Overseas
2015年11月号掲載
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THE FLAMING LIPSのWayne Coyneが"現実世界のものとは思えない"という趣旨の発言を以って賞賛したLA出身の4人組サイケ・ポップ・バンドの1stアルバム。そのサウンドは、キッチュなサイケ感とフューチャリスティックなアート性が同居し、どこかデジャヴ感があるような、一方でまったく未知なる音楽体験をしているかのような奇妙な聴き心地。一発キメたかのような幸福感に満ちた音像は、軽薄なまでに軽やか。個々の楽曲は抜群のポップ性を誇り、それはANIMAL COLLECTIVEやMGMTを始めとする00年代以降のUSインディーのサイケデリアとフォーキーさをその血に宿すがゆえと言える。チルで牧歌的なTrack.4、イーヴルなガレージ感を持ち込んだTrack.8、60sライクなポップネスを湛えたTrack.13など聴きどころは多く、聴く者を別世界へ誘うトリップ感のある作品。(山元 翔一)
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