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DISC REVIEW

Overseas

Souvenir

POP ETC

Souvenir

セルフ・タイトル作以来、約4年ぶりの新作。もともとUSインディーのスノビッシュな側面は薄い彼らだが、特にTrack.1「Please, Don't Forget Me」はバンド感溢れる広大なナンバーで、THE MORNING BENDERS名義時代の匂いも。その他の楽曲は80年代のUKニュー・ウェイヴのニュアンスが色濃く、シンセ・ドラムやシンセ・ベースの懐かしめなサウンド・プロダクションと、Christopher Chu(Vo)が書く哀愁味のあるメロディ・ラインが中毒性高め。しかし、アレンジがどうあれ、来日時にマイクすらないアコースティック・セットで堪能させてくれたChristopherの歌の力や表現力、美しいものやユーモアをこの3人ならではのセンスで着地させるバンドマジックこそが最大の魅力だ。日本盤にはTrack.1の尾崎雄貴(Galileo Galilei)版などを収録。

Convenanza

Andrew Weatherall

Convenanza

アンダーグラウンド界の永遠のルーディーとか、UKテクノの不良番長とか、Andrew Weatherallを語るときに使われるキャッチフレーズは物騒なものが多いから、思わず身構えてしまう人もいるかもしれない。しかし、ソロ名義としては7年ぶりとなるこの新作に限って言えば、そんな評判は忘れて、彼の歌心にじっくりと聴き入ってみたらいいと思う。30年にもおよぶキャリアを持つイギリスのプロデューサー/DJ。ロック・ファンにはHAPPY MONDAYS、PRIMAL SCREAMのリミキサーとしても知られている。聴き方によっては懐かしいとも言えるポスト・パンク調のファンク/ディスコ・サウンドは、不穏に鳴るトランペットがジャジーなムードも演出。序盤の緊張感は曲が進むにつれ、ビタースウィートな味わいに変わる。

When The Morning Comes

A GREAT BIG WORLD

When The Morning Comes

Christina Aguileraと共演した「Say Something」で人気に火がつき、前作『Is There Anybody Out There?』が全米3位の大ヒット作になったニューヨークの男性ピアノ・ポップ・デュオ。前作発表後、日本を含め、世界中を駆け巡ってきたふたりが完成させた2ndアルバム。FUTURISTICのラップをフィーチャーしたシングル「Hold Each Other」を始め、複数のプロデューサーと組んで作り上げた多彩な曲が見事、ピアノ・デュオという狭いカテゴリーを打ち破っているが、その試みが成功したのは「SaySomething」に負けないヒット曲を作るという最初の目論見を改め、正直な歌を作るという自分たちの原点に回帰したからこそ。ピュアな歌心が前作以上に研ぎ澄まされたことを思わせる曲の数々が胸を打つ。

Art Angels

GRIMES

Art Angels

ポップなのにどこか虚無感も漂い、ニュー・ウェイヴ的なるものを現代のエレクトロニック且つパーソナルなサウンドに昇華してきたGRIMES。約3年ぶりとなる本作では、これまでこんなにコケティッシュであどけなさの残るヴォーカルを開かれた表現で歌ってたっけ?というぐらいタフな側面も提示。音楽性は違うが2000年代初期のM.I.A.のようなパワフルささえ感じさせる。これまでになくピアノやヴァイオリン、ギターがフィーチャーされており、しかもその楽器を常套手段として使わないセンスも作家性の高さを証明している。また、個性派R&BシンガーJanelle Monáeを迎えた未来と原始を同時に感じさせるような「Venus Fly」、台湾のラッパーARISTOPHANESを迎えたジャングル・ビートな「Scream」も新鮮な驚き。

Love Saves The Day

G.LOVE & SPECIAL SAUCE

Love Saves The Day

THE AVETT BROTHERSと組んで、Garrett DuttonがG.LOVEになる前に聴いていた音楽に回帰した『Fixin' To Die』を経て、オリジナル・ラインナップのSPECIALSAUCEと組んだ『Sugar』から1年ちょっとでもう新作だなんて、G.LOVEの絶好調具合が窺えるが、1曲目からギターが大音量で鳴るこの新作を聴けば、そんな思いはよりはっきりしたものになるはずだ。"ラグ・モップ"と名づけたG.LOVE印のヒップホップなブルースは相変わらずゴキゲンだが、彼がここで追求したヘヴィなギター・サウンドはデビュー21年目を迎え、まだそんなやんちゃなアプローチができるのかとファンを驚かせるに違いない。前作に引き続き、多彩なゲストを迎えたところからもポジティヴでオープンなヴァイブが感じられる。

Oh Wonder

OH WONDER

Oh Wonder

もしあなたが、雨が窓を打ちつけるアンニュイな午後に、もしくは草木も眠る真夜中にひとりで聴くための音楽を求めているなら、このロンドン出身の男女エレクトロ・ポップ・デュオOH WONDERをおすすめしたい。サウンドは耽美系シンセ・ポップやチルウェイヴをベースとしながら、現行のソウルやR&Bにも近いウェットな質感。AnthonyとJosephineの流れるように絡み合う歌声がひたすら儚く美しい。トラックは基本的にシンプルなビートとアトモスフェリックなシンセのみで、ふたりの歌声をこの上なく引き立てる。徐々に熱を帯びる歌声が切ないTrack.1、ノクターナルな美しさを湛えたTrack.2、静かなるエモーションが滲んだTrack.6など、全編にわたってメランコリーに溢れた非の打ちどころのない楽曲が並ぶ。テン年代の新たなマスターピースと言ってしまいたい1枚。

Pure Mood

RINGO DEATHSTARR

Pure Mood

今回の新作のリリースが、"スター・ウォーズ"の新作の公開にもし合わせているとしたら、この3人なかなかに食えない奴らだ。約3年ぶり、3作目となる新作を完成させたRINGO DEATHSTARR。その名がTHE BEATLESのドラマーと"スター・ウォーズ"シリーズに登場する要塞の名を掛け合わせたものだということは説明するまでもあるまい。今作は、これまで以上にイノセント且つドリーミーな響きを印象づける質感で、楽曲のクオリティが格段に底上げされていることが一聴してわかる。グランジ×シューゲイザー的な漂白されたストーナー・ロックを聴かせるTrack.2、マッドチェスターのサイケ感を匂わすTrack.3、白昼夢のような陶酔感のあるTrack.7やパンク然とした疾走系シューゲイズのTrack.9などマイブラ直系の甘いメロディが横溢。捨て曲なしの渾身の1枚だ。

Home Before The Dark

KID ASTRAY

Home Before The Dark

最先端且つ良質なインディー・ミュージックを発信し続けるレーベル"FLAKE SOUNDS"が放つ、ノルウェーはオスロ出身の男女混合6人組KID ASTRAYの待望の1stフル・アルバムにして日本上陸盤。北欧産インディー・ポップ好きならまず間違いない1枚。肝心な中身はというと、耳馴染みの良いヴォーカルと丁寧に折り重なるシンセとギター、タテにもヨコにもノれる軽快なリズム・セクションという地に足の着いたポップ・ソングが立ち並ぶ。このバンドは何より、オーガニックなギター・ポップの質感と洗練されたシンセ・ポップ的な響きが共存しているのが面白い。やはり特筆すべきは北欧マナーな男女ツイン・ヴォーカルを聴かせるアーバン・ディスコ風のTrack.2だろう。この完成度で全員20歳そこそこなのだから今後の活躍が大いに期待できる。

Right On!

JENNYLEE

Right On!

"FUJI ROCK FESTIVAL '11"や"Hostess Club Weekender"への出演で日本でも人気を得ているLA出身の美女4人組バンド WARPAINTから、なかでも個性的なルックスで独特な存在感を見せているベーシストJenny Lee Lindbergのソロ・デビュー・アルバムが登場。幻想的で暗い音像がアルバム全体を覆っており、冒頭から黄泉の世界から放たれるようなTrack.1「Blind」の摩訶不思議な世界に惹きつけられる。まったりとした気分で聴いているところに飛びだして一気呵成に畳みかけるTrack.3「Never」のドライヴ感溢れる演奏はさながらNIRVANA meets ドリーミー・ポップ。Track.4「LongLonely Winter」で聴かせるニュー・ウェイヴっぽさなど、ヘッドフォンをしてじっくりと聴き込むことでより発見があり楽しめるアルバムだ。

Wake Up

THE VAMPS

Wake Up

10代で、お互いにYouTubeで発表していたデモ音源を通して知り合い結成した、UK発の4ピース・バンド、THE VAMPSの2ndアルバムが完成。アイドル的なルックスと、デビュー前にしてTaylor SwiftやAustin Mahoneのオープニングを務め、MCFLYとツアーを回り、今作のタイトル曲でありシングルの「WakeUp」では、かのベッカムの息子であるブルックリンがMVに登場。そんなシンデレラ・ボーイっぷりも注目だが、今回のアルバムの楽曲もそれに負けずキラキラと華やかなポップ性や、アンセム感のあるロック・サウンドもありとパワフルになっている。モダンなアレンジが効いた、それでいて、どこか70年代、80年代の懐かしいポップスの香りを交えたフレンドリーな楽曲群は、SNS世代ならではの器用なトレンド・ミックスの成せる技か。

Central Belters

MOGWAI

Central Belters

結成20周年を迎えたグラスゴーの至宝、MOGWAIのCD3枚組ベスト・アルバム。ハードコアの延長上で、さまざまな実験を繰り返してきた孤高のポスト・ロック・バンドの軌跡を全34曲に凝縮。8枚のオリジナル・アルバムからの楽曲のみならず、サイケデリック・ロックの生きる伝説、Roky Ericksonのヴォーカルをフィーチャーした「DevilRides」を始め、EPのみの収録曲やサウンドトラック提供曲など、あちこちに散らばっていたいわゆるレア・トラックも網羅。彼らの音楽が過去20年どんな変遷を辿ってきたか、とりあえず概要を掴むには便利なアンソロジーになっている。代表曲中の代表曲だけを1枚にまとめるという潔い作り方もあるかもしれないが、壮大な曲が多いMOGWAIにはこのボリュームが相応しい。

Live In Tokyo 2015

THE STRYPES

Live In Tokyo 2015

平均年齢19歳ながらデビュー前からドサ回り的にライヴ経験を積んできた生粋のライヴ・バンドなんだから、そのライヴを収めたライヴ・アルバムを待っていたファンは多いんじゃないか。そんな待望のライヴ・アルバムが"Live In Tokyo"なんだから日本のファンとしてはなおさら嬉しいはず。今年7月16日、2ndアルバム『Little Victories』を引っ提げ、アイルランドの若き4人組が行った一夜限りの渋谷CLUB QUATTRO公演からカバーを除く10曲を収録。いかにも70年代風の図太いサウンドは、スタジオ・アルバムとはまた違う魅力がある。渋谷CLUBQUATTRO公演を含む4曲のライヴ映像を収録したカップリングのDVDとともに彼らのライヴのエネルギーを感じるには持ってこいの来日記念盤だ。

The Light In You

MERCURY REV

The Light In You

MERCURY REVといえば、世界一のプロデューサーと言っても過言ではない名匠Dave Fridmannがレコーディング・メンバーとして籍を置くことでも知られるロック・バンド。しかし、7年のインターバルを挟みリリースされた今作『TheLight In You』に、Daveはスケジュールの都合で不参加。そういった背景でJonathan DonahueとGrasshopperのみで制作された今作からは、より密な空気感と円熟したヴァイヴが感じ取れる。作品は冒頭の「The Queen OfSwans」から穏やかに立ち上がり、全体を通してユーフォリックな祝祭感とソフトにロックする甘美なサイケデリアが横溢する。安穏とした流れに差し込まれる「Sunflower」のホット・グルーヴィンな異物感もいいスパイスに。聴き疲れも飽きも少ない末長く愛聴できる秀作だ。

DMA'S

DMA’S

DMA'S

オーストラリア・シドニー出身の3ピース・バンドのデビューEP。海外ではすでに2015年5月にリリースされたEPだが、11月に代官山UNITで行われる単独来日公演に合わせ、ボーナス・トラック2曲を追加収録した日本独自企画盤となっている。NMEではOASISの後継者として取り上げられるなど、新世代のギター・ロック・バンドとして期待されている彼ら。Track.1「Laced」とTrack.2「Your Low」の湿り気のないカラっとしたギター・サウンドだけを聴くとちょっとイメージが沸かないが、Liam Gallagherに似た雰囲気を持つTommy O'Dell(Vo)の声で歌われるTrack.3「Delete」の憂いを帯びたメロディを聴くと、確かにOASISの「I'm Outta Time」のようななんとも言えない余韻が心に残る。後半はやかましいサウンドも聴けるが、楽曲は全体的にフォーキーな印象。

Tiny Pause

YPPAH

Tiny Pause

MY BLOODY VALENTINEとヒップホップを同じようにバックグラウンドに持つシューゲイズ・ブレイクビーツなインストゥルメンタリスト、3年ぶりの新作。"NinjaTune"から"Counter Records"へ移籍したこと自体は彼の音楽性に影響はないと見てよさそう。むしろバンド・サウンドを根底に持ちつつ、リリカルなマインドを洗練されたエレクトロ・サウンドに昇華する手さばきはパーソナルになったほどだ。グロッケン風のシンセや清冽なシ--ケンスのTrack.2、生ドラム風ビートに子供の声が愛らしいTrack.4、バリの宗教音楽っぽい音階とベルのようなシンセがドリーミーなTrack.8など、インストだが歌モノ的なストーリーもあって聴きやすい。マイブラ、BOOM BOOM SATELLITES、Thom Yorkeのソロ好きにもおすすめしたい。

Zirconium Meconium

FEVER THE GHOST

Zirconium Meconium

THE FLAMING LIPSのWayne Coyneが"現実世界のものとは思えない"という趣旨の発言を以って賞賛したLA出身の4人組サイケ・ポップ・バンドの1stアルバム。そのサウンドは、キッチュなサイケ感とフューチャリスティックなアート性が同居し、どこかデジャヴ感があるような、一方でまったく未知なる音楽体験をしているかのような奇妙な聴き心地。一発キメたかのような幸福感に満ちた音像は、軽薄なまでに軽やか。個々の楽曲は抜群のポップ性を誇り、それはANIMAL COLLECTIVEやMGMTを始めとする00年代以降のUSインディーのサイケデリアとフォーキーさをその血に宿すがゆえと言える。チルで牧歌的なTrack.4、イーヴルなガレージ感を持ち込んだTrack.8、60sライクなポップネスを湛えたTrack.13など聴きどころは多く、聴く者を別世界へ誘うトリップ感のある作品。


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Star Wars

WILCO

Star Wars

ベスト盤、レア・トラック集を挟んで、現代のUSロックを代表するバンド、WILCOが4年ぶりにリリースした9作目のオリジナル・アルバム。その印象を端的に言うなら、THE BEATLES(の影響)とアヴァンギャルドなサウンド。前2作の流れからさらにルーツ・ロック色濃い作品になるかと思いきや、こういう作品を作ってしまうところが現代屈指のソングライターが率いる最強のポスト・ロック~ジャム・バンドであるWILCOの面白さ。変拍子やノイズも交え、00年代前半に追求していたプログレッシヴなバンド・アンサンブルにアプローチしながら、それをポップ・ソングとしても楽しませることができるのが今の彼らだ。全11曲30分強という長さも心地いい。つまりここにはムダなものは一切ないということだ。

In Dream

EDITORS

In Dream

EDITORS は、2000年代初頭から続くリヴァイバル・ムーヴメントにその出自を見出すことができる。ソリッド且つタイトで、UK的な叙情を含んだJOY DIVISION直系のバンド・サウンドでこれまでに2作品が全英1位を獲得。トップ・バンドとしての地位を築き上げる彼らの5作目のアルバムがこの『In Dream』だ。今作では、ARCTIC MONKEYSからMY BLOODY VALENTINEまでを手掛けるAlan Moulderをミックスに起用し、どこか陰りのあるダークな音像のモダンなエレクトロを聴かせる。PASSION PITらUSエレポップ・シーンとの共振を感じさせつつも、今作の肝となるのは80'sニュー・ウェイヴのメランコリアや美意識の概念であろう。エレクトロに軸足を移した彼らのサウンドが、どこかNEW ORDERを思わせるのもやはり興味深い点だ。

ELEVEN ELEVEN(Japan Edition)

Dinosaur Pile-Up

ELEVEN ELEVEN(Japan Edition)

変な例えかもしれないけど、もしNIRVANAの面影を求め、FOO FIGHTERSを聴いているリスナーがいるなら、このバンドを聴くことをオススメしたい。すでに3度の来日を実現させているイギリスはリーズ出身のトリオ。ROYALBLOODを手掛けたTom Dalgetyプロデュースのもと、完成させたこの3rdアルバムでは、そんな魅力がさらに感じられるようになってきた。60年代を連想させるポップ・センスがその他のグランジ・リヴァイヴァルのバンドと彼らの大きな違いだが、ヘヴィな演奏とキャッチーなアピールがひとつになったTrack.7「Might As Well」は、そんな魅力がひとつ頂点を究めたことを印象づける本作のハイライト。もちろんMOTÖRHEADばりの暴走で畳み掛ける終盤の流れも聴き逃せない。

Nothing But Thieves

NOTHING BUT THIEVES

Nothing But Thieves

デビュー前にもかかわらず、ARCADE FIREのサポート・アクトに抜擢され、本国UK最大規模のフェスティバル"Reading And Leeds Festivals"に出演、すでにサマソニで来日済みという驚異の新人NOTHING BUT THIEVESが満を持してドロップする1stアルバム。ここでは、ガツンと来るパワフルなロック・チューンやカオティックなうねりのあるラウド・ナンバー、純英国的な憂いや湿り気を漂わすバラードなど、バラエティ豊かでハイクオリティな楽曲が立ち並ぶ。だからといって統一感がなく散漫な印象を受けないのは、Jack White並みに妖しくセクシーなConorMason(Vo)の歌声がそのまま今作の作品性を形作っているからと言えそうだ。ROYAL BLOODらと共に停滞気味のロック・シーンに風穴を開ける1枚。