DISC REVIEW
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渡會将士
MorroW SoundS
brainchild'sのフロントマンとしての活躍でもお馴染みの渡會将士のソロ4thアルバム。FoZZtoneでのキャリアのスタートから数えて20周年にあたる2024年にリリースする本作では、ロックやファンク、カントリー等幅広い音楽的レンジを背景に持つシンガー・ソングライターとして、ある種原点に立ち返った表現を聴かせる。アコースティック・ギターで作るグルーヴ、DTMメインでありながら有機的で隙間の多い音像で、ルッキズムにも通じる現代の問題意識を盛り込んだ「写真はイメージです」、夏の爽快さと陰鬱さが共存する「Daybreaker」、少年性が際立つ「Wake me up(Re-Mix)」や「タイガーリリー」等、様々な主題をばらけることなく束ねた1つの到達点だ。
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THE SPELLBOUND
Voyager
約2年半ぶりとなるアルバム。新章のきっかけとなった、「すべてがそこにありますように。」や「LOTUS」で予感されたサウンドスケープを大きく上回る多彩さに、瑞々しい楽曲、現代のロック・バンドの存在意義を表明する楽曲等、グッとレンジを広げた14曲。"夢ノ結唱"とのコラボ曲やBiSへの提供曲の原曲(セルフカバー)の収録は、THE SPELLBOUNDが見据えるポップ性のエッジが際立っているし、JESSE(RIZE/The BONEZ/Vo/Gt)をラップ・パートに迎えた「2Colors」のコラボも新鮮。未だ聴いたことのない音楽をAIが精度高く作る時代にあって、人間が作り出す音楽の必然はなんなのか? そのことを体感できる作品でもある。
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Academic BANANA
BLUE JEANS
夏にフォーカスしたコンセプトEPを幕開けるのはタイトル曲「Blue Jeans」。萩原健太のスラップ・ベースで始まるファンキーなサウンドに乗るのは、齋藤知輝による、スーツ姿の人波に抗いジーンズ姿で自由に、前のめりに突き進む自身を投影したラップ。新しいことにしたいというハングリーさが程良く泥臭い要素となったこの曲から、情緒的で、印象的な夏のワンシーンが浮かぶ曲が並ぶ。爽快な風を感じるギター・ロックや、ピアノを基調とした線香花火のような儚い美しさを持つバラードもあり、前作で林 直次郎(平川地一丁目)が参加した「Summer Tuner」のアカバナVer.も収録した今作には、どこか感傷的な晩夏の香りや、色気があるのが彼ららしい。
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トゲナシトゲアリ
棘ナシ
東映アニメーション×agehasprings×ユニバーサルミュージック、3社合同の大型プロジェクトとして発足したTVアニメ"ガールズバンドクライ"。本プロジェクト発のガールズ・バンド、トゲナシトゲアリの2ndアルバムがすごい。ボカロ楽曲を思わせる膨大な言葉数とメロディの乱高下に、楽器隊のテクニカルなフレーズと、シーン屈指の難度を誇りつつ聴き手の胸に刺す楽曲の数々は、極上のエモーショナル・ロック・ナンバーばかりなのだ。アニメの挿入歌を中心に構成された本作は、アニメを視聴してから聴くことで様々なシーンが思い起こされ、より没入感を増して堪能できるはずだ。今年のシーンを代表する1枚として太鼓判を押したい。
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NEK!
EXCLAMAT!ON
それぞれ自身のYouTubeチャンネルやSNSを中心に音楽を発信してきた4人が今年2月に結成したガールズ・バンド NEK!。結成前からTikTokのフォロワーが6万人超だったHika(Vo)をはじめ、演奏陣もネット界隈で一目置かれるメンバーが揃っており、早くも注目を集めている。そんな彼女たちが初の全国流通盤となる1st EPを発表。イントロからKanade(Ba)のスラップが炸裂する「MAZE」、ストリングスが彩る「ENDLESSGAME」、切なさ漂うロック・バラード「Blink」等全5曲が収録され、今のバンドの勢いが音像からも伝わる強力な1枚だ。11月24日にはShibuya eggmanにて2ndワンマン・ライヴの開催も控えているとのことで、どの楽曲もライヴ映え間違いなし。
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COPES
FORTH
男女ツイン・ヴォーカル・メロディック・ポップ・バンド COPESが、サポート・ドラマーだったちょたを正式メンバーとして迎え初の全国流通盤をリリース。はつらつとしたカメイナナコ(Gt/Vo)の歌声が突き抜け、しいなゆうき(Ba/Vo)が力強く支える抜群のハーモニーに、童謡を取り入れるなど遊び心もあるキャッチーなメロディ、駆け抜けるツービートと、持ち味の痛快なハッピー・チューンを中心に全11曲(※配信は10曲)が収録された。フロアを躍らせる代表曲「winner」などのライヴ定番曲から、夢に向かって走るエネルギーに満ちた表題曲「forth」といった新曲まで、新生COPESのいわゆる名刺代わりの1枚。沈む心も晴らすポジティヴなパワーでライヴハウスを沸かすニュー・カマーに注目だ。
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PK shampoo
輝くもの天より堕ち
メジャー進出作から約半年というスパンでリリースとなったメジャー2nd EP。夢か現か、おぼろな記憶と空想が交錯する「天使になるかもしれない」、瞬く命の儚さをポエティックに映した「夏に思い出すことのすべて」、ノイジーさは残しながらも生まれ変わった初期楽曲「翼もください」の再録、衝動的に書き殴られた日記のごとく感情剥き出しの「ひとつの曲ができるまで」と、ヤマトパンクス(Vo/Gt)の命を削り紡ぐような歌がライヴ・バンド然とした熱量とともに収めれた。無骨で破天荒な現実の描写と、星や空、宇宙といった幻想的なワードたち。この歪さが生むロック・バンドの恍惚とした危うさは、メジャー・シーンに身を置く今も変わらず、彼らのまばゆい魅力として光っている。
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PENGUIN RESEARCH
Fire and Fear
"怖いか また目をひらくことが"という印象的なフレーズから始まる新曲「Fire and Fear」。一歩踏み出すことには恐れが付きもので、勇気を出さないと現状を変えられない場面を、恐らくあえてストレートな疾走感のあるロック・チューンに乗せて描き、終盤にかけ熱を帯び、まさに力を振り絞るように歌う歌う生田鷹司の声と鍵盤の音色がドラマチックに彩る。カップリングには、堀江晶太(Ba)がヴォーカルをとり、曲のテイストや演奏も含めタイトル・トラックとのギャップがすごい、怪しくダークに振り切った新境地「蝉人間」、"太鼓の達人"に書き下ろしたナンバーのバンド版という、笑っちゃうくらい荒々しい「who are you? who are you?」も収録した。
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Am Amp
Catch me if you can?
2.5次元俳優としても知られる須賀京介(Vo/Gt/Key)を中心に俳優、ヴィジュアル系バンド、サポート・ミュージシャンと異なる分野で活躍してきた4人が集ったジャンルレス・バンド。打ち込みを多用したボカロ・テイストのリード曲「チャイラッテ」ではイラストMV、ファンへの想いを歌うメロウなセミリード曲「夏的小故事」では実写MVと、2次元と3次元を往来し、音楽面でもヴィジュアル面でも枠にはまらない独自のスタイルを提示。そしてエモーショナルな歌唱とギターが冴え渡るバラード「Ao」、四つ打ちロックを軸に目まぐるしく展開するキラーチューン「HEAT」、3拍子が艶やかな世界観を演出するオルタナ・ロック「慕情」と多彩な全5曲を収めた、バンドの新たな可能性を切り拓く1枚だ。
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Lucky Kilimanjaro
Dancers Friendly
"君がシャイだって関係ない"の歌通り、灼熱の夏を問答無用で腰から踊らせるパワー・チューン「Dancers Friendly」で幕を開ける本作。ファンを公言するやす子出演MVも微笑ましい「かけおち」は、フルートとダンス・ビートの新鮮な掛け合わせに身体のみならず心も躍る。かと思えば感傷的な「Find you in the dark」で暗中模索のリスナーに寄り添う姿勢も明示。ラッキリの"何も考えずに踊ろう"というのは、纏わり付く思いが本当は0ではないのを知っているからこそのメッセージ。だから心を掴んで離さないのだ。フレーズのループや熊木幸丸(Vo)以外のメンバーの声も効果的に取り入れる等、持ち味も遺憾なく発揮し、幕張メッセへ向けギアを上げていく。
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
Single Collection
全33曲の歴代シングルが紡がれ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが日本のロック史に残してきた功績を改めて体感することができる、メジャー・デビュー20周年記念盤。再録された「遥か彼方」で幕を開け、地を這うようなイントロのベース・ラインがノスタルジアと高揚感を運んでくる。20年経っても歌い続けるバンドの熱量が確かな軌跡として反映されている一方で、リスナーは各楽曲の歌詞に登場する"君"に当時の自分や大切な人を投影させ、懐かしさに浸るだろう。暗いムードが漂う情勢や、やるせない日常からも目を逸らさず、今を生きて、愛を鳴らし続けてきたアジカン。これからも変わらない4人だけの音を世界中に響かせてほしい。
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清 竜人25
青春しちゃっていいじゃん / Will you marry me ?
清 竜人がプロデューサー兼メンバーで、一夫多妻制アイドルで、7年ぶりの復活で......とトピックだらけの彼らだが、その魅力の軸は曲だと言いたい。SSW活動に加え、数々のアーティストにも魔法をかけるように、世界観を底上げする曲提供をしてきた清 竜人。「青春しちゃっていいじゃん」はキャッチーで楽しくありつつ、手を叩いて横揺れしたい洒脱な仕上がり(編曲はTENDRE)。夫人たちのハイトーンと"竜人くん"の耳心地の良いスモーキー・ヴォイスで、甘さと色気をたっぷり届ける。また10年前のデビュー曲でリアレンジし配信していた「Will you marry me ?」も収録。幸福感を湛えた可憐な物語の1ページ目に、恋の始まりのようにドキドキしっぱなし。
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詩羽
うたうように、ほがらかに
水曜日のカンパネラの2代目主演/歌唱担当 詩羽がソロ名義で初のアルバムをリリース。水カンとは一味違う、詩羽の感情がギュッと濃縮された本作は、毒々しさとキュートさが混同する色とりどりなポップネスが全8曲それぞれで発揮される。自身が手掛けたという歌詞では、皮肉めいた独特なフレーズをちりばめたり、画一的な解釈を避けるように表現の幅を利かせたりと、アップテンポで明るいサウンドとは対象的に、白黒付けたがる世の中への疑問が潜む。ソロ・プロジェクト始動の意思と呼応する力強さや、丸みを帯びた優しさが聴こえる自己紹介的アルバムでありながら、要所に仕込まれたポップ且つロックな淡い毒にハッとさせられる1枚。
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ブランデー戦記
悪夢のような1週間
2022年結成、大阪発の3ピース・バンド ブランデー戦記。2nd EPとなる本作は、バンドの魅力を色濃く醸し出すと同時に、早耳の音楽リスナーから注目を集めている彼らの現在地を表した。ザラつきのあるノイジーな音像で構成された「Coming-of-age Story」では、情報社会における無味な拡散、無数の評価が付き纏う匿名社会の素性を覗かせる。リズミカルなカッティングやスラップ・ベースが80年代の歌謡曲を彷彿とさせる「悪夢のような」、彼らのブレない歩調を思わせる「Twin Ray」など、憧れを詰め込む一方、冷静にバンドの現状を見つめた本作。「ストックホルムの箱」に内包された愚かさは、祈りを込めた告白へと姿形を変え、その純粋さが輝きを放っている。
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なきごと
ふたりでいたい。
東京発2人組ロック・バンド なきごとが、約1年半ぶりとなるフル・アルバム『ふたりでいたい。』をリリースした。本作には、オープニングを飾る激しいロック・チューン「sniper」、揺れる心情を透明感のある歌声とサウンドに託した「ゆらゆら」といった新曲4曲、そして昨年リリースしたデジタル・シングル『君と暮らしの真ん中で』、『素直になれたら』からの6曲を追加した全10曲を収録。前作のボリューム感(2枚組/全22曲入り!)を思うとずいぶんコンパクトに収まった印象を受けるが、その分彼女たちの魅力がダイレクトに伝わる作品に。また初回限定盤付属のDVDには、今年4月に行われたZepp Shinjuku (TOKYO)公演のライヴ映像が収録されているので、こちらも必見。
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CLAIRO
Charm
ベッドルーム・ポップ・シーンの新星が、3rdアルバムで満を持して日本デビュー。心地よいウィスパー・ヴォイス、シンプルなメロディ、お洒落なコード運び......派手さや強烈な個性はないが、聴く者を選ばない優等生な作風は好感度◎。今作はもはやローファイやベッドルーム・ポップとは言えない、作り込まれた精緻なサウンドメイクになっており、華やかな装飾も満載、シンガー・ソングライターとしてネクスト・ステージに進んだ印象だ。とはいえ管楽器やパーカッションを用いたジャジーなアレンジも、各楽器が主張しすぎず、マイルドに自然体で浸透しているなど、彼女の控えめで優しい世界観を壊さない工夫がされており、プロデューサーの手腕が見て取れる。
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TRAVIS
L.A. Times
2022年には名盤『The Invisible Band』の再現ライヴで来日し、変わらぬ人気ぶりを示したTRAVIS。10作目のアルバムは、フロントマンのFran Healy(Vo/Gt)が生活の拠点を置くロサンゼルスをタイトルに掲げた作品となった。彼が通ったNYのバーを騒々しく偲ぶTrack.2「Raze The Bar」、別れた妻に捧げるTrack.3「Live It All Again」、友人との死別を反映し生きる意味を改めて見つめ直すTrack.5「Alive」などパーソナルな内容だが、彼ららしい美しいメロディと優しくも切ないアンサンブルに昇華されたメッセージは、リスナーの心にも染み入ることだろう。ラップ調のVoを取り入れたTrack.10「L.A. Times」や、DX版のアコースティック音源も妙味がある。
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KASABIAN
Happenings
先行シングル「Call」は、攻撃性を内包したダークな世界観と中毒性のあるリフが耳に残る"これぞ、まさしく新時代のKASABIANビート!"という楽曲。2022年にリリースした前作『The Alchemist's Euphoria』では、Serge Pizzorno(Vo)にフロントマンが変わったことで、いい意味でも悪い意味でもどこかトゲが抜け落ちたような印象があったが、今作は本当に解放感のある自由なロック魂に満ちていて、ギラギラとしたアグレッションもある。もちろんヘヴィなビートに振り切った楽曲ばかりではなく、UKオルタナ、ギター・ロックの魅力を引き継いだメロディアスな楽曲もあり、これまでの彼らの百戦錬磨のライヴ猛者っぷりがわかる作品に仕上がった。
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ぜんぶ君のせいだ。
蓮華粧
目標であった武道館公演から1年を経た今年3月15日に如月愛海、メイユイメイ、寝こもち、そして新メンバーとしてむく、煌乃光、己涙々らてが加わり再始動したぜんぶ君のせいだ。(その後己涙々らてが契約解除)が、5人の新体制で初シングルをリリース。表題曲「蓮華粧」は作詞をGESSHI類、作曲&アレンジが有感覚、スーパーヴァイズにみきとPという布陣で、新たなスタートを描いた。目まぐるしいサウンドで、狂気的とも言える独占欲を歌うヘヴィな曲を、5人の声色がポップに彩る。c/wには1stデジタル・シングル「ねおじぇらす✡めろかおす」と「唯君論」というぜん君。の精神たる2曲を新体制verで収録。新たなファンにも呼び掛ける一枚。
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THE BOHEMIANS
ultimate confirmation
幕開けの「the earnest」のイントロ、陽性のオルガンとギター・リフや軽やかに高鳴るキックから、今作が心躍る最高の旅になることを約束してくれる。このキャッチーで高揚感たっぷりのロックンロールに続く「火薬!火薬!火薬!」は爆裂なアンサンブルが炸裂! さらに「ロックンロールジェントルメン」ではスピード感に溢れながらも洒脱な香りを纏ったロックンロールが、甘美な世界へと誘う。酸いも甘いも噛み分けた大人の余裕が漂い、毒っ気や皮肉をよりポップに、スマートに練り込んだそのサウンドは、噛む程に刺激や味わいが濃いものとなった。前作から約3年の時を経て、いい大人の尖りや遊び方を身に付けたバンドの最新形が詰まっている。
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有馬元気
勇者の剣
これまでとは真逆の方向へと全てを振り切り、自身の新たな側面を見せた4thメジャー・シングル。ドラマ"サバエとヤッたら終わる"のED主題歌となる表題曲は、初となる電波ソングでコミカルな印象もあるが、有馬が大切にする"弱さは強さ"がしっかりと根底にあり、あと少し勇気が必要な心を奮い立たせる。カップリングの「夏空」ではシティ・ポップに彼らしい優しさと切なさを乗せ、傷付いた心を掬い上げる。弱さもネガティヴも、さらにはコンプレックスまでもを大切に抱き締め、力に変えた今作。芯の強さ、自分を信じ抜く勇気、原作やドラマ、そこに関わる人たちへの深い想いを終結させた1枚。有馬元気の可能性がここには満ち溢れている。
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East Of Eden
Forbidden Fruit -2nd piece-
昨年デビューした5人組、East Of Edenの2枚目となるミニ・アルバム。シンガー・ソングライターの草野華余子とタッグを組んだ「Judgement Syndrome」、1stワンマン・ライヴでも披露された「Chasing The Moon」を含む全5曲は、メンバーそれぞれのテクニカルな演奏はもちろんのこと、そこに込められたエネルギーが凄まじく、まるで目の前でパフォーマンスされているかの如く圧倒される。こんなにも凄まじい音の中でも、軸になっているのはどの曲もメロディとヴォーカルで、歌に焦点を合わせ、歌を大切にするバンドの意思が伝わった。この5人でしか放つことができないエネルギー。"このバンド、世界基準。"――この言葉が決して大袈裟でないことは、このアルバムを聴けば、そしてライヴを観ればすぐにわかるだろう。
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Newspeak
Newspeak
2022年にメジャー・デビューして以降、シングルの発表を重ねつつ制作をじっくり続けてきたアルバムがついに完成。"もし恐れるものがなかったとしたら、君はどうする?(和訳)"そんな問い掛けから始まる、ミドル・テンポのオーセンティックなインディー・ロック「White Lies」をリード曲に堂々と据えたのも彼ららしい。疾走感のある「Leviathan」、ダンス・チューン「Alcatraz」、「Bleed」にバラード「Be Nothing」、ロマンチックなラヴ・ソング「Blue Monday」、繊細な歌声も新鮮で抒情的な「Tokyo」、「Nokoribi」とハリウッド映画の劇中音楽にも似合うスケール感のあるロックを響かせる。今のNewspeakを味わい尽くせる、セルフタイトルに相応しい1枚。
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Amber's
Unchain×Unchain
表題曲は、TVアニメ"黄昏アウトフォーカス"のエンディング・テーマ。"ルールなんてもういらない"と感情を爆発させていて、毒々しさやヒリついた空気が漂うギター・リフやビート感には、00年代のガレージ・ロック・リヴァイヴァルを彷彿とさせるところも。中盤にはエスニックなパートも飛び出し、怪しげで攻撃的な手触りもあるのだが、それでいて万人の心に滑り込ませるポップ・センスを見せつけてくるところはさすが。カップリングの「25時間」では、彼らのルーツにあるファンクをフィーチャーしていて、"当たり前のことが当たり前にあることが嬉しい"と、日常の何気ない景色がパッと鮮やかに色づく1曲。曲頭から響かせる豊島こうき(Vo/Gt)の伸びやかなハイトーンはもちろん、グルーヴを増幅させるブレスも聴きどころ。
LIVE INFO
- 2025.04.24
- 2025.04.25
- 2025.04.26
- 2025.04.27
- 2025.04.28
- 2025.04.29
- 2025.04.30
- 2025.05.01
- 2025.05.02
RELEASE INFO
- 2025.04.25
- 2025.04.26
- 2025.05.14
- 2025.05.16
- 2025.06.18
- 2025.06.25
- 2025.07.08
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