DISC REVIEW
Overseas
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KEANE
Strangeland
イギリスのピアノ・ロック・バンドKEANEによる4枚目のオリジナル・アルバム。サポート・メンバーだったJesse Quin(Ba)が正式加入してから初の作品となり、全英チャートにおいて前作に続き初登場1位を獲得している。時間に囚われず制作されたこともあり、イギリスの伝統的なロック/ポップの精神を継承した正統派サウンドと、真摯に歌に取り組んだTom Chaplinのヴォーカルは、のびのびと響き渡る。彼の歌声の凛々しさやたくましさは、歌そのものの素晴らしさを伝えようという思いから生まれるものだろう。どこまでも伸びやかな歌が紡ぐメロディが耳に佇み、聴き手の視界を広げていく。きらびやかなピアノとふんわりとしたストリングスがその歌を包み込み、優しく温かい雰囲気を作り出している。
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Gotye
Making Mirrors
イギリス4位、アメリカ総合7位/ロック2位、オーストラリア1位、ベルギー3位、ドイツ5位という、売れに売れまくっているアルバム。オーストラリアを拠点に活動する、ベルギー生まれのシンガー・ソングライター/マルチ・アーティスト、Gotyeの3作目だ。シンガー・ソングライターの売れまくっているアルバムというわりには、売れ筋のポップ・ソングにありがちなところをあまり感じない。たとえば、大合唱を巻き起こすような仰々しいメロディもなければ、大会場向けと思わせるダイナミックなサウンドもない。うっすらとふりかけられたダブのテイストが全体の雰囲気を落ち着かせている。そして丹念に紡がれた歌のメロディを、ロックの中にソウルやジャズを混ぜ込んだようなサウンドが包み込んでいる。
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CROCODILES
Endless Flowers
CROCODILESの約2年振りとなる3rdアルバムが到着。ARCTIC MONKEYSなどのプロデュースで知られるJames Fordを迎えて制作された前作から、今作はレーベルを移しベルリンにてレコーディングされた意欲作。先行シングルである「Sunday」は疾走感たっぷりで彼らの魅力が詰まったサーフ・ポップ。アルバムには近年のTHE HORRORSを彷彿とさせる様な奥行きあるサイケデリアが広がる。ただサウンドは良い意味で荒々しく、メロディはどこまでも甘酸っぱく、高揚感あるもの。男女による掛け合うヴォーカルやコーラス、そして全体のアクセントとなるオルガンの音色が今作のトーンをしっかりとまとめ上げている。最近のシューゲイズ・バンドの中でも1つ抜けた存在であることを改めて確認させられる傑作だ。
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OTHER LIVES
Tamer Animals
2009年USインディー期待の新星という高評価と共にデビューした男女5人組バンドOTHER LIVESの2年ぶり2ndフル・アルバム。RADIOHEADのツアーにて前座へ大抜擢される快挙を成し遂げただけあって、その音楽性は崇高で神秘的な世界観に満ちており他のインディー・バンドとは異質である。それはタイトル曲「Tamer Animals」に鳴り響く力強くも幻想的なピアノの旋律と、まるで世界への啓示のように淡々と歌われる独特なメロディを聴けば納得して頂けるだろう。そしてリード曲「For 12」ではアメリカらしいクラシカルなフォーク・ロックの雰囲気に叙情的な深みを加え唯一無二なポップへと昇華させている。どこまでも美しすぎるオリジナリティで溢れた会心の1作。
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TOPS
Tender Opposites
GRIMESを輩出したトロントのレーベルARBUTUS RECORDSから、再び癖のあるガールズ・ヴォーカル・バンドがデビュー。同レーベルに所属していたSILLY KISSERSから派生したTOPSは、以前のようなファンタジック・シンセ・ポップから正統派ポップへと変化を遂げた。しばし、ARIEL PINK’SやTWIN SISTERと比べられることが多い彼らであるが、紅一点Jane Pennyの気だるくセンチメンタルな歌声と、80年代のラジオから流れてきそうなレトロ・ポップなサウンド、さらに乾いた打楽器の音や時より現れるオルガンの音色など、センスの良さはずば抜けている。彼らがトロントの代表バンドとなる将来も、そう遠くない。
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FACTORY FLOOR
JPN
今ロンドンで最もヤバい3 人組のデビュー・アルバムが遂に完成。デビュー・アルバム発売前にも関わらず、既にFUJI ROCK FESTIVALやALL TOMORROW'S PARTIESなどいくつかの大型フェスへの出演が決定しているFACTORY FLOOR。ロックの巨匠THE VELVET UNDERGROUNDと元祖テクノ・ポップKRAFTWERKを混ぜ合わせ、さらにアナログ・シンセやテープ・マシーン、ノイズ寸前の歪みを効かせ、少々ニヒリズムを織り込んだサウンドには高い芸術性を感じる。類を見ない実験的で、計算し尽された巧みな構成に、寡黙なメロディが溶け込みなんとも心地が良い。モンスター・バンドにまた出会ってしまったと思わせる一枚。
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MINT JULEP
Save Your Season
GOLD MUND/HELIOSとして人気のKeith Kenniffとなんと彼の奥さんのHollie Kenniffによるユニット MINT JULEP。しかしKeith Kenniffの才能たるや恐ろしい。彼のもつ独創的な世界とHollieのヴォーカルが溶け合うエレクトロ・シューゲイズ・サウンドは眼を閉じてもカラフルな世界に包まれるが如く広がっていく。フィードバック・ノイズもKeithの真骨頂と言える浮遊感のあるシンセも、Hollieの歌をまるで祝福するが如く優しく寄り添う。夫婦が故に作り出すことが出来る空気感というのもあるのだろう、緻密に作りこまれた音であるのに緊張感を伴うどころか非常にリラックスした響きを見せる。日本盤のみMOGWAI、Ulrich Schnauss、そしてHELIOSの豪華リミックスが収録されておりこれもまた三者三様の味付けがされており秀逸。歌ものシューゲイズ・サウンドに食傷気味の方も是非手にとっていただきたい作品。
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HEIKE HAS THE GIGGLES
Crowd Surfing
イタリア出身3ピース・ガレージ・ロック・バンドHEIKE HAS THE GIGGLESの日本デビュー盤。今作には紅一点Emanuela(Vo&Gt)のキュートで弾けるメロディと無駄のないタイトなサウンドが荒々しいまでの初期衝動のまま収められている。冒頭曲「I Wish I Was Cool」の畳み掛けるような激しいビートと「Dear Fear」の豪快な疾走感は一気にロック好きのハートを掴むだろうし、なかでも野太いベース・ラインにのる四つ打ちリズムが踊らずにはいられない「Repetitive Parts」はキラー・チューンという言葉がふさわしい。既に海外では人気急上昇中ということもあり、ここ日本でも新たなロック・プリンセスになること間違いなし。
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YOU LOVE HER COZ SHE'S DEAD
You Love Her Coz She's Dead
これはちょっと……と思わせるネクロフィリアなアーティスト名とさながらPJ Harveyの傑作『Dry』をブッ刺した様なキワモノ~なジャケ。これだけでも十分強烈なのだが、楽曲がハチャメチャでアッパー!デジタル・ハードコアが代名詞のATARI TEENAGE RIOTとチップチューンを通過した音楽性とパンキッシュなパフォーマンスで評判のCRYSTAL CASTLESを掛け合わせて、ダブステップ以降のベース・ミュージックを取り入れた音楽とでも言おうか。Elle Muerte (Vo)とプログラム担当のJay“Rocky”Deadにより6年の活動を経て届いた本作はインディ・ファンや昨今盛り上がっているブローステップ周りのファンにも受け入れられるだろう秀作。「Mud」なんかはJames Blakeも頭をよぎる。
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MOTION CITY SOUNDTRACK
Go
大の親日家としても知られる、アメリカのエモ/ポップ・パンク・バンドMOTION CITY SOUNDTRACKの2年ぶり5作目となるアルバムが完成。ミドル・テンポの曲がアルバム前半に並んでいるが、後半になるにつれて曲のテンポは上がっていき、彼らの初期からの持ち味である疾走感溢れるサウンドと切ないメロディの融合をしっかりと堪能できる。このバンドの肝でもあるJustin(Vo&Gt)の歌声は、今まで作品の中でも最も哀愁が漂っており、一見おとなしくなった印象を受けないこともないが、1本芯が通っていて優しさの中にも力強さを感じさせてくれる。7/15、16に横浜アリーナで開催されるASIAN KUNG-FU GENERATION主催のフェス"NANO-MUGEN FES.2012"にて2年半ぶりの来日が決定している。
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THE HIVES
Lex Hives
THE HIVES 5年振り5作目のスタジオ・アルバムは、構想1年半、レコーディングに3ヶ月という、じっくり練り込まれた濃厚な作品だ。“lex(法)”を掲げてセルフ・プロデュースされたサウンドは、バンド初期から貫かれているガレージ・ロックが炸裂。個性豊かなメンバー5人全員が“THE HIVESはこうあるべきだ”と大マジメにバンドと向き合い、衝突し合った末の結晶だ。ファッショナブルではないかもしれない。だが、自分たちが表現したいことを貫き通す彼らは、どこまでも勇敢だ。どれだけ時代が流れようと、THE HIVESはTHE HIVES。そう感じさせる彼らの芯の強さは聴く者にエネルギーを与え、笑顔を生む。真剣な熱いハートの衝突、これを青春と言わずして何と言おうか!
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THE ENEMY
Streets In The Sky
正直、THE ENEMYの新作にここまで心動かされるとは、我ながら驚きである。ファーストの時点では、その社会派ラッド気質には惹かれるものがあったものの、ソングライティング自体は凡庸に思えたし、セカンドでも、その強い政治的問題意識には敬意を払ったが、そのスケール感を増したサウンドにはあまり馴染めなかった。だが、サードとなる本作には、聴くたびに涙腺を刺激されまくっている。シンガロングなメロディを備えたロック・サウンドに、日々の生活の喜怒哀楽をロマンティックに描いた歌詞を乗せた全12曲。そんな、なんてことないシンプルなアルバムなのだが、こんなにも普遍的な喜びと悲しみを説得力と共に歌い上げることのできるバンド、今やそう簡単にいるわけではないのだ。
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KILLING JOKE
MMXII
Jaz Coleman率いるインダストリアル・へヴィ・ロック・バンドKILLING JOKE の通算14作目となる新作。後追いで彼らを知った筆者は、90年代の彼らの音楽――つまり、テクノを取り入れたハードコアに居心地悪さを感じ、聴けなかったクチなのだが、27年ぶりにオリジナル・メンバーが再結集し、セルフ・プロデュースで制作された前作は時代にマッチしたゴリゴリでエモーショナル、かつメロディの極まった良作だった。そんな『宣戦布告』より2年ぶりとなる今作は前作を踏襲し、タイトルが表すように2012年版にアップデートした内容。エレクトロニカを少々取り入れている部分が少し玉に傷(決して小手先ではないが)。いやはや、何よりこのパワー。ヴォーカルの伸びやかさったら。後追いでも間に合うよ!
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KAISER CHIEFS
Souvenir: The Singles 2004-2012
英国の国民的人気バンドKAISER CHIEFS初となるシングル・ベストが登場。04年のデビュー以降「Oh My God」、「Ruby」等、英国的なサウンドとキャッチーなメロディでアンセムそしてヒットを飛ばして来た彼ら。日本では若干他のバンドで埋もれがちな印象はあるものの、これまでのアルバムすべてがトップ10入りヒットするなど凄いバンドなのだ。改めて聴き返すと一曲の破壊力というかポップ・ポテンシャルに驚かされる。すぐ口ずさめそうなサビとフック満載でデビュー当時はポストBLURと言われたのも納得の完成度。シングル集なので1stの「Na Na Na Na Naa」が入ってないのは残念だが、今回収録された新曲も良くお得な一枚といっていいだろう。
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TANGO IN THE ATTIC
Sellotape
なるほど、スコットランドのVAMPIRE WEEKENDと称されるのも頷ける。カラフルでチャーミングな楽曲づくしのこのアルバムは、やはり全体を通してNYブルックリンあたりのインディー・ロック――特にANIMAL COLLECTIVE以降とでもいうべき、肉感的なビートを搭載したサウンドを聴かせてくれる。前作以上に幅が広がった作風で新しさはないけれど、瑞々しさや躍動感に満ちたトライバルなビートは、一時のブルックリンの盛り上がりに興奮した人なら、たまらないはず。シーンの隆盛が激しい今、時代を占うような作品ではないが、オモチャ箱をまさぐる様な音の戯れにウキウキして聴けてしまう作品だ。今年はアニコレ、GRIZZLY BEAR、MGMTなどかつてのトレンドを牽引したアーティストがリリースする。さて、インディー・ロックの今後はどうなるだろう?
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KEEP SHELLY IN ATHENS
In Love With Dusk / Our Own Dream
EPをリリースすれば即完売、インディー・ロック・シーンで注目を浴びているギリシャはアテネで活動する男女デュオ、KEEP SHELLY IN ATHENSの初のCD作品。2010年のデビューEP『In Love With Dusk』と2011年にリリースされたEP『Our Own Dream』がコンパイルされた今作。クールで重厚感のあるシンセ・ワークとダウンテンポのビートにメランコリックなメロディの女性ヴォーカルが絡みつきゴシックな雰囲気を醸し出しているが、カラフルな音色が要所に重ねられ、まるで暗闇の中を光の輪が躍っているようである。エレ・ポップの枠に留まらない多彩なサウンドはこれから更に進化していくだろうことが予想され、わくわくさせられる1枚である。
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BEACH HOUSE
Bloom
2010年の年間ベストの呼び声高い『Teen Dream』から約2年、またしてもVictoriaとAlexによるポップ・デュオBEACH HOUSEは傑作を創り上げた。儚いイマジネーションが開花した時に得られる一時の美しさを『Bloom』......花にモチーフを与え、制作された今作は、前作ほど"逃避"の様相は薄れ、だがしかし甘美で深遠ゆえの危うさの漂う、喪失感を伴った叙情性溢れる音楽。ギターのアルペジオとオルガン・ピアノが絡み合い飛翔していくかのような官能性と、Victoriaの中性的でイノセントなヴォーカルが手を組んで新たなユーフォリアを演出する。これは前作を聴いたときにも感じたことだが、黄昏時に聴くには、これ以上ないBGMなんじゃないかと思う。今作のテーマは"旅"なのだという。
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OTHER LIVES
Tamer Animals
2009年USインディー期待の新星という高評価と共にデビューした男女5人組バンドOTHER LIVESの2年ぶり2ndフル・アルバム。RADIOHEADのツアーにて前座へ大抜擢される快挙を成し遂げただけあって、その音楽性は崇高で神秘的な世界観に満ちており他のインディー・バンドとは異質である。それは作品タイトル曲「Tamer Animals」に鳴り響く力強くも幻想的なピアノの旋律と、まるで世界への啓示のように淡々と歌われる独特なメロディを聴けば納得して頂けるだろう。そしてリード曲「For 12」ではアメリカらしいクラシカルなフォーク・ロックの雰囲気に叙情的な深みを加え唯一無二なポップへと昇華させている。どこまでも美しすぎるオリジナリティで溢れた会心の一作。
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2:54
2:54
少し冷たいくらいが最高に心地いい。ロンドンにて2010年より楽曲デモをインターネット公開し、既にTHE BIG PINK等とツアーも回っているという姉妹バンド 2:54 のデビュー・アルバムは、夏の寝苦しい夜に、布団の体温を吸っていない部分を手探り足探りで見つけたときの感覚! 物憂げに響くギターの反響や淡々と刻まれるリズムを柔らかな歌声で編み込んでいくようなダークな楽曲群は一見ひんやりとした面持ちながら、聴き進めるごとに端々から溢れる感情が折り重なって温度を上げていく。Pitchforkにて24時間で1万再生を記録したTrack.2「You're Early」やラスト・ナンバーで「Creeping」まで、ただ空間をたゆたう無機質さより、黄昏時の音の森に響くようなエモーションを感じられる楽曲がひたすら美しい。クールとパッションの狭間にポンと放たれた1枚だ。
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TENACIOUS D
Rize Of The Fenix
このアルバムの邦題は『鳳凰♂昇天』という。そして「ねらえ!お手頃ネエチャン」だとか「俺のナオンはアラフォー」だとかいう、何だか意味の分からん邦題の曲が並んでいる。アルバムのメイン・テーマは下半身だそうだ……。完全にふざけてやがる……。そう言いたくなるのだが、ちょっと違う。これは遊びではない。俳優として活躍しているJack BlackとKyle Gassの二人からなるTENACIOUS Dは真剣に、クソまじめにふざけている。彼らはここで70~80年代に輝いていたハード・ロックを細工せずに再現してみせる。70年代と80年代が俺の青春だと言わんばかりの勢いで、自分たちが憧れたロック・スターになりきっている。彼らのなりきりっぷりと、ふざけっぷりは中途半端ではない。
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