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DISC REVIEW


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Future Nostalgia (Bonus Edition)

Dua Lipa

Future Nostalgia (Bonus Edition)

UKの新世代ポップ・クイーンの大ヒット・アルバム『Future Nostalgia』が、大物アーティストたちによるリミックス盤『Club Future Nostalgia』とセットに! 80'sディスコ・サウンドへのリスペクトと、最先端のエレクトロ・サウンドを掛け合わせたオシャレなダンス・ミュージックには、幅広い世代を虜にする力がある。Christina Aguileraにも負けない迫力満点の歌唱力と、Kylie Minogueにも通じるポップネス、そしてアイドル性もある抜群のルックス。まさに全方位型の歌姫! リミックス作品ではMissy ElliottやMADONNA、Gwen Stefani(NO DOUBT/Vo)、Mark Ronsonらに加え星野源が参加したことも話題に。

Death Of An Optimist

GRANDSON

Death Of An Optimist

シングル曲「Blood // Water」が早耳リスナーから注目され、Mike Shinoda(LINKIN PARK/Vo/Gt/Key)のソロ・アルバムに参加したことも話題となった、カナダ系アメリカ人アーティスト GRANDSONの1stフル・アルバム。このデビュー・アルバムでは、そんな彼の豊かな才能をじっくりと味わうことができる。全体的には、気だるいトーンで彩られているが、その内に秘めた激しい感情が露わになる瞬間に思わずハッとさせられる。メッセージ性の強いリリックのパワーはもちろんあるが、繊細なメロディと、語り掛けるようなラップのどこか切ない響きがクセになる。激しくてグルーヴィなラップ・ロックとシンプルなインディー・ロックの間を行きかう、自由度の高さも今っぽい。

This Place Sucks Ass

PUP

This Place Sucks Ass

2019年のアルバム『Morbid Stuff』が数多の音楽メディアで年間ベストにリストアップされるなど高い評価を得た、トロントの4人組ポップ・パンク・バンド PUP。彼らが、同作のアウトテイクに新曲を加えたEPをリリースした。エネルギッシュなTrack.1、破天荒な展開をみせるTrack.2、疾走感溢れるショート・チューンのTrack.6など、内省的なムードが漂っていたアルバムに比べると、本作ではバンドの持つ狂騒的で豪快な部分を増幅させたようなサウンドを披露していて、アルバムと好対照をなす作品と言えるだろう。映画"28日後..."で使用されたGRANDADDYの「A.M. 180」を轟音でカバーしたTrack.3も、混迷の時代に寄り添うようで趣深い。

Hey U X

BENEE

Hey U X

ニュージーランド出身、Z世代の新星シンガー・ソングライター BENEEが初のアルバムをリリースした。TikTokでダンス・チャレンジ動画が投稿され世界的ブレイクのきっかけになったTrack.4は、華やかなディスコ・トラックに乗せて(失恋の)孤独を楽しく嘆く楽曲で、ロックダウン下の人々に刺さったのも納得のキラーチューン。かねてよりファンだったというGRIMESとコラボしたレイヴィなTrack.3、自粛期間中に観察していたカタツムリから着想を得たラップ・ナンバーのTrack.5、ダウナーなロック・サウンドにファルセットが心地よいTrack.8など、自由度の高い歌唱スタイルと楽曲でオルタナティヴなポップ・ワールドを展開。自身の恋愛経験に基づいた、赤裸々なリリックにも注目だ。

Hello, It's You

BEARINGS

Hello, It's You

カナダ発のポップ・パンク・バンド、BEARINGSの2年ぶり2枚目となるアルバム。GOOD CHARLOTTEや5 SECONDS OF SUMMERなどを手掛けたCourtney Ballardをプロデューサーに迎えた今作は、前作で披露した切なさと耳馴染みの良さを併せ持つメロディを引き継ぎながら、グッとメジャー感の増したサウンドに。イントロからポジティヴなヴァイブスを漂わせるTrack.1に始まり、80s風なシンセで甘酸っぱいフレーズを奏でるTrack.3、トラップ・ビートにアコギを絡ませたTrack.8と、挑戦的なアレンジもハマっている。ストレートに感情を乗せたラスト2曲も素晴らしく、ポップ・パンク直撃世代からエモ/オルタナ系のリスナーまでおすすめしたい1枚だ。

Young Dumb Thrills

MCFLY

Young Dumb Thrills

2016年のツアー以降バンドを休止し、ソロ活動などそれぞれのキャリアをスタートさせたUK発ポップ・ロック・バンドが再集結。オリジナル・アルバムとしては10年ぶりの作品が完成した。先行してリリースした、軽やかできらめきを詰め込んだポップ・チューン「Happiness」や、BLINK-182のMark Hoppus(Vo/Ba)をフィーチャリングした「Growing Up」など、全12曲が収録。ロック感の強いパワフルな曲が多かった印象だが、一呼吸置いて改めて4人のバンドで放つサウンドはアレンジの自由度が広がって、エバーグリーンなメロディを生かすような芳醇でマジカルなものとなっている。ボーイズ・バンドという荷を自然に下ろして、大人の佇まいや、ほど良く力が抜けた感じが音にも映る。

Big Vibe

SEAWAY

Big Vibe

カナダはオンタリオ州出身、2017年には初来日を果たしたSEAWAYの3年ぶり4thアルバム。これまで、ハードコアに出自を持つポップ・パンク・バンドらしいカラッとした質感のエネルギッシュなサウンドを鳴らしていた彼らだが、今作ではWEEZERチックなオルタナ/パワー・ポップ要素が増加。粘り気のあるギター・サウンドと哀愁を感じるエモーショナルな旋律が組み合わさって、一歩成熟した印象を受ける1枚に仕上がった。明るい歌メロとミッドテンポのビートが爽快なTrack.2、熱量と切なさを併せ持ったTrack.6、ヒップホップ調のラフな譜割りが心地よいTrack.9など、持ち前のグッド・メロディを生かした楽曲群は、これまでよりもさらに幅広い層へと刺さりそうな予感。

Song Machine: Season One - Strange Timez

GORILLAZ

Song Machine: Season One - Strange Timez

バーチャル・バンド GORILLAZが2020年初頭にスタートした音と映像のコラボ・プロジェクト、"Song Machine"の"シーズン1"を総括するアルバムがリリースされた。Robert Smith(THE CURE/Vo/Gt)が耽美な歌声を披露するTrack.1を筆頭に、今回が中心人物 Damon Albarn(BLUR)と初コラボのBECKや、ST. VINCENT、そして御大 Elton John(MVではカートゥーン化!)と、豪華ゲストが登場。日本から唯一参加のCHAIがJPEGMAFIAとピースフルなトラックを作り上げる「MLS」も面白い。ゲストの魅力をしっかりと引き出し、いい意味で雑多さを残しつつ1枚のアルバムとしてまとめあげたDamonの手腕はさすがのひと言。

Moral Panic

NOTHING BUT THIEVES

Moral Panic

前作『Broken Machine』が過去最高の全英チャート2位を記録し、2015年のデビュー以来快進撃を続けているNOTHING BUT THIEVES。前作と同じくプロデューサーにMike Crosseyを迎えた3年ぶり新作では、ソリッドなギター・リフとそしてConor Masonの歌唱力という武器に磨きをかけつつ、アリーナ・クラスのダイナミックなサウンドへと破格の進化を遂げている。ラウドロック並みの圧力を持ったTrack.1、10から、ドラマチックな情景を魅せるTrack.4、11まで、緊張と美意識を湛えた圧巻のロックを展開している。比較されることが多い先輩 MUSEの『Absolution』のように、大躍進の3rdアルバムになる可能性は十分だ。

Strange Days

THE STRUTS

Strange Days

コロナ禍の中、プロデューサー Jon Levineの家に泊まり込み10日で10曲RECしたバンドの勢いと調子の良さが反映されたパッシヴなR&Rアルバム。ゲストも話題で、THE BEATLES的なメロディを持つ有機的なミディアム・チューンの表題曲にはRobbie Williamsが、電話口の会話から始まるアイディアも楽しいナンバーにはDEF LEPPARDのJoe ElliottとPhil Collenが切れ味鋭いギターで参加。ヘヴィな曲をブラッシュアップしたのはTom Morello(RAGE AGAINST THE MACHINE etc.)、軽快な8ビート・ナンバーにはTHE STROKESのAlbert Hammond Jr(Gt)が客演。ゲストの資質が様々でも仕上がりは抜けが良くドライヴするR&R。先の見えない状況で不可能を可能にしたバンドの痛快さが作品化した印象だ。

Use Me

PVRIS

Use Me

ONE OK ROCKやcoldrainとも共演し、オルタナ・ロックというジャンルの垣根を越えてその知名度を増しているPVRIS。Warner Records移籍作となる3rdアルバムは、フロントウーマンのLynn Gunnが作詞作曲はもとより、演奏やプロデュースなどクリエイティヴ面の多くを担った、心機一転の作品になった。退廃的なエレクトロ・サウンドに気だるいLynnの歌声が絡むTrack.2、ハード・サウンドでEDM的な高揚感を生み出すTrack.5、アコギ・サウンドに美しいコーラスが染みわたるTrack.8など、持ち前のエモーショナルなオルタナ×エレクトロのスタイルを進化させながら、メインストリームにも接近。さらにサウンドの自由度を増したアルバムだ。

Shiver

Jónsi

Shiver

アイスランドが誇るポスト・ロック・バンド SIGUR RÓSのフロントマン、Jónsiによる10年ぶり2枚目のソロ・アルバム。CHARLI XCXのクリエイティヴ・ディレクターを務めるA. G. Cookとタッグを組んだ本作では、Jónsiがこれまで築いてきた有機的な音像とは正反対とも言える、硬質でノイジーなエレクトロニカを大々的にフィーチャー。だが、それが彼の繊細な歌声と絶妙にマッチしているし、楽曲の根幹に流麗な歌メロが据えられていることで、混沌の中でどこか安らぎと幸福感を覚えるようなサウンドスケープを生み出している。Elizabeth Fraser(COCTEAU TWINS)やスウェーデンのシンガー ROBYNというゲストVoとのハーモニーも聴きどころ。

Between You And Me

SAN CISCO

Between You And Me

紅一点ドラマーも歌う男女ツイン・ヴォーカル・スタイルがナイスなオーストラリアの3人組が3年ぶりにリリースした4thアルバム。アルバム・チャートの3位を記録した本国のみならず、今回もまた、日本のインディー・ポップ・ファンの気持ちを鷲掴みにすることは必至。80年代のUKポップをバックボーンにネオアコからダンサブルなエレポップまで、曲ごとに趣向を凝らす彼らのサウンドは、これまで以上にR&B/ファンク由来の跳ねるリズムを強調したことで、昨今のシティ・ポップにもリンクしはじめると同時に、さらにユニークなものになってきた。中には「Messages」をはじめ、これまでのように80年代、UKというキーワードではくくれない曲も。ある意味、より日本人好みになったという印象もあり。

Imploding The Mirage

THE KILLERS

Imploding The Mirage

2019年の"Glastonbury Festival"など世界的フェスのヘッドライナーを務め、日本でも2018年に武道館公演を実現させたTHE KILLERS。約3年ぶり6thアルバムは、持ち前のきらびやかでどこか切ないオルタナ・ロックを軸に据えつつ、さらなる音楽性の拡張を自然体且つ自由に行っている印象だ。ホーリーなクワイアが絡んで壮麗さを感じさせるTrack.2、ハンマー・ビートから熱狂的なアメリカン・ロックへとなだれ込むTrack.3、WEYES BLOODを迎えたシンセ・ポップのTrack.8など、恍惚のメロディをスタジアム・バンドらしい堂々たるスケール感を備えたアンサンブルで奏でている。普遍的な魅力を持った楽曲が揃い、長く愛される1枚となりそうだ。

The Kingdom

BUSH

The Kingdom

90年代のポスト・グランジ・シーンで人気を博し、2010年の再結成以降もコンスタントに活動を続ける、Gavin Rossdale(Vo/Gt)率いるBUSHの8作目。ザラついたギターに物憂げな歌声を乗せた基本スタイルは変わらずだが、プロデューサーに映画音楽を多く手掛けるTyler Batesや、ラウドロック界隈で活躍するErik Ronを迎えたことで、作品全体がソリッドでヒリついた空気感に。重々しいビートを叩きつけるTrack.2、緊迫感のあるギター・リフが刺さるTrack.6から、ピュアなバラードのTrack.8まで、円熟の境地に達したサウンドを堪能できる。グランジからヘヴィ・ロック、オルタナ・メタルまで、重めなサウンドが好きという人にハマるであろう1枚。

True Love Waits

THE CORONAS

True Love Waits

2003年結成、母国アイルランドでは15,000人規模の動員を誇るロック・トリオの6thアルバム。バンド名と同じウイルスが猛威を振るう困難な状況にも負けず、"いま世界一不幸なバンド名だ"、"THE VACCINESと名前を交換したいよ"と明るくジョークを飛ばしていた彼らだが、今作にも前向きで希望に溢れたサウンドが詰まっている。ピアノやブラスも取り入れた生楽器と、染み渡るような優しい響きのヴォーカルが溶け合ったアンサンブルはぬくもりのある質感で、さりげなく挿入されるエレクトロニクスも絶妙に心地いい。これらを壮大な構築美でまとめあげた楽曲群は幻想的な世界を描いていて、特にラスト・トラックは圧巻。こんなご時世、そしてこの名前だからこそ聴いておきたい、心洗われる作品だ。

Certified Heavy Kats

!!!

Certified Heavy Kats

2019年夏に8thアルバム『Wallop』をリリースしたばかりの!!!が、1年足らずの新作となるデジタルEPを発表した。今回は『Wallop』のチルな雰囲気を引き継ぎつつ、様々なクラブ・ミュージックをさらに大胆に取り入れた作風に。2ステップ/ガラージの影響が色濃いTrack.1や、ハイテンポでポップなジューク/フットワーク調のTrack.2、ウッド・ベースのリフにハウス・ビートが絶妙に絡みつくTrack.5と、あらゆるスタイルを飲み込みつつ、!!!らしい身も心も揺さぶるようなエネルギーに満ちたトラックを作り上げている。東京やデトロイトなど世界各地の都市名が歌詞に組み込まれた、約7分半の長尺曲で余韻を残しながら締めくくる構成も巧みで、ついリピートしたくなる。

Zeros

Declan McKenna

Zeros

デビューするや否や、矛盾と葛藤に満ちたこの世界を見据えた舌鋒鋭いプロテスト・ソングが歓迎され、社会派と謳われたイギリスのシンガー・ソングライター。デビューから3年。21歳になった彼がリリースした2ndアルバムは、楽曲の多彩さに可能性を見いだした前作から一転、ロックやライヴのエネルギーの影響を受け作り上げた。未来派というか、アートワークにも顕著な、宇宙派ガレージ/サイケなんて言えるサウンドは、巷間言われるDavid BowieやPINK FLOYDなど、かつてのブリット・ポップにも通じるUKロックの伝統が根っこにしっかりと息づき、マニアほど狂喜するに違いない。そういう作品が懐古調にならず、彼ならではと言えるユニークなものになっているところに大きな意味がある。

Jump Rope Gazers

THE BETHS

Jump Rope Gazers

女性ヴォーカル擁するニュージーランドはオークランド出身のバンド、THE BETHSの2ndアルバム。2018年のデビュー・アルバム『Future Me Hates Me』で得た成功への葛藤から生まれたという本作は、前作で見せた躍動感溢れるキュートで軽快なポップ・ロックだけでなく、少しセンチメンタルでアンニュイなムードも併せ持っている。インディー・ロック調のメロウなアレンジが冴える表題曲や、90年代オルタナのような重さとキャッチーさを感じさせる「Acrid」、「Don't Go Away」、しっとりとしたフォーク・サウンドの「Do You Want Me Now」など、ヒネりのきいたコーラスやメロディも含めてバンドとしての着実な成長が詰め込まれている1枚だ。

These Two Windows

Alec Benjamin

These Two Windows

2018年のシングル「Let Me Down Slowly」がプラチナ・ディスクに認定され、2019年には"SUMMER SONIC"で初来日を果たした注目のSSW、Alec Benjaminのメジャー・デビュー・アルバム。"天使の歌声"と讃えられる透き通った声質は実に魅力たっぷりで、ソフトでローファイな感触で整えられたトラックに、ヒップホップ/レゲエの素養を感じるフロウも随所に織り込まれているのも現代的だ。また自らを"語り手"と称するように、実体験に基づいた精緻な描写の歌詞も聴き応え十分。思春期の揺れ動く心のように、ナイーヴで美しいポップ・ソングが収録されている。日本盤ボーナス・トラックには、コロナ禍における自粛生活やソーシャル・ディスタンスに着想を得た新曲を収録。

The Neon

ERASURE

The Neon

80年代から活動を続ける、Andy Bell(Vo)と元DEPECHE MODEのVince Clarke(Key)によるエレクトロ・ポップ・デュオが、実に18枚目となるアルバムをリリースする。想像上に存在する、光り輝く場所をイメージして制作されたという今作は、そのタイトルの通りに明るく温もりのある作風に仕上がった。軽快なリズムに乗せてピースフルなヴォーカルが響くTrack.1、ホーリーなメロディが印象的なTrack.7と、フロアの光景が脳裏に浮かぶダンサブルできらびやかなシンセ・ポップが収められている。ピアノ伴奏でソフトに歌い上げるバラードのTrack.8も絶妙。コロナ禍を受け、世界や人々の心からもネオンの灯りが消えつつある昨今だからこそ聴きたい1枚だ。

Moonshine (Acoustic)

Tyler Carter

Moonshine (Acoustic)

メタルコア・バンド、ISSUESのクリーン・ヴォーカルとして知られるTyler Carterが、2019年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『Moonshine』は、彼のR&Bシンガーという側面をフィーチャーした作品だった。本作ではそんな『Moonshine』の楽曲のアコースティック版と、新曲2曲を収録したEPとなっており、スムースで洗練された印象の原曲と比べ、より力強く、いい意味でラフな歌唱を披露していて、また新たなTylerのヴォーカリストとしての魅力が発見できる1枚に仕上がっている。カントリー調に生まれ変わったTrack.5、6などアレンジも秀逸で、自身のルーツだというFLEETWOOD MACの名曲をカバーしたTrack.3は会心の出来だ。

Notes On A Conditional Form

THE 1975

Notes On A Conditional Form

2018年の前作『A Brief Inquiry Into Online Relationships』と対になるニュー・アルバム。環境活動家 グレタ・トゥーンベリのスピーチに端を発し、UKガラージ、アンビエント、ヒップホップ、果てはインダストリアル・パンクまで多種多様な音楽的背景、地球温暖化やLGBTQなどの社会的トピックが22曲に詰め込まれ、まるで現代社会の混沌をパッケージしたかのよう。そんな一歩間違えば雑多な作品になりかねない題材を、洗練されたサウンドへと見事にまとめ上げるのがTHE 1975という稀代のバンドのなせる業なのだろう。変化し続ける世界に道標を立て続ける旅のような作品で、それだけにバンド・メンバーへの愛を歌うラスト・トラック「Guys」が胸を打つ。

Petals For Armor

Hayley Williams

Petals For Armor

PARAMOREのシンガー Hayley Williamsの初となるソロ・アルバムは、メンバーも制作に関わっているものの、PARAMOREで築いたオルタナ・ロックの歌姫というパブリック・イメージを覆すような作品となった。アルバムは3部構成で、RADIOHEADやBjörkを髣髴させるダークでウェットな楽曲が並ぶ第1章、80sエレクトロ・ポップを軸に徐々に前向きさを取り戻していく第2章(Track.9には若手女性SSWのスーパー・グループ BOYGENIUSがコーラスで参加)、エレポップ/ファンクに乗せて再び前進していく第3章と、感情の移り変わりとともに多彩なサウンドを展開。Hayleyの歌唱も実に表情豊かで、パーソナルな歌詞と併せて、彼女の新たな側面に触れることができるだろう。