DISC REVIEW
Overseas
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DEAD CAN DANCE
Anastasis
なんと16年ぶりのリリースとなる通算9作目のフル・アルバム。かつてのダークで壮大な唯一無二の世界観は一層の高みへと昇華されており、あらためて音楽とは崇高な芸術なのだと気づかせてくれる。先行公開された「Amnesia」は幻想的で威厳を放つBrendan Perryのヴォーカルをピアノとストリングスが果てしないほどの哀愁を演出しながら包み込んでいく貫禄のサウンド。そしてLisa Gerrardが妖艶で美しいヴォーカルを務める「Anabasis」では中近東の民族音楽を取り入れており、彼らの真骨頂ともいえるジャンルや国境をも越えたオリジナリティを垣間見ることができる。ギリシャ語で復活を意味するというタイトル通り、今作で完全復活を遂げたDEAD CAN DANCE。新たなる伝説が、ここからはじまる。
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THE DARKNESS
Hot Cakes
7年ぶりのリリースとなる3rdフル・アルバム。一時の解散状態にまで陥った危機を乗り切りオリジナル・メンバーで再集結したバンドは、よりゴージャスでキャッチーなロック・アンセムを引き連れて世界の最前線へと帰ってきてくれた。それを象徴するような「Nothing's Gonna Stop Us」の痛快で疾走感溢れるサウンドは苦い過去なんて吹き飛ばし再び頂点へと迫る勢いに満ち溢れている。そして日本盤ボーナス・トラックとしてRADIOHEADの「Street Spirit (Fade Out)」のカヴァーが収録されているのも非常に興味深い。彼らのロック・アイコンとして支持されている魅力を存分に味わえる快心作。ぜひ頭を空っぽにして爆音で楽しんでもらいたい。
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HAPPY HANDS CLUB
EP+Parking Lot
スウェーデンから登場の7人組の大所帯バンド、HAPPY HANDS CLUBが日本編集盤をリリース。大所帯バンド特有の壮大なアンサンブルも魅力だが、元々ソロで活動していたRicky Sokhiのプロジェクトというのもあるのだろう、サウンドはとても統一感のある仕上がりになっている。ネオアコやサーフ・ポップとTEAM MEを彷彿とさせるような、疾走感のあるドリーミーなダンス・ロックがブレンドされたサウンドに、男女の掛け合うヴォーカルとハーモニー がと ても心地良い。北欧バンドらしい透明感あるメランコリックなメロディと電子音、そして荒削りなバンド感のバランスが絶妙で、インディ・ロッ ク・ファンからスウェディッシュ・ポップのファンまで幅広い層に響く素晴らしい作品。
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SMASH MOUTH
Magic
米カリフォルニア州北部にあるサンノゼ出身のポップ・ロック・バンドSMASH MOUTHが、約6年振りにオリジナル・アルバムをリリース。今作は様々なソングライターを招き制作されたとのことで、多種多様なナンバーが聴き手を楽しませてくれる。どの曲もキャッチーなメロディが印象的で、思わず口ずさんで手拍子したくなってしまうほどハッピーだ。美しいピアノをフィーチャーした壮大なミディアム・ナンバー「Out Of Love」はSteve Harwell (Vo)のしゃがれ声が放つ包容力に胸が熱くなる。バンドのメイン・ソングライターだったGreg Campが昨年脱退し、心配していたファンも少なくないだろう。だが今作は変わらぬSMASH MOUTHらしさが貫かれた、夏にピッタリのマジカルなアルバムだ。
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FUN.
Some Nights
メジャー・デビュー・シングル『We Are Young』が大ヒットを記録し、ニューヨークを拠点に全世界へと活動を広げているFUN.。Kanye Westらを手がけているJeff Bhaskerをプロデューサーに迎え制作された同アルバムは、ロックをヒップホップやポップスのテクニックで昇華。リズムとが曲の持つムードを盛り上げてゆく。どの曲もドラマティックでダイナミック、美しいコーラス・ワークも相まってまるでミュージカルを見ているような高揚感だ。ポップな楽曲に時折混じるテクニカルなギター・リフもスパイスになっている。言葉を果敢にはじき出すNate Ruessのヴォーカルは、シンガーとしての存在感も抜群。情熱溢れる歌声には、不可能なことを可能にできるようなパワーが漲っている。
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John Frusciante
Letur-Lefr
元RED HOT CHILI PEPPERSの天才ギタリスト、John Fruscianteからソロ名義の新作EPがリリースされる。非常に多作で知られ、レッチリ以降は己のクリエイティヴィティを爆発させてきたが、これは"天才ギタリスト"という冠を葬り去る/ゆえに天才なんだ!という問題作だろう。Johnのコメントから引用すると"この音楽をプログレッシブ・シンセ・ポップと捉えている。5年前から実験的アシッド・ハウス・ミュージックを作り始めたんだけど、徐々にそれを僕のソングライティングやギター・プレイに取り入れるようになった"、と。ヒップ・ホップ、エレクトロニカ、ドラムンベースなど打ち込みを基本とした本作。ANTICONのアーティストにも通じる実験的な音響だ。9月にはフル・アルバムがお目見えするが今作は先行シングルではないので、必聴。
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KYTE
Love To Be Lost
過去にはその世界観にポストSIGUR RÓSなんてキャッチ・コピーが躍ったが、それとは一線を画したオリジナリティ溢れる美意識を確立した......そんな想いをより強固にしてくれる約2年振り4枚目の新作である。ここ日本では世界に先駆けいち早く火がつき、熱いファン・ベースを築き上げているUK叙情派、KYTE。本作のトピックはメンバー脱退で3ピースとなったことが伝えられるが、なにより初のUSレコーディングで制作された影響は大きい。持ち前の壮大でイマジネーション豊かなサウンドをより拡げるよう海を渡ったのか、彼の地の空気を吸ったエレクトロニクスとブレシー・ヴォイスの妙味はダイナミックかつシネマティックに美しい。最早、孤高の威厳までも漂う印象を受ける。プロデューサーはLOS CAMPESINOS!やBLONDE REDHEADを手掛けたJohn Goodmanson。
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THE MEN
Open Your Heart
NYブルックリン出身の4人組パンク・バンドの3枚目のフル・アルバム。ガレージ・ロックやハードコア・パンクをベースにした楽曲を中心にしているが、ただのパンク・バンドとカテゴライズ出来ないほどあらゆる要素を取り込んだ振り幅の大きい楽曲が特徴的だ。今作は冒頭2曲でストレートすぎるパンク・ロックを聴かせたかと思えば、次に一転してサイケデリックな浮遊感のあるインスト曲をもってくるあたりがとても面白い。そしてそこから繋がる「Please Don’t Go Away」、「Open Your Heart」、「Candy」といった完成度の高い楽曲が続くアルバム中盤の流れには思わず唸ってしまう。ノイジーだったりサイケデリックだったりアコースティックだったりするギター・サウンドが病みつきになり、一筋縄ではいかないバンドの魅力が詰まったアルバムだ。
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透明雑誌
透明雑誌FOREVER
Johnny Rottenよろしく“E・M・I~”と叫んだかはわからないが、この度、台湾発の4人組オルタナ・バンド透明雑誌がついにメジャー契約。本作は記念すべきデビュー・シングルとなる。2010年に母国で発表した1stアルバム『我們的靈魂樂』で繰り広げたWEEZERやPIXIESを彷彿とした90’sオルタナティヴ・ラヴァーっぷり、そしてNUMBER GIRLへのピュアすぎる回答がここ日本の早耳リスナーの間で話題となったのは記憶に新しいが、憧憬感と青春性の刹那、その姿勢はメジャーに移行しようが1ミリもブレておらず、数々の激しくも繊細なギター・メロディが胸を打つ。とりわけオープニング・ナンバー「透明雑誌FOREVER」は永遠のギター小僧に贈るアンセムだ! まだまだ未開拓であろうアジア・ロック・シーン全体を盛り上げるという意義もある1枚だろう。
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LEAGUE
Golden Maps
自主制作盤が配信のみでのリリースだったにも関わらず、アメリカの人気ドラマ「GOSSIP GIRL」で大々的に使用されたりと大きな話題になり、メジャー・レーベルの間で争奪戦が起こるなど、期待の新人として注目を集めているポルトガル人デュオLEAGUEの2枚のEPと未発表曲が収録された日本企画盤。全編にわたり色鮮やかで“ド”キャッチーなメロディとローファイなヴォーカル、アナログに近い質感の叙情的なシンセが響き渡る。冒頭で紹介したドラマで使用されたTrack.6「Strange Kind Of Love」は彼らの魅力が凝縮した甘酸っぱいメロディにミニマルなリズム、良い意味でチープなシンセ・ポップだし、Track.7の「Two Wild Hearts」は夕暮れの夏の海岸を思わせるようなメランコリックなビーチ・ポップだ。美メロなインディー・ポップ好きなあなたの、今夏のサウンドトラックに是非。
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LISSY TRULLIE
Lissy Trullie
米ワシントンDC出身のLissy Trullie率いる4人組バンド。2009年にEPをリリースし好評価を得て、本作がデビュー・アルバムとなる。名前がそのままバンド名となっており、今作もセルフ・タイトルとなっている事実からもわかるようにLissyの存在感が突出しているが、今作にはソロではなくあくまでバンドとしての魅力が詰まっている。基本的に楽曲はポップでシンプルだが、ダーティーでロックな楽曲からナチュラルでポップな楽曲まで歌いこなす彼女の少しクセのある歌声はとても魅力的で、楽曲ごとの多彩なアレンジと相まって、独特で芸術性のあるものに仕上がっている。モデルとしても活躍しており、ファッション・アイコンとしても注目されている彼女のヴィジュアル面も話題で、今後の飛躍に大いに期待ができる。
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TEAMS
Dxys Xff
マイアミのビート・メイカー/プロデューサーSean Bowieのソロ・プロジェクトTEAMS。2011年にマンチェスターのプロデューサーDarren WilliamsによるStar Slingerとのコラボ作品『Teams vs. Star Slinger』をリリースして話題となった。本作は同じく2011年にヴァイナルとデジタルのみでリリースされた作品の初CD化となる。全体的に心地の良いローファイなエレクトロ・サウンドがベースとなっており、そこまで斬新さはないがレトロ且つ面白いサウンドに仕上がっている。R&B、ファンク、ヒップ・ホップなどの要素を見事に融合しており、女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウな楽曲では心臓の鼓動を聴いているような切ないビートが突き刺さる。ビート・ミュージックのファンはもちろん、アンビエントやチルウェイヴのファンにもオススメの、聴き応えのある1枚。
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THE D.O.T.
Whatever It Takes EP
昨年THE STREETSの最後の作品にヴォーカルとして参加した元THE MUSICのフロントマンRob Harvey。その2人が本格的にユニットとして活動を開始したのがこのTHE D.O.T.だ。THE STREETSことMike SkinnerのアッパーでキレのあるトラックにRob Harveyのエモーショナルでアップリフティングなヴォーカルが絡み合う。ジャンルは違えど2000年代のUKシーンの先頭を走っていた2人の個性が、違和感なく溶け合い新たなグルーヴを作り出している。今後も彼らからどのような化学反応が起こるのか楽しみだ。今年のFUJI ROCK FESTIVALにも出演が決定しており、そのパフォーマンスにも大注目だ。
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DUSTED
Total Dust
THE XXやSBTRKTを輩出したYOUNG TURKSからリリースし、日本ではFUJI ROCK FESTIVALでの壮絶なプレイも話題になったHOLY FUCKのBrian Borcherdtと、FINAL FANTASY(現OWEN PALLETT)でDrとエンジニアをつとめていたLeon Tahenyによるユニットのデビュー・アルバム。Track.1の「All Comes Down」から枯れたギターとローファイかつ儚げなメロディが染み渡る。非常に宅録的で飾り気のないリラックスした楽曲が並ぶのだが、それがより彼らのソングライティングの素晴らしさをむき出しにしている。カントリーやフォークなどのルーツ・ミュージックがもつ普遍的な歌の響きとシューゲイザーやフォークトロニカ等の質感まで感じるインディー・サウンドとの調和。子供の夏休みのように行楽気分にはなれないけれど、夏のうだる暑さが嫌いじゃないあなたのベッド・ルームにこのアルバムを。
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BLOC PARTY
Four
4年の沈黙を破りBLOC PARTYが帰ってきた。フィジカルで本能的なダンス・ミュージックと強靭かつモダンなロックを融合させUKのロック・シーンにおいても人気、実力共に頭1つ抜けていた彼らがフロントマンのKele(Vo&Gt)に"僕たち4人じゃなければ作れなかったサウンドだし、今まで作ったどのアルバムよりも誇りに思う"と言わしめたアルバムを持って。確かに今作は4年の月日を一気に埋めるほどのパワーを感じる。Track.3の「3×3」はライヴの新しいアンセムになり得る曲だし、メンバーが昔のBLOC PARTYっぽいと言うTrack.8「V.A.L.I.S」もアプローチが似ているからこそ今の充実ぶりを深く感じる。そしてTrack.9「Team A」は今作のハイライトになるだろう。彼らのシーンへの復帰は単なる帰還ではない、"奪冠"だ。
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THE SMASHING PUMPKINS
Oceania
90年代、"オルタナティヴ"の象徴のひとつとしてシーンを席巻したバンド、THE SMASHING PUMPKINS。そんな彼らに夢を見た人なら、この新作をどう受け取るだろうか?5年振り通算7枚目の新作『Oceania』は、まさにスマパンらしい王道から未開の地を切り開くような実験まで詰め込まれた、果敢な意欲作となっている。Track.1「Quasar」やTrack.2「Panopticon」はヘヴィでアグレッシヴなギター・リフが炸裂すれば、Track.6「One Diamond, One Heart」ではエレクトロの打ち込み主体で繊細な叙情詩を奏でる。そして圧巻はタイトル・トラックとなった「Oceania」の約9分間に及ぶ壮大なロックンロールだ。これまでのスマパンを裏切りながらも、新たな領域へ踏み込んだ世界が拡がっている。スマパン......というかBilly Corganは紆余曲折を繰り返しながらもチャレンジ精神を失っていない。感動的だ。
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MAXIMO PARK
The National Health
ダンス・アクトを中心に良質なギター・バンドも多く抱える老舗レーベルWARP RECORDSだが、想えばこのバンドが出発点だったのは懐かしい。イギリスはニューキャッスル出身のロック・バンド、MAXIMO PARKが4thアルバムをリリースする。プロデュースはPIXIESやFOO FIGHTERS、そしてMAXIMOでは2ndアルバムも手掛けたGil Nortonがカムバック。過去にバンドの表現の幅を拡げた重要人物だが、今作でもその手腕は遺憾なく発揮されている。UKのひねくれセンスを持ちながらもUSオルタナの憧憬を見つめるようなロックンロールは不変だが、4枚目でも瑞々しい勢いと潔さを保持しているのは素晴らしい。00年代デビューの現在中堅どころはセールス面の苦戦やメディアの露出低下などなにかと逆境に立たされるが、このパワフルなメロディは多くのリスナーを鼓舞するだろう。
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ALT-J
An Awesome Wave
ダブステップにフォークの要素を取り入れ自ら“フォーク・ステップ”と語るサウンドで話題の新人バンドが登場。全くのプロモーションなしで、デモ音源がSoundcloudで約半年間での再生回数が7万回を超えるなど異例の快挙を成し遂げている。フォークを基準としながらシンセ・ポップやヒップホップをも飲み込んだ彼らのサウンドは近年のRADIOHEAD等を彷彿とさせるが、同郷のWILD BEASTSの様なファルセット・ヴォイスやUSフォーク・シーンの影響を受けたであろう美しいコーラス・ワークやメロディなど、アルバムは実験的でありながらポップでどこか懐かしさがあり心地いい。FUJI ROCK FESTIVALでの来日も決定。このサウンドをどうライヴで表現するのかとても楽しみだ。
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FUCKED UP
David Comes To Life
FUCKED UP IS BACK! 既に昨年リリースされておりSPIN誌では数々の名作をおさえ年間ベスト・アルバムにも選出されており、耳の早い洋楽リスナーの間では話題だったアルバムが遂に日本上陸。彼らの音楽を一言で表すとおそらくハードコアが一番しっくりくるのかもしれない。確かにその名に違わずパンク・スピリットやポリティカルな姿勢は崩さない。しかしこの音はどうだろう。1曲目とされているスキットから恐らくリード曲であろう「Queen Of Hearts」に移った瞬間から広がる彼らのハードコアは何かを打ち倒してくれるような活き活きとした力強さに溢れているが、決して排他的ではないし叙情的なシンセもあいまって強靭かつエモーショナルなロックを全ての曲において展開する。FUJI ROCK FESTIVALでの久々の来日! 絶対観たほうが良いですよ。
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Jónsi
We Bought A Zoo / 幸せへのキセキ
SIGUR RÓSのフロントマンJONSIが映画「幸せへのキセキ」のために手掛けたサウンド・トラック・アルバム。主題歌として書き下ろされた「Gathering Stories」を含む2曲の新曲に加えて、2010年に発表したソロ・アルバム『Go』の収録曲とSIGUR RÓSからの既発曲をバランス良く揃えた内容となっており、まるで彼自身のベスト盤のような仕上がりだ。作品は劇中で使用されているシリアスな響きを持つインスト曲がポップで賛美歌のように歌い上げる曲への良い繋ぎを果たしながら、自然と聴く者を温かくもドラマチックな世界観へと深く誘っていく。そしてエンディングを迎えた後には清々しいまでの独特な心地よさを覚えることだろう。ぜひ映画とあわせて楽しんでもらいたい良作。
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