Overseas
2016年01月号掲載
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セルフ・タイトル作以来、約4年ぶりの新作。もともとUSインディーのスノビッシュな側面は薄い彼らだが、特にTrack.1「Please, Don't Forget Me」はバンド感溢れる広大なナンバーで、THE MORNING BENDERS名義時代の匂いも。その他の楽曲は80年代のUKニュー・ウェイヴのニュアンスが色濃く、シンセ・ドラムやシンセ・ベースの懐かしめなサウンド・プロダクションと、Christopher Chu(Vo)が書く哀愁味のあるメロディ・ラインが中毒性高め。しかし、アレンジがどうあれ、来日時にマイクすらないアコースティック・セットで堪能させてくれたChristopherの歌の力や表現力、美しいものやユーモアをこの3人ならではのセンスで着地させるバンドマジックこそが最大の魅力だ。日本盤にはTrack.1の尾崎雄貴(Galileo Galilei)版などを収録。(石角 友香)