせ、以前より隙間の多いアレンジが歌を際立たせている。聴き応えと浸透力の高さ、新しい音像を両立させた快作。
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KEYTALK
Cheers!
清涼飲料水、しかも盛夏のリリースというと、ポップ・ソングの王道感がひとつの系譜としてあるが、今の時代の"それ"をKEYTALKが体現してくれた。アレンジとプロデュースにJ-POPのヒット・メーカーである蔦谷好位置を迎えた「Cheers!」は、ポップ・パンクな曲調がシングル表題では新鮮な印象で、ごくさりげないアレンジで効果的に配置されたストリングスとの相性もいい。首藤義勝(Vo/Ba)の新鮮な曲作り、蔦谷の客観的な視点が功を奏した。c/wは寺中友将(Vo/Gt)の作詞作曲による赤十字運動月間ショートムービーのタイアップ曲「東京シネマ」。寺中十八番の美メロに一歩踏み込んだ歌詞の表現も加わって、ニュートラルに前を向かせてくれるロック・ナンバーに。2曲ともストレートなテーマを昇華していて力強い。
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KEYTALK
Rainbow
アゲアゲのパーティー・ナンバーに替わる、KEYTALKの新しい武器が満載の5thアルバム。グッと生感やソリッドさが増した『ロトカ・ヴォルテラ』以降の質感を感じながらも、小野武正(Gt/MC/Cho)のジャズ、フュージョンという背景を感じる「nayuta」や、これまで以上にAOR路線に振り切った首藤義勝(Vo/Ba)作の「雨宿り」、ロー・ギアなのに速い体感が新鮮な寺中友将(Vo/Gt)作の「ミッドナイトハイウェイ」、ライヴで活躍しそうな八木優樹(Dr/Cho)作の「テキーラキラー」など、1曲1曲の存在感や濃度が高い。その中で、異なる音像だからこそ既発シングルの良さも改めてわかるという、なかなか練られた構成だ。全12曲を通して聴いてこそわかる、虹のようなKEYTALKの多様性を味わってほしい。
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KEYTALK
ロトカ・ヴォルテラ
KEYTALK、2018年一発目のシングル。アッパーで攻める彼らの常道でありながら、恋愛における、食うか食われるか? 的なスリリングな瞬間をほのめかした歌詞や、それを引き立てるダークで速い曲調が新鮮。ストレートにかっこいいだけで済まないのがKEYTALKならではの危うい曲自体のアップデートに繋がっていて、度重なるリズム・チェンジ、エクストリームなギター・アレンジ、そして歌謡としての強度を誇るメロディという過積載っぷりにニヤついてしまう。もう1曲の「アオイウタ」は"音楽と旅が大好きだ #KEYTALKとANA旅キャンペーン"CFソング。まさに今すぐ旅したくなる開放感溢れる1曲。さりげない転調や寺中友将(Vo/Gt)のR&Bシンガー顔負けのスムーズなヴォーカルも心地よさを増幅する。
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KEYTALK
セツナユメミシ
前作「黄昏シンフォニー」に続き、今のKEYTALKが考える"普遍性"が、お馴染みの和なメロディやギター・リフ、親しみやすい歌メロに集約されている感があるタイトル・チューン「セツナユメミシ」は首藤義勝(Vo/Ba)作の楽曲。ただもちろん聴きやすさの中にもアウトロ前の転調や、歌メロの裏で情景を描く小野武正(Gt/MC/Cho)のフレージングの細かさは過去最強かも。そしてこのシングル、メンバー全員の曲が収録されているのもアルバム以降のモードを知る絶好の手がかりで、ニュー・レイヴを再解釈したような小野作の楽曲、最もぶっ飛んだアート・ロック且つ真っ青で複雑なメロディを持つ八木優樹(Dr/Cho)作の楽曲の底知れない白昼夢感と不気味さには唖然。最後は素直でフォーキーな巨匠ナンバーで安定の締めくくりという、ボリューミーな1枚。
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KEYTALK
黄昏シンフォニー
KEYTALKにとって、初のドラマ主題歌の書き下ろしとなった「黄昏シンフォニー」。彼らとも共通する愛や生(性)へ関心の薄い、いわゆる"ゆとり/さとり世代"がいきなり赤ん坊と対峙し、自分の中にある未知の感情や行動に出会うというストーリーを今回のソングライターである寺中友将(Vo/Gt)はかなり汲んでいる。無垢な命と向き合い原点に戻る感覚、同時に自分はもう子供ではないという若干の寂しさや覚悟を"黄昏"に託しているように聞こえるからだ。ドラマと切り離しても彼らには珍しい速すぎない8ビートや歌い上げすぎないツイン・ヴォーカルですんなり歌詞が入る。首藤義勝(Vo/Ba)作の「F.A.T」はおしゃれ16ビートに陥ることなく必殺のフックと小野武正(Gt/MC/Cho)のリフで意表を突く。2曲とも曲作り功者KEYTALKが考える"いい曲"の新次元。
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KEYTALK
PARADISE
「スターリングスター」から「ASTRO」に至るシングルでKEYTALKらしさを前面に出しつつ、同時に4人全員が作詞作曲した楽曲を収録するようになった現在のKEYTALKの楽曲のポテンシャルと、それをほぼ人力で演奏してしまうスキルの高さに驚嘆と笑いが自然に起こってしまう、会心の4thフル・アルバム。EDMが一瞬表れる首藤作のオープニング・ナンバー「Summer Venus」、小野のジャズ、フュージョン寄りの知識がジェットコースター級の展開を見せる「森羅万象」、一瞬で通り過ぎる八木作のデスメタル風「HOROBIRO」、寺中が洋楽シーンと符合するメロディで新生面を見せる「story」など、4人4様のアルバム曲が痛快。ポップだが、未知のアレンジ、アンサンブルで新境地を切り拓く姿勢に拍手したい。
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KEYTALK
ASTRO
少々の懐かしさも漂う歌謡としての強さのある歌始まりからして意表を突く、KEYTALKの10枚目のシングル。何より、不安の最中にある過去の自分に対して、強く思うことで未知の可能性を掴める、もっと言えば自分は自分を裏切らないだろうという未来からの手紙のような力強いメッセージが新鮮だ。前作の表題曲「Love me」から徐々にストレートになってきた首藤楽曲のさらなる変化でもあり、これまで彼らのシャイネスゆえか前面に出してこなかった意思表明とも取れる。2分台のショート・チューンに8ビートも四つ打ちもスカも盛り込んで疾走する、とにかく熱い1曲。カップリングはインディーズ時代からの人気曲「amy」のライヴ音源を収録。従来のスタジオ・テイクとは異なるライヴならではの首藤、寺中のヴォーカルが聴きどころ。
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KEYTALK
Love me
KEYTALKのシングル表題曲としては珍しい、ちょっとアップ気味のミディアム・テンポが新鮮な「Love me」。16ビートながら、さらっとポップに聴かせる音像が首藤義勝(Vo/Ba)作曲ナンバーらしい。そんな中でもゴリッとした感触の、小野武正(Gt/MC/Cho)のカッティングがロック・バンドのダンス・チューンとして個性を際立たせている。カップリングの寺中友将(Vo/Gt)作曲、歌詞は寺中と八木優樹(Dr/Cho)の共作である「SAMURAI REVOLUTION」は、"バンド戦国時代"など一瞬シリアスなバンド・シーンからの現状報告に思えて、語り口調やアレンジによって少々時代劇風のニュアンスも醸し、飛び道具っぽいユニークな1曲に仕上がっている印象も。「金木犀」は、アッパーな四つ打ちにハードなコード感、歌メロの裏を行く小野のギター・フレーズ、そしてエンディングの唐突ささえも小野らしい。
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KEYTALK
KTEP COMPLETE
KEYTALKのインディーズ時代の限定盤4作品、いわゆる"KTEPシリーズ"には、現在のライヴでもピーク・ポイントにくるキラー・チューンが満載。だが、今は入手困難で高値がついている状況に朗報! というわけで全曲をコンプリートしたアルバムをリリース。そりゃ「MABOROSHI SUMMER」も「祭りやろう」も「太陽系リフレイン」もCDで持っときたいでしょ! しかもお蔵入りになっていた「MABOROSHI SUMMER」の別バージョン、DVDにもこれまた廃盤になった"SUGAR TITLE TOUR DVD"、"オムスターの逆襲DVD"を収録。メジャー・デビュー以降や最近ファンになった人へのプレゼント的な企画でもあるが、KEYTALKの楽曲構造のオリジナリティ、レコーディングの工夫の跡が聴こえてくる大事な記録でもある。
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KEYTALK
MATSURI BAYASHI
2ヶ月連続リリースのシングルはKEYTALKの音楽的なレンジと演奏者としての攻めの姿勢を感じる、メンバー各々が作詞作曲した4曲を収録。寺中作の表題曲は彼お得意の"お祭り系"の中でも突出した太いファンクネスとスピード感が融合。爽快感の中に洋楽インディーなコーラスが映える首藤作の「boys & girls」、驚きのジャズ/フュージョン・テイストをものにした八木作の「wasted」は、KEYTALK史上最も大人なナンバーかも。そして前作収録の「KARAKURI夢ドキュメント」と連作めいた小野作「赤いサイコロのMAYAKASHI」。ぜひその繋がりも意識して聴いてみてほしい。それにしてもゲームのステージをクリアするような軽快さで、その実、曲のハードルを上げていく4人は逞しいのか、ドMなのか?(褒めてます)
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KEYTALK
HELLO WONDERLAND
四者四様の"KEYTALKのロック感"はいい意味で見事なまでにバラバラで、それだけにこのバンドの武器の多さも再認識させられる。首藤作のタイトル・チューンは80年代のサザンオールスターズばりの歌謡感と相対する演奏のタフさがキャッチーであるし、ファストなスカ調の小野作品は最も今のバンドの状態を示唆する歌詞が、彼のナイーヴな感受性の発見にも。作詞にもチャレンジした八木作品は、珍しく"ロックな二枚目"タイプの疾走する8ビートが激しく新鮮。一部リズム・チェンジする部分がむしろスタンダードに聴こえるのがKEYTALK節が定着した証か。ラストは寺中作の2ビート・メインのラウド/ミクスチャー系。エフェクト・ヴォイスで歌われる歌詞に意味を求めない怪作。クアトロAサイド・シングルと受け止めたい濃厚さ。
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KEYTALK
スターリングスター
フロント3人が曲を作れる強みはもちろん、『HOT!』から、フックありまくりでメロも残る首藤、美メロの巨匠(寺中)、シュールでエッジ立ちまくりの小野という役割分担が、この1年の経験を経て変化したことを感じるシングルだ。お互いの得意分野がよりKEYTALKとしての個性になって堂々と鳴らされる。それを最も象徴しているのが、大人になって自分のいる場所も自覚し、だからこそそこから見る夢について歌う「スターリングスター」の説得力。輝度の高いサウンドと上昇するサビが美しくも切ない。また、KEYTALKの作曲マナーも何気に綴られている「鏡花水月」のめくるめく展開、ピアノのアレンジが印象的な「summer end」。3曲とも曲ごとの色と言葉が鮮烈だ。
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KEYTALK
HOT!
退屈なロックもあれば、思いっきり尖ったJ-POPもある。呼び方なんてどうでもいい、とにかくまだ世の中に存在しないポップ・ミュージックを作るのだ。というKEYTALKのオリジナリティがグッと進化したメジャー2ndアルバム。いきなり1曲目から首藤(作詞作曲も)の脱力ラップで始まり怒涛の展開を見せる「YURAMEKI SUMMER」、歌を聴かせつつ低音の迫力も増した寺中作の「グローブ」、アブストラクトなビート感を人力で昇華した小野作の「Human Feedback」、最もこれまでのKEYTALKっぽいリズムを持つ八木作曲「キュビズム」には、小野のちょっとシニカルで歌詞的なものを超越する言葉が乗っているのも痛快だ。ハードな曲でもバラード寄りでも全体的に音像が豊かになったことも新鮮な聴感をもたらす。
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KEYTALK
FLAVOR FLAVOR
ぶっとい16ビートのイントロからガラリと景色が変わるサビ始まりと、どこか90年代以前の歌謡曲を思わせるメロディ。年齢を問わず甘酸っぱい思いが胸をよぎりそうな、KEYTALKが放つより広いフィールドを目指すタイトル・チューン「FLAVOR FLAVOR」。本格的な春の声もまだ聴こえないが、早くも夏が待ち遠しくなるほど季節感や温度のある楽曲だ。新たな王道を目指した首藤の同曲を始め、小野が幾何学的なフレーズを封印し、 ひたすらリフとコードで押しまくる(作詞・作曲も小野)「ナンバーブレイン」、寺中の美メロ体質が全面的に表出した「Stand By Me」では、同時にシンセやオルガンのアレンジが曲の輝度を上げ、彼ら流のシンセJ-POPワールドを表現。ジャンルが細分化された時代の中で普遍性に挑戦した1枚。
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KEYTALK
MONSTER DANCE
トライバルかつお囃子を思わせるビートから、往年のアイドル歌謡的なアレンジ、UKインディーぽい3連のソリッドなギター・リフ、サンバのリズムとエキゾチックなシタールの音......とおよそ世界のダンス、お祭り騒ぎが4分半にめくるめく速度で展開するタイトル曲の強烈さ。首藤のサザン好きが垣間見られる歌詞もニヤリとさせられる。一転、キラキラのキーボード・サウンドがJ-POPという呼称以前の日本のポップスを思い出させる「エンドロール」では寺中のセンスが炸裂。KEYTALKの作曲能力、エクストリームなアレンジ・センスが堪能できる前半2曲に続き、これまでを踏襲した「FREEDOM」、血液型シリーズ(?)第3弾「O型」の4曲を収録。さらに遠くまでKEYTALKの存在が届きそうなシングルだ。
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KEYTALK
OVERTONE
変拍子、転調、美メロ、そしてマスロック、メタル、ジャズ、フュージョン、ポップスという物理とジャンルが交錯しつつギリギリのバランスで成立するKEYTALKの男の子チックな世界観はそのままに、1曲ごとの強度が増したモンスター的な2ndアルバム。特に首藤義勝のソングライターとしての覚醒は凄まじく、「バミューダアンドロメダ」や「MURASAKI」に登場する一歩間違えると気持ち悪ささえある転調やマイナー・メロディと、妖しさ満載な歌詞は物理的なスリルのネクスト・レヴェルを見せる。また、エディットのセンスが冴えまくる小野武正の「BEAM」のテクノ的な痛快さ、美メロの王道を行く寺中友将の「メロディ」、初めて曲が収録された八木優樹の「YGB」も聴きどころ。脳と肉体を直撃する13曲。
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KEYTALK
パラレル
2ndシングルとなる本作は、プロデューサーにNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮。ももいろクローバーZやBABYMETAL、上坂すみれらの作品の作曲編曲も手がける)を迎え、彼の提案により一発録りに挑んだ新曲2曲を収録。ギター・サウンドの太さやリズムの臨場感は表題曲の「パラレル」「サイクル」ともにグッと増した印象。「パラレル」は4つ打ちから8ビート、レゲエ・ビートへとめまぐるしく変化するリズムも通して演奏していることで、流れの良さと勢いが加速。「サイクル」は寺中のラップ調の早口ヴォーカルが新鮮だ。また、通常盤には昨年11月17日のLIQUIDROOMのライヴから「UNITY」を収録。初回限定盤にはなんと7曲を収録! 現場感に胸躍る。
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KEYTALK
コースター
攻めのキャッチーでリスナーをフック・アップするKEYTALKが放つメジャーからの第1弾シングル。タイトルになっている「コースター」は四つ打ちとトリッキーなギターはもちろん、寺中と首藤の異なる声質かつどちらも伸びやかなヴォーカルが交互に登場するスピード感も聴きどころ。小野のギターが暴れまくる「スポットライト」、90年代のロック寄りの、J-POPにも似た王道感のあるメロディ・ラインが、同世代、同系列、いや、他の世代にもなかなかないスケール感の「Winter March」はライヴキッズ以外にもぜひ聴いてもらいたい逸品。一転、幾何学的なギター・リフと踊れるビートに時折挟まれるシンコペーションや、歌とベースのユニゾンなど、アレンジも演奏も痛快な「OSAKA SUNTAN」の新曲4曲を大盤振舞い。
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KEYTALK
ONE SHOT WONDER
the cabsにも在籍の首藤義勝(Vo/Ba)と寺中友将(Vo/Gt)のツイン・ヴォーカルとALASKA JAMなど様々なバンドでギターを弾く小野武正(Gt)、そして八木優樹(Dr)からなる4人組バンドKEYTALKが待望の1stフル・アルバムがリリース。彼らの武器である超絶キャッチーなギター・ロック・サウンド、先を読めない展開は更に進化をしている。Track.3「fiction escape」の疾走感溢れる軽快で陽気なポップ・チューンからTrack.7「茜色」のホロリとさせるバラード、そしてまさにJ-POPの真骨頂とも言えるキャッチーなメロディを料理したTrack.11「summer tail」。2009年に結成してからKEYTALKファンが首を長くして待ちわびた1stフル・アルバムは期待を裏切らない超絶キャッチーな作品だ。
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KEYTALK
KTEP2
CDを再生した瞬間から“これは……!”と唸らずにはいられないキラー・チューンが詰め込まれた攻めの2000枚限定マキシ・シングル! 凝ったマニアック性と大衆の心もグッと掴みそうなキャッチーなメロディの絶妙なところをついてくるバランス感覚はさすが。かゆいところに手が届くような“こんな曲たちを待ってた!”と声高らかに叫びたくなる快作。Track.1「MABOROSHI SUMMER」はアッと驚くような予想もつかない展開がクセになり、気になるワードが詰め込まれた初っ端からぶちかましている1曲。ポップにもロックにも全速力で駆け抜けていくジェット・コースターのような全4曲にKEYTALKというバンドの多面性と底力を見た。
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MUSE
Will Of The People
2000年代以降のロック史に燦然と輝く3ピース・バンド、MUSE。そんな彼らの9作目のアルバムとなる今作は、パンデミックや環境問題、不安定な世界情勢といった暗いニュースにフォーカスした重いテーマを扱いながらも、非常にエンターテイメント性の高い作品となった。メタリックなギター・プレイと、'80sのキラキラ感があるキーボード、ミュージカルのように語り掛けるメロディ。スケール感のあるサウンドで、ダンサブルにもヘヴィにも感情揺さぶるバラードにも振り切った楽曲の数々には、それぞれドラマ性があり、その世界観へとグイグイ引き込まれていく。そんなテクニックだけでは描けない、生命力溢れるストーリーは、MUSEというバンドの持つ音楽への情熱を象徴しているようだ。
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MUSE
Simulation Theory
MUSEの通算8作目となるアルバムは、ロック路線の前作『Drones』とはガラリと変わって、某SF映画を思わせるアートワークが示すとおり、80年代風のシンセを大胆に取り入れた異色作となった。TIMBALANDがプロデュースを手掛け、マッシヴなベースとR&B調の歌メロを融合させたTrack.4や、トラップとロックを掛け合わせたTrack.7など、全体的にはこれまでになくポップに。一方で3rd、4thアルバムのヘヴィなギター・サウンドに回帰したようなTrack.8、9も配されており、ロックもポップもエレクトロもすべて呑み込み、ダイナミックで劇的なMUSEらしいサウンドに昇華しようとする新たな試みが感じられる。彼らの真骨頂であるライヴでどう披露されるか楽しみだ。
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rega
Rega
結成10周年を迎えたRegaの新作は、1stミニ・アルバム『RONDORINA』、1stアルバム『Million』、配信限定楽曲など初期曲の現メンバーでの再録を中心に、新曲やリミックスを交えた全12曲入り。その表現力と描写力、デリケートさやメリハリが、既出の曲を今の曲として甦らせているのも印象深い。かつてのやんちゃさを現在ならではの手腕を用いて再録された各楽曲は、現ギタリスト 四本 晶の加入以前の曲を、今の4人ならではのサウンド、表現がなされているものばかり。彼らの特性をアラカルト的に抽出し凝縮された新曲「Wreck」の秀逸さもさることながら、デリケートさとダイナミズムにおける表現力のアップも著しい「JOG」など、中心となった既出各曲も新しい息吹を受けて新鮮に聴けるのも特徴的だ。
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rega
Among the flow
昨年リリースされたミニ・アルバム『DISCUSS』に続きメンバーそれぞれが1曲ずつイニシアチブを取るという"1人1曲"がテーマとなった2部作の後編。前回は"議論"という少々緊張感漂うタイトルだったが、今回は"流れの中で"という、非常にregaらしいナチュラルなスタイルが反映されていることを物語る。メンバーいわく"非常にパーソナルな作品になった"とのことなのだが、個人それぞれを反映したどの曲でもすべての楽器が爽快に響くのは、バンドが健康だという何よりの証だ。ギターの掛け合いとそこに入り込むリズム隊が遊び心たっぷりのTrack.4、夏からライヴでも披露され既にアンセム化しているTrack.2など、口元をほころばせながら音を奏でる4人の姿が容易に想像できる。
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rega
DISCUSS
インスト・ロック・バンドregaが1年7ヶ月ぶりの音源をリリース。このアルバムのテーマは"1人1曲"。メンバーとスタッフの6人個々のイメージを、曲創りの過程で汲み取り、理解し合うという挑戦的な作曲スタイルとのことだ。より深みを増した巧妙なアンサンブルは鋭くなり、メンバー個々の顔がよく表れる感情的な音色も刺激的で、まさしく"DISCUSS=(議論)"というタイトルが相応しい。現時点ではどの曲がどの人物を表しているのか定かではないのだが、英語1ワードで統一された曲名はいろんな想像ができるし、Track.2「EQ」ではギターのアプローチがメタル風だったりと今までのregaでは見られなかった表情を見ることができる。全員が本音で語り合うような、人間の熱が凝縮された全6曲。
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rega
SOLT&PLUM
複雑に、巧妙に構築されてゆくバンド・アンサンブル。様々な方角から音が飛び出し、4つの音が描き出す情景の美しさには毎度惚れ惚れする。昨年は多数のフェスやイヴェントに出演し、精力的なライヴ活動を行う4人組インスト・ロック・バンドrega。彼らの3rdフル・アルバムがとうとう到着。今作は4人の音が会話をしているように展開され、曲と曲が呼応して世界が広がってゆく。それは前作リリースからの1年8ヶ月という長い歳月で、より深くなったバンドの人間関係が影響しているのだろう。ストイックで研ぎ澄まされたサウンドでありながら、隅々から優しさやぬくもりも滲む。緻密な音構成は注意深く聴けば聴くほど新たな発見があるので、耳を澄ましてじっくり聴き入るのもオススメ。
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rega
Lyrics
皆 さんは全曲インストゥルメンタルの楽曲は聴けますか?やっぱり歌がないと音楽って聴けませんか?“ 歌が無い”っていうところに拒否反応を示す人もいますが、逆に歌詞がないからこそ、メロディやリズムがダイレクトに伝わって、いろんな感情を自由にあたえてくれるのが、インストゥルメンタルの醍醐味だと思う。そんな中でもとりわけ今勢いのある、東京中心に活動している4人編成のプログレッシヴ・ジャム・バンドrega から2nd アルバム『Lyrics』がリリースされる。ライヴ会場 では中毒者続出というのも、アルバム冒頭の「IMPACT!」を聴けばきっと納得するはず。またアルバム発売後は、全国21 か所を回るツアーもスタートす るということで、各地のリスナー達を魅了するのは間違いないだろう。
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SpecialThanks
SUNCTUARY
新体制初アルバムは、ファストな2ビートとノイジーなギターに、Misakiの切なくも美しいヴォーカルとグッド・メロディが冴える「ムーブメント」で幕開け。"令和"という言葉を盛り込み、新たなスタートを切った今と、新メンバーで走り出す高揚感と幸福感とを詰め込んだ曲が晴れやかだ。エヴァーグリーンなメロディとジャングリーな演奏のパワー・ポップや、爽快なギター・ロックといったこれまでの流れも踏襲しつつ、今回はメロコアの魅力が際立っている。勢いのあるバンド・アンサンブルとメンバーのシンガロングも生かして、エネルギッシュに突っ走っているのが心地いい。この4人のグルーヴをリアルに感じる作品で、「Nonobaby」での男女ツイン・ヴォーカルがスペサンの世界に新風をもたらしてもいる。
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SpecialThanks
HEART LIGHT
バンドのキーマンであるMisaki(Vo/Gt)の心境の変化が反映されたフル・アルバム『Anthem』から約9ヶ月でリリースされる5曲入りミニ・アルバム。突如"ロック・スターになりたい"と思い立った彼女が、日々の生活でわくわくすることを探していった結果生まれてきた楽曲たちは、抜けが良く爽快感のあるものばかり。メロディの起伏もドラマチックで、彼女のキュートさとスパイスが混ざり合った豊かな歌声も映える。歌詞には彼女の新しい気づきが多々反映されており、モチーフも太陽、宇宙、愛、水など、人間の生活には欠かせない壮大なものが多い。特にミドル・ナンバー「ハートライト」の存在感は詞曲ともに格別。ポジティヴやネガティヴの域を超えて、ひたすらにナチュラルなサウンドを堪能できる。
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SpecialThanks
Anthem
ガールズ・メロディック・パンク・バンドの急先鋒としてシーンに衝撃を与えてから、早数年。Misaki(Vo/Gt)率いるSpecialThanksが3rdフル・アルバムを完成させた。1曲目の「singing」からゆったりと始まるので、"これがスペサン!?"と驚かされるが、驚きはそのあとも続く。なんと、歌詞は初めての全曲日本語詞。そして、どっしりと腰を落としたビートや、エモーショナルなメロディが光っている。Misakiの歌もかわいらしさや勢いに留まらない豊かさを誇っており、すべてにおいて、彼女/彼らが大人になったという事実がとても素直に反映されているのだ。とはいえ、共に歌い、共に感じられる、そしてライヴが観たくなる本来の良さは失われてはいない。音楽と人に誠実に生きるバンドの真価が発揮された1枚。
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SpecialThanks
heavenly
今年に入り、新体制でかつてないほど精力的に活動中のSpecialThanks。今作はメンバー・チェンジ前に制作された作品とのことで、バンドがこの先どうなっていくのか?というリアルな状況が綴られている。とは言ってもネガティヴな要素はほとんどなし。インタビューでMisakiが語ったように、"これからどうなるのか、わくわくが止められない"という気合いが隅々にまで通った作品だ。だからこそ今回の聴きどころはMisakiの歌声。昨年リリースされた2ndフル・アルバム『missa』でも格段にエモーショナルに進化していたが、今作はさらにギミックや情感も豊かになっている。彼女たちが目指すネクスト・ステージは一体どんなものなのか――そんな期待を煽る初期衝動的青さが眩しい作品だ。
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SpecialThanks
missa
2013年12月に現メンバー初作品『MOVE ON』をリリース以降、MIX MARKETとのスプリット・アルバム、初の書き下ろしタイアップ曲のシングル・リリースなど、バンドにとって新しい挑戦を続けてきたSpecialThanksが、フル・アルバムとしては4年振りとなる2ndをリリースする。紅一点ギター・ヴォーカル、Misakiの歌はこの1年半で格段にパワフルになり、メロディック・パンクを骨にしつつもそこに縛られないバンド・サウンドも華やかで太い。1曲1曲にしっかりと向き合い、心からバンドを楽しみ、自身のルーツにあるロックンロールへの敬意と自身の楽曲への愛情がダイレクトに伝わってくる、ピュアでフレッシュな作品だ。PERSONZのカバー曲、弾き語り曲など、全15曲でカラフルに魅せる。
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SpecialThanks
LOVE GOOD TIME
MIX MARKETとのスプリット・アルバムを先月リリースしたばかりのSpecialThanksが、TVアニメ"オオカミ少女と黒王子"のオープニング・テーマ曲「LOVE GOOD TIME」をシングル・リリース。初のタイアップ、初の書き下ろし、初のシングル、初の日本語詞、初のカラオケ入り、初のTVサイズ作成......とバンドにとって初めて尽くしの楽曲は、スペサンらしい瑞々しいメロディックが健やかに鳴り響く。歌詞には主人公、エリカの気持ちを彩り、Misakiのヴォーカルも幸せな恋を掴もうと心に秘めた真っ直ぐな気持ちを力強く届ける。曲間のクラップのセクションなども、恋を後押しするようなポジティヴな空気感。キャッチーで華やかなメロディも、作品と相性抜群。バンドの充実感が凝縮された1曲だ。
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SpecialThanks × MIX MARKET
ROCK'N'ROLL
まるでひとつのバンドの音源を聴いているようだ。それだけ両者が互いをリスペクトし、心を通わせているということだろう。KOGA RECORDSのガールズ・バンドの先駆けであるMIX MARKETと、彼女たちの音楽を聴いて育ったSpecialThanksによる"ふたつのロックが混ざり合う"今作には、共作曲1曲、各バンドの新曲3曲、それぞれのカヴァー曲が1曲ずつ収録されている。SpecialThanksは太い信念がこめられたメロディック・パンクに、少女から女性に成長しているMisakiの歌声が重なり、より曲の持つ情感を豊かに表現。デビュー17年を迎えるMIX MARKETは過去から現在までのロックを幅広く取り入れ、遊び心溢れるフレキシブルなサウンドに。両者とも瑞々しい音色で、純粋な"音を楽しむ"という心の結晶だ。
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SpecialThanks
MOVE ON
2013年春にHeisuke(Gt)が加入し、再び4ピース・バンドとしてスタートを切ったSpecialThanks。現在、2014年夏に向けて2ndフル・アルバムを制作中の彼女たちから放たれる、現メンバーでの初のレコーディング作品がこの5曲入りEPだ。正統派メロディック・パンク、4人のアンサンブルならではのポップ・ロック的アプローチ、優しいメロディが印象的なナンバーや哀愁漂うミディアム・テンポの楽曲など、4ピースだからこそ作ることができたサウンドの幅を、ひとつひとつしっかりと見せてくれる。3ピースで活動していた時期に"より歌を大事にすることを考えた"というMisaki(Vo/Gt)の歌声は楽曲それぞれにしっかりと向かい合い、音と共に踊るように輝く。4人の自信に満ちた作品と言えるだろう。
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UNCHAIN
with time
"~を開放する"という意味のバンド名通りの道のりを歩いてきた彼らが、結成20年目に放つに相応しい思わず身体が動くグルーヴィな楽曲が揃った1枚。Mark Ronson然り、往年のCHICをアップデートしたような「get down」、ロック・バンドのケレン味たっぷりに谷川がセクシーなヴォーカルを聴かせる「Mr.WiFi」、本物感あふれるメロウネスを鳴らす「baby baby」、アルバムの中ではかなり普遍的なJ-POPフレイヴァーを感じさせる「2 late 2 luv」など、ようやく時代とUNCHAINのモードが合致してきたことを印象づける。ロック・バンドがやるファンキーな楽曲が好きなリスナーにも、世界的なトレンドとしてのファンク好きのリスナーにもこの新鮮なメイド・イン・ジャパンの作品を体験してほしい。
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UNCHAIN
Orange
めくれたオレンジの向こう側に地球が見えるジャケットが目を引くUNCHAINの6thオリジナル・アルバム。多彩なゲスト・アーティストを多く招いた『Eat The Moon』、洋邦問わず様々なジャンルのカヴァーに挑戦したアルバム『Love & Groove Delivery』の流れを経て彼らが行き着いたのは、日、米、英、蘭、北欧のサウンドの融合。寄り添うようなぬくもり溢れる音色は心地よいが、音のひとつひとつを取ってみると細かいギミックが効いているので、耳をすまして聴いても楽しい。ここに辿り着くまでには様々な挑戦や追求があり、中には苦しみを伴うこともあったようだが、そんな裏側を感じさせない無邪気な作品に仕上がっているのはさすがUNCHAINの手腕だ。生活を彩るグッド・ミュージックに酔いしれよう。
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UNCHAIN
Eat The Moon
UNCHAIN 5枚目のオリジナル・フル・アルバムは、メンバーが“深夜の移動遊園地”“夜に現れるサーカス団”と例える通り、腰が砕けそうなほどファンタジックでロマンティックな作品だ。過去最多という13人のゲストを招いて作られたのもあり、様々な音が楽しさを抑えきれない! と言わんばかりに隅から隅まで目まぐるしく弾む。谷川正憲のヴォーカルは曲ごとに異なる表情を見せ、様々なアトラクションに変幻して我々を楽しませてくれる。そして、止まらないドキドキだけではなく微睡みのように甘く蕩けそうな心地良さも。夜は人間が眠りに就くオフ・タイム。夢との狭間とも言える現実の中の非現実、その隙間を丁寧に掬い上げた作品だ。ぬくもりを感じる鮮やかなコーラス・ワークにも注目。
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UNCHAIN
SUNDOGS
まずは、「太陽とイーリス」をぜひ聴いてもらいたい。UNCHAINが追い続けてきた“ソウル”の息吹が、感動的なメロディを伝わって胸を貫く――。そんな“ソウル愛”を強力な芯にして、彼らはまたも新境地を開拓した。「スタイル・ミサイル」のスピード感は、パンクやハードコアを彼ら独自の咀嚼の仕方で解釈したかのよう。「My Bicycle」は、“乳白色のボディーがキュート”なマイ自転車への恋歌(笑)。こんな遊び心も見せるバンドだったのかと驚かされ、かと思えば「アザラシ」はアコースティック・ナンバー、さらに続くは「Another Vision」の超ヘヴィなギター・リフなどなど……。楽曲的な幅広さは彼らの作品史上No.1、かつ、どの曲にもソウル・フレイヴァーは確実に託された超意欲作!
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WHITE ASH
Quest
最初、YouTube"アニメ モンスターストライク"のタイアップ楽曲からなるミニ・アルバムって? それをバンドのオリジナル・ミニ・アルバムとしてリリースするってどういうこと? と疑問符だらけだったのだが、曲を聴けば大いに腑に落ちる。モンストというお題が功を奏したファストな8ビートやメジャー・キーに抜けていくサビが新鮮な「Strike」、跳ねる16ビートがWHITE ASH節とも言える「Drop」、R&Rバンドのファンクネスを感じる「Mad T.Party(1865-2016)」、そして"モンストグランプリ2016 チャンピオンシップ"大会イメージ・ソングとして多くの新しいリスナーを獲得しそうな「Monster」。何かに向かってチャレンジする気持ちを最高にホットなクールネスで煽る、彼ららしい着地点を見る。
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WHITE ASH
SPADE 3
トランプの"大富豪"でジョーカー単枚切りに勝てる"スペードの3"に由来しているタイトル。その対象はあらゆるライバルや人生で出会う困難を指しているんじゃないだろうか。00年代海外インディー・ロックの影響下から、さらにあらゆる時代のロックを吸収/消化してオリジナルに表現するWHITE ASHのサウンドに対するセンスと、それを実現できる4人のスキルは狭義のバンド・シーンを本作で完全に飛び越えた。アップデートしたマンチェ・ビート的なイントロから2分に満たないクールさで駆け抜ける表題曲、重く乾いたビートのTrack.4、5、メランコリックでスローなTrack.6、遅いBPMなのにジワジワ攻めてくるTrack.8、トドメはエヴァーグリーンなラスト。今回、特に剛(Dr)の進化に圧倒される。
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WHITE ASH
THE DARK BLACK GROOVE
ハードでソリッドなナンバーから、ピアノが印象的な素直なラヴ・ソングまで、普遍的なロックの骨組みを持ちつつ、サウンドはWHITE ASHの2015年バージョン。UKやUSのR&Rリヴァイバル時のシンプルさも、現行のインディーR&Bが持つ削ぎ落とした洗練が持つシンプルさも想起させるあたりに、のび太のアレンジ・センスにバンドの音楽的筋力の進化も合わさって邦楽ロック・シーンではより突出した存在感を強めそうな1枚に。王道感と新鮮さの同居という意味ではヴォーカルの重ね方と80年代的なエレクトリックなビートの「King With The Bass」や、儚さや切なさを表現しつつ大仰さを微塵も感じさせないバラード「Gifted」が特に出色。王道とは、実は不変とアップデートの両輪があってこそ走ることができるのだ。
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WHITE ASH
Hopes Bright
タイトル・チューンの「Hopes Bright」は、重い扉を自らの力でこじ開けざるを得ないようなヘヴィなコード感から始まり、孤独の中で自分自身の意志を確認するようなAメロの深さ、そこからダイナミックに上昇するサビ。ドラマティックなマイナー・チューンでポジティヴィティを湧き起こさせる、WHITE ASHならではのアプローチ。全編日本語詞であることも後で気づくぐらいの自然さだ。カップリングの「Killing Time」はイントロの不穏なピアノ、淡々と進む重心低めなリズムが印象的。もう1曲の「Faster」はのび太のヴォーカルとドラムのみのオープニングが、走り出しそうな勢い。相変わらず自由自在に伸びやかな声からシャウトまで、エモーショナルなヴォーカルの強さが痛快。
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WHITE ASH
Ciao, Fake Kings
Track.1「Casablanca」の哀感とドラマ性たっぷりなイントロから変化を楽しむ姿勢が伺える2ndフル・アルバム。不穏なベースが牽引する「Zodiac Syndrome」、ラテン的なビート感や艶っぽさを増したのび太のヴォーカルが印象的な「Bacardi Avenue」、ダーク・サイケデリアがド--プな「Under The Lightless」など、いずれもグッとBPMを落とすことで冴えるリフやグルーヴで思わず曲の世界観に引きずりこまれてしまう。同時に従来の十八番的な構成の「Number Ninety Nine」や、全編日本語詞のクリスマス・ラヴ・ソング「Xmas Present For My Sweetheart」では蔦谷好位置のアレンジを有機的に導入。コーラス・ワークの素晴らしさも快感ポイントだ。
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WHITE ASH
Would You Be My Valentine?
昨年夏にリリースされた1stフル・アルバム『Quit or Quier』はオリコン・インディーズ・チャートで見事1位を獲得し、初となるワンマン・ツアーも成功させたWHITE ASHからヴァレンタイン・デイにニュー・シングルが届いた。タイトル・トラックである「Would You Be My Valentine?」はいつものソリッドな彼らではなくドキドキするよな軽快で小気味良いロックンロール。メロディの良さはもちろんだが、ヴォーカルのび太の表現力豊かな歌声がとても気持ちいい楽曲だ。そしてカップリングの「I Wanna Be Your Valentine」は力強いハードなナンバー。DISC2には昨年行われたツアー・ファイナルの全14曲が収録。今のWHITE ASHの魅力がぎゅっと詰め込まれたシングルだろう。
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WHITE ASH
Quit or Quiet
自らのヴィジュアルを揶揄するように意図的に“のび太”という強烈な記号を名乗るフロントマンを擁しながらも、所謂WEEZER的な泣き虫メンタリティとは無縁の場所でふてぶてしい表情を浮かべ、虎視眈々と変革を狙うWHITE ASHは、言わば日本のロック・シーンのジョーカーだ。ARCTIC MONKEYS譲りのグルーヴィなリフが印象的なダンス・ロック・サウンドに、日本人的な艶のあるメロディ、そして抽象的でありながらも、常に行間からは無垢なロマンと成功への野心が零れ落ちる歌詞。シリアスであることが美徳とされるシーンの潮流に迎合することなく、どこかユーモラスでヒラヒラとした佇まいを一貫しながら、しかしその実、誰よりも貪欲に自分たちだけの物語を描こうとしていることが、その音楽からもヒシヒシと伝わってくる。現時点の集大成と言うべき、未完の大器による堂々のファースト。
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WHITE ASH
Kiddie
1 stシングル『Paranoia』に続き、ワン・コイン・シングルとしてリリースされた『Kiddie』。再生後1秒で緊張感に満ちたサウンドが展開される。「Stranger」で体を貫いた衝撃が蘇った。いや、「Stranger」で見せた圧倒的な歪みを越えていた。これまでは、独特な言葉の連なりで、ある種ファンタジックな世界を確立してきたWHITE ASH。どこか言葉を知らない子どものようで、狙い定めた言葉よりもストレートに核心を突いてきた。だが「Kiddie」は独自の世界を推し進め、確かな言葉を織り交ぜながら、終わりの先にある次のステップを描き出している。ハイトーン・ヴォイスで中性的なのび太のヴォーカルは、幾多のフェス、ライヴのステージを経て、不思議な色気を獲得。ギターのキリキリとした圧迫感のなか、心地良く響く。"WHITE ASH"が、"WHITE ASH"という枠から羽ばたいたのだ。
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WHITE ASH
Paranoia
"日本のロック・シーンいただきにきました。"byのび太。――のび太の野郎、でかいこと言いやがる。しかしながら、このビック・マウスのひ弱な青年は、風車に戦いを挑む、現実と空想の識別不能な愚か者のドン・キホーテでもなければ、勿論ドラえもんと仲良しの少年でもない。暗闇から突如飛び出す鋭き刃のように、瞬間を切り裂いていくギター・ロックの新鋭WHITE ASH。彼らが初のシングルとして勝負を挑むのは、バンドの持ち味を凝縮した1曲。リズム隊が轟かせる不穏な空気、その鋭利な切れ味でもって最高のスリルを演出するギターと、冷温硬質でこちらも切れ味抜群のヴォーカルが切り込んでくる。彼らは「Paranoia」という剣でもって、勝算あり気でロック・シーンに切りかからんとしているのだ。
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Welcome Toxicity
WELCOME TOXICITY
ポップ・アイコンmoemoe、サウンド・クラフトマン河上"puppy"誠、パーティー・ガイ辻川"wildmozet"郷という強烈な個性を放つ3人による滋賀県発のエレクトロ・ダンス・ポップ・バンドWelcome Toxicity。"RO69JACK 12/13"に入賞し注目を集める彼らの1stミニ・アルバムは、これでもかというほどにハイ・テンション。アッパー・チューンのリード・トラック「It's a Summer Land」を聴けば彼らがライヴのことを"PARTY"と呼んでいるのも納得がいく。アルバムに詰め込まれた、エレクトロ、ダンス・ポップ、レゲエなどの多彩なジャンルの楽曲たちを、オープニング・トラックのドキドキするような高揚感と、寂しさを感じさせるエンディング・トラックの収束感が、バランス良くまとめている。ヴォーカルに僅かな不安定さはあるが、まだまだ成長できそうな伸びしろを感じる。
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androp
effector
『cocoon』以来約3年9ヶ月ぶりのフル・アルバム。タイトル"effector"は、それぞれの曲がなんらかの効果をもたらし、聴く人の生活を変える役割として使われてほしいという想いから付けられた。「Moonlight」や「SuperCar」といった煌びやかでポジティヴな色の曲、ネガティヴな感情も露わにする「Know How」、チルで心地よい「Lonely」など全14曲。揺れ動く時代を生きるなかで誰かに言ってほしかった言葉、大切なことに気づかされる鋭い言葉もあり、希望に溢れた思いにも、誰にも言えずに抱えていた暗い気持ちにも寄り添い、心に響いてくる作品だ。革新的なサウンドで聴き手に衝撃を与え続けてきた近年のandropを総括する内容でもあり、2021年必聴の名盤と言っていいはず。
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androp
Koi
前作『daily』から約2ヶ月ぶりのリリースとなる今作は、高橋一生と川口春奈のダブル主演映画"九月の恋と出会うまで"の主題歌を表題に据えたシングル。映画の登場人物たちのまっすぐな想いに背中を押されて完成させたという表題曲「Koi」は、一途な恋心をストレートに描き、大切な人への強い想いを歌い上げたドラマチックなラヴ・ソングだ。彼らがこれほど王道なラヴ・ソングを作るのは意外だったが、もし作るとしたらこんなふうに、どこまでも純粋で嘘偽りのない恋を映し出すのだろうと思っていた。カップリングの「For you」は、日本郵便"ゆうパック"のタイアップ・ソング。ダンサブルでエレクトロな横ノリの打ち込みサウンドは、常に挑戦を続ける彼らの最新型とも言えそうだ。
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androp
daily
デビュー10周年イヤーに突入したandropの新作。前シングル「Hikari」も含めた今作には、節目を迎えるに相応しい6曲が揃った。R&Bの雰囲気を感じられる「Blue Nude」とリラックスしたテンポのダンス・ナンバー「Saturday Night Apollo」は、これまでにない新機軸。ストレートな言葉を紡ぎ、切ない愛を揺れるブランコに重ねたバラード「Blanco」では、ノスタルジックなメロディに胸がきゅっと締めつけられる。アルバム最後に収録されたリード曲「Home」は、大切な人に向けて伝えたいことが詰まった温かい曲。タイトルのとおり、きっと聴く人の心の拠りどころになるだろう。全体的にBPMを抑え、よりメロディを強めた、心に染みる楽曲が並んだ傑作。
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androp
Hikari
表題曲は、フジテレビ系のメディカル・ヒューマン・ドラマ"グッド・ドクター"の主題歌。サウンドはピアノやストリングスが主体となって繊細さや彩りを表現し、ギター、ベース、ドラムは一歩下がったアレンジながらも、メリハリとダイナミクスをつけて楽曲に表情を与えている。透明度の高い内澤崇仁(Vo/Gt)の歌声は、ひとつひとつの歌詞を時に優しく時に力強く、そして大切に紡いでいく。暗いトンネルを進んだ先に見えるような希望を思わせる優しい"光"を描くこの曲は、感動的な人間ドラマを描き上げる"グッド・ドクター"との親和性もばっちりだ。c/wには、よりシンプルなアレンジで内澤の心地よい歌声をじっくりと味わえる表題曲の"piano TV ver."と、2018年6月に行われたライヴの音源を早くも収録。
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androp
Joker
2018年のリリース第1弾に相応しく、新たなサウンドを大胆にアピールするニュー・シングル。映画"伊藤くん A to E"の主題歌でもある表題曲は、演奏そのものは疾走感に満ちたものながら、シンセ・サウンドとダンス・ビートを加えたところにバンドの新たな方向性が感じられる。アンセミックに作り上げながらも、耳に刺激的な音色が、歌に込められた必死の想いをさらに強いものにしている。一方、c/wの「Ao」はホーンやグロッケンシュピールが賑やかに鳴るオーケストラルなポップ・ナンバー。初めの一歩を踏み出す勇気を華やかなサウンドが祝福。ここしばらく生音のバンド・サウンドを追求していたandropは、新たな挑戦に取り組み始めたようだ。この2曲がリスナーに期待させるものはかなり大きい。
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androp
SOS! feat. Creepy Nuts
話題のヒップホップ・ユニット、Creepy Nutsとandropがともに作り上げた(アンチ)サマー・アンセム。2016年10月にリリースした『blue』で人間のダーク・サイドに対峙したあのandropがと考えると、その振り幅に驚かされるが、レゲエに挑んだ「Sunrise Sunset」も含め、音楽的な収穫はかなり大きい。アンセミックなサビは彼ららしいと言えるものだが、R-指定によるラップ・パートはDJ松永にトラックメイキングを任せたことで、andropはこれまでにないファンキーな演奏にチャレンジ。映画"2001年宇宙の旅"で有名な「ツァラトゥストラはかく語りき」のフレーズをサンプリングするという初めての試みとともに、今回の収穫が今後の曲作りにどう反映されるかが楽しみだ。
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androp
Prism
前回のリリースから7ヶ月ぶりとなるニュー・シングル。その前作『blue』で人間のダーク・サイドと対峙することに振り切ったandropが、表題曲では再び煌めきに満ちた未来を歌い上げている。何かが大きく変わったわけではないが、それでもどこか新しいと感じられるのは、演奏から芯の強さが感じられるからだろうか。内澤崇仁(Vo/Gt)によるゆったりとした歌も聴きどころだ。その他、前へ前へと突き進む演奏が焦燥感を駆り立てる「Ryusei」(ギターがUKネオサイケっぽい!)、映画"君と100回目の恋"の挿入歌「BGM」(シングル・バージョン)も収録。弾き語りで始まるフォーキーなバラードと思わせ、バンド・サウンドが加わる「BGM」は、マーチ風の演奏が面白い。3曲共にギターがキラキラと鳴る。
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androp
blue
第1章の完結編だった『androp』から1年2ヶ月。第2章のスタートを印象づけるため、意識的に変化を求めながら作ったという6曲を収録したアルバム。ポスト・ロック、ダブステップ、シューゲイザーといった海外の先鋭的なサウンドを、日本語のギター・ロックに取り入れるという意味では彼ららしいと言えるものの、これまであえて描いてこなかった闇や人間の黒い部分を抉り出したような歌詞に挑んだうえで、これまで以上にライヴを意識したサウンドを求めたせいか、ナイーヴなバンドというイメージも含め、バンドの印象はここからかなり変わっていきそうだ。しかし、それもandrop。変化したというよりは、これまで時折、見せながら隠し持っていた牙をさらに研ぎ澄ましてきたといった方が正しいかもしれない。
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androp
androp
キラキラしたサウンドと爽やかなメロディの組み合わせが炭酸飲料のCMソングに相応しいTrack.1「Yeah! Yeah! Yeah!」でこれまで通りandropらしさを印象づけてからは意外性と驚きの連続の4thフル・アルバム。これまで避けてきたというリフを軸にしたアレンジやフュージョンの影響も取り入れながら、彼らがここでアピールしているのは、格段に幅が広がったandropらしさだ。音の作り方や音の録り方にこだわりながら、そこから浮かび上がる、ぐーんと骨太になったバンド・サウンドも聴きどころ。精力的にライヴを重ねてきた成果だろう。結果、打ち込みのサウンドの比重は減り、ラストの「You Make Me」もシンセをバキバキ鳴らしながらSKRILLEXも真っ青のダブステップ・サウンドに人力で挑む!
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androp
Ghost
フジテレビ系のドラマ"ゴーストライター"の主題歌「Ghost」に「Answer」と表題曲の"strings version"をカップリングした7ヶ月ぶりのニュー・シングル。「Ghost」はアンセミックだった前作「Shout」から一転、ピアノのループとストリングスも使って、メランコリックに仕上げながらドラムの音色を強調した音作りがダブステップを思わせるなど、ありがちなバラードで終わらせないところがサウンド・メイキングにも意欲的に取り組んできたandropならでは。一方、「Answer」はandropが同時に生粋のライヴ・バンドでもあることをアピールするラウドロック・ナンバー。メンバー4人が取っ組み合うような激しい演奏は文句なしにかっこいい。両極端な2曲がバンドの魅力をダイナミックに描き出す聴き応え満点のシングルだ。
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androp
Shout
1万人の大観衆を熱狂させた国立代々木競技場公演から約5ヶ月。andropが完成させた5thシングル。自分たちの音楽を、もっともっと多くの人たちに叫んででも届けたいという想いを、ギミックを使わずに生身のバンド・サウンドで表現した「Shout」「Run」「Alternative Summer」の計3曲を収録。TVドラマ"家族狩り"の主題歌でもある表題曲はアコースティック・ギターの弾き語りバラードと思わせ、バンド・サウンドに転じるアレンジが、よけいな音を削ぎ落としたうえで4人だけの音をストイックに追求したバンドの姿をダイナミックに描き出す。サンバ調のリズムが新しい「Run」、変拍子で観客をノセることに挑んだ「Alternative Summer」はともに新たなライヴ・アンセムの誕生を予感させる。
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androp
period
"これがandrop"とメンバーが胸を張る3rdフル・アルバム。ライヴ・アンセムの「Voice」、壮絶な想いを歌ったバラードの「Missing」といったシングルも収録。それらがエレクトロも使う現代のギター・ロック・バンドという従来のandrop像を印象づける一方で、ヘヴィ・ロック、シンセ・パンク、ジャンク・ロック、ジャズといった意外性の連続とも言える曲の数々がバンドの劇的な進化をアピールしている。そういう、ある意味過激な試みが決して内向きにならず、前作よりも前向きかつオープンマインドに感じられるのは、ライヴでファンのみんなと分かち合うことを意識した結果。ハイトーン・ヴォイスで歌うandrop節とも言える美しいメロディはもちろん健在。前作からわずか1年3ヶ月。彼らはものすごいスピードで進化を遂げている。
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androp
Missing
シングルにバラードを選ぶなんてちょっと意表を突かれた。しかし、考えてみれば、バラードも確かにandropの持ち味の1つ。美しいメロディと胸を締めつけるような歌の世界観を生かすことを考えた正攻法のアレンジながら、弾き語りがダイナミックなバンド・サウンドに変化する展開はまさにドラマチック。サビで聴かせる今にも壊れそうな心を表現したような内澤崇仁(Vo/Gt)のファルセットも聴きどころだ。因みに北川景子と深田恭子がW主演するホラー映画『ルームメイト』の主題歌でもある(ちょっと意外?!)。カップリングの「Melody」はエレクトロニックな音色も使ったトリッキーなアレンジを閃かせるandrop流ダンス・ナンバー。新たなライヴ・アンセムになりそうな予感。ぜひライヴで聴いてみたい。
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androp
Voice
androp史上最もアンセム度の高い名曲が誕生した。androp節を思わせながら、シンガロング必至の"オー、オー"というコーラスの効果なのか、どこまでもオープンな印象がある。高揚した気持ちが曲とともに大空へ舞い上がって行くような感覚が心地いい。ぜひ、これはライヴで聴いてみたい。だからって、単純にライヴのサウンドをスタジオで再現したわけではない。彼らがこれまで追求してきたダンサブルなサウンドとオーガニックなバンド・サウンドを巧みに掛け合わせ、アンセミックに昇華させた斬新なサウンド・プロダクションにも耳を傾けたい。カップリングの「UtaUtai no Karasu」はモダンなR&Bの影響も窺えるアコースティック・バラード。「Echo Boy」はアコギの弾き語りナンバー。「Voice」をはじめ、それぞれに違った魅力が楽しめる3曲が収録されている。
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androp
one and zero
今年リリースした2枚のシングルの収録曲も含む全15曲を収録した2ndフル・アルバム。自分の音楽生命を賭けてもいいとメンバーが語る作品に対して、こんなふうに言うのはちょっと気が引けるのだが、2枚のシングルで印象づけた野心的なサウンド・アプローチをさらに推し進めたことを思わせる曲の数々を聴くことは、音楽ファンにとって至福以外の何物でもない。andropらしいナイーヴなギター・ロックとバラードに加わったニュー・ウェイヴやエレクトロニカの手法を使った曲は、コアな音楽ファンにもアピールするに違いない。その一方ではTHE BEATLESにまで遡ることができるパワー・ポップやアコースティック・ギターの弾き語りも披露。そういう多彩な曲をひとつのイメージにまとめる美しいメロディと歌声こそがandropの真骨頂。初回限定盤に付くLIVE DVDには今年3月31日に行われたワンマン・ライヴの映像が7曲収録されている。
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androp
Boohoo / AM0:40 / Waltz
前回の両A面シングルに続いて、シングルというフォーマットを、巧みに自分たちの表現の手段、あるいは一貫した流れに取り入れたことを窺わせるtriple A-side single。光の三原色というテーマの下、ダンス・ミュージックにアプローチしつつ、バンドが新たにアグレッシヴなサウンドを手に入れたことをアピールする「Boohoo」、疾走感が痛快な「AM0:40」、ノスタルジックなアコースティック・ナンバーの「Waltz」というそれぞれに印象的な3曲を収録。バンドの最新モードを表現した3曲とのことだが、劇的に進化を遂げているandropの一瞬を切り取った3曲と受け止めるべきなのだろう。ナイーヴな歌を支える思いの外、強靭なバンド・サウンドも大きな聴きどころだ。
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androp
World.Words.Lights. / You
昨年9月にリリースした1st full album『relight』が現在も売れつづけている4人組、andropによる2012年のリリース第1弾は、バンド初のシングルだ。浮遊感あふれるピアノをフィーチュアしたダンス・ナンバーの「World.Words.Lights.」とドラムが暴れまわるアグレッシヴなギター・ロック・ナンバーの「You」。印象があまりにも対照的な両A面扱いの2曲は、そもそもは1曲になるはずだったというところがおもしろい。そのせいか、くり返し聴いていると、全然違う2曲が1つに溶け合うような錯覚にとらわれる。同時リリースの1st DVD『LIVE DVD "angstrom 0.3 pm" @SHIBUYA-AX』は、昨年5月28日のSHIBUYA-AX公演を収録。映像と照明を駆使した彼らのライヴの魅力を堪能できる。演奏の熱気をストレートに伝える映像も見ごたえあり。
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fifi
メランコリック・キラーステップ / 思い出を絵に描いて
新ヴィジュアルとして公開されたユニークなアーティスト写真を見て、"あれ、fifiってこういう感じだったっけ?"と思っていたのだが、このシングルを聴いて驚いた。てっきりコミカルな方向性に進むのかと思いきや、率直に言って"かっこいい"のだ。ベースの思い切った音飾にヴォコーダーを使って、ダンサブルに仕上げたTrack.1「メランコリック・キラーステップ」は、彼らの新境地といえる名曲。そして、もうひとつのタイトル・トラック「思い出を絵に描いて」では、アップ・テンポな2ビートにのせて"ワンモアタイム"と叫ぶように歌う。TOWER RECORDS限定でのリリースなんて、ちょっともったいないのでは?と感じてしまうほど、どちらも今後のライヴ・アンセムになりそうな名曲。
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fifi
first finder
これまで5作品をリリースしている2009年結成の4ピース・ロック・バンド、fifiが自身のバンド名の語源となる"first finder"を掲げた1stフル・アルバムを完成させた。ポスト・ロック、ハードコアなどの要素を昇華したエモ・サウンドはテクニカルかつ衝動的。その中心で輝くのが透明感のある2人のヴォーカルと心を高揚させるメロディだ。彼らのツイン・ヴォーカルにはどれだけ各々の楽器の主張が強くとも、それを集約させてしまうほどの強さと美しさを持つ。その逆ベクトルとも言える、坪井敦史(Ba)のシャウトで貫かれる「傍観者は綴る」は、バンドの狂気をよりリアルに突きつける楽曲。バンドのポテンシャルと気概を感じさせる粗削りな音像と言葉――今後の飛躍と動向が楽しみなバンドである。
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fifi
約束
2009年東京で結成したツイン・ヴォーカルとテクニカルでエモーショナルなギター・サウンドを武器に着実にスケール感を増しつつある4人組バンドfifiの1stシングル。表題曲「約束」はイントロのミュートされて刻まれるギターが一気にはじけた瞬間から心をが侵食されるかの如く、凄まじい瞬発力をもって広がっていく。彼らのメロディは一聴するとキャッチーなのだが一癖も二癖もあり非常に中毒性があるのもまた魅力だろう。Track.2の「Dreaming Hero」は壮大なサウンドスケープを尖ったギター・アプローチと柔らかなヴォーカルがエモーショナルに響く楽曲、ライヴでもきっとアクセントになるだろう。3月には初のワンマンを開催。今年大きな飛躍が期待されるバンドのその期待を裏切らない作品だ。
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fifi
wonder speaker, drawing your voice.ep
09年、東京にて結成された4ピース・バンドfifi(フィフィ)の2ndミニ・アルバム。日本人独特の楽曲展開と楽曲構成、そしてメロディや、随所にパンチの効いた気持ちの良いリフが入ってくるあたりからも、ドラマチックでメロディアスなギター・ロックといった印象を受けた。それとともに、楽曲によってはスクリーム・パートもあったりと、時折かなりヘヴィなアプローチがあるために“エモさ”も際立つ。第一印象では、無色透明の優しく丸みのある声が爽やかに駆け抜けるのだが、気持ちが高まって胸が切なくなってくる頃に、それだけでは言いようのない想いを嘔吐するようなスクリーム入れてくるツイン・ヴォーカルが絶妙で、さらに情熱的な雰囲気やや切なさを煽る。言うなれば、冷静と情熱、優しさとエモが同居しているといったところ。
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たむらぱん
love and pain
『wordwide』以来1年2ヶ月振りとなる、通算6枚目のフル・アルバム。以前以上に"人"について考えて言葉を作った結果、その言葉が呼んだのは、たむらぱん史上いままででいちばんシンプルとも言えるアコースティック色の強い音色とストレートなメロディだった。これまでのたむらぱんのイメージでもある非常にオープンでエンタテインメント性の強い音楽世界とは真逆に位置するような、パーソナルな空間が広がる。それに最初は驚いたが、言葉を主体とした歌を立たせるという根幹は変わらないことに気付き、このスタイルに行き着いたことは必然だとすぐ納得できた。ラストの「やってくる」は"アコースティック"の既成概念をひっくり返す展開で、さすがのセンスと手腕に舌を巻く。彼女の音楽性が持つ深みは果てない。
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たむらぱん
wordwide
前作『mitaina』から僅か9ヶ月という驚異のスピードで届けられた5thアルバムは、音と言葉がこれでもかと聴く者の耳と心に飛び込んでくる、非常に華やかな作品だ。ジャンルに囚われない奇想天外で変幻自在な楽曲展開は、彼女の紡ぐ言葉をより響かせる。豪華なアレンジは別世界のように煌びやか。だがその真ん中にある彼女の真っ直ぐな歌と歌詞はリアリティに溢れる。この広い世界は、人と人のコミュニケーションの集合体。たむらぱんはそのひとつひとつをより深く追求し、様々な美しい音色で彩った。それはこの世界への希望、理想郷のようでもある。Shing02とのコラボ曲「でもない」はShing02がラップだけではなくディレクションにも参加。より濃度を増すたむらぱんワールドが堪能できる全12曲だ。
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たむらぱん
mitaina
タイアップ・クイーンである彼女の音楽からは数多くのキャッチ・フレーズが浮かぶ。瞬時に聴き手を虜にしてしまうポップ・マジシャンみたいな、無尽蔵の音楽ストレージみたいな、広大なポップ・マップで自由奔放にはしゃぐ探究者みたいな……マルチ・アーティスト、たむらぱんから4thアルバム『mitaina』が届けられた。本作を経て新たに浮かぶフレーズは、意欲的で果敢な挑戦者/コラボレーター……ミタイナ。イギリスのパンク・バンドSNUFF(!)、椎名林檎ワークスで著名な斎藤ネコ、元ボ・ガンボスのDr.kyOn、そしてこちらもマルチに活動するHALFBYなど、ジャンルを越えてあらゆるアーティストとのコラボレーションでほっこり暖かい独自の世界観をさらに昇華する。愛くるしい童顔に秘めた圧倒的な知性にはいつも驚かされます。
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ねごと
NEGOTO BEST
2019年7月20日をもって、12年にわたる活動に終止符を打つことを発表したねごとのベスト盤。メンバー選曲の35曲には、デビュー当初、雨の日限定で、ライヴで演奏していた未発表曲「雨」や、新曲「LAST SCENE」も収録された。マジカルで柔らかな風のようなサウンドの「雨」は、ねごとの美しい音楽はどんなときもそばにいると伝えるような、4人からのはなむけの言葉(歌)に聴こえてくる。また「LAST SCENE」はクールなエレクトロ・チューンで、ねごと目線で見るライヴの光景やリスナーとの関係性が窺える、明るくも切ない思いがよぎる曲だ。高校生のときに結成し、常に新たなサウンドや音楽的世界の広がりを追求し、先鋭的なポップ・ミュージックを生んできたねごとの歴史が詰まっている。
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ねごと
SOAK
約13ヶ月でフル・アルバム2枚、EP1枚、シングル2枚をリリースというバイタリティにも感心だが、注目すべきはその枚数ではなくすべての作品で音楽的な濃度を高めていることだ。タイプの異なるプロデューサー2名との制作や、趣向の異なるシングルを制作することで、自分たちの音楽性を見つめる機会が多かったことが影響しているのだろう。バンド・サウンドを主体にエレクトロ、シューゲイザー、ソウル・ミュージック、ダウン・ビートなどを感性の赴くままに取り込んだサウンドは洗練されているだけでなく非常にナチュラル。タイトルでもある"soak(=染み込む)"という言葉どおり、心の奥まで染みわたる繊細さと感傷性を孕んでいる。透明感のあるエモーショナルと静謐な色気はどこまでも美しい。
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ねごと
空も飛べるはず / ALL RIGHT
約2ヶ月ぶりの新作は、映画"トリガール!"の主題歌であるスピッツの「空も飛べるはず」のカバーと、同作の挿入歌として書き下ろされた新曲「ALL RIGHT」を収録。前3作で打ち立てたダンス・ミュージックから一転、彼女たちの原点となるバンド・サウンドを主体としたサウンドで、「空も飛べるはず」はグランジ感のあるギターなど、シックな演奏が蒼山幸子の歌声とメロディを引き立て、原曲へのリスペクトを感じさせるカバーになった。「ALL RIGHT」は爽やかな疾走感を持つ楽曲。初期の「カロン」や「sharp ♯」を彷彿とさせながらも当時以上に力強さやしなやかさが増しており、強気でパワフルな歌詞も軽やか且つ堂々と響く。ねごとは独自のロックのかたちを確立しつつあるのでは。
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ねごと
DANCER IN THE HANABIRA
『アシンメトリ e.p.』、『ETERNALBEAT』で新境地へと歩み出したねごとが、その世界観をより磨いたシングルを完成させた。表題曲は前2作でもタッグを組んだBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之がプロデューサーとして参加。エレクトロにストリングスも用いたサウンド・アプローチは艶やかで、なにより蒼山幸子(Vo/Key)のヴォーカルと歌詞、メロディが存在感を放つ。ウェットな歌声はタイトルどおり花びらのような刹那的な美しさで、その情感により言葉が映えているところも印象的だ。Track.2はバンドの生音をダンス・ミュージック的に表現。スロー・テンポで隙間のあるサウンドスケープには奥行きがあり、歌詞に込められた切実な想いや願いも強く響く。両曲とも余韻に漂う色香が心地よい。
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ねごと
ETERNALBEAT
ねごとというバンドを語るうえで欠かせない"ドリーミー"と"内に秘めた熱さ"という芯を崩さない、むしろこれまでで最もその核心に近づいたアルバムと言えるのではないだろうか。今作では昨年リリースされた『アシンメトリ e.p.』で彼女たちが提示した"自然体でいられる、踊れる空間"をさらにディープに追求。心地いい空間を求めて丁寧に音を紡ぎ、重ねることで、繊細な感情表現ができたと言っていい。メロディも大きなフックがあるというよりはナチュラルで、そのぶん伸びやかなヴォーカルが光る。ドラムレスやシンセ・ベースなど楽曲に合うアプローチは、バンドにとっても大胆で革新的な音作り。音はもちろん歌詞からも1曲1曲から彼女たちの音楽にかける情熱を感じることができる。
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ねごと
アシンメトリ e.p.
約1年5ヶ月ぶりの新作は4曲入りEP。Track.1はBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之が、Track.2はROVOの益子 樹がサウンド・プロデュースを担当。Track.3と4は中野と益子との制作を経たうえでのセルフ・プロデュースで、全曲が"自由に音にノれて踊れる、空間を大事にした音楽"をコンセプトに制作されている。各楽器でもこれまで彼女たちが実行してこなかった手法を積極的に取り入れ、藤咲 佑はシンセ・ベースに初挑戦。生音とプログラミングの差し引きもより大胆になり、蒼山幸子(Vo/Key)も自分の内面を曝け出す歌詞を書くなど、ねごとの未来を切り拓くためのチャレンジが存分に詰め込まれている。彼女たちの凛とした空気が如実に反映された、エモーショナルでクールな作品だ。
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ねごと
DESTINY
今年3月に3rdフル・アルバム『VISION』をリリースしたばかりのねごとが、わずか3ヶ月でシングルを発表。TVアニメ"銀魂゜"のエンディング・テーマであるTrack.1はグルーヴィで踊れるリズムの上に、遊び心溢れるシンセが瞬く、華やかで軽やかな楽曲。サビの歌詞も単語そのものを強く印象付けるアプローチで、そのシンプルな潔さからもバンドが自信を持って音楽を鳴らし、純粋に楽しんでいることがうかがえる。音像で立体的にドラマを描き、キャッチーなメロディをより輝かせることができるのは、現在の彼女たちだからだろう。Track.2では自らの原点のひとつであるNUMBER GIRLをねごと流に解釈したサウンドで魅せる。全員からとめどなく溢れだす音楽欲、ねごとは今が最も面白い。
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ねごと
VISION
まずタイトルからも自信の度合いが窺える。フル・アルバムとしては約2年ぶりとなる、セルフ・プロデュースのこの3rdアルバムで、ねごとは自分たちが鳴らしたい音楽をしっかり掴み、それを吸収して外へ放出することができた。レコーディングも順調だったとのことで、過去最高に華やかなコーラス・ワークを組み込んだり、各楽器のサウンドにもひと工夫加えるなど、純粋な好奇心と音楽愛が隅々に感じられる。アッパーでキャッチーな楽曲から、ピアノを前面に出したソフトなミディアム・テンポ・ナンバー、シューゲイザー的に4人の音圧で引き付ける楽曲など、ねごと流バンド・サウンドの可能性を広げ、堂々と示す意欲作。彼女たちがこの先に描くヴィジョンに期待せずにはいられない。
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ねごと
アンモナイト! / 黄昏のラプソディ
ミニ・アルバム『"Z"OOM』でリスタートを切ったと語る彼女たちが約半年ぶりにリリースする新作は"恋"が前面に出た「アンモナイト!」と「黄昏のラプソディ」の両A面シングル。「アンモナイト!」は『"Z"OOM』の流れを汲んだゆったりとしたポップ・ナンバー。"愛したいきみだけを!"というストレートなメッセージに軽快なクラップが幸福感をさらに高めてゆく。対して「黄昏のラプソディ」はメンバーそれぞれの楽器でのアプローチが効果的な非常にクールなアンサンブルが印象的な楽曲。シンセとピアノの音色を巧みに扱い、ギターもユニゾンで魅せるなど、各楽器に趣向が盛り込まれており、ねごとのテリトリーの拡張を証明する楽曲だ。今年度24歳を迎える彼女たちだからこそ出せる、フレッシュな大人の表情を堪能できる。
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ねごと
"Z"OOM
ねごとの2014年第1弾リリースは現在のモードを詰め込んだ全6曲。作曲はNEGOTO名義のものが大半を占め、歌詞はメンバーそれぞれが書いているという、より"4人でひとつのねごと"という側面が強まったと同時に、4人それぞれのキャラクターも克明になるという、非常に理想的なバランスを帯びた作品になった。特に明確な新しさは、蒼山幸子(Vo/Key)の歌だ。表現力やニュアンスが増え、より情感豊かに弾ける歌声はとてもキュートで、とてもフェミニンに響く。キーボードを取り入れていないTrack.3、ストリングスにシューゲイザー的アプローチが壮大なTrack.6など、バンドとしての許容範囲も広がった。本人たちが"リスタート"と言うように、積み上げたキャリアを存分に生かした、鮮やかな音像に心が洗われる。
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ねごと
シンクロマニカ
4人組ガールズ・バンド、ねごとの約10ヶ月ぶりとなるニュー・シングル。切ないながらも繋がりを求める、ときめきいっぱいの気持ちをキュートに歌ったタイトル・トラック「シンクロマニカ」は、アニメ"ガリレイドンナ"のタイアップが決定している。通常盤に収録されるくるりの名曲「ばらの花」のカバー、沙田瑞紀(Gt)が手掛けた「Lightdentity -Mizuki Masuda Remix-」も、蒼山幸子(Vo)の浮遊感溢れる透き通った歌声と、彼女たちらしい軽やかでリズミカルなキラキラのポップ・サウンドが詰まっている。初回盤には「シンクロマニカ」の他、バンド初挑戦のヴォイス・ドラマ等が収録。今春、全員大学を卒業した彼女たちの新たな試みに、ますますの活躍が期待される。
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V.A.
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011
アジカン企画&主催の夏フェス"NANO-MUGEN FES."も今回で9回目(ツアー形式だった「NANO-MUGEN CIRCUIT2010」を含めると10回目)。WEEZERやMANIC STREET PREACHERSをヘッドライナーに、BOOM BOOM SATELLITES、the HIATUS、若手注目バンドねごと、モーモールルギャバンなど、洋邦共に相変わらずの豪華ラインナップ。出演バンドの楽曲が1曲ずつ収録されているコンピレーション・アルバムは、今作で5作目。そして、今回収録されているアジカンの新曲は2曲。チャットモンチーの橋本絵莉子(Vo&Gt)を迎えた「All right part2」は、後藤と橋本の気だるい歌い方と熱が迸る歌詞のコントラストが鮮やかで、高揚感に溢れたギター・リフとメロディも力強く鳴り響く。ユーモラスなあいうえお作文、男性の言葉で歌う橋本の艶とレア感も思わずニヤついてしまう。東日本大震災時の東京を描いた「ひかり」は、人間の醜い部分や絶望感にも目を逸らさず、物語が淡々と綴られている。言葉をなぞる後藤の歌に込められた優しさと強さは、当時の東京を克明に呼び起こしてゆく。生きることが困難な時もあるだろう。だが"オーライ"と口ずさめば、ほんの少し救われる気がする。音楽の持つ力を信じたい――改めて強くそう思った。
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ねごと
カロン
昨年リリースされたミニ・アルバム『Hello!"Z"』の記憶も新しい、話題沸騰中のガールズ・4ピース・バンド、ねごとのファースト・シングル。何気ない夜に夢のようなキラキラした魔法を掛けてしまう極上のポップ・センスと、素直な感情を詰め込み炸裂させたオルタナティヴな空気感。芯があってキュートな蒼山幸子のヴォーカルはどこまでも澄み、空に勢い良く飛び立つ鳥の翼のような力強さと美しさを宿している。二十歳の彼女達がリアルタイムで刻む煌びやかな青春に圧倒されてしまった。裸足でつんのめりながらも何かを掴もうと全速力で走り抜けるような葛藤を抱えたがむしゃらさも若者らしい。4人が奏でる等身大の可愛らしさと漲るパワーに、可能性を感じずにはいられない。この子達、只者じゃ御座いません!
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ハルカトミユキ
BEST 2012-2019
初のベスト盤は、曲のテイストにより、比較的メジャー・キー、しかし前を向くなり答えを出すまでの葛藤が色濃いDisc-1"Honesty"と、マイナー・キー且つ慟哭が表現された曲が多めのDisc-2"Madness"という振り分けがなされている。新録は3曲。YouTubeで公開され未完だった「どうせ価値無き命なら」での、生きる意味がわからなくても生き方や命は他人に売り渡すなという強い意志や、ライヴで披露されていたものに加筆した「LIFE 2」での、ないものとあるもの――例えば"本当の居場所などない"、"まだ欲しいものがある"と真実を積み重ねていく表現、変わらない/変われない部分が浮き彫りになる「二十歳の僕らは澄みきっていた」のいずれもが、ふたりの肝と言えそうな作品であることが嬉しい。
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ハルカトミユキ
17才
ハルカトミユキがこんなにまっすぐに明るい曲を書くとは。ふたりがデビュー記念日にリリースする初のシングル表題曲は、TVアニメ"色づく世界の明日から"のOPテーマ。ハルカ(Vo/Gt)が丁寧に紡いだ色彩豊かな歌詞は、アニメの世界観とリンクしながらも、"ひとり"に寄り添い、"ひとり"を肯定してきた彼女たちの信念が貫かれている。コーラス・ワークや鐘の音が楽曲をいっそう華やかに色づけているのも印象的だ。そして、今作でひと際強いインパクトを放つのが、「そんな海はどこにもない」。ハルカが敬愛する歌人、穂村 弘に作詞を託したこの歌は無伴奏で届けられる。表現力を増したハルカの歌声と強烈な歌詞世界にどっぷり浸ってほしい。同じ場所には留まらず前進と進化を続けるふたりの意欲作。
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ハルカトミユキ
溜息の断面図
本作の"攻め"のモードを象徴する「わらべうた」から「Sunny, Cloudy」までの冒頭3曲、ミユキの音楽家としてのさらなる成長を印象づける「終わりの始まり」や「WILL(Ending Note)」といった中盤の曲もいいが、本作のキーとなっているのは生ピアノを基調としたバラード「宝物」だろう。本作には"Confessions of a sigh"というサブ・タイトルがついていて、"溜息"とはつまり、心の奥に隠していた想いの告白であることを意味しているわけだが、「宝物」は27歳という表現者にとって鬼門となる年齢を迎えたハルカが想いを告白する1曲。この曲があるからこそ、本作に込められた"怒り"にリアリティが宿り、ラストを締めくくる感動的な希望の歌「種を蒔く人」へと繋がっていくのだと思う。
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ハルカトミユキ
LOVELESS/ARTLESS
ソングライターとしての覚醒を感じさせるスケールの大きな「奇跡を祈ることはもうしない」を筆頭に、シンセ・ベースを活かしたお得意の80年代風ポップ・ナンバーから、UNDERWORLDのようなトランシーなダンス・ナンバーまで、ミユキの音楽的な冒険心が、本作の完成に大きく寄与していることは間違いない。一方、ハルカはオルタナ感のあるミドル・ナンバーやフォーキーな「you」によって、"ハルカトミユキ"というブランドを保持しつつ、シンガーとしての確かな成長を刻んでいる。"太陽になれないそんな僕だけど/君の足元を照らす月になろう"と歌い、本作の"飾らなさ"を象徴するラスト・ナンバー「夜明けの月」からは、ひとつのフェーズが終わりを告げる安堵感と、新たな始まりに向けた解放感が同時に感じられ、胸を締めつけられる。
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ハルカトミユキ
LIFE
今年始めに公開された"年内にミニ1枚とフル1枚"というマニフェストに急遽付け足された今年2枚目のミニ・アルバム。"変わらなければいけない"という強い意志によって生み出されたのが前作ミニ・アルバム『世界』だったのなら、本作『LIFE』は、もはや自分たちの中から溢れ出る新しい何かを抑えることができない――そんな野性的な衝動によって成り立っている。特に、"ただ、このひと言を伝えなければいけない"というハルカの剥き出しの情熱が、無垢なほどダイレクトな言葉とメロディを産み出したTrack.1「肯定する」、そして80'sポップを入口に快楽と狂気の入り混じる音楽探究を続けるミユキが、モダンEDMの煌びやかさと90年代ビッグ・ビートの重量感を融合させた壮大なサイケ&ダンス絵巻であるTrack.7「火の鳥」は、この先を占う2曲だろう。
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ハルカトミユキ
世界
それでも、生きなきゃいけない――この『世界』というミニ・アルバムでハルカトミユキが鳴らすのは、そんな屈強な覚悟である。覚醒感のあるシューゲイズ・ロック「世界」、マッシヴなダンス・チューン「嘘ツキ」、冴えない日常に寄り添う情景描写が素晴らしい「ヨーグルト・ホリック」など、新たな話法を駆使しながら、彼女たちはこの"世界"を、自らを傷つける場所ではなく、大事なものを守るための、大事なものを賭けて戦うための場所として見据えた。純潔さで身を守り、嘘と汚れを嫌悪したか弱い少女の姿はもはやここにはない。生まれてしまった。愛してしまった。この薄汚れた世界で。なら、生きるしかない。その覚悟を鳴らすからこそ、この作品には、朝と夜が、涙と笑顔が、嘘と本音が混じり合う。光と闇が、渦を巻いて溶け合う。
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ハルカトミユキ
そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。
傑作1stアルバム『シアノタイプ』から約半年ぶりに放たれる3rd EP。インディーズ時代のEP作品に引き続き冠せられた短歌タイトルが、あまりにストレートに今のハルカトミユキの気持ちを代弁している。『シアノタイプ』以降の音楽的レンジの広さと抜けのいいポップネスを持った全5曲中前半3曲の新曲群は、今まで大きなモチーフになっていた怒りや哀しみだけではない、様々な感情の入り組んだストーリーを展開しながらも、"歌を伝える"というその命題に対する確信と祈りを強く響かせている。後半2曲には「385」と「青い夜更け」という音源化が待たれていた過去の名曲を収録。未だ消えることのない痛みと他者を求めるピュアな想いが剥き出しで描かれている。変化の真っ只中にいる現在進行形のハルカトミユキを捉えた作品と言える。
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ハルカトミユキ
シアノタイプ
世界に向かって怒りと疑いの眼差しを向けながらも、そんな自分自身の叫び声すらも信じ切ることができず、おのずと自嘲すら孕んだ内面探求へと向かっていく......インディーズ時代のハルカトミユキは、そんな"外側と内側"を極端に往復していくような存在だった。だが、このメジャー・デビュー作には、その1歩奥にある彼女たちの本質、本音が深く刻まれている。怒りの言葉はより幅広くポップに展開される楽曲との相乗効果で攻撃性を増したが、同時に「シアノタイプ」、「長い待ち合わせ」、「ナイフ」といった楽曲には、傷だらけになりながらも他者に手を差し出すことを諦め切れない無垢なまでのコミュニケーション欲求が描かれている。ここには愛することを、求めることを止めない裸のままの想いがある。そこに何より感動する。
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ハルカトミユキ
真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。
ニッチな音楽ファンが思わずニヤリとしてしまうであろう世界観を持つハルカトミユキが吐きだす2ndミニ・アルバム。立教大学の音楽サークルで出会った詩人のハルカと奇人(HPのまま)のミユキによるフォーク・デュオ。1stミニ・アルバム『虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな』を発表してから各方面で話題の存在だ。あるときは抒情的、あるときは疾走感のあるさまざまなサウンドに乗せて、まるでこちらの心を見透かしたかのような言葉の数々を繊細で危うい歌声で生々しく投げかけてくる。"何を考えているか分からない世代"と言われがちな20代が抱える繊細でシリアスな部分を鮮やかに、時に絶望的に表現。その都度心を震わされリスナーは文字通り"ヒヤリ"とさせられるに違いない。
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フラワーカンパニーズ
36.2℃
屈指のライヴ・バンドがライヴできない1年。でも、フラカンはいつでも準備はOK、体調万全、平熱の36.2℃ってことだと思う。ローファイなサウンドスケープが今年できた曲の録りたて感を増幅するし、相変わらず鈴木圭介(Vo)の言葉は経験に則ったうえで青さもまだあったりで冴えまくり。強いグルーヴと生々しいギター、思いの外明るい「揺れる火」のオープニングに驚き、生楽器だけで浮遊感を醸し出す「こちら東京」の超越したセンスに驚き、すでに名曲の誉れ高い「履歴書」は、実は最後の"誰かを好きになれたら"のくだりこそ最高だと震え、LED ZEPPELIN的なサイケが今のニュアンスで昇華された「A-HA-HA」にまた驚いたり。コロナ禍を言い訳にしてる場合じゃない。その程度なのかと問われてる気がする。
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フラワーカンパニーズ
50×4
メンバーが全員50歳を迎える今年。彼らが鳴らすのはフラットなスタンスが現れた比較的ドライなサウンドのロックンロールやカントリー/ブルースだった。アフロビートな「Eeyo」のサウンドに現役感を見つけ歓喜し、続く「DIE OR JUMP」で竹安堅一のハード・ドライヴィンなギターとマンチェ・ビート(どちらかというとTHE ROLLING STONES由来かも)のセンスにニヤニヤ、臆面もなく"ロックンロールバンド"と題した曲の60年代R&R的なスウィートさに半泣きになり、今感じていることに向き合い続ける孤独のアンセム「いましか」に泣き、風通しのいいカントリー風の「見晴らしのいい場所」で深呼吸。ヘヴィな作品並みの深度がありつつ印象は軽快。フラカンは未だ変化の途上にいる。
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フラワーカンパニーズ
夢のおかわり
Track.6「Good Morning This New World」において、その陽気なマーチング・バンド風のサウンドと裏腹に歌われるのは、"楽しい未来の事しか考えない"、しかし"貧しい未来の事しか考えられない"という、決して楽観視できない"今"の姿。だが、続くラスト・トラック「無敵の人」で"頑張ってる人は それだけで未来だ"――つまり、未来を作り生きるために"頑張れ!"と、重くストレートな次世代へのエールを送る現在のフラカンは、26年というキャリアに溺れることなく、受け継がれてきたもの、そして受け継ぐべきものを見据えている。過去から今、そして未来へ――この大いなる時の流れを見つめる眼差しは、実は誰よりも貪欲に未来を求め、夢をおかわりし続けてきたフラカンだからこそ持ち得たものであることは間違いない。
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フラワーカンパニーズ
Stayin' Alive
結成25周年イヤーの中で作られた、15枚目のフル・アルバム。一聴すると、ここ数作――特に震災を挟んで制作された前作『ハッピーエンド』が持っていたヘヴィネスやメランコリーは鳴りを潜めた、軽やかでストレートなフラカンが鳴っている。しかし、この軽やかさの裏には、重たく、そして複雑に絡み合った生と死を巡る問答が隠されているのだと、聴き込むほどに感じずにはいられない。ロックンロール、オペラ・ロック、パンク、フォーク・ロック、60年代ポップスなど、曲ごとに様々な音楽性を横断する雑多なサウンドは、それ自体がまるで喜びも悲しみも、孤独も希望も絶望も内包する僕らの人生そのもの。ロックンロールとはひとつの死生観であることを証明する、フラカンにしか作り得ない怪物アルバム。
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フラワーカンパニーズ
新・フラカン入門(2008-2013)
"明日"を歌うことが困難な時代である。誰かに踊らされ、階段を上らされた先が楽園とは限らない。そもそも、ずっと続くと思っていた日常にすら終わりが来てしまう可能性を見せつけられた私たちに、描ける"明日"はあるのか?――そんな疑問符が頭を過ぎる時、フラワーカンパニーズの音楽はひとつの大きな指針になる。2008年のメジャー復帰から現在までの代表曲を集めたベスト盤『新・フラカン入門』。ここには、どれだけ絶望に打ちひしがれる夜があっても、どれだけ先の見えない暗闇が目の前に広がろうと、または、どれだけ明日なんか来てほしくないと願っても、夜は明けて朝は来るのだという確信が刻まれている。多くの"昨日"と"明日"を経験してきたバンドだからこその圧倒的なリアリティと説得力が宿った、15曲の未来。
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フラワーカンパニーズ
夜空の太陽
結成から24年、今、フラカンの放つ音楽とメッセージは完全に時代と合致している。2013年の日本がフラカンを求めていると言ってもいいだろう。だからこそ、朝の情報番組で「深夜高速」を演奏することも、タイアップ・ソングが連続してシングル・リリースされることも、必然と言える。新曲「夜空の太陽」は、アニメ『宇宙兄弟』のEDテーマだ。1月にリリースされた前シングル曲「ビューティフル・ドリーマー」がそうであったように、この曲においてもフラカンは"夢"を歌っている。"夢の始まりはきっと 涙がたどりついたところ"、と。本来、若いバンドが口にしそうなこの言葉を苦節20年以上のバンドが歌う。この説得力こそ、今の私たちに必要なものだ。本気で夢や未来を語るために、僕らがフラカンから学ぶことは多い。
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フラワーカンパニーズ
@WWW 2013.1.23 Premium Live "Beautiful Dreamer"
フラワーカンパニーズの15枚目となるニュー・アルバムは、1月に行なったプレミアム・ライヴの模様を収録した実に贅沢な1枚。20年以上の長いバンド活動歴にして初めて、ストリングスや鍵盤、女性ヴォーカルを入れてリアレンジして披露したライヴは、豊かな音色が新鮮でありつつ、それでもやっぱりフラカンはフラカンなのはさすがだ。エネルギッシュで骨太で肉厚なサウンドに、ハスキーな鈴木圭介(Vo)の歌声は、20年以上かけて築いてきたバンドの生き様がひしひし伝わってきくる。シンプルかつ新鮮さに溢れた最新シングル「ビューティフルドリーマー」は哀愁が漂い、名曲「深夜高速」は、ピアノを軸に繊細な音が美しく重なり心の琴線にふれる。ベテランだからなし得る生命力に満ちた音の力を、ぜひ聴いて感じてみて欲しい。
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フラワーカンパニーズ
ビューティフルドリーマー
フラカンの今年1発目の音源は、TV東京系ドラマ24"まほろ駅前番外地"のオープニング・テーマ曲を表題曲に置いたシングル。アルバム『ハッピーエンド』で見せた混乱や苦悩の尾を引くように、ゆったりとしたビートで淡々と進む「ビューティフルドリーマー」は、まるで何の解決も見出せないまま続く私たちの日常のように不穏な空気を漂わせるが、だからと言って安易な妄想や幻想に惑わされないようにと、ダイナミックなサビと力強いコーラスが小さくても確かな希望を響かせる。フラカンだからこそ鳴らすことのできる、地に足の着いた日々のためのメッセージ・ソングだ。そしてカップリングの「心の氷」、「この胸の中だけ」のサ上とロ吉によるリミックスも素晴らしい。ここから始まるフラカンの2013年が楽しみだ。
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大森靖子
PERSONA #1
メジャー・デビュー7周年を記念した初のセルフ・カバー・アルバム。様々な世代のアーティストへの提供曲だからこそ表現し得た、大森靖子の多彩なペルソナが飲み込める。敬愛する道重さゆみへの提供曲のカバーが最も多く、女性アスリートなど、著名な存在の何にシンパシーを感じるのかが綴られた「WHO IS BABY」ほか3曲。相坂優歌へ提供した「瞬間最大me」は、神聖かまってちゃんのの子(Vo/Gt)をゲストに迎えたハイパーポップがふたりらしい。提供曲でも女性、人間、愛、命という主題を突き詰めていることに驚嘆。また、昨今の時世を映すYouTube番組"街録ch-あなたの人生、教えてください"の主題歌に書き下ろした「Rude」の、荘厳なアレンジと歌唱に圧倒される。尊厳とは何かを自分の心に問う作品。
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大森靖子
Kintsugi
割れたり欠けたりした陶器などを接着し、継ぎ目を金で飾る修復方法を"金継ぎ"という。ばらばらになった気持ちや絆を痛みながらサヴァイヴする人に対し、もとあったものを生かしつつ前よりも美しくしたい、そんな想いで制作された本作。特に印象的だったのは英語詞(!)で先行配信された「NIGHT ON THE PLANET」(本作には日本語で収録)。大沢伸一(MONDO GROSSO)編曲によるシンセを軸とした壮大で重心の低い音作り、"夜のどん底"から遠い星を仰ぐような世界観に、憑りつかれる感覚を覚えた。心の澱を叩きつける声色のみならず、虚無感を孕んだファルセットの威力もすごい。さらに彼女を慕う橋本 愛が熱を持った歌で参加した「堕教師」も注目で、多様な作編曲陣のカラーも映えた渾身の作となった。
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大森靖子
Re: Re: Love
今年メジャー・デビュー5周年を迎えた大森靖子による5つの記念企画の第3弾。彼女の人生を変え、彼女を成型した道重さゆみに続いて、今回は峯田和伸(銀杏BOYZ)を迎えての「Re: Re: Love」。これは大森から峯田へのラヴ・レターでもあり、究極を言えば、歌う他に生きるすべのないふたりのアーティストの生き方を、このふたりにしかできない命の燃やし方で表明したロックンロールでもある。"運命の人によって生き延びた命"がこのタイトルの意味するところではないだろうか。c/wには、アニメ"ブラッククローバー"OPテーマで、ソリッド且つヒリヒリする感覚をキャッチーに落とし込んだ「JUSTadICE」、"推しに対する愛ってこんな感じでは?"と思しき弾き語り曲「めっかわ」を収録。
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大森靖子
洗脳
大森靖子の表現にはライヴと音源で乖離がある。"人間の業と性を炙り出す叫び"という根本は同じだが、それを全身全霊で体現するライヴと違い、音源の場合、世界を変革せんとする扇動者としての側面から、彼女はその叫びをかなり戦略的にまとめ上げている。メジャー進出以降、この乖離はより大きくなった。メジャー1stフルとなる本作において、彼女の本領が最も発揮される弾き語りの楽曲がほぼ封印されている点から見ても、それは明らかだ。彼女の才能があれば、その"役割"から降りることで、本作より数倍すさまじい音楽作品を作ることは可能だろう。いち音楽好きとして、そこに歯がゆさを感じていないと言えば嘘になる。しかし、僕は賭けたい。この時代に"本質"を背負おうとする、彼女の孤独な優しさに、賭けてみたい。
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大森靖子
きゅるきゅる
圧倒的な熱量と圧力を持ったシンセ・ポップ・サウンドの「きゅるきゅる」、聴き手を翻弄するかのようにコロコロと曲調を変えていくアクロバティックな打ち込み主体の「私は面白い絶対面白いたぶん」、ヒリヒリとした生々しい弾き語りの「裏」。3曲全てにおいて、1音1音がはっきりとした自我を持った"個"であるかのようにぶつかり合い、擦れ合いながら歪なノイズとポップなメロディを奇跡的なバランスで構築している。そのすべてを統制する大森靖子の歌は相変わらず哀しみと怒りと自嘲と慈愛をない交ぜにした響きをもって耳に届く。すべてが混沌としながら、しかし迷いはない。このメジャー・デビュー・シングルで大森は、人々の感情の集積地としての"ポップ・ミュージック"の役割を受け入れながら、不敵な笑みを浮かべている。
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大森靖子
絶対少女
衝撃的な傑作1stから9ヶ月という短いスパンで放たれる2nd。大森個人の内面から漏れ出す自我が多彩な音楽性と様々な記号を触媒にして赤裸々にぶちまけられた1stに対し、本作にはひとつの大きな指針がある。それは極端に言えば"みんなの大森靖子"たらんとすること。本作で大森はその普遍的なソングライティングと独創的なストーリーテリングの才を駆使しながら様々な情景、心情を映し出す。ここにあるのは大森ひとりの歌ではなく、街の歌であり社会の歌であり、あなたの歌なのだ。前作同様エレクトロ、バンド、弾き語りと多ジャンルを横断するが、プロデュースを担当したカーネーションの直枝政広は大森の表現者としての獰猛な野生を見事に生かしながら、そこに洗練と鋭さを与えている。すべてが圧倒的。傑作と言い切る。
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後藤まりこ
m@u
トイ・ピアノとギターがキュートなリフを奏でるTrack.1「4がつ6日」から、裸足でジャンプするようなときめきを放ち、同じくバンド・サウンドの「m@u」でもエモーショナルなポップを聴かせ、そこからごく自然にKovacs作のエレクトロ・チューン「す☆ぴか」へと進む序盤の透明感。スガダイローのピアノとの即興演奏では、後藤まりこのハードコアという名の潜在意識を最も強力に実感することもできる。また、「sound of me」のシングル時のリミックスでもおなじみのSerphのアブストラクトでありつつ美しいトラックとの相性も新鮮。また、独自のシティ・ポップ感を持つHARCO編曲の「Hey musicさん!」は最も耳懐こいポップチューン。メロディと声と言葉で音楽そのものへ同化するような新しい後藤まりこがいる。
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後藤まりこ
sound of me
食べることに生きることのエネルギーを感じさせる謎の女性、シズルを演じる彼女。ほとんどセリフのない彼女の歌がエンディングをパカーン!と開けたものにしているのは間違いない。ポップとポストロックと童謡的な世界観に乗せて、走り出したら止まれない後藤まりこという女性・人間・アーティストそのものといった印象の歌詞が乗る時、その生き方への愛しさと畏怖が渾然一体となって迫ってくる。なお、カップリングはSerphによる表題とは一味も二味も違う、エレクトロやアブストラクト寄りのリミックスが2曲収録されているのだが、こちらもヴォーカルを損ねることのないリミックスで、温度感の違う「sound of me」をシングルで3種類楽しめるような趣向が楽しい。
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V.A.
惡の花譜
アニメ『惡の華』の主題歌を完全収録したコンセプトEP。宇宙人によるOP曲「惡の華」は、しのさきあさこ、後藤まりこ、の子(神聖かまってちゃん)、南波志帆をそれぞれヴォーカルにフィーチャーした全4種類が収録され、ED曲であるASA-CHANG & 巡礼の「花 -a last flower-」も収録。物語の不穏な空気感、歪さを表現するため、ロトスコープと呼ばれる実写を元にした映像作成も話題を呼んだアニメだけあって、音楽においてもアニメならではの世界観を生み出そうとしていることが、本作を聴けばよくわかる。出口の見えない陰鬱な青春が、それぞれの楽曲に見事に表現されている。その中でボーナス・トラックとして収録されたBase Ball Bearの「光蘇」は、暗闇の中、かすれた瞼に映る微かな光のようで、美しい。
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2016.09.18 @新宿ライヴハウス10会場
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2015.10.28 @日本武道館
KEYTALK
2015.06.09 @下北沢LIVEHOLIC
ビクターロック祭り2015
2015.03.14 @幕張メッセ
KEYTALK
2014.11.15 @東京EX THEATER ROPPONGI
Getting Better presents"MUSIC TAGS vol.2"~バンド戦国時代~
2014.10.17 @Zepp Tokyo
9mm Parabellum Bullet "カオスの百年 vol.10" 2日目
2014.09.08 @TSUTAYA O-EAST
KEYTALK
2014.06.29 @赤坂BLITZ
KEYTALK
2014.03.27 @下北沢GARDEN
KEYTALK
2013.11.17 @LIQUIDROOM ebisu
MUSE
2013.01.12 @さいたまスーパーアリーナ
rega × SALT CATHEDRAL
2014.07.05 @shibuya duo MUSIC EXCHANGE
SpecialThanks
2017.07.14 @新宿LOFT
Eggs presents TOKYO CALLING 2016 -DAY1-
2016.09.17 @下北沢ライヴハウス10会場
SpecialThanks × The Winking Owl
2016.06.17 @TSUTAYA O-WEST
HAMMER EGG vol.3
2016.05.27 @渋谷eggman
SpecialThanks
2015.11.01 @下北沢GARDEN
UNCHAIN × アルカラ
2012.10.16 @新代田FEVER
UNCHAIN
2012.06.21 @渋谷CLUB QUATTRO
UNCHAIN
2011.10.01 @渋谷CLUB QUATTRO
UNCHAIN
2011.04.17 @渋谷WWW
WHITE ASH
2016.07.10 @赤坂BLITZ
WHITE ASH
2015.06.13 @下北沢LIVEHOLIC
WHITE ASH
2015.04.17 @新木場STUDIO COAST
WHITE ASH
2014.03.15 @SHIBUYA-AX
WHITE ASH
2013.09.15 @渋谷CYCLONE
WHITE ASH
2013.07.12 @渋谷O-East
"GAMUSYALIVE vol.5 -Link the YOUNG-"
2022.12.19 @渋谷duo MUSIC EXCHANGE
HAMMER EGG vol.10 SPECIAL
2018.12.11 @渋谷TSUTAYA O-EAST
androp
2017.10.28 @日比谷野外大音楽堂
androp
2017.07.04 @LIQUIDROOM ebisu
androp
2016.10.16 @Zepp DiverCity TOKYO
androp
2016.05.15 @Zepp Tokyo
androp
2015.09.20 @Zepp Tokyo
androp
2014.09.24 @Zepp Tokyo
androp
2014.03.23 @国立代々木競技場・第一体育館
androp
2013.12.04 @Zepp Tokyo
androp
2013.03.30 @東京国際フォーラム ホールA
androp
2012.11.02 @Zepp DiverCity
androp
2012.09.29 @Zepp Tokyo
androp
2012.03.31 @Zepp Tokyo
androp
2010.08.08 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
fifi
2014.01.18 @代官山UNIT
ねごと
2019.07.20 @Zepp DiverCity(TOKYO)
ねごと
2018.04.21 @渋谷TSUTAYA O-EAST
ねごと
2017.03.24 @Zepp DiverCity TOKYO
ねごと
2015.11.23 @LIQUIDROOM ebisu
ねごと
2015.06.07 @Zepp DiverCity
ねごと
2014.05.01 @Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
ねごと
2013.11.16 @渋谷CLUB QUATTRO
ReiRay / ハルカトミユキ / yunoka / 中島雄士
2023.08.04 @下北沢LIVEHOLIC
ハルカトミユキ / MANAKO / Twingowind / micanythm(O.A.)
2022.12.14 @下北沢LIVEHOLIC
シナリオアート / Drop's / ハルカトミユキ
2019.07.03 @下北沢LIVEHOLIC
ハルカトミユキ
2018.02.02 @LIQUIDROOM ebisu
ハルカトミユキ
2017.09.02 @日比谷野外大音楽堂
ハルカトミユキ / コヤマヒデカズ(CIVILIAN)/ 鳴ル銅鑼
2017.06.14 @下北沢LIVEHOLIC
ハルカトミユキ
2017.02.25 @赤坂BLITZ
ハルカトミユキ
2016.09.24 @日比谷野外大音楽堂
ハルカトミユキ / 植田真梨恵
2016.04.07 @下北沢LIVEHOLIC
ハルカトミユキ
2015.10.03 @日比谷野外大音楽堂
フラカン和義のロックンロール600万ボルト
2015.09.01 @CLUB CITTA'川崎
ハルカトミユキ
2015.04.25 @LIQUIDROOM ebisu
ハルカトミユキ
2014.11.15 @LIQUIDROOM ebisu
ハルカトミユキ
2014.02.08 @渋谷CLUB QUATTRO
ハルカトミユキ
2013.12.10 @新代田FEVER
黒猫チェルシー
2017.01.24 @渋谷WWW
フラワーカンパニーズ
2015.12.19 @日本武道館
フラワーカンパニーズ
2015.04.18 @日比谷野外大音楽堂
フラワーカンパニーズ
2013.10.30 @LIQUIDROOM ebisu
フラワーカンパニーズ
2013.04.21 @日比谷野外大音楽堂
フラワーカンパニーズ
2013.01.23 @WWW
大森靖子
2014.06.27 @歌舞伎町 ロボットレストラン
大森靖子
2013.05.13 @渋谷CLUB QUATTRO
後藤まりこ
2014.01.05 @LIQUIDROOM ebisu
後藤まりこ presents <シブヤコ>
2013.09.12 @赤坂BLITZ
MASONNA×後藤まりこ×MO'SOME TONEBENDER
2013.08.08 @LIQUIDROOM ebisu
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