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INTERVIEW

Japanese

androp

2017年08月号掲載

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Member:内澤 崇仁(Vo/Gt) 佐藤 拓也(Gt/Key) 前田 恭介(Ba) 伊藤 彬彦(Dr)

Interviewer:山口 智男

ここまで振り切ったandrop、見たことがない! 常に振り切ることをテーマのひとつに掲げ、音楽活動に取り組んできたandropではあるけれど、今回ばかりは昔からのファンも驚くに違いない。いや、ファン歴が長ければ長いほど衝撃は大きいかもしれない。話題のヒップホップ・ユニット、Creepy Nutsとandropがともに作り上げた(アンチ)サマー・アンセム「SOS! feat. Creepy Nuts」。それを楽しむか楽しまないかは、あなた次第。ぜひメンバー4人がそこに込めた想いを語ったこのインタビューを読んで、彼らの挑戦をどう受け止めるか判断してほしい。

-7月4日のライヴ(※[one-man live tour 2017 "angstrom 0.8 pm"]セミ・ファイナル東京公演)でも"andropのことを知っていれば知っているほど動揺するかもしれないけど"と言っていたように、今回のシングルはいろいろな意味でびっくりでした。ただ、ライヴでもそういうふうに言ったぐらいだから、びっくりさせることもテーマのひとつだったんじゃないでしょうか?

内澤:そうですね。今回、今まで行っていないところに、みんなで同じ方向を向いて振り切ろうっていうのは目指したところです。行きすぎちゃったかもしれないと思えるぐらいに(笑)。

-人間のダーク・サイドと対峙した『blue』(2016年リリースの4thアルバム)のときと対極と言ってもいいぐらいですからね。

内澤:たしかに(笑)。それと比べると面白いですね。

-振り幅がすごい(笑)。

佐藤:「SOS! feat. Creepy Nuts」のMVと「Kaonashi」(『blue』収録曲)のMVを並べたらね。

内澤:情緒不安定すぎるでしょ(笑)。

佐藤:でも、同じバンドなんですよ。

内澤:毎回そうなんですけど、できるかぎり限界まで行こうって思いながらやっているんです。だんだん、限界まで行ける率が高くなってきているのかな。ただ、ここまでとは予想していなかったですね、自分たちでも。



-楽曲そのものはかっこいいものになったと思いますよ。ただ、MVは衝撃でした(笑)。

佐藤:MVも毎回、こだわっていますからね。

内澤:VILLAGE PEOPLEの「Y.M.C.A.」のMVの雰囲気がレトロでいいんじゃないかって話をCreepy Nutsとしていたんですけど、今の僕らの雰囲気を、表面だけじゃなくて、内面のリアルまでしっかり映してくれる監督は誰だろうって話をしたとき、「Voice」「Missing」(いずれも2014年リリースの3rdフル・アルバム『period』収録曲)のMVを撮ってくれたショウダユキヒロさんがいいんじゃないか。内面をしっかり捉えてもらうならその人しかいないってショウダさんにお願いしたんです。ただ、お願いしてからしばらく打ち合わせがまったくなく、曲に込めた想いだけは伝えていたんですけど、MVの撮影日の前日にやっと打ち合わせができることになって、ショウダさんとCreepy Nutsと僕らとスタッフで話をしたんです。そしたら、ショウダさんが"明日、撮影だけど何も決まっていない。これからみんなで決めていこう"って言ったんですよ。僕ら全員ドン引きですよ(笑)。しかも、そのとき使っていた会議室が1時間45分後には別の会議が入っちゃうんで、それまでに決めてくださいってことで、2時間弱でみんなでアイディアを絞り出すってところからの、このMVなんです。

佐藤:その打ち合わせの映像も、初回限定盤に付くDVDの"Documentary film"に入るんですけど。

内澤:監督の狙いだったんです。僕らのことをよく知っているからこそ――

佐藤:自分で自分の殻を壊してみろよっていう。

内澤:ショウダさんも壊すならならこのやり方しかないと思ったんでしょうね。本当はきっちりとした、絵コンテを事前にしっかり描くような人なんですけど、"お前らに任せる。俺のMV人生すべて賭ける"って(笑)。

前田:今までも自分たちの殻を壊したい瞬間っていっぱいあったんですよ。それで僕らのことを知っている人と組んで、いろいろやってみたんですけど、結局、あまり壊せずに進んできたんです。でも、ショウダさんは初めて壊すことができた人なんじゃないかと思ってます。

-だって、壊しすぎたらいけないと思うじゃないですか(笑)。

内澤:そこ壊しちゃダメでしょってところが今回、壊れたのかもしれないですね(笑)。

佐藤:撮影前日の段階で、内容はもちろん、どこで撮るかも決まってなくて、とりあえず明日は大雨っていうことだけがわかっていたんです。それで海に行ったんですけど、その日が晴れだったら違う案になっていたかもしれない。今回、テーマになっている夏の捉え方――好きな人もいれば大嫌いな人もいるけど、どちらも間違っていないよねってところで、大雨でも夏を楽しめる奴はいるしってことを表現したらどうだろうって。今思えば、前日に打ち合わせをして、これでいくぞって勢いがなかったら、ああいう内容にもならなかったし、みんなああいう格好はしていないと思います。もうちょっと考える時間があったら、やっぱやめようってなっていたかもしれない。そもそも大雨だったら普通、撮影せずに他の日にするか――

内澤:スタジオで撮っていたかもしれない。