DISC REVIEW
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SPiCYSOL
TWO
2月に配信リリースした「Far Away」を含むデジタルEP。全3曲の選曲にはドライヴのBGMという裏テーマがあるそうだ。1曲目の「Playback」は、ブラック・ミュージックというルーツが如実に表れた、ファンキーなダンス・ナンバー。セクシーな歌詞とともに楽しみたい。そこから一転、「Far Away」は、'80s調のリバービーなサウンドが印象的なミッド・テンポのロック・ナンバー。遠回りすることは決して無駄じゃないというロード・トリップと人生を重ねたメッセージは、今だからこそ多くの人の胸を打つはずだ。3曲目は、彼らの代表曲のひとつである「Traffic Jam」を、覆面ユニット AmPmによるリミックスで収録。AmPmの大ファンだというメンバーのたっての願いでコラボが実現したそうだ。
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Rei
QUILT
Reiが音楽仲間たちと織り成す、11色の魔法のカーペット=QUILTというキャッチフレーズ以上の驚きが詰まった、初のコラボ・アルバム。1曲目はRyohuのスピーディなラップはもちろん、トラップやファンクなど、めくるめくリズムの変化と強力なギター・ソロが幕開けにぴったりだ。藤原さくらや長岡亮介(ペトロールズ)とのコラボでは、オフビート気味のカントリー/グラス・ミュージック感が漂い、ミニマル・ファンクの雄であるギタリスト、Cory Wongとの2曲は最新のグルーヴ感、トリプル・ギターがチェイスするようなスリリングな展開も。また、こんなにかわいい(失礼!)細野晴臣の歌が聴けるのはこのコラボぐらいでは? と思わせる「ぎゅ」、ギタリスト同士の無言の対話が堪能できる渡辺香津美とのインストも豊穣の極み。
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MEMEMION
Cantaville
'21年4月に結成された5人組バンド、MEMEMIONによる愛と許しを謳った5thシングル。セクションごとに違う階層へワープするように転調を重ねるアッパー・チューンで、それを乗りこなす各メンバーのプレイも複雑で聴き応え抜群。しかし理論武装しすぎず、時には衝動に身を任せるなど、ある種の力技も共存しているバランスが面白くスリリングだ。また、こういった曲を小難しいものとして聴かせず、アンサンブルの疾走感やメロディの歌力でもって、キャッチーな音楽に落とし込んでいる点からバンドの手腕が見て取れた。エドガー・サリヴァンのギタリストで、このバンドでは曲を書いて歌を歌う坂本 遥が、音の人であると同時に言葉の人であったことを感じさせる歌詞表現も興味深い。
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Youplus
Delight
元アンジュルムの中西香菜、元乃木坂46の川後陽菜、元モーニング娘。の尾形春水、元フェアリーズの林田真尋、アイドル・グループのOGのみで結成された新たなガールズ・グループ Youplusの新作。"出逢いの歓び"について歌う表題曲は、次々に展開されるエモーショナルなメロディが聴きどころの1曲。中西を起点とした出逢いや巡り合わせで結成されたこのグループだけに、その歌唱には重みがある。カップリングの林田真尋ソロ歌唱曲「ぼくたちの失敗」は、SEKAI NO OWARIのグローバル・プロジェクト"End of the World"の総合プロデューサー/クリエィティヴ・ディレクターでもある、Youplusプロデューサーの和田直希による作詞作曲。透明感のある彼女の歌声が心に染み渡る。
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ビッケブランカ
BEST ALBUM SUPERVILLAIN
メジャー・デビュー5周年記念ベスト盤はファン投票で決定した曲を中心に選曲。新曲「アイライキュー」を含む全36曲のボリュームとなっており、5年の間にもそのポップな地図を大きく広げて、身軽に自由に、ワクワクしながら新天地に旗を立てていく彼の旅をともに楽しむ内容に。高揚感溢れるピアノやストリングスで彩られた「ウララ」や「Slave of Love」のメロディ、奇妙だが高い中毒性を持ったそのダンス・ミュージックにリスナーを巻き込んでいく「Ca Va?」や「Shekebon!」、硬質なロック・チューン「Black Rover」、「Black Catcher」、EDMから王道的な歌謡曲も。マニアックなツボをつきながら、キャッチーでいつでも寄り添ってくれる音楽に仕立てる才は実にマジカルだ。
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
プラネットフォークス
進化を続けるアジカンの10thアルバム。三船雅也(ROTH BART BARON)とのハーモニーが圧倒的な爽快感を生むリード曲や、切なくも温かいサウンドに乗せた美しい言葉が沁みる「フラワーズ」、ラップとの融合が新しい「星の夜、ひかりの街(feat. Rachel & OMSB)」、"胸の奥で歌ってよ"という言葉とともに壮大なコーラスが響く今のライヴ・シーンを映したような1曲「Be Alright」など、青春を彷彿させる初期楽曲の青さと、近年の洗練された円熟味が合わさった14曲が収録。アジカンらしさを核としながらも、多彩なアレンジやコラボで新たな広がりを見せている。また多様性やネット社会に切り込む歌詞も奥深い。この惑星に生きるすべての人にとっての明るい未来を祈る1枚。
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KANA-BOON
Honey & Darling
谷口 鮪(Vo/Gt)の復帰を祈り待っていたファンへのアンサー・ソングでもある「Re:Pray」から始まる本作は、タイトルに"あなたは誰かにとって特別な存在である"という思いが込められたように、彼らにとっての特別な存在に届けたい温かいメッセージに溢れている。深い悲しみの中で生まれた楽曲たちは、自分自身を勇気づけるように希望を歌い、聴く者の孤独を救うように語り掛ける、共に生きていくための歌だ。バンドを象徴するキャッチーさはそのままに、より深みを増した歌声と演奏。ファンと共に苦境を乗り越えた今の彼らにしか出せない音、伝えられない言葉が心を震わす。そして、生きづらさを歌いながらもポップに響くサウンドがグッとくる1曲「メリーゴーランド」が、心に暖かな光を灯しアルバムを締めくくる。
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amazarashi
七号線ロストボーイズ
コロナ禍におけるリアルを吐き出した前作『令和二年、雨天決行』に続く新作。今回は見えない未来に一歩踏み出すために、まずそもそも自分はどんな人間だったのか? を青森での少年時代と今を時空を超えるように描写。硬質なラップに近いニュアンスの「感情道路七号線」に始まり、ピアノとシンセ・ストリングスが映像喚起力抜群の「火種」や、TVアニメ"86―エイティシックス―"OPテーマ「境界線」を挟み、中盤では学生時代の居場所のなさや、せつないほど荒んでいく暮らし、生まれ育った街の過去の歴史にも触れていく。その中でも常に自分にとっての真実めいたものをほのかな希望として描いていることが、現在の混沌とした時代に響く。また人気漫画"チ。"との"往復書簡"企画の発端である「1.0」も収録されている。
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フレデリック
フレデリズム3
前作から約3年ぶりのフル・アルバム。和田アキ子への提供楽曲「YONA YONA DANCE」のセルフ・カバーや、須田景凪との共作「ANSWER」をはじめ、電子ドラムを導入した実験色の強い「Wake Me Up」、三原康司(Ba)がヴォーカルを務めた「YOU RAY」、昨年2021年の日本武道館公演で初披露された「名悪役」など、バラエティに富んだ全14曲が並ぶ。驚くのはこれだけジャンルレスな楽曲群をフレデリックのサウンドとして昇華させている点だ。これまでファンク、ディスコ、モータウンなど様々なダンス・ミュージックの形を、記名性の高いサウンドとフレーズをもって提示してきた彼ら。本作は、フレデリックがデビュー当時から標榜してきたそんな"フレデリズム"の堂々たる総決算と言える。
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Ivy to Fraudulent Game
胸を焦がして
4thアルバムからの先行シングルとなる本作。キラキラしたグロッケンの音色が弾むイントロからスタートする表題曲「胸を焦がして」は、春の訪れを告げるような今の季節にぴったりの明るいメロディが印象的だ。しかし、心弾むサウンドに乗せて歌われる歌詞には、弱さや憂いが綴られている。"夢は叶う"、"きっとうまくいく"と歌うのではなく、うまくいかない人生も受け入れありのままを映す言葉たち。そんな共感性の高い歌詞は、不安を抱えながらも思い描いた未来に胸を焦がし生きている、すべての人の人生を肯定する包容力と温かさを持っている。また2曲目のタイトルは事前に明かされておらず、CD購入者だけが楽しめるエンタメ性も魅力。ニュー・アルバムへの期待も高まる。
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小林私
光を投げていた
前作以降、フェスで入場規制をかけたりラジオ番組が開始したり幅広い層を虜にしている小林私が、自主レーベルより2ndアルバムを発表。前作のラスト曲「生活」を、豪華演奏陣やアレンジャーと共にブラッシュアップしたリアレンジVer.で始まる本作は、煌びやかなポップスやビッグ・バンド風のジャジーなナンバーなど、さらに多彩なジャンルを横断する。小林からのラヴ・コールで実現した清 竜人プロデュースの「どうなったっていいぜ」は、清 竜人節の効いたロマンチックなサウンドに小林の荒々しさがマッチした色っぽい仕上がり。その他BOBO(Dr)や奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン/Acc/Pf/Key)が演奏する「冬、頬の綻び、浮遊する祈り」など、濃厚な個性を強力な歌で乗りこなす小林の実力を示す。
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神谷志龍
GHOST AID
令和元年に始動したシンガー・ソングライター、神谷志龍。いわゆるネット発のアーティストの中でも、リアルでダークでヒリヒリとした世界観で注目を集めているのが彼だ。そんな神谷が初めて投稿した曲「独白」から、ここまでの歩みをパッケージングした1stアルバム。社会とうまく付き合っていくために精一杯やっているのにどこか孤独を感じてしまったり、つらいと言えずに平気なふりをしてしまったり......そんな想いをぽつりぽつりと吐露するようにダウナーに、はたまたモヤモヤをぶつけるようにぶっきらぼうに、繊細なロック・サウンドに乗せ歌う。言葉遊びも巧みに詰め込まれた歌詞の一文字一文字からは、憂いと共に"それでも本当は生きていきたい"という切実すぎる想いが伝わってくる。共に今を生きる私たちの心を揺さぶる1枚。
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DeNeel
SYMBOL
約1年半ぶりのミニ・アルバムが到着した。オープニングは、リリック・ビデオの再生回数も38万回超えで好調の「百鬼夜行」。きらびやかな都会を"乾いたこの街"と表現し、きれいなものの裏側を描くクールなロック・チューンだ。続いて3拍子のテンポで、怪しげな音像から突如ロマンチックな香りを漂わせる不思議な1曲「円舞曲」、重めのイントロから新境地を感じさせるリード曲「煙」、歌謡曲的な要素をモダンにアップデートする、彼らの掲げる"OSAKA REVIVAL POP"が色濃く表れた「黒く、彗星」、アーバンなシティ・ポップ的チューン「サヨナラ」と、趣はそれぞれに違いながらも、ダークさと妖艶さを全7曲で貫き通す。バンドの向かうべき方向が固まり始めたという彼らのマイルストーン的作品。
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アルコサイト
思い出に変わるまで
昨年は、「さよなら、桜桃の花」などバンドの新たな面をうかがわせる3曲連続配信を行ってきた4人。コロナ禍でライヴなどができない期間は制作に磨きをかける時間にあてて配信の3曲や、今回のEP『思い出に変わるまで』を作り上げた。EPの1曲目「オリオン」は、アルコサイト印と言えるストレートで、勢いのあるギター・ロックをより鮮やかに、きらめくような青春期のかけがえのない瞬間を深く濃くメロディやサウンドに刻む曲となった。青い春ならぬひねくれた我が道を行く「赤い春」や、ナイーヴな心の奥で熱い叫びを燃やし続ける「ロックが足りない」でのヒリヒリ感も、大阪弁でのバラード「墓場まで持っていくわ」での情緒あふれる歌とギターの絡みにも、バンドのいいテンションや、互いの呼吸感が伝わる。
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ExWHYZ(ex-EMPiRE)
EMPiRE'S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW
昨年2021年11月23日に開催され、即日ソールド・アウトを達成した自身最大規模のワンマン・ライヴである幕張メッセイベントホール公演が映像作品化。360°の円形ステージで、彼女たちが主軸に置くダンス・チューンにロック・ナンバー、エモーショナルなバラードが次々に展開される本ライヴには、このときのEMPiREに出せるすべてが詰め込まれている。大舞台に物怖じせず、とにかく楽しんでいる6人の表情が終始印象的だ。客席からでは観ることができなかったアングルや、映像作品ならではのカメラワークは、当日会場に足を運んだ方にとっても新しい発見の連続になるはず。グループの歴史を語るうえでひとつの転機となりそうなライヴだけに、エージェント(※EMPiREファン)必携の作品だと言えるだろう。
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獅子志司
揺ら揺ら
音楽家としてのスタートラインに立ったばかりだからこそ、その迷いを挑戦的にパッケージできる。そんな獅子志司の1stミニ・アルバムだ。最新のヒップホップを大胆に取り入れた「忘憂」や「らんだ」をはじめ、より自分自身の表現の枠を押し広げることになった今作には、決して平等ではない社会で自分のやりたいことで認めさせるという想いが、くっきりと浮かび上がる。下げたくもない頭を下げながら虎視眈々と下克上を狙う「鬣犬新書」を皮切りに、ないもねだりの「忘憂」を経て、「橙一点」や「日進月光」で光の在り処へと向かう。音楽的なアウトプットの取捨選択に迷いはあれど、獅子志司が音楽をやる意味には明確な答えがあるのだろう。それは、今生きる人の味方であるということだ。
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め組
LOVE
昨年、新キーボーディストに久佐賀 麗を迎えため組のニュー・ミニ・アルバム。これまでも彼らの楽曲には愛が深く通底していたが、今回はタイトルにも"LOVE"を掲げ、バンドのアイデンティティを強く表明するような1枚になった。緻密に音を重ねた賑やかなバンド・サウンドだけではなく、電子ピアノの柔らかな音色を軸にムーディに聴かせる「愛し、愛され」や、打ち込みを取り入れたミニマムなアレンジで仕上げた「REC」などは、間違いなくバンドの新機軸。ウクレレの調べがトロピカルな南国の気分を呼び起こす「切ない」は、"せつないはキリがない"という菅原達也(Vo/Gt)のユニークな着眼点が面白い。珠玉は2020年にリリースされた配信曲の再録「YOLO(2022ver.)」。大きな愛が胸を打つ。
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THE BACK HORN
アントロギア
コロナ禍でライヴ活動が止まってしまった際、そのかけがえのなさを描いた「瑠璃色のキャンバス」からスタートした本作。次第にツアーも開催するなかで生まれた「希望を鳴らせ」や「ユートピア」といった新たなアンセムに加え、山田将司(Vo)がラテン音楽からインスピレーションを得て、松田晋二(Dr)がそこに妖しさや生々しさを言葉として書いた「深海魚」、4ビートのジャズのみならず、8にも16にもリズム・チェンジするスモーキーな「戯言」、素直なメロディと力強いボトムを持った岡峰光舟(Ba)の「夢路」、エレクトロ・サウンドやSEの使い方と黙示録的な歌詞が菅波栄純(Gt)らしい「ウロボロス」、神聖なムードや声のレイヤーに新鮮さを感じるラストの「JOY」まで、50分弱でこれほどまでに多様な世界観を体験させるこのバンドの柔軟性にも感動する。
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新山詩織
I'm Here
凛とした軸とフラジャイルな感覚を併せ持つ新山詩織の歌の魅力を、主に同世代のミュージシャンとともに、インディー・ポップやオーガニック、時にジャズの自由度も取り入れたアレンジで昇華した復活作にして傑作。1曲目の「Smile for you」がアカペラ始まりでピアノ伴奏のみで進行していくことに決意を感じるし、ドラムレスでパーカッションを入れることで隙間の多いアレンジを実現した「New」と「ミルクティー」で際立つ声の魅力、シューゲイザーでありつつ、ビートは控えめな「帰り道」の音像の新鮮さ、アコギとエレキのみでオルタナティヴ・フォーク感を浮かび上がらせる「ワンルーム」、浮遊感のあるモダンなサウンドの「Do you love me?」。素直な心の内がシンプルな音像にマッチして心に浸透する。
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Lucky Kilimanjaro
TOUGH PLAY
1曲目から隙間の多さとドゥーワップなのかハウスなのか? 不思議な気分にアゲてくれる「I'm NOT Dead」に驚かされる。曲の前半をあえてビートレスにする「ZUBUZUBULOVE」や「果てることないダンス」もユニーク且つ、現行の海外シーンと共振する音像だ。先行配信されていた「踊りの合図」ではグッと生感のあるボサノヴァ~サルサ・テイストが飛び出し、「無敵」のアフロ・リズムによって、さらに身体が反応する。ラッキリには珍しい一夜限りの経験を思わせる「足りない夜にまかせて」に漂う、深夜のフロア感もリアルだし、同時にまだ部屋でひとりモヤモヤを抱える今の心情に重ならなくもない。逡巡もありながら、リスナーを外へと解放する「人生踊れば丸儲け」などなど、アクションを促す痛快なアルバムだ。(石角 友香)
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