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INTERVIEW

Japanese

UNCHAIN

2013年06月号掲載

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Member:谷川 正憲 (Vo/Gt) 谷 浩彰 (Ba/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

昨年4月にオリジナル・アルバム『Eat The Moon』、今年の2月にカヴァー・アルバム『Love & Groove Delivery』をリリースしたUNCHAINがニュー・アルバム『Orange』を完成させた。自主レーベルを立ち上げてからは日本語詞の導入や、多数のゲスト・アーティストを迎えての制作など、更に精力的な挑戦を行っている彼ら。今作では、歌詞や楽曲の共作や、佐藤将文(Gt/Cho)と谷 浩彰がメイン・ヴォーカルと務める楽曲を収録するなど、よりUNCHAINの持つ楽曲のパワー、深み、可能性を引き出す、クリエイティヴな試みが行われた。

-このアルバムとリリース・ツアー情報が公開されたのが4月10日でしたが、ツアーの情報がメインで、アルバムに関する情報はタイトルとリリース日だけでしたね。

谷:その情報が出た頃はアルバムの具体的な内容はほとんど決まってなかったんです。

谷川:タイトルくらいしか決まってなかったよね。

-そうだったんですか。ではスケジュール的にはかなりタイトだったんですね。

谷川:そうですね。5月の頭までレコーディングしていたんで......。

谷:当初は4月の頭で終わってるはずだったんですけど押しちゃって。1曲1曲を突き詰めた結果、そうなりました。

谷川:楽曲で勝負したかったので、いい曲が出来るまで曲作りをしたんです。曲作りは『Eat The Moon』のツアーの前から始めていて、アルバムの制作には去年の秋くらいから取り掛かっていたんですけど"あと1曲いい曲が欲しい"と、新しい曲をずっと書いていたんでこうなっちゃいましたね。カヴァー・アルバム『Love & Groove Delivery』の制作も同時進行ではあったんですけど。少しずつアレンジをしつつ、曲を書きつつ、ずーっと何かしら作っている感じで。

-その"いい曲を作る"というのは細かい部分ではなく?

谷川:いちから、ですね。"もっと他のいい曲が欲しい"という......曲の元ネタを3月末くらいまで作ってましたね。今回は、アルバムの制作の前からずっとバラードが作りたかったんですけど、なかなかいいバラードが出来なくて。最初は"バラードもなしで、イケイケでいっちゃっていいかー"となりそうだったんですけど、やっぱりバラードが欲しいなと。なので「The Inner Light」は(バラードということに)一転集中して書いたんです。粘って粘ってひねり出しました。

-そこまでして"いいバラード"を作りたかったのは。

谷川:アルバムのバランスとしてもそうですし、UNCHAINというバンドの歴史の中での......ビシッと締めてくれる1曲が欲しいというのは前々からあったので。

谷:ライヴをやっていく中で......アゲアゲのセットリストの中にバラードが1曲入るだけで、雰囲気もガラッと変わってきますし、それで締まる部分は絶対あるので、いいフックになるというか、ポイントになるものだからこそ、あってもいいんじゃないかなと。ギリギリにはなりましたが、バラードが作れましたね。

-珠玉のバラード「The Inner Light」がアルバムの中盤にあることで、いいアクセントになっていると思います。それで制作が押していて、タイトルだけは決まっていたという状況だったんですね。

谷川:そうですね。前作の『Eat The Moon』は"夜の移動遊園地""テーマパーク"というのがコンセプトだったんですけど、今回はそういうものはなくて。もっと素直に、自分の中から出てきたものを曲にして、歌詞にして。コンセプトを決めて、そこに縛っちゃうよりも、もうちょっと自由にというか。自分の中に蓄積されていったものが自然に出てくる感じを大切にしたかったんで。ただ、期限が迫って迫って......取り敢えず"Orange"というタイトルだけ出したという(笑)。ジャケットのイメージも決まってたんですけど、多分"Orange"という言葉だけでは、あのジャケットを想像する人はいないと思うんです。

-オレンジの皮をめくると地球が見えるデザインですね。

谷川:普通では有り得ないもの同士が一緒になっているという。......要するに"当たり前のことを当たり前に見てほしくない""表面だけを見てほしくない"というか。そういう暗喩にもなったのかなと。