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INTERVIEW

Japanese

SpecialThanks

2015年07月号掲載

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Member:Misaki(Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

紅一点のギター・ヴォーカル、Misakiが15歳のときに始まったSpecialThanks。MIX MARKETとのスプリット・アルバムや初の書き下ろしであり初のタイアップであり初のTVアニメ主題歌を担当した初シングルをリリースするなど、2014年に精力的な活動を続けていた彼女たちが、フル・アルバムとしては約4年振り2作目となる『missa』をリリースする。スペサン名義での単独作品『MOVE ON』から今作『missa』に至るまでに、様々な刺激を得たゆえの心境の変化がMisakiにはあったようだ。

-2013年12月に現体制で初作品となるEP『MOVE ON』、2014年11月にMIX MARKETとのスプリット・アルバム『ROCK'N'ROLL』、そして同年12月にはTVアニメ"オオカミ少女と黒王子"のオープニング・テーマを表題曲にしたシングル『LOVE GOOD TIME』をリリースし、2ndフル・アルバム『missa』に至ります。この期間はSpecialThanksにとっていろんなことがあったと思いますが、今振り返ってみていかがですか?

長い時間をかけてフル・アルバムを作ることは決めていたので、タイアップやスプリットはその制作の間に作ったもので――それまでずっとマイペースに活動してきてたので、全部"できるのかな?"という感じだったんですけど、それ以上に"なんとかしてやりたい!"と思って。自分たちが変われるきっかけを求めてたのかもしれない。昔はずっと"スペサンはこういうバンドだ"とポリシーを持っていて、変わらないことがかっこいいと思ってたんですけど......でも変わることを恐れずに活動している先輩やレーベルを見てて、"スペサンもどんどん変化しながら進んでいきたい"という気持ちが出てきました。

-『missa』はスペサンの持ち味であるメロディック・パンクを基盤に、バリエーション豊かな楽曲が揃っていると思います。『MOVE ON』リリースの際にお話をうかがったときに"2014年内を目標に2ndフル・アルバムを作っている"とおっしゃっていたけれど、そのときに作っていた楽曲は『missa』に収録されているのでしょうか?

はい、そのときに作った曲も『missa』にも『ROCK'N'ROLL』にも入ってて、1番古い曲のTrack.8「feel your life」とTrack.10「listen to the radio」とTrack.14「love letter」は、『MOVE ON』を作っていたときに作っていたんです。なので、長い時間をかけてひとつひとつ曲を作ってレコーディングしていきました。

-「listen to the radio」は『LOVE GOOD TIME』時にインタビューさせていただいたときに語ってくださった、「LOVE GOOD TIME」の原曲「RADIO GOOD TIME」の進化形ですよね。"今の時代には遠い昔から愛され続けているような名曲はある?"ということを歌った楽曲で。スペサンは長い時間をかけて制作するの向いてそうですね。

今まではお尻叩かれながら短いスパンで制作して......それで切羽詰まっちゃって。"もっと心に余裕を持って制作できたらいいかな"と思って、"曲ができたら録音していこう"という感じでした。だからどの曲もアルバムを意識して作っていったんだけど、その中で"これは絶対入れたいけど、こっちはミニ・アルバム向きだな"とか"これは『ROCK'N'ROLL』に入れたいな"とか、たくさん録ってる中で自分たちで選んでいったんです。

-『ROCK'N'ROLL』に入れたい曲と『missa』に入れたい曲の違いとは?

なんとなーく直感というか......なんとなーくなんですよね(笑)。メンバーと話しててもその意見が一致してて、でも言葉にできない。

-強いて言えば、『ROCK'N'ROLL』のが"方がこれぞスペサン!"という曲が多いかな?

あ、そうかもしれない。『ROCK'N'ROLL』に入っている曲はひとつひとつ"こういう雰囲気のスペサン!""こんな感じのスペサン!"というのががっつり前に出てるかも。スプリットだから"負けられない!"っていう気持ちが、選ぶときに出てたかもしれない。でもフル・アルバムは流れてきてハッとしたり、ずっと聴いていて心地いいとか......そういうところで選んでるかも。あ~、そうかも!

-音楽性が広がっているだけでなく、音の隅々に自信も感じられて。素直なアルバムだと思いました。昔は10代でデビューもしているし、女の子だし、メロディック・パンクの世界だし、なめられたくない!と思っていたところもあったかもしれないけど――。

そうそう、そうなんですよ。昔も楽しいと思って音楽をやっていたけど、今客観的に見ると、当時は楽しもうと頑張ってたところもあったかもなーって。生きるのに必死でした。最近は自分自身に"もう気を張らなくていいよ"って言ってて(笑)。

-『ROCK'N'ROLL』や『LOVE GOOD TIME』は少し企画モノのニュアンスもありますから、そういう作品を作るのも気分転換にもなりそうですしね。だからやっぱり2014年の活動があってこそ完成したアルバムだとも思います。

MIX MARKETと回った『ROCK'N'ROLL』のリリース・ツアーで、それまで抑えていた自分を解放できた感があって。YUTTyさん(MIX MARKET/Vo/Key)は気配りもできて、自分のやりたいと思ったことを表現するのが上手というか。そういうYUTTyさんを見ていて自然と刺激を受けて、ツアー・ファイナルではみんなから"変わったね"と言ってもらえたりして......ライヴ・ステージだけでなく、メンバーと過ごす時間、メンバーへの接し方とかも変わってきました。YUTTyさんも紅一点で活動してきてて、そういう人の男性メンバーとの交わり方も間近で見てきたことで、"もっとメンバーを頼りにしていいんだな"と思えて、気が楽になりました。だから全体的に(音楽活動が)心地良くなりました(笑)。

-本当に素晴らしいことだと思います。以前まで英詞しかやってこなかったSpecialThanksが「LOVE GOOD TIME」に続きがっつりと日本語詞を入れるという、スペサンにとっては大革命だと思います。

そう! 「LOVE GOOD TIME」でみんなに"日本語詞いいじゃん!"と言ってもらえて、調子乗って作っちゃいました(笑)。アルバム制作中に「LOVE GOOD TIME」を経験したこともあって、せっかくだから最後の1曲は日本語で書きたい!と思ってできたのがTrack.4「Love begets love」で。