Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

DISC REVIEW

X

Townie

X AMBASSADORS

Townie

1stアルバム『VHS』がヒットし、近年ではKYGOとのコラボやハリウッド映画への楽曲提供など精力的に活動するX AMBASSADORSの4thアルバム。フロントマンSam Harrisの故郷であるニューヨーク州イサカでの日々を愛とともに振り返る作品で、通底するアコースティックを主体とした素朴なサウンドが郷愁を誘う。街外れのガソリンスタンドでの複雑な想いを描いた「Sunoco」、亡き恩師がくれた言葉を嚙みしめるように歌い上げる「Your Town」、兄と家族の絆をエモーショナルに綴る「Follow The Sound Of My Voice」などパーソナルな内容だが、Samの誠実な歌声はリスナーの故郷に想いを馳せたくなるような共感を生むことだろう。現在のバンド像への橋渡しとなる「No Strings」の爽快感も見事。

Dear God, I Hate Myself

XIU XIU

Dear God, I Hate Myself

えっと、心臓が弱い人は聴かない方がいいです。タイトルで分かると思うけれど、こいつら本気だ。ティンパニ、コンガ、ムーグに任天堂DS、何だかよく分からない機械音、機械音か生楽器かさえ不明な音、ハンドクラップ、強烈なビート、ノイズその他いろいろ。多様で異様な音が絡みに絡まり、押し寄せては、引いて・・・くれない。押し寄せて、さらに押し寄せてくる。そして、このユニットの中心人物Jamie Stewartのこれまた過剰な歌声。これらが互いに侵食し、ぶつかり合いながら紡がれる、過剰過ぎるクレイジー・ゴシップ・ポップ。生半可な変態ポップじゃない分、スリルと中毒性は尋常ではない。この音世界に心を掴まれたら最後、しばらくあなたのCD棚にあるCD達の出番はなくなるだろう。僕は圧倒的に支持する。

Remixes

THE XX

Remixes

"FUJI ROCK FESTIVAL '17"では、会場の雰囲気と彼らのキャリアとのケミストリーもあって、ベスト・アクトに挙げる人も多かったTHE XX。2月の単独来日公演を前に、メンバー自らが監修した日本のファン向けのリミックス集だ。Jamie xxが手掛けた「Reconsider」のどこまでも静謐な、エレクトロなのにむしろ現代においては自然に限りなく感覚のアンビエンス。ベース・ミュージック寄りの「Sunset」など、いずれも今時のスタンダードと呼べそうなサウンド・デザインだ。ミニマルでありつつふたりの声を大事にした、FOUR TETらしいリミックスの「VCR」、ビート使いが独特なPEARSON SOUNDによる「Fiction」などを経てJamie xxが再構築した名曲「On Hold」までの時間すべてが至福。

In Colour

Jamie xx

In Colour

FKA TWIGSやSBTRKTなど先鋭的なアーティストを輩出しているXL Recordings傘下の人気レーベル"Young Turks"の急先鋒、THE XXのメンバー兼プロデューサーでもあるJamie xxのソロ・デビュー・アルバム。インディー・ロックとダンス・シーンをつなぐ存在として、ソロ・ワークとしてはこれまでにAlicia Keys、Rihannaらをプロデュース、リミキサーとしてAdele、RADIOHEADなどを手掛けてきた彼の注目の作品はイケイケなクラブ・サウンド「SeeSaw (featuring Romy)」、ミニマルな「Obvs」など個人的嗜好がうかがえる多彩なダンス・トラックの他、先行両A面シングル「Girl」「Sleep Sound」ももちろん収録。THE XXファンのみならずクラブ・カルチャーを愛するリスナー必聴のアルバム。