DISC REVIEW
ラ
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ライターイチキューゼロイー
宙ぶらりん
バンド表記の変更以降2枚目のリリースとなる2ndシングル。表題曲「宙ぶらりん」はライヴでおなじみの1曲。どの楽器もどこか歪なフレーズを弾いているのが特徴的だが、鳴らしどころ/引きどころの塩梅が絶妙で、中毒性はあっても嫌味ではない感じが新境地となっている。一転、「あおい」は疾走感あるサウンドで、バンド表記変更を機にリスタートしたこのバンド自身の姿を想起させる。さらに「まぶしくて」は柔らかなミディアム・バラードで、収録曲はまさに三者三様。それでもとっ散らかっていないのは、彼らに一目置いていたプロデューサー、西原 誠(JIVES/RINA&THE FREAKS/ex-GRAPEVINE)の腕によるところも大きいのだろう。バンド自身の可能性を切り拓くような、希望的作品。
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JENNYLEE
Right On!
"FUJI ROCK FESTIVAL '11"や"Hostess Club Weekender"への出演で日本でも人気を得ているLA出身の美女4人組バンド WARPAINTから、なかでも個性的なルックスで独特な存在感を見せているベーシストJenny Lee Lindbergのソロ・デビュー・アルバムが登場。幻想的で暗い音像がアルバム全体を覆っており、冒頭から黄泉の世界から放たれるようなTrack.1「Blind」の摩訶不思議な世界に惹きつけられる。まったりとした気分で聴いているところに飛びだして一気呵成に畳みかけるTrack.3「Never」のドライヴ感溢れる演奏はさながらNIRVANA meets ドリーミー・ポップ。Track.4「LongLonely Winter」で聴かせるニュー・ウェイヴっぽさなど、ヘッドフォンをしてじっくりと聴き込むことでより発見があり楽しめるアルバムだ。
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ラックライフ
しるし / ℃
今年結成15周年を迎えるラックライフの両A面シングル。それぞれアニメのタイアップということで作品に寄り添ってはいるものの、間違いなくこれらは彼らの歌として存在する。ここにいる意味をくれた喜びを歌うミドル・バラードの「しるし」("文豪ストレイドッグス"第4シーズンED主題歌)、そしてお互いの"らしさ"を手のぬくもりで表す爽快なバンド・サウンド「℃」("ツルネ -つながりの一射-"OP主題歌)。不器用だけど人が好きで好きでたまらなくて、超がつくほどまっすぐで。後悔も迷いも悔しさも何もかもを正直に曝け出してきた彼らだからこそ、そしてすべてが本当の気持ちで本当の姿だからこそ、こんなにも強く心を動かされる。迷いない2曲、ここにはただ"あなた"へと向けた愛があるだけだ。
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ラックライフ
アオイハル
2020年3月で結成12周年を迎えたラックライフによる通算9枚目のシングル。カンロ"ボイスケアのど飴"キャンペーン・ソングである表題曲は、彼らの真骨頂とも言えるストレートで熱い言葉を紡いだ応援歌だ。思わず拳を上げて歌いたくなるような冒頭のシンガロング、青春の匂いが漂うドラマチックなギター・リフ、どこか懐かしさも感じられるメロディにガシッと心を掴まれる。"何度も立ち上がれ"と夢を追う人の背中を押す歌詞は、紆余曲折の道のりを歩んできた彼ら自身の思いも描かれているのではないかと思う。だからこそ説得力があり、胸に直接刺さるのだろう。カップリングの「image」、「あんたが大将」も聴き手を肯定してくれるナンバー。どんなときでも味方でいてくれるような心強い1枚だ。
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ラックライフ
Unbreakable
所属事務所移籍後初となる音源。そこに彼らは、ここから再び走り始める決意をしっかりと刻み込んだ。シンガロング/コーラスを擁した「理想像」で、込み上げてくる思いを力強く叫ぶPON(Vo/Gt)の歌声は、いつにも増してエモーショナルで、いつも以上に4人の姿が目に浮かんでくる躍動的なバンド・アンサンブルは、アップテンポなものだけでなく、壮大なスロー・ナンバー「朝が来る前に」でも、生々しく胸に迫ってくる。ユニークなリフレインが一瞬で耳から離れなくなる(けど、歌詞の内容は"超"がつくほどエモい)「けんけんぱ」や、「Don't you say」のような肩の力を抜いた曲もありつつ、決して"壊れることのない"自分たちの意志、そして音楽への情熱をまっすぐに燃やしている。
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ラックライフ
Lily
第1、第2シーズン&劇場版に続き、アニメ"文豪ストレイドッグス"第3シーズンED主題歌に採用されたラックライフが、同曲「Lily」をシングル・リリース。爽やかなグッド・メロディでありつつ、歌詞では"僕には何がある 何ができる"と自問し、"自分らしさ"とは何かと問い掛ける。もがきながらも、聴き手に寄り添い、光を見せようと奮闘してきた彼らのあり方が投影されたような、深みのあるナンバーとなった。c/wでは、冒頭のカッティング・ギターが心地よい「meaning」で"君は君だ"と聴く者の背中をぐっと押し、「フレンズ」ではハートフルなメッセージを温かいアコギの音が包み込む。強固なアンサンブルも安定感があり、ファンの期待を裏切らない1枚と言えるだろう。
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ラックライフ
Dear days
結成10周年を迎えたラックライフ待望のメジャー2ndフル・アルバムは、全14曲入りの大作。サウンド・プロデュースに数々のヒット曲を手掛ける本間昭光を迎えた「走って」をリード・トラックに据え、タイアップ曲のほか、結成日にリリースした幻のラヴ・ソング「夕焼け小道」や、ライヴでも人気の「その手とこの手」の再録など、明るく爽やかなポップ・チューンからスロー・ナンバー、王道ロックまで、多彩な楽曲を収録している。ラックライフが10年間で出会った喜び、後悔、迷い、そのすべてがあってこそ歌えるPON(Vo/Gt)による等身大の歌詞が、共に音を鳴らし続けたメンバーと奏でるサウンドに乗せ届けられる。中でも最後を飾る「ソレ」は、今改めて抱く音楽に対する強い決意と"君"への愛が溢れている。
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ラックライフ
リフレイン
3月にメジャー1stフル・アルバム『Life is beautiful』をリリースしたばかりのラックライフが、早くもニュー・シングル『リフレイン』を完成させた。TVアニメ"最遊記RELOAD BLAST"のED主題歌となる表題曲「リフレイン」は、ダンサブルなロック・ナンバー。アニメに寄り添いながらも、その歌詞では全曲のソングライティングを手掛けるヴォーカル PONが、曲作りの中で感じる葛藤をありのままに綴っている。常に誰かの幸せを願うラックライフには珍しい、負の感情を纏ったマイナー調の楽曲がバンドの新たな魅力を引き出した。表題曲で歌われる"世界を変える"というまっすぐなメッセージが、カップリングの「存在証明」と「sweet my life」の2曲にも貫かれるというコンセプチュアルな性格の今作は、いまのバンドの攻めのモードを表している気がする。
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ラックライフ
Life is beautiful
前作アルバム『正しい僕の作り方。』から約2年半ぶりとなるラックライフのメジャー1stアルバム。「名前を呼ぶよ」を始めとするシングル5曲を含んだ全13曲は、その1曲1曲が"人生は素晴らしい"というひとつの結論に向けて美しく収束していく。初めてアレンジにホーン・セクションを加えたリード曲「サニーデイ」や、柄にもなくダンス・ロックに挑戦した「ラブリープリティーミュージック」など、メロディと歌詞を大切にしながらも、新たに取り組んだサウンド・アプローチからもバンドの風通しの良さを感じる。アルバム中盤の「君の匂い」は珠玉のバラード曲。"君は幸せだったかい"と静かに問い掛けるその歌には、悲しい出来事ですら、どうにか納得して生きようする人間の健気な姿に胸を打たれた。
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ラックライフ
風が吹く街
今年5月のメジャー・デビューから早くも3枚目となるラックライフのニュー・シングルは、デビュー・シングル表題曲「名前を呼ぶよ」に続き、アニメ"文豪ストレイドッグス"のエンディング・テーマに抜擢された攻めのロック・ナンバー。疾走感溢れる8ビートに乗せたエッジの効いたギター・リフと衝動滾る歌メロには、ライヴハウスで長年培ってきたラックライフの泥臭くて熱いエナジーが詰まっている。"誰かにもらった言葉が今の自分を動かす原動力になる"というテーマも彼ららしい。カップリングには軽妙なグルーヴでゆったりと踊らせるポップ・ソング「journey」と、穏やかで甘いスロー・バラード「デイルニハ」というまったく異なる世界観を描いた2曲を収録。続くアルバムへの期待も膨らむ意欲作に仕上がった。
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ラックライフ
初めの一歩
躍動感溢れるバンド・サウンドに乗せて"行け、飛べ/ありのままで"とストレートに聴き手へのエールを送るラックライフのメジャー2ndシングル。表題曲「初めの一歩」は、チアリーディングに奮闘する男子大学生をテーマにしたスポ根アニメ"チア男子!!"のための書き下ろしとなる。10年に渡りバンドを続けることで、チームとして何かを成し遂げることの尊さを身をもって知っているPON(Vo/Gt)が、自身の経験を重ね合わせながら完成させた1曲だ。キラキラとした爽快なサウンドに乗せて、たとえ自分ひとりでは無理でも、誰かと一緒なら最初の一歩も踏み出せると歌う、どこまでもラックライフらしいメッセージが詰まっている。カップリングには音楽の道を諦めてしまったかつての仲間への想いを綴った「ソライロ」も収録。
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ラックライフ
名前を呼ぶよ
"満を持して"という言葉がぴったりくる、ラックライフのメジャー・デビュー・シングル。タイトル曲「名前を呼ぶよ」は、バンドが丁寧に歌い紡いできた思いを、シンプルに、あたたかな音で表現する曲だ。聴いている人にとって、迷いの中にいる人にとって、ひと息つける場所を作っていくような、雨風を凌いであたたかいスープまで差し出してくれるような、そんな歌になっている。ミドル・テンポで、飾り気のないバンド・サウンドだけれども、なんだか懐かしい手触りでほっとする。甘酸っぱい記憶やまっすぐな思いを掘り起こしてくれる歌で、ラックライフはそういうことをさらっと、何のてらいもためらいもなくやってくれるバンドだと改めて思わせてくれる。カップリングで、ライヴ・バンドとしてのアグレッシヴな汗も封じ込めた1枚となった。
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ラックライフ
変わらない空
PON(Vo/Gt)の爽快でパラフルなヴォーカルでスタートする、「変わらない空」。仲間だったり、暮らす街であったり、自分自身の思いであったり人生のあれこれだったり、そういったものを歌にして、にっこりと笑えるようなバンド・サウンドで聴かせるのがラックライフだが、この「変わらない空」では恋愛歌。心が弾んだり、そわそわと落ち着かない気持ちを切り取って、アップテンポなギター・ロックに乗せ歌う。その性急さにフッと笑顔になる曲だ。もう1曲の「メイキング」は、ラックライフというバンドが奏でる歌、曲のできるまで、なぜ歌うのか、どうして笑顔を求めていくのか、そんな思いを綴っている、まさに"メイキング"。いつもの笑顔の裏で、ぽろっと本音を覗かせたりくよくよとしたりする、さらに等身大の姿が見える曲だ。
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ラックライフ
アイトユウ
ラックライフとしては珍しいラヴ・ソング「アイトユウ」、そして4thアルバム『正しい僕の作り方。』を経て、まだ書き足りなかった、言い足りなかった思いに突き動かされ書いた「ラングレット」、誰もが自分自身の映画の主人公であり、またこれから始まる物語を後押しするサウンドトラックとなる「シネマ」。曲の種はそれぞれ違うものだったけれど、1歩を踏み出すときの、ワクワクするような、またわずかに臆するような、心地良い心の揺れがバンド・サウンドとなった。明るく、伸びやかなヴォーカルが冴えるメロディはとても爽やか。思いに苛まれて窮屈になってしまった気分をつついて、空気を入れ替えてくれるようなまっすぐさがある。突っ走ったり、転げたりしながらも、ちゃんと風を感じて、心が動いていく、そんな歌が揃った。
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ラックライフ
正しい僕の作り方。
Track.3「plain」にこんなフレーズがある。"誰かと言葉を交わす度 僕は新しい僕に変わるよ"――人との出会いによって自分が作られていくという、実にPON(Vo/Gt)らしい歌詞だ。これまでの人生での、ひとつひとつの出会いに意味があり、それらが今のPONという人間を構築してきた。そんな彼がひとつひとつを歌にして、詰め込んだのがこのアルバムだ。リスナーへの思いを歌った「ハートイズ」や、自分の弱さを歌ったバラード「僕と月の話」、キュートなラヴ・ソング「へへもひじ」、「ハルカヒカリ」の進化系ともいえる「フールズ」など、どの曲もラックライフの温かさを感じられる仕上がり。人と人との繋がりを大切にしてきた彼らだからこそ歌える"あなた"へのメッセージを受け取って欲しい。
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ラックライフ
ハルカヒカリ
同じ高校のクラスメイトによって結成された大阪発の4ピース・バンド、ラックライフがリリースする3曲入りの1stシングル。まずはミディアム・スローのアッパーなバラード「ハルカヒカリ」が心にそっと寄り添い、同じ目線に立って元気づけてくれる。そしてTrack.2「my pace」では、爽やかなロック・チューンのど真ん中でブレることなく"夢を叶える"という力強い意思をストレートに歌い上げるPON(Vo/Gt)の歌声がなんとも心地良い。躍動感のあるリズム隊と軽快なギター・サウンドに思わず身を委ねるライヴの定番曲「ローグ」も新録。2014年、新たな1歩を踏み出すラックライフの決意表明とも言えるこの3曲は、昔からのファンはもちろん、初めて聴くリスナーの胸にも響くだろう。
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乱舞虎
竹
ハーモニカを擁する変則4ピース・ロック・バンド、乱舞虎の全国デビュー・アルバムとなる『竹』。人間関係について濃密に描いたという前作『庵』に比べて、今作は圧倒的にポップな作品に仕上がった。乱舞虎の個性といえるヒップホップのグルーヴを取り入れた「血縁それより」に始まり、四つ打ちで刻まれるビートに体が揺さぶられる「AとBとCとD~良寛's エイトビートスウィートデイ~」、一転して朗々とリアルな情景を歌う「ふきのとう」など彼らの音楽性の幅広さを見せ付けられる。ギター・ロックを基盤にしたサウンドに、スパイスのように"和"の要素が取り入れられているところも乱舞虎サウンドの魅力のひとつ。そして、誰もが経験してきた感情や見てきたであろう情景を等身大で描いた歌詞で聴く者の心をゆっくりと開いてくれる。
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THEラブ人間
夢路混戦記
結成10周年を精力的に駆け抜けてきたTHEラブ人間が、その総力を結集するように放つ、4年ぶりの待望のフル・アルバム。まさに、長く続けてきたからこそ歌える言葉、鳴らせる音が詰まった1枚だ。名曲「クリームソーダ」などに連なる"飲み物連作曲"「コーラフロート」。少し過去や近い未来? まで描いた「二十才のころ」や「いつかこどもがうまれたら」。そして「砂男」、「東京」の続編となる「砂男Ⅱ」、「東京の翌日」。シアトリカルと表現していいほど、楽曲の世界観に憑依した歌や演奏。それでいて、何気ない日常で耳にして涙がこぼれてしまうようなリアリティもある。「ズタボロの君へ」や「夢老い人」が象徴的だが、今の時代を踏ん張って生き続けるすべての人に響くはずだ。
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THEラブ人間
PAST MASTERS
現メンバーと元メンバーが勢揃いしたジャケット写真から、この11人で作ったバンドだという揺るぎない想いがひしと伝わってくる。今年1月に結成10周年という節目を迎えリリースされるキャリア初のベスト・アルバム。シングル曲や表題曲を時系列に並べるという制約の曲順でありながら、なめらかにドラマが展開していくのは、バンドのぶれない芯があってこそ。ひとりの人間の成長を克明に記している。締めくくりはライヴでも長く演奏されてきた新曲。優雅なヴァイオリンがシンボリックな風通しのいいサウンド、伸びやかなメロディも相まって、苦悩と野望を描いた歌詞の一語一句が艶やかに息づいている。10年という月日が導いた"きっとでっかい花が咲く"という言葉は、バンドの未来を切り拓くであろう。
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THEラブ人間
メケメケ
約3年ぶり、新メンバーを加え6人編成になってから初となる3rdフル・アルバム。一体感のあるコーラスで勢いよく飛び出すTrack.1「コント」からエンディング曲のTrack.10「花嫁の翼」まで、終始明るくキラキラしたアレンジが並んでいる。その音像がポップに感じるのは、ギター、キーボード、ヴァイオリンが絶妙に調和したアンサンブルと共に、金田康平(歌手)が全曲を通して持ち前の性質を活かしたナチュラルなヴォーカルを聴かせていることが大きい。柴田ゆう(sympathy)とのデュエット曲「こいのおわり」(Track.5)、まつきあゆむが参加した後期THE BEATLES調の打ち込み曲「ハレルヤ」(Track.6)といった初めての試みにもチャレンジしている意欲作。
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THEラブ人間
恋は全部まぼろし
前作の「FUSHIGI DANCE」然り、今のTHEラブ人間は、谷崎航大(Violin)が奏でるストリングスの流麗な響きを活かしながら、70年代フィリー・ソウル~サルソウル系ディスコが持っていた煌びやかで博愛に満ちたフィーリングを手なづけようとしている。本作ではTrack.1「クリームソーダ」がそれにあたる。だが、これは渋谷系的な引用ではない。バンドが常に表現し続けてきた"報われない、しかし押し殺すことなど到底できない愛"を具現化するためのエッセンスとして、このストリングスの響きはある。THE VERVEばりの壮大なロック・シンフォニー、Track.5「いつまでも愛し合ってばかり」もいい。肥大するバンドのエネルギーを感じる。普段、愛を囁き合う僕らは、しかし音楽のもとではそれを叫ぶことができる。THEラブ人間の音楽のもとでは特に、だ。
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THEラブ人間
きっとずっと彼女は友達
恋する気持ちの第1段階=トキメキと切なさに満ちた「FUSHIGI DANCE」、ウエスタン調が新鮮な「今夜パーティーがないのなら、どこかに映画を観にいこう」。それらの軽快さに至るバンドの道のりを辿るように、フォーク直系の金田の歌が粋な「愛だけさ」、喪失を描く「春の嵐」と1st、2ndアルバムを匂わせる楽曲が並んだ。結成5周年。その中で重ねた挑戦。ラヴ・ソングを通して人間のあらゆる感情と向き合い続ける真摯さ。酸いも甘いもポップに昇華する強さ――6人体制初のミニ・アルバムというタイミングで、バンドの本質が浮き彫りになる作品に出会えたことが心から嬉しい。最後の最後、"やっぱ必要なのは愛だけじゃん"という結論も再出発宣言として燦々と輝く。
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THEラブ人間
じゅんあい/幸せのゴミ箱
1年半ぶりとなる全国流通盤シングル。インディーに戻り、メンバー脱退もあり、正直、この1~2年ほどはキツい期間だったと思う。でも、そんな受難の季節を経て届けられたこのシングル、もう感情丸出しお尻丸出し、ラブ人間節丸出しのド直球なラヴ・ソング集で小躍りしてしまった。だって、タイトル「じゅんあい」だよ? 結局、"君のことが好きだ"と君に伝えるための歌を歌うこと。その裏にある愛、SEX、わがまま、嘘、後悔......その全てをひっくるめて歌うこと。それがラブ人間の道であり、金田康平の道なのだ。なんと普遍的なバンドだろう。「幸せのゴミ箱」も、カップリングの「愛、ただようまま」も、喜びと痛みが飛びきりポップなメロディに乗せて歌われる極上のラヴ・ソング。おかえり。この歌を待ってたよ。
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THEラブ人間
SONGS
今作『SONGS』の詞の世界観はより"歌手"金田康平のパーソナルな世界を紡ぎ、前作『恋に似ている』で歌を支えていたバンド・サウンドは1音1音がTHEラブ人間のそれとわかるほどに高精細でハイブリッドなものに進化を遂げた。彼らのパブリック・イメージであったフォーク・サウンドは完全にアップデートされ、より洗練されたサウンドがTHEラブ人間という1つの塊となり、声も全ての楽器も必然を伴って鳴り響く。恋愛至上主義を謳い、"俺たち"の青春時代の代弁者だったTHEラブ人間はもういない。彼らは新しい"自分たち"の一歩を踏み出し、彼らが今作りえる最高のアルバムを残した。全10曲、"愛"とヒリヒリと焼け付く"命の輝き"の賛歌。
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THEラブ人間
恋に似ている
2009年に結成し"恋愛至上主義"を掲げた21世紀型フォーク・ロック・バンド、THEラブ人間の3年間が詰まったフル・アルバムが完成。見て見ぬふりをする美学を純潔に歌い上げるだけの音楽に辟易している方々はこのアルバムを聴くべきだ。1曲目の壮大なロック・バラード「おとなになんかならなくていいのに」から、どの楽曲を切り取っても濃度の高い熱がほとばしり、「悪党になれたなら」のフォークを現代型のロック・アプローチの緻密なサウンド・メイクで彼らがメッセンジャーでは無く非常に感度の良いロック・バンドであることを示している。純度の高いフォーク・ソングの「八月生まれのきみの結婚式」、彼らの代表曲の一つであるシングルにもなった「大人と子供(初夏のテーマ)」から最後の一節がキモの「愛ってかなしいね」まで全てに、血と汗と涙と精液と人間の匂いがする傑作。
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THEラブ人間
砂男/東京
09年に下北沢にて結成された音楽集団THEラブ人間の初の全国流通音源。枚数限定で発売された過去2作の音源は全て完売し、共に絶版。リリースの度に知名度を上げ、昨年末には、2 nd EP『大人と子供~17才と22才~』が最終増版として200枚限定で販売されるも、1日半という記録的な速さで完売――。これは、私たちがどれほど率直な“愛”に飢えているのかということの証明でもある。THEラブ人間とは、“恋愛至上主義”を掲げ、愛こそが人の根源であり、愛あればこそ僕らは生きていけるのだと信じ抜こうとし、最早愚直すぎて愛おしいとしか言いようのない愚か者共であるのだから。彼らが歌うのは、愛とは決して高尚なものでなく、なんてことない僕らの日常の中にあるものなのだという、くすぐったくて甘酸っぱい愛の賛歌だ。
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V.A.
New Action! Compilation Vol.1
毎月最終月曜日に新宿MARZで開催されているロック・パーティ『New Action!』から放たれた今作はロックンロールもヒップホップもエレクトロも含んだ全15曲。東京カランコロン、THEラブ人間を始めこれから注目を集めるであろうアーティストの代表曲や新曲も収録されたお得な一枚だ。同時期に発売になった"freethrow"のコンピと同じくジャンルやレーベルではなくパーティーから生まれた事に意味があるのだろう。いち早く話題のバンドを楽しめる事もポイントだがアルバムとして聴いても流れがあってしっくりと聴き通せる。ロック・パーティーに行った時の発見や驚きをこのコンピからも見つけることが出来るはずだ。
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リアクション ザ ブッタ
After drama
前作『Wonder Rule』から約1年2ヶ月ぶりとなる7thミニ・アルバムは挑戦の1枚となった。それが最も窺えるのが、別れから始まる主人公の心の成長を、全6曲通して描いた歌詞。自らの弱さを曝け出した、あまりにも赤裸々な言葉の数々は、いろいろな意味でリスナーの気持ちを揺さぶるはず。アコースティック調のバラードも含む多彩な6曲は、彼らなりにロックに振り切った前2作から歌モノのポップスに回帰したことを思わせるが、別れた相手に対する想いを断ち切れない男心をダンサブルなビートで聴かせる「ドラマのあとで」を始め、実は、よりダイナミックになっているという意味では、バンド・アンサンブルも聴き応えあり。今回の挑戦が次回、どう生かされるか楽しみになるところも聴きどころだ。
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リアクション ザ ブッタ
Wonder Rule
この素晴らしき混沌の世の中で何を信じて生きるのか、そんな切実な想いを込めた前作ミニ・アルバム『Fantastic Chaos』からおよそ1年。リアクション ザ ブッタが2部作の後編となるミニ・アルバム『Wonder Rule』を完成させた。歌を中心に据えたソリッドなロック・サウンドがよりダイナミックに進化した今作。佐々木直人(Vo/Ba)が描く世界の大前提は、悲しみや不条理が満ちてはいるが、そこで歌うのは決して絶望ではない。希望を見いだすための"ルール"を求めて歌うのだ。時にリスナーを鼓舞したり(「何度も」)、時に生傷を抉るように紡ぐ(「fall fall fall」)6曲は、音楽が私たちに絶対的なパワーを与えることを強く信じるからこそ鳴らされる誠心誠意の歌ばかりだ。
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里緒
青と青と青
名古屋の女性シンガー・ソングライターによる初の全国流通盤。パジャマを着て街を徘徊する「花」のMVが象徴するように、彼女の歌は現実と幻想の間を行き来しているかのよう。幼さの残る歌声もどこかふわふわした感触があるが、"自分のことが好きになれない"、"ゆえに人のことを信じることもできない"というこじれた自意識が表れた歌詞は、ふとした瞬間にこちらの内面をグサリと刺してくるのだ。それだけでもサラッと聞き流せない感じがあるが、アコギ弾き語りあり、バンド編成あり、ピアノ弾き語りありと、サウンドのバリエーションが豊富なところもいい。デビュー作にして只者ではない感じ、漂いまくり。一部店舗を除き、初回購入特典として彼女によるスケッチが付属するという。
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LONGFELLOW
Remedy
Track.1「Where I Belong」を聴いて、THE XXの名前が頭をかすめた。今作『Remedy』は、デビュー・アルバムを控えた南ロンドンの5人組LONGFELLOWの4曲入りEP。そういえばTHE XXも南ロンドン出身のバンドだなとふと思った。シルキー且つ流麗なヴォーカルとエレクトロともR&Bともつかないバンド・サウンド、そしてメランコリックな音像など、たしかに共通項は多い。ただ彼らと異なる点があるとすれば"スケール感"であろうか。密で湿っぽいサウンドというよりは、広がりと生命の躍動が彼らの音からは感じられる。Track.3「Fabric」とTrack.4「Chokehold」の緻密に作りこまれた丁寧なトラック、白人が歌うソウル特有の気だるくもエネルギーのこもったヴォーカルに、まだ見ぬ大器の片鱗を感じる。
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離婚伝説
離婚伝説
その中毒性とクオリティの高さが話題を呼び1stシングルにして代表曲となった「愛が一層メロウ」が、"関ジャム 完全燃SHOW"の"プロが選ぶ年間マイベスト10曲"に選出されるなど今注目を集める離婚伝説。セルフタイトルとなる1stアルバムには、同曲を筆頭に心躍るライヴ定番曲「あらわれないで」、シティ・ポップ系サマー・チューン「眩しい、眩しすぎる」、メロディアスな極上バラード「萌」、ほのぼのとしたピースフル・ナンバー「さらまっぽ」など珠玉の10曲が収められた。全体的に軽やかで小気味良く洗練されていながら、昭和歌謡的な泣きのギター・ソロがレトロなムードを引き立て、甘く儚い歌声と哀愁漂うメロディの美しさが胸を打つ。この殺伐とした時代に"愛"をテーマに掲げ活動する、センス溢れるニューカマーに期待。
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リベラリドル
liberalismの足跡
前身バンドを経て2014年より活動を開始したエモーショナル・マス・ロック・バンド、リベラリドルの初の全国流通盤。新たなスタートを切ろうというタイミングで、ギタリストのKO-YAが事故で左手中指の神経が断裂するも"彼の怪我が治るまでライヴができないならばそのぶん曲を作ろう"と完成させたのが今作だ。緩急の効いた正統派エモ・サウンドに、紅一点ヴォーカリストMICHIKOが辿る滑らかなメロディ。効果的に挿入されるコーラスや英語のポエトリー・リーディング、洗練されたリフなどで、聴き手を曲世界へと巧みに招き入れる。ギタリストの負傷というアクシデントがありながら作品を完成させることができたのは、間違いなく4人の信頼関係と音楽への強い気持ちがあったからこそ。隅々にまで純粋で清い想いが通っている。
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THE リマインズ
ナイショにしとくよ
竹内崇仁(Vo/Gt)、尾藤麻美子(Vo/Ba)、岸本達也(Dr)による男女ツイン・ヴォーカルのポップなパンク・バンド、THE リマインズ。昨年秋にドラマーの岸本が加入して、最初の作品がこのミニ・アルバム『ナイショにしとくよ』。これまでの、ファストなビートでラウド且つパンキッシュに攻めるサウンドから、今回はパワー・ポップ・テイストで、メロディとキャッチーさをじっくり引き出した内容になっている。どこか懐かしくて、ほろりとした切なさが染み込んだ音で、それでいてあたたかな(ときに熱い)気持ちになる、そんな曲が並んでいる。UK/USのロックやメロディックもルーツにあるものの、それよりも、GOING STEADYやガガガSPなど、得も言えないような想いをなんとか言葉にしてぶつけ、叫んでいた日本のパンク・バンドたちの遺伝子が色濃いアルバム。
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リュックと添い寝ごはん
neo neo
リュックと添い寝ごはんのメジャー1stフル・アルバム。今作は、高校生活の集大成とも言える前作『青春日記』のフレッシュな気持ちは継承しつつも、タイトルの"neo neo"が示す通り、新しい自分たちを提示した作品に。初メジャー作品ということで、サウンドはさらに磨き上げられているが、いい意味でメジャー・デビューだからと肩肘を張りすぎずに、やりたい音楽を昇華しようとしているところが好印象。アルバムが"何にもない日に僕たちは 家で寝転ぶ"(「海を越えて」)というフレーズで幕開ける空気感も彼ららしい。新曲は、全体を通してレトロな夏の風景を浮かび上がらせるナンバーが多く、それが冬にリリースというところにもユーモアがある。2020年マスト・チェックなバンドの初フル・アルバムは聴き逃せない。
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リュックと添い寝ごはん
青春日記
2017年秋結成、卒業を間近に控えた高校3年生3ピース・バンドの1stミニ・アルバム。信念をじっくりと鳴らす「サニー」や、ポップ・センス溢れるギター・ロック「ノーマル」といったバンドの代表曲に加え、フレッシュでパンキッシュな表題曲、ボサノヴァ風の弾き語り、軽快なポップ・ナンバーなどバラエティに富んだ楽曲が揃っている。そのなかでアクセントとなるのが、感傷性を帯びた松本ユウ(Vo/Gt)の歌声、鮮やかで豊かなコード・ワーク、メロディアスなベース・ライン、時折見せる棘のある言葉。スタンダードで聴き心地のいい音楽かと思いきや、随所で心の奥へと深く切り込んでくるという、さりげないギミックや毒気が小気味よい。変化の途中の自分自身の姿と理想の音楽を生々しく詰め込んだ意欲作。
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緑黄色社会
陽はまた昇るから
公開中の"映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝"にリョクシャカが書き下ろした「陽はまた昇るから」は、時に感じる悲しさや寂しさなどを"それはイイことなんだよ"と、フレンドリーな目線に立ちそっと気づかせるように優しく包み込む1曲。"家族の明日"を守るために奮闘する映画のストーリーにも寄り添いつつ、作品にちなんだフレーズも盛り込まれている。そして、明るくポップに振り切った軽やかな表題曲に対し、カップリング「時のいたずら」は、鍵盤を押し出し、歌を聴かせるバンド・サウンドのミドル・チューンで、"歌うこと"をテーマに長屋晴子(Vo/Gt)が作詞作曲した1曲。大人になっていくことと物事には終わりがあることを描く、時間を強く意識した2曲で、かけがえのない"今"を輝かせる。
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緑黄色社会
Actor
陽性のエネルギーに溢れた賑やかな演奏に"産み出された、ただそれだけで意味があるから"と聴き手の命そのものを肯定するような歌詞を乗せた「キャラクター」が、今回のアルバム『Actor』のテーマをくっきりと描き出していた。緑黄色社会が、前作『SINGALONG』の配信から約1年9ヶ月ぶりにリリースする3枚目のフル・アルバムだ。収録曲は「結証」、「ずっとずっとずっと」、「これからのこと、それからのこと」、「LITMUS」など2021年を通じてドラマやCMソングに書き下された楽曲が、半分以上を占める今作。貪欲に様々なアプローチの楽曲にチャレンジした時期だったからこそ、その音楽性はこれまで以上に雑多でありながら、すべてをリョクシャカたらしめる長屋晴子の歌は圧巻だ。
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緑黄色社会
LITMUS
表題曲「LITMUS」は、ドラマ"緊急取調室"に書き下ろされた。小林壱誓(Gt)が作詞、作曲は小林と穴見真吾(Ba)という組み合わせが新鮮な曲であり、誰しもが持つような"秘密"をテーマに書かれたバラード。相手を大事に思うからこそ、すべてを詳らかにすることが真なのか、あるいはそれは単なる自己満足に過ぎないのか。明確な答えのない感情の澱のようなものと、純度の高い"想い"を、繊細なpeppeのピアノや長屋晴子の表情豊かなヴォーカルがじっくりと描く。それがシリアスでヘヴィなベクトルだけにならないのは、それぞれが曲を書く4人だからこその、各自の視点が反映されるからか。その息づかいが、聴き手に委ねる余白となって曲のスケールを大きくする。c/w含め、バンドの豊かな時間を思わせるシングル。
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緑黄色社会
結証
2021年、第1弾シングル。表題曲「結証」はアニメ"半妖の夜叉姫"のエンディング・テーマであり、強さの中に憂いや感情の機微を湛えている長屋晴子の歌と、ドラマチックに高揚していくサウンドに心掴まれる曲だ。全体に瀟洒なストリングス・アレンジが施されているが、ピアノ、ギター、ベースは、アクセントのあるフレーズや音作りを生かした構築的なバンド・サウンドとなっていて、曲をタフにしている。重厚なだけでなく、洗練されたアンサンブル感が気持ちいい。カップリング「LADYBUG」はエキゾチックな異国感のあるアレンジで、また「Copy」はメロディやサウンドは共に美しくクラシカルだが、そこに心を引く音色や音響が散りばめられ胸をざわつかせる。リョクシャカのさりげない音のマジックが効いている。
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