DISC REVIEW
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ヤなことそっとミュート
Beyond The Blue
メジャー・デビュー・イヤーを締めくくったアルバムは、会心作と言っていい出来栄えだ。マスロックを思わせる開幕の「最果ての海」は、5拍子を中心にサビでは拍子チェンジが織り込まれ、且つ複雑なメロディ展開もありと、ひと癖もふた癖もある曲。これらの要素が、いい意味での緊張感を生んでいて、一聴して痺れた。厳しい冬景色が情景として浮かぶ「結晶世界」や、ヤナミューを体現している曲だという「遮塔の東」など、新曲がとにかく粒揃い。音源化されていなかった「D.O.A」の満を持しての収録も嬉しい。初回限定盤にはインディーズ時代の曲からアンセムを中心にセレクトして現体制によるヴォーカルを再録した"Re-vocal Edition"を収録。ヤナミューへの入り口のひとつとしてお薦めしたい。
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cinema staff
白夜/極夜 E.P.
"極夜"とは太陽が昇ることのない状態。逆に"白夜"は太陽が沈んでも暗くならない状態を指す。真逆の現象をタイトルに冠し、陰と陽の心境をメタファーで表現したcinema staffの2021年初となるスタジオ音源。緩急を行き来する緻密なアレンジで激しくも悲しいワルツを描く「極夜」と、新しい一歩を踏み出す意志をエネルギッシュな歌に託した「白夜」は、サウンド面でもバンドの魅力を両軸から浮き彫りにする。バンド初期に演奏していた「DAWN」をソリッドにリアレンジした「NEWDAWN」も含めて、太陽をテーマにしたような統一感のある収録曲が印象的だ。さらに、CD盤には学生時代に、飯田瑞規(Vo/Gt)が作曲を手掛けた初々しい楽曲を収録。バンドの過去と現在が詰まった1枚。
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Mernote
接触
バンド"のの"のギター&ヴォーカル、長谷川海音のソロ・プロジェクト"Mernote"による初のフル・アルバム。ひと言で言うなら、細胞分裂を現在進行形で繰り返しているような......。メロディの進め方、曲の展開のさせ方、楽器の入れ方、どこに注目してみても読み取ることができるのは、典型的な表現を避けようとする姿勢。自由自在な発想をもとにした、"こういうジャンルです"とは一概に言えない10曲が揃っている。ギター・リフを起点とした文字通りダンサブルなナンバー「dance」、ストリングスを大胆に取り入れた「untouchable」、ピアノ弾き語り曲「時の川」、社会を捉えた「香港」などを収録。バンドでは歌とギターをメインに演奏している人物だが、リズムへのこだわりが強く感じられるのが興味深い。
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snooty
空白 / 世界が終わるまで / 線香花火
日常を切り取った描写を得意とするsnootyが、今まで以上に強い想いを乗せた新曲を3ヶ月連続発表。第1弾「空白」は、言葉によって深く傷ついた人間の悲痛な気持ちを歌うダウナーなロック・チューンだ。恨みを攻撃的に叫んだり、ヒステリックに嘆いたりするのではなく、深手を負った心の内をぽつぽつと吐露するまっすぐな詞と歌唱は新機軸で、だからこそ、"死"をも過ぎる差し迫った情感を帯びている。そして、「世界が終わるまで」では"あなたと生きていたい"と歌い作品の連続性を窺わせ、深みも与える。そんな2曲に続く「線香花火」はシンプル且つ美しいメロディで、火が消えてしまいそうな恋心を、疾走感をもって歌うナンバー。磨かれた感性が表れた3曲は、手放しに明るくはいられない今でも、挫けず生きる強さをくれる。
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木下百花
また明日
様々な楽器が賑やかに重なる自由なバンド・サウンドに、束縛からの解放を求める木下百花の気だるげなヴォーカルが揺れる。前作『家出』から半年ぶりとなる今作では、木下自身が作詞、作曲、編曲まで手掛けた。脱力系インディー・ロックがエモーショナルに加速してゆく「家出」。キュートな歌声が映える切ないポップスかと思いきや、チンドン屋風の展開で意表を突く「グリルパインベーコンブルーチーズアボカド」。混沌としたシューゲイザー・サウンドに月下の儚い心情を綴った「月が見える」。ジャンルの境界線など存在しないかのように、自らが好む音を追求した今作は、アイドルからシンガー・ソングライターへ、存在そのものの境界を軽やかに飛び越えた木下だから作れる世界なのかもしれない。
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ドレスコーズ
バイエル
ピアノ・インストの『バイエルⅠ.』~歌とピアノ伴奏の『バイエル(Ⅱ.)』~エレクトリック・ギターやドラムが加わった『バイエル(Ⅲ.)』と、次にこの子たち(もともとの練習曲)はどう成長していくのだろうか? と、リスナー各々が想像していたいったんの完成は意外にもバンド・サウンドとも異なる最低限の楽器やSEが加わり素直なミックスで仕上げられ、手法は斬新だが音も世界観も実は核心のようなフォーキーさが心に優しく響く。コロナ禍を逆手にとると愛する人には会えないし、遠くで無事を祈るしかない――という歌詞の構造になるのだが、それもまた沁みる。なお初回盤"全訳バイエル"にはもうサブスクリプションで聴けない"Ⅰ."、そして他のプロセスで成長した5つ目のバイエルと言える子どもの合唱による音源が付帯する。
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vivid undress
愛のゲイン
"愛と色彩"をテーマに作ったミニ・アルバムはリリースに先駆け、3週連続で配信リリースした「夢見る2人」、「R-15」、「そばにいて」も含む全6曲を収録。その「夢見る2人」と「R-15」は四つ打ちのリズムを効果的に使い、従来のファンク由来とは異なるダンス・グルーヴにアプローチした。1曲目の「オリジナルカラー」をはじめ、作品全体を包み込むような浮遊感溢れるサウンドメイキングと共に、新たなバンドの姿を打ち出している。メンバーそれぞれの個性を浮き彫りにした前作からの"引き算のアレンジ"も、さらに磨きが掛けられ、前作以上の聴きどころに。バラードの「そばにいて」、ジャズ歌謡な「Yeah! Yeah! Yeah!」、疾走系のロック・ナンバー「後悔」と楽曲の多彩さでも楽しませる。
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Muvidat
熱帯的シンドローム
爪痕を残す気満々の仲間たちによるフレーズはひとつひとつが個性的で、飛び出す絵本並みの立体感でギッチギチに詰まっている。展開するごとに目の前の景色をくるりと変えてみせるアンサンブルが楽しくて、バンド以上に強固なバンド・サウンドと、残像感漂う謎のコーラスがビュービューと熱風を吹かせてみせる。その真ん中で軽やかに踊るUquiの歌声は鮮やかで伸びやかで爽快だ。海に良し、山に良し、もちろん車でも家でもヘッドフォンで爆音でも! 他では絶対聴けない、Muvidatにしか鳴らせない、心と身体を思いきり躍らせるサマー・ソングが完成した。SPARKA + BISTRO FUNKによるリミックスはもはやMuvidatの音楽の一部。期待を裏切らない豪快な裏切りっぷりでしっかりと聴きどころになっている。
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ZOC
PvP
15歳の新メンバー 鎮目のどかが加入し、新たな6人体制になったZOCのメジャー1stフル・アルバムが完成した。本作では、オープニング・トラック「CO LO s NA」で作品の前提となるコロナ禍の暗く重たい世界観を提示。その先では、時にかわいく、時にセクシーに、あるいは希望が溢れたかと思えば絶望する。メンバーや大森靖子自身を通して、いくつもの人生観を描き、現在の世界が投影された印象だ。気分屋な女の子を思わせるように様々な表情で魅せる曲が並ぶが、中でもリード曲「CUTTING EDGE」のメロディは1曲を通して秀逸。アイドルというエンターテイメントの中に、毒も薬も織り交ぜる。作品を通して他者を知り、己と向き合い、人生を"クッソ生きて"いくための道標になる1枚。
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岡崎体育
OT WORKS Ⅱ
『OT WORKS』以来、約3年ぶりのコンセプト・アルバム。前作にはタイアップ楽曲が収録されていたが、今作の全12曲の中にはMONKEY MAJIK、KEITA、鈴木雅之、サンボマスター、ビッケブランカという、多彩なアーティストとのコラボレーション・ソングやカバー・ソングも加えられている。そして、タイアップとひと口に言っても、彼の場合はアニメや映画だけではなく、朝の子供向け番組からお昼の情報番組、さらには教育番組からお酒のCMまで、非常に幅広い。老若男女の様々なシチュエーションに寄り添える楽曲を、岡崎体育カラーは決して薄めることなく提供するスキルは、もっと評価されるべきだと思う。ほとんどが初CD化/初音源化の楽曲という意味でも、見逃せない1枚だ。
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あいみょん
愛を知るまでは/桜が降る夜は
愛を知るまでは――どうだったんだろう? という想像を覆して、過去じゃなく未来に向けた意志を綴っているタイトル・センスの良さに彼女の魔法を感じる。ラヴ・ソングじゃなく生き方を歌ってはいるが、素直に歌詞とメロディが出てきたと思しき曲の強さは「マリーゴールド」にも通じている。長く心にとどめたい曲に育つはずだ。両A面の一方の「桜が降る夜は」も"~は"の続きに聴き耳を立てる1曲。満開を過ぎて雨に散る頃、心と身体に起こるざわつきのようなものがリアルだ。そして驚きは「ミニスカートとハイライト」。新作で抜けのいいニュー・フェーズに到達したミツメの川辺 素がサウンド・プロデュース、バンドも演奏で参加した。反復しつつ醸成されるグルーヴにあいみょん得意の男目線の歌。静かで熱い化学反応が起きている。
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sumika
Shake & Shake / ナイトウォーカー
リズミカルな言葉遊びを乗せて、ピアノやストリングスが賑やかなアンサンブルを奏でる「Shake & Shake」は、アニメ"美少年探偵団"主題歌。バンドの過去作で言うならば、「Lovers」や「Familia」あたりを彷彿とさせる、一瞬にして周囲を明るく染めるsumikaの真骨頂とも言える楽曲だ。ミュージック・ビデオには"シェケラララ"の響きに合わせて鮭を登場させる遊び心も光りつつ、"超常的縁"で結ばれた4人が作り上げる"超弩級のパレード"=ライヴへと誘う歌詞は、この時期だからこそ熱い。両A面のもう1曲には、小川貴之(Key/Cho)が作曲を手掛けた大人のスイートな恋物語「ナイトウォーカー」を収録。初回生産限定盤に付くライヴ音源も含めて、バンドの多面的な魅力が浮き彫りになる1枚。
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MAN WITH A MISSION
INTO THE DEEP
タイトル曲は、これまで何度かタッグを組んだ中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)と共同アレンジ。バンド・サウンドとテクノ、エレクトロ・ミュージックのミックスはマンウィズにとって新しいものではないが、今回はより有機的な融合を果たしていて、互いが衝突した爆発感をパッケージしたというより、継ぎ目なくシームレスで、新たな生き物の鼓動がある。五感を研ぎ澄ませた臨戦態勢で機を狙うような、スリリングな曲となっており、そのゾクゾクする緊張感が彼らのロック・ミュージックの地平をさらに切り拓く曲になりそうだ。全曲にタイアップがあり、ドラマチックな映画挿入歌「Perfect Clarity」、NHK「みんなのうた」に決定している「小さきものたち」とバンドの枠も広げるシングルになった。
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the LOW-ATUS
旅鳥小唄 / Songbirds of Passage
東日本大震災の支援活動の中から生まれ、ライヴ活動を続けてきた細美武士(the HIATUS/MONOEYES/ELLEGARDEN)とTOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)のバンド、the LOW-ATUSによる初アルバムは書き下ろしの11曲を収録。ライヴでは反戦歌を含む様々なプロテスト・ソングをカバーしてきたふたりが、ここでは自分たちの言葉(全曲が日本語)とメロディでコロナ禍の日本の社会に訴え掛けている。直接的なメッセージのみならず、「ダンシングクイーン」では巧みなストーリーテリングで聴く者の心臓を鷲掴みにする。その直後に、歌っている本人たちも思わず吹き出してしまう、演歌のパロディ(?)「みかん」を持ってくるバランス感覚が素晴らしい。そこには人生の喜怒哀楽が感じられる。
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CHAI
WINK
NIRVANAらが在籍した米レーベル"SUB POP"からも発売されるが、音像はどちらかというと"88rising"的かも。つまりトラック的になりネオ・ソウル、エレクトロ、R&B、ヒップホップなどを融合しつつ、チルでメロウな仕上がりに。ニュー・フェーズを感じさせた、NY在住のピアニストのBIGYUKIをプロデューサーに迎えた「チョコチップかもね (feat. Ric Wilson)」の驚きは、エレガントですらある「It's Vitamin C」でも感じられるし、かと思えば4人がラップするブレイクビーツ・チューン「END」、YMCKのセンスが光る8ビット・チューンっぽい「PING PONG! (feat. YMCK)」や、包み込むようなメッセージも。肩肘張らず世界基準にタッチした印象。
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kobore
Orange
koboreの6曲入りEP『Orange』。これまでも楽曲やライヴを通して、自身の大事な想いを真摯に伝え続けてきた彼らだが、今作は特に日々を懸命に生きる人々の力になりそうな言葉が多い印象だ。先行公開された「夜空になりたくて」は、彼らの真骨頂と言える"夜"の匂いがするナンバーで、悩みや迷いを抱える聴き手に寄り添い、心の澱を流してくれるような温かさがある。そして、「灰になるまで」では"転びそうなら背中くらいは押したるわ"と、肩を組んで語り掛けてくれるような頼もしいワードに文字通り背中を押され、「SUNDAY」では"適当にやろうぜ"と、頑張りすぎな人の凝り固まった気持ちをほどくような優しさも見える。バンドの音楽に対する意志が窺える「OITEIKU」の疾走感も痛快だ。
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Ivy to Fraudulent Game
再生する
いいタイトルだ。コロナ禍に崩壊した文化を"音楽の力で再生する"という決意で制作されたIvy to Fraudulent Gameの最新アルバム。それは同時に、一時は活動休止の危機にあったというバンドそのものを再生していく、そんな作品でもあると思う。特筆すべきは、初めてメンバー全員が作曲を手掛けたこと。大島知起(Gt)による解放的なナンバー「檻の中から」、轟音が美しい幻想を描くカワイリョウタロウ(Ba)の「共鳴」をはじめ、寺口宣明(Gt/Vo)が手掛けた「Twilight」は神聖なアプローチで新境地を開いた。そんな今作で静かな憂いを湛えるのがメイン・ソングライター 福島由也(Dr)作曲の「番」や「御伽」だ。"心を表す言葉が見つからない"と綴る歌詞に、彼らが音楽に求める意味を見た。
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The Songbards
AUGURIES
3部作の第2章となる本作は、かき鳴らされるギター・サウンドが印象的な「Engineered Karma」や、ブリティッシュ・ロックを思わせる「ブルー・ドット」など全5曲を収録。特にラストを飾るミディアム・バラード「夕景」では、エモーショナルな世界観を引き立たせる神秘的なコーラス・ワークに惚れ惚れとさせられる。各曲の文学的な歌詞とも相まって、全曲聴き終わったあとは、まるでひとつの小説を読み終わったような感覚を覚えた。今作のテーマである"人はなぜ生きているのか"とは、正解のない哲学的な話だが、歌詞にも多く使われている"愛"が彼らの導き出した答えではないだろうか。第1章で存在の肯定をし、第2章で生きる意味について探求した彼らが最終章で何を表現するのか、今から楽しみだ。
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toku
bouquet
音楽ユニット、GARNiDELiAのサウンド・プロデューサーであり、とくPとしてボカロ曲も発表してきたtokuのソロ作。10人の女性アーティスト/声優をゲストに迎え、10人それぞれの世界観を引き立て、またそれぞれの曲で花をモチーフに1枚のアルバムとしてブーケのように束ねた。神田沙也加のエモーショナルなVoを生かした「ずるいよ、桜」の儚くポエティックなポップ・サウンドに、中島 愛参加の「Acacia」ではフューチャリスティックな物語性を引き立てるサウンド、やなぎなぎが歌う「Coreopsis」は実験的なサウンドが、ピュアな歌声とマッチ。また一青窈の「萌芽」は歌詞をスガシカオが手掛けており、3人の個性をぶつけ合う曲になった。架空の物語のサウンドトラックのように味わえる作品だ。
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バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
-バンもん!BEST- 極仲良的世界
バンもん!初のベスト・アルバムが完成した。ファン投票の結果を反映して制作された本作には、ライヴ・アンセムとしてファン以外からの認知度も高いグループ初期の名曲「ショコラ・ラブ」もあれば、昨年2020年に発表された「ゴッドソング」、「レジェンドあいらぶゆー」も収められ、彼女たちがいかに長く愛され続けてきたかが伝わってくる。デビューから約9年の活動の中での変化と進化はもちろん感じられるのだが、むしろ、自己を肯定してくれて、元気と勇気を与えてくれる"心のビタミン剤"とでも形容できそうな、ずっと変わらない核の部分こそが本作の真価だと言えるだろう。新曲は「O」。エモーショナルなストリングスと鍵盤が効いた軽快なバンド・サウンドに乗せて、一途で、壮大で、切ない愛の形が歌われた。
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