DISC REVIEW
ナ
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ニノミヤユイ
Dark seeks light / 散文的LIFE
初の両A面シングルの表題曲「Dark seeks light」は、TVアニメ"世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する"OP主題歌。グルーヴ重視で綴ったリリックや、ダークでクールなラップなど、自身が"限界突破した曲"と語る通りアーティストとしてのレベルアップを感じさせた。もうひとつのタイトル・トラック「散文的LIFE」は、TVアニメ"テスラノート"のEDテーマに起用。アニメの主人公 根来牡丹とニノミヤがリンクし、ネガティヴな感情をポップに昇華した一風変わった楽曲だ。3形態それぞれに異なるカップリングが収録され、両表題含めた全曲で作詞に関わっているが、中でも「不揃い」では初の作曲にも挑戦。今年20歳を迎え、さらに表現力を増し、スキルも身につけた彼女の次回作がすでに楽しみ。
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ニノミヤユイ
哀情解離
"陰×ロック"をテーマとしたミニ・アルバム。リード曲「痛人間讃歌」(アニメ"GUARDY GIRLS"OP主題歌)は、ロック・バンド ミオヤマザキが提供しており、"陰キャのカリスマ" ニノミヤユイ×"メンヘラ界の神" ミオヤマザキという強力な陰のタッグが誕生したことに。疾走感のあるダークで攻撃的なロック・サウンドと、これに負けないニノミヤユイの感情を爆発させる歌声には痺れっぱなしだった。そのほか、自身が声優"二ノ宮ゆい"として出演しているTVアニメ"カオルの大切なモノ"主題歌「紅い絆」や、DECO*27、蜂屋ななし提供曲など全5曲を収録。アーティスト・デビューからおよそ1年、彼女の世界観はさらに深みを増し、表現力もグンと上がった印象を受ける1枚だ。
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ニノミヤユイ
つらぬいて憂鬱
今年、アルバム『愛とか感情』でアーティスト・デビューを果たした、ニノミヤユイの1stシングルが到着した。表題曲は、自身が声優"二ノ宮ゆい"として出演するTVアニメ"ピーター・グリルと賢者の時間"のOP主題歌に起用。キャッチーなメロディや、耳に残るベース・ラインをはじめとした洒落たサウンドで、一度聴いたら頭から離れない仕上がりに。"陰キャのカリスマ"らしく暗い感情を携えつつも前を向いていくような歌詞は、きっと多くの"陰キャ"から共感を得られるだろう。ニノミヤユイ本人が作詞を手掛けたカップリングの「re:flection」は、複雑な曲展開で何度聴いても聴き手を飽きさせず、中毒性の高い1曲。詩的な表現が印象的な歌詞と、彼女史上、最も難易度が高い歌唱も聴きどころ。
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ニノミヤユイ
愛とか感情
声優として活躍する"二ノ宮ゆい"がアーティスト"ニノミヤユイ"としてリリースするデビュー・アルバム。本作には、佐藤純一(fhána)やカノエラナなど気鋭の作家陣がニノミヤユイと向き合い、"陰キャのカリスマ"を目指す彼女の内に秘めた"陰"と"反骨精神"を個性豊かに表現した全10曲が収録されている。とりわけ衝撃を受けたのは、欅坂46の「サイレントマジョリティー」や「不協和音」で知られるバグベアが手掛けた、オープニング・チューンにして表題曲の「愛とか感情」。言葉を詰め込みまくった譜割りや、乱高下するメロディが与えるいい意味での違和感が曲の世界に引き込み、心に"ニノミヤユイ"への深い印象を植えつける怪作だ。彼女のファンだけでなく、多くの"陰キャ"やロック好きに届いてほしい1枚。
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日本マドンナ
バンドやめろ
聴き終えたあと考え込んでしまった。彼女たちはなぜここまで自分を痛めつけるように音と言葉を刻むのだろうか? その理由は“若いから”だけではないのではないか……と。日本マドンナ1年5ヶ月振り、通算3枚目のミニ・アルバムがとうとうリリースされる。攻撃的なガレージ・サウンドは、傷という傷を痛めつけるように強烈。あんな(Vo&Ba)は“バンドやめろ”“どうせ血と骨と肉のかたまり”なんて叫ぶけれど、本当はそうじゃないと思うからこそ、聴き手の耳を抉るように歌うのだろう。現実に蔓延る汚い出来事なんて見向きしなきゃラクなのに、敢えてそこに飛び込む。社会に対する警笛を鳴らしつつ“この世の中でどう生きていくか”と悩み、ひたすらもがいて鳴らされる音楽。だからこそ血生臭く、ぬくもりに溢れるのではないだろうか。
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日本マドンナ
月経前症候群~PMS~
これって、排泄型ガールズ・バンドの道へと突き進みますという意思表示なのでしょうか。だって月経前症候群ですよ。または、汚されたい症候群ということなのか。“汚したい・汚されたい”とはっきり歌っていますし。この自ら必死に“汚れよう”とする様は、大人への憤りを歌っているようで、自分への嫌悪感を歌っているようにも聴こえる。自らへの強い不快感を募らせるように、吐き捨てられる直接的な言葉たち。願わくば、この苛立ちの嵐が単に罵倒に終わらず、外界と繋がるコミュニケーションへと進化して欲しい。例えばミドリのように。後藤まりこという人の描くパンクとは、その痛々しくえげつない中に、赤裸々で丸裸の欲望があった。それこそが愛おしかったように。だって、このままでもかっこいいけれど、ちょっと愛がないじゃない?
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日本マドンナ
卒業制作
09年に、当時、高校三年生のあんな、まりな、高校1年生のさとこで結成された日本マドンナの初の全国流通音源。現在公開されているアーティスト写真は、制服姿の3人が路上に寝そべってこちらを見つめているというもの。あどけない表情の女の子、街中で生足、汚い地面に肌をつけ、自ら人目にさらされるという画。これはもう、いろいろと鼻血が出そう。これ、決して“萌え” とかが言いたいわけではないですから。“女子高生がパンク・ロック” という縮図同様に、暴力的な中にある青さと艶めかしさの話。シンプルなのに、聴き手を振り回し、翻弄し、動揺させることができる、そういう音を鳴らしているということに興奮せずにはいられないということ。全てが初期衝動という、パンク・ロックの醍醐味を鳴らせるバンド。パンクってこういうことだ。
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煮ル果実
SHIMNEY
VOCALOIDプロデューサー"煮ル果実"2枚目のアルバムは、「イヱスマン」、「ハイネとクライネ」などの代表曲を含む全13曲を収録。ギター・ロックやピアノ、アンビエントなどジャンルを縦横無尽に飛び越える楽曲の根底にあるのは、独特の陶酔感とドラマチックでシニカルな世界観だ。煮ル果実によって命を吹き込まれたVOCALOIDの歌声は、浮世離れした響きで強烈な皮肉を歌ったかと思えば、世界への不満を絞り出すように吐き出す。しかし、その厭世的なまでの皮肉さは決して斜に構えたものではなく、本当は世界を、そして自分自身を愛したいという感情の裏返しだ。特に「生活ガ陶冶スル」の飾り気ない言葉からは、その切実な想いを痛いほど感じられる。精密に作り込まれたトラックと天邪鬼な感情が胸に迫る1枚。
TOWERamazon
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Neat's
MOA
この作品に出会えた喜びを言い表すなら......そう、寝心地抜群で絶対に素敵な夢を見られる最高の枕を手に入れた感じ、と言えば伝わるだろうか? 新津由衣によるソロ・プロジェクト、Neat'sの3rdアルバムは、どこまでも幻想的で心地よく、しかし時に顔を出す毒気を孕んだ棘もまた気持ちいい、極上のポップ・ソング集に仕上がっている。ART-SCHOOLの戸高賢史やthe HIATUS等のエンジニア、柏井日向を迎えて制作されたサウンドは、ピアノやシンセを加えた重層的なバンド・ポップもあれば、キュートなエレクトロ・ポップもあり、その2つの路線を絶妙に融合させたものもあり、実に多彩。だが、それらは決して過剰な派手さや大仰さには繋がらず、むしろ穏やかな質感を持った、実に親しみやすいベッドルーム・サウンドへと結実している。
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Neat's
MODERN TIMES
COMPUTER MAGICのオープニング・アクトを務めたり、ベッド・ルームからいきなり配信をしたり、不思議宅録女性アーティストのイメージを持ってる人も少なくなかろう、Neat's。が、この2ndアルバムで確信した。彼女は相当タフなオルタナ・シンガー・ソングライターだと。戸高賢史(ART-SCHOOL/Ropes)らと作ったバンド・スタイルのナンバーは、一概にドリーミー・ポップと呼ぶにはグランジーだったり、ジャム・バンド的なダイナミズムも横溢。一方、宅録楽曲ではビートを床に物を投げる音など様々な素材から構築したり、独り言のようにすぐそこで彼女が話しているような歌のテイクをそのまま採用したり。痛快なのに切なく、不安定なのに心地いいのは、きっと彼女が本当のことしか歌ってないからだ。
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Neat's
Wonders
都会では見えない星も、灯りの少ない場所でははっきり見える。心の中も同様に、闇の中だからこそ微かな光を見つけることが出来る。ネガティヴになるのも悪いことばかりではないものだ。Neat'sの1stアルバムは、そんな闇の中で掴んだ星屑のような11曲が詰まっている。全てをセルフ・プロデュースした楽曲は遊び心とユーモアに溢れた煌びやかなナンバーばかり。彼女の弾むようなヴォーカルが、闇と孤独に向き合うことで感じることが出来た尊い思いを丁寧に紡いでいる。やわらかさと力強さが同居するポップ・ソングは非常にラフでのびのびと響き、聴いてるこちらも素敵で不思議な出来事が起こりそうな予感すらしてくる。それは彼女の、音楽は勿論のこと、生きることに対する純粋な思いがそうさせてくれるのかも。
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ヌ・シャボンヌ
雛罌粟の夢-下-
山口県を拠点に活動しているロック・バンドの3rdミニ・アルバム。松本愛美(Ba/Vo)による文学的比喩を用いた歌詞と歪んだサウンドで紡がれた楽曲たちは、自傷しながら前を向いて生きているような刹那を感じさせながらも、その歌声はどこか爽やかで透明感がある。キャッチーなメロディで疾走するTrack.2「真夏のスーサイド」やTrack.5「雛罌粟の夢」(読み:ひなげしのゆめ)といった楽曲に漂う"エモーショナルロック歌謡"感が鮮烈に耳に残る一方で、奥深い物語の内容を読み解く面白さをじっくり味わうことができる作品。既発の2ndミニ・アルバム『雛罌粟の夢-上-』と併せて聴くことをおすすめしたい。
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沼倉愛美
Climber's High!
放送中のTVアニメ"風夏"のオープニング・テーマ「Climber's High!」。沼倉愛美はアニメに登場するロック・バンド、HEDGEHOGSのヴォーカル"たま"の声優も務め、「Climber's High!」は作中でも大事な役割を果たす曲となっている。この演奏をしているのが、ギターはSHO(MY FIRST STORY)、ベースはT$UYO$HI(The BONEZ/Pay money To my Pain)、ドラムは高橋宏貴(ELLEGARDEN/THE PREDATORS)、ピアノは劇伴作家でもある伊賀拓郎というメンツで、高い温度の曲に仕上がった。またカップリングはピアノが印象的なパワフルなバラード「星の降る町」(アニメと連動)と、2曲とまったく違う沼倉のキュートな歌声が冴える「もっと一緒」を収録。
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ネクライトーキー
TORCH
前作『FREAK』から約2年9ヶ月ぶり、フル・アルバムとしては通算4作目。古くは(!?)2021年リリースの「ふざけてないぜ」から、EP『踊れ!ランバダ』収録の「ランバダ・ワンダラン」、「あべこべ」やNetflixシリーズ"スコット・ピルグリム テイクス・オフ"OPテーマ「bloom」も収録しているが、これらの楽曲が世に出た際のフックの強さすら凌駕するような個性のあるアルバム曲が居並んでいるのが単純にすごい。エフェクティヴなギター・サウンドがそのまま擬音化したようなリード曲「ちょうぐにゃぐにゃ」やゲーム音楽をバンドで再構築したような「浪漫てっくもんすたあ」など怒濤の構成を持つ曲、普遍性や骨太な良さが印象的な「あべこべ」や、もっさ(Vo/Gt)作の「だから、」などバンドの前向きな転換点となる作品と言えそう。
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ネクライトーキー
踊れ!ランバダ
1年2ヶ月ぶりのリリースとなる新作は、ミラーボールの下でエフェクターをフロアに踊るジャケットに象徴されるように、ポップとロックを独自の配合で織り交ぜていくネクライトーキーらしさが詰まったEP『踊れ!ランバダ』。耳に残るシンセサイザーのリフから始まり、解放感のあるサビに、"シャバダバ"と歌うコーラス隊、静寂を切り裂く泣きのギター・ソロに、しっとりと歌い上げる落ちサビと、凝った構成で中毒性抜群の「ランバダ・ワンダラン」を筆頭に全4曲が収録された。哀愁漂うレトロなミドル・チューン「今日はカレーの日」は本作の中で異彩を放っているが、ラストに向けて感情を高めていく熱量をしっかりと秘めている。ワンダーランドのような楽しい世界観と、作り込まれた読めない展開にワクワクする快作。
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ネクライトーキー
MEMORIES2
朝日(Gt)のボカロP名義 石風呂楽曲には、彼が若かりし頃の鬱屈や、同胞と呼べる少年少女の心の内を現在より解像度高く表現したものが必然的に多い。その石風呂楽曲をネクライトーキーがセルフ・カバーした第2集だ。ネクライトーキーのライヴでもおなじみの「魔法電車とキライちゃん」、「壊れぬハートが欲しいのだ」や、春の野音公演で披露した「君はいなせなガール」をはじめ、カズマ・タケイのドラム・センスが表出し、オリジナルとの差異も面白い「深夜の街にて」のファンク・テイスト、普遍的なロックンロール・ナンバーに素直な本音がにじむ「サカナぐらし」、待望の音源化となったバンド人生のアンセムと呼べそうな「だれかとぼくら」など全8曲。勝ち負けで言えば負けがちな君の隣で一緒に前を向いたり俯いたりしてくれる。
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ネクライトーキー
ふざけてないぜ
荒唐無稽だけど、どこかほっこりする漫画原作のアニメ"カノジョも彼女"に書き下ろした新曲。原作に沿っているようで恋愛もしくはバンドについて歌っているようにも受け取れる歌詞、何より面白くてキャッチーと称されつつ、メンバーはストイックそのものなスタンスが、曲タイトルにも表れていると言ったら朝日(Gt)は笑うだろうか。表になったり裏になったり不意打ちを喰らうビートの面白さ、5人の音の抜き差しを計算し尽くし、音数少なめでも快楽指数高めのアレンジが癖になる。c/wは"徒然なるトリビュート -徒然草の再解釈-"企画の参加曲「波のある生活」。マーチング・リズムやアイリッシュ風なメロディでありつつ、ごく日本的に聴こえるのは「続・かえるくんの冒険」のサビにも通じるニュアンスだ。
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ネクライトーキー
FREAK
もっさのフロントマンとしての成長物語もすごいが、さらに、それを超えるこのバンドの自由さや、時代に対してものを言える強さが詰まったアルバムになった印象。4ビートのようなそうでないような不思議なリズムと展開の多さに、初っ端から驚く「気になっていく」、タイトル1行の破壊力そのままに大事なことが歌われる「大事なことは大事にできたら」、もっさの作詞作曲曲「踊る子供、走るパトカー」は、匿名の暴力への反感をにじませながら曲のムードは寛容というユニークなバランスを持ち、ゲーム・ミュージックからの影響をシンセ・サウンドのみならず、朗々としたサビのメロディにも反映した「続・かえるくんの冒険」など、どこを切ってもネクライトーキーならではの音楽的なワクワク、自分や他者に対する素直さや誠実さが詰まっている。
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ネクライトーキー
ZOO!!
現メンバーでライヴを重ね、アンサンブルのスキルやアイディアが磨かれてきたことが明らかに反映されたアルバム。ファンクなAメロから急転直下、QUEEN的なロック・オペラ感に転じる先行配信曲「ぽんぽこ節」、コミカルなのに洒脱なコードで捻りの効いた「夢みるドブネズミ」、淡々としたムードの演奏の中に乾いた諦観と少しの前向きさが描かれる「深夜とコンビニ」、エレクトロからグランジまで、サウンドとアレンジがシュールに変化していく「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」、唯一のもっさ(Vo/Gt)作詞作曲の「夏の暮れに」の、ギター・バンドらしいストレートな曲の良さ。11曲が別の方向を目指した多彩なアルバムだが、歌詞には大人になって気づくことから去来する寂しさがどこか共通して現れている。
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ネクライトーキー
MEMORIES
朝日(Gt)がボカロP"石風呂"名義で発表してきた楽曲を、バンド・サウンドでセルフ・カバーした今作。リード曲「音楽が嫌いな女の子」や石風呂の代表曲「ゆるふわ樹海ガール」など、ライヴでも人気の楽曲たちが、待望の音源化となった。かき鳴らすようなロックを無機質でフラットな機械が歌う温度差も魅力のひとつだった石風呂のボカロ曲は、一度聴けばクセになる、もっさ(Vo/Gt)の歌声によって新たな命が吹き込まれ、生身の人間らしい感情と熱量が感じられるものに。その熱はライヴの光景も彷彿させ、バンドとしての色も強く打ち出している。ボカロ曲とのキーやアレンジの変化を聴き比べるのも面白く、バンドからボカロ、またその逆と、聴き手の音楽の入り口を広げるきっかけを作るものにもなりそうだ。
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ネクライトーキー
ONE!
サポートのキーボードも含め、ギター×2、ベース、ドラムの音の抜き差しで構成される隙間の多さ、そしてそこに詰め込まれた多ジャンルの深度が聴けば聴くほどに楽しいネクライトーキーの1stフル・アルバム。ゲーム・ミュージックとポスト・ロックが邂逅したような「レイニーレイニー」に始まり、コロコロと展開が変わりつつ基本的には四つ打ちでダンサブルなリード曲「こんがらがった!」や、タイトルから何気にイメージできるユニコーン的なスキルの高さとユーモアを感じる「許せ!服部」、注目される契機になった「オシャレ大作戦」など、朝日(Gt)のソングライティングとアレンジ力が発揮された曲の数々。加えてミディアムの大きなグルーヴを持つヴォーカル、もっさによる楽曲がいいフックになっている。
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ねこね、こねこね。
ねこの気まぐれ
初の全国流通盤『たのしい、わくわく、する音楽。』以来、約1年ぶりのリリース。アルバム・タイトルだけではなく、収録されている4曲のタイトルにもすべて"ねこ"が入っているという徹底っぷりで、とにかく猫のことだけを歌ったEPだ。女性ヴォーカルの角のない歌声と中身を詰め込みすぎないギター・ロック・サウンドを聴いていると自然と力が抜けてしまうが、こういうバンド、いそうでいなかったかもしれない。しかし、かわいらしい猫の姿に癒されるのと同じ感覚でいると"ねこは何でも知っている/君がどのくらい人として出来ているのか"(Track.3「ねこは何でも知っている(気まぐれVer)」)など、こちらの背筋をサラッと凍らせるフレーズが。油断大敵!
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ねごと
NEGOTO BEST
2019年7月20日をもって、12年にわたる活動に終止符を打つことを発表したねごとのベスト盤。メンバー選曲の35曲には、デビュー当初、雨の日限定で、ライヴで演奏していた未発表曲「雨」や、新曲「LAST SCENE」も収録された。マジカルで柔らかな風のようなサウンドの「雨」は、ねごとの美しい音楽はどんなときもそばにいると伝えるような、4人からのはなむけの言葉(歌)に聴こえてくる。また「LAST SCENE」はクールなエレクトロ・チューンで、ねごと目線で見るライヴの光景やリスナーとの関係性が窺える、明るくも切ない思いがよぎる曲だ。高校生のときに結成し、常に新たなサウンドや音楽的世界の広がりを追求し、先鋭的なポップ・ミュージックを生んできたねごとの歴史が詰まっている。
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ねごと
SOAK
約13ヶ月でフル・アルバム2枚、EP1枚、シングル2枚をリリースというバイタリティにも感心だが、注目すべきはその枚数ではなくすべての作品で音楽的な濃度を高めていることだ。タイプの異なるプロデューサー2名との制作や、趣向の異なるシングルを制作することで、自分たちの音楽性を見つめる機会が多かったことが影響しているのだろう。バンド・サウンドを主体にエレクトロ、シューゲイザー、ソウル・ミュージック、ダウン・ビートなどを感性の赴くままに取り込んだサウンドは洗練されているだけでなく非常にナチュラル。タイトルでもある"soak(=染み込む)"という言葉どおり、心の奥まで染みわたる繊細さと感傷性を孕んでいる。透明感のあるエモーショナルと静謐な色気はどこまでも美しい。
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ねごと
空も飛べるはず / ALL RIGHT
約2ヶ月ぶりの新作は、映画"トリガール!"の主題歌であるスピッツの「空も飛べるはず」のカバーと、同作の挿入歌として書き下ろされた新曲「ALL RIGHT」を収録。前3作で打ち立てたダンス・ミュージックから一転、彼女たちの原点となるバンド・サウンドを主体としたサウンドで、「空も飛べるはず」はグランジ感のあるギターなど、シックな演奏が蒼山幸子の歌声とメロディを引き立て、原曲へのリスペクトを感じさせるカバーになった。「ALL RIGHT」は爽やかな疾走感を持つ楽曲。初期の「カロン」や「sharp ♯」を彷彿とさせながらも当時以上に力強さやしなやかさが増しており、強気でパワフルな歌詞も軽やか且つ堂々と響く。ねごとは独自のロックのかたちを確立しつつあるのでは。
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ねごと
DANCER IN THE HANABIRA
『アシンメトリ e.p.』、『ETERNALBEAT』で新境地へと歩み出したねごとが、その世界観をより磨いたシングルを完成させた。表題曲は前2作でもタッグを組んだBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之がプロデューサーとして参加。エレクトロにストリングスも用いたサウンド・アプローチは艶やかで、なにより蒼山幸子(Vo/Key)のヴォーカルと歌詞、メロディが存在感を放つ。ウェットな歌声はタイトルどおり花びらのような刹那的な美しさで、その情感により言葉が映えているところも印象的だ。Track.2はバンドの生音をダンス・ミュージック的に表現。スロー・テンポで隙間のあるサウンドスケープには奥行きがあり、歌詞に込められた切実な想いや願いも強く響く。両曲とも余韻に漂う色香が心地よい。
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ねごと
ETERNALBEAT
ねごとというバンドを語るうえで欠かせない"ドリーミー"と"内に秘めた熱さ"という芯を崩さない、むしろこれまでで最もその核心に近づいたアルバムと言えるのではないだろうか。今作では昨年リリースされた『アシンメトリ e.p.』で彼女たちが提示した"自然体でいられる、踊れる空間"をさらにディープに追求。心地いい空間を求めて丁寧に音を紡ぎ、重ねることで、繊細な感情表現ができたと言っていい。メロディも大きなフックがあるというよりはナチュラルで、そのぶん伸びやかなヴォーカルが光る。ドラムレスやシンセ・ベースなど楽曲に合うアプローチは、バンドにとっても大胆で革新的な音作り。音はもちろん歌詞からも1曲1曲から彼女たちの音楽にかける情熱を感じることができる。
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ねごと
アシンメトリ e.p.
約1年5ヶ月ぶりの新作は4曲入りEP。Track.1はBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之が、Track.2はROVOの益子 樹がサウンド・プロデュースを担当。Track.3と4は中野と益子との制作を経たうえでのセルフ・プロデュースで、全曲が"自由に音にノれて踊れる、空間を大事にした音楽"をコンセプトに制作されている。各楽器でもこれまで彼女たちが実行してこなかった手法を積極的に取り入れ、藤咲 佑はシンセ・ベースに初挑戦。生音とプログラミングの差し引きもより大胆になり、蒼山幸子(Vo/Key)も自分の内面を曝け出す歌詞を書くなど、ねごとの未来を切り拓くためのチャレンジが存分に詰め込まれている。彼女たちの凛とした空気が如実に反映された、エモーショナルでクールな作品だ。
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ねごと
DESTINY
今年3月に3rdフル・アルバム『VISION』をリリースしたばかりのねごとが、わずか3ヶ月でシングルを発表。TVアニメ"銀魂゜"のエンディング・テーマであるTrack.1はグルーヴィで踊れるリズムの上に、遊び心溢れるシンセが瞬く、華やかで軽やかな楽曲。サビの歌詞も単語そのものを強く印象付けるアプローチで、そのシンプルな潔さからもバンドが自信を持って音楽を鳴らし、純粋に楽しんでいることがうかがえる。音像で立体的にドラマを描き、キャッチーなメロディをより輝かせることができるのは、現在の彼女たちだからだろう。Track.2では自らの原点のひとつであるNUMBER GIRLをねごと流に解釈したサウンドで魅せる。全員からとめどなく溢れだす音楽欲、ねごとは今が最も面白い。
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ねごと
VISION
まずタイトルからも自信の度合いが窺える。フル・アルバムとしては約2年ぶりとなる、セルフ・プロデュースのこの3rdアルバムで、ねごとは自分たちが鳴らしたい音楽をしっかり掴み、それを吸収して外へ放出することができた。レコーディングも順調だったとのことで、過去最高に華やかなコーラス・ワークを組み込んだり、各楽器のサウンドにもひと工夫加えるなど、純粋な好奇心と音楽愛が隅々に感じられる。アッパーでキャッチーな楽曲から、ピアノを前面に出したソフトなミディアム・テンポ・ナンバー、シューゲイザー的に4人の音圧で引き付ける楽曲など、ねごと流バンド・サウンドの可能性を広げ、堂々と示す意欲作。彼女たちがこの先に描くヴィジョンに期待せずにはいられない。
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ねごと
アンモナイト! / 黄昏のラプソディ
ミニ・アルバム『"Z"OOM』でリスタートを切ったと語る彼女たちが約半年ぶりにリリースする新作は"恋"が前面に出た「アンモナイト!」と「黄昏のラプソディ」の両A面シングル。「アンモナイト!」は『"Z"OOM』の流れを汲んだゆったりとしたポップ・ナンバー。"愛したいきみだけを!"というストレートなメッセージに軽快なクラップが幸福感をさらに高めてゆく。対して「黄昏のラプソディ」はメンバーそれぞれの楽器でのアプローチが効果的な非常にクールなアンサンブルが印象的な楽曲。シンセとピアノの音色を巧みに扱い、ギターもユニゾンで魅せるなど、各楽器に趣向が盛り込まれており、ねごとのテリトリーの拡張を証明する楽曲だ。今年度24歳を迎える彼女たちだからこそ出せる、フレッシュな大人の表情を堪能できる。
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ねごと
"Z"OOM
ねごとの2014年第1弾リリースは現在のモードを詰め込んだ全6曲。作曲はNEGOTO名義のものが大半を占め、歌詞はメンバーそれぞれが書いているという、より"4人でひとつのねごと"という側面が強まったと同時に、4人それぞれのキャラクターも克明になるという、非常に理想的なバランスを帯びた作品になった。特に明確な新しさは、蒼山幸子(Vo/Key)の歌だ。表現力やニュアンスが増え、より情感豊かに弾ける歌声はとてもキュートで、とてもフェミニンに響く。キーボードを取り入れていないTrack.3、ストリングスにシューゲイザー的アプローチが壮大なTrack.6など、バンドとしての許容範囲も広がった。本人たちが"リスタート"と言うように、積み上げたキャリアを存分に生かした、鮮やかな音像に心が洗われる。
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ねごと
シンクロマニカ
4人組ガールズ・バンド、ねごとの約10ヶ月ぶりとなるニュー・シングル。切ないながらも繋がりを求める、ときめきいっぱいの気持ちをキュートに歌ったタイトル・トラック「シンクロマニカ」は、アニメ"ガリレイドンナ"のタイアップが決定している。通常盤に収録されるくるりの名曲「ばらの花」のカバー、沙田瑞紀(Gt)が手掛けた「Lightdentity -Mizuki Masuda Remix-」も、蒼山幸子(Vo)の浮遊感溢れる透き通った歌声と、彼女たちらしい軽やかでリズミカルなキラキラのポップ・サウンドが詰まっている。初回盤には「シンクロマニカ」の他、バンド初挑戦のヴォイス・ドラマ等が収録。今春、全員大学を卒業した彼女たちの新たな試みに、ますますの活躍が期待される。
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V.A.
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011
アジカン企画&主催の夏フェス"NANO-MUGEN FES."も今回で9回目(ツアー形式だった「NANO-MUGEN CIRCUIT2010」を含めると10回目)。WEEZERやMANIC STREET PREACHERSをヘッドライナーに、BOOM BOOM SATELLITES、the HIATUS、若手注目バンドねごと、モーモールルギャバンなど、洋邦共に相変わらずの豪華ラインナップ。出演バンドの楽曲が1曲ずつ収録されているコンピレーション・アルバムは、今作で5作目。そして、今回収録されているアジカンの新曲は2曲。チャットモンチーの橋本絵莉子(Vo&Gt)を迎えた「All right part2」は、後藤と橋本の気だるい歌い方と熱が迸る歌詞のコントラストが鮮やかで、高揚感に溢れたギター・リフとメロディも力強く鳴り響く。ユーモラスなあいうえお作文、男性の言葉で歌う橋本の艶とレア感も思わずニヤついてしまう。東日本大震災時の東京を描いた「ひかり」は、人間の醜い部分や絶望感にも目を逸らさず、物語が淡々と綴られている。言葉をなぞる後藤の歌に込められた優しさと強さは、当時の東京を克明に呼び起こしてゆく。生きることが困難な時もあるだろう。だが"オーライ"と口ずさめば、ほんの少し救われる気がする。音楽の持つ力を信じたい――改めて強くそう思った。
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ねごと
カロン
昨年リリースされたミニ・アルバム『Hello!"Z"』の記憶も新しい、話題沸騰中のガールズ・4ピース・バンド、ねごとのファースト・シングル。何気ない夜に夢のようなキラキラした魔法を掛けてしまう極上のポップ・センスと、素直な感情を詰め込み炸裂させたオルタナティヴな空気感。芯があってキュートな蒼山幸子のヴォーカルはどこまでも澄み、空に勢い良く飛び立つ鳥の翼のような力強さと美しさを宿している。二十歳の彼女達がリアルタイムで刻む煌びやかな青春に圧倒されてしまった。裸足でつんのめりながらも何かを掴もうと全速力で走り抜けるような葛藤を抱えたがむしゃらさも若者らしい。4人が奏でる等身大の可愛らしさと漲るパワーに、可能性を感じずにはいられない。この子達、只者じゃ御座いません!
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のあのわ
Cry Like a Monster
4人体制となった音楽団のあのわが2年半ぶりにフル・アルバムをリリース。まず驚かされるのは、今作のTrack.1「Hurry Up!」の強烈な吸引力だ。ENYAやBJORKを彷彿とさせるような幻想的で壮大なナンバーとなっており、リスナーをあっという間に日常空間から引き剥がし、彼らの世界へ引きずり込んでいく。一歩その世界へ足を踏み入れれば、広がるのはリズミカルなポップ・チューンの数々。海遊館のCMに起用され話題となった「バラ色のダンス」を筆頭に昭和歌謡と現代ポップが融合された楽曲が続く。また、中盤にレトロな雰囲気と哀愁を感じる「Core.」が収録されることでアルバム全体がぎゅっと引き締められ、甘くて可愛いだけではないヴォーカルのYukkoの声が堪能できる。
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のあのわ
グラデーション
バンドというよりも“5人組の音楽団”と呼ぶのがまさにふさわしい、のあのわの新作。昨年の11月にはヴォーカル兼チェロのYukkoの大事なチェロが盗難にあってしまうというハプニングもあった(2ヶ月後に奇跡的に本人のもとに戻ってきた!)。今回発表される表題曲のプロデューサーは亀田誠治。星空をイメージさせるイントロ、ドリーミーな浮遊感に包まれた壮大なサウンドと力強くも柔らかいヴォーカルが独自の存在感を放ち、リフレインされる祈りにも似た歌詞にグッと心を持っていかれる。NHK「トップランナー」のテーマ曲にもなっているTrack.2 の「もぐらは鳥になる(English ver.)」で感じたことはYukkoの声を活かすには英語詞の方がいいのでは? ということ。しかし、いろんな可能性を秘めた楽曲たちに早くも次回作を期待。
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のあのわ
ループ、ループ
2003年に結成された5人組、のあのわのファースト・シングル。2005年頃から、ライヴ活動も本格化し、今年2月には、メジャー・デビューアルバム『夢の在りか』を発表している。ヴォーカルYukkoがチェロを奏でながら、愛らしいラヴ・ソングを歌う本シングルのように、独特の高揚感のあるキャッチーさが彼女達の魅力だろう。J-POPという枠に入るだろうその音楽性に、今の段階では一聴してハッとするような目新しさがあるわけではない。だが、この5人の楽団がこれからどう成長し、どんな音楽を奏でていくのか注目だろう。是非、J-POPという枠組みを更新するような音楽を鳴らしてもらいたい。今年は、ROCK IN JAPAN FES.やRISING SUN ROCK FESTIVALを始め、多くのフェスにも出演が決定している。
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脳内リフレイン
NEVER SAY NEVER
初の全国流通盤となる1stミニ・アルバムをリリースする脳内リフレインは、2015年に大阪にて結成された4ピース・ロック・バンド。そんな彼らの新作は、いわゆる1stらしい勢いがあり瑞々しく爽やかな作品であるとともに、今後の可能性も感じさせるものとなった。メロディアスなギター・ロックを中心に据え、バリエーション豊かなリフとそれを煽り立てるようにパンチの効いたリズム隊、伸びやかで表情豊かなヴォーカルと、ストレートな音楽性の中にもテクニカルな部分が見え隠れする。現行の邦ロック・シーンのスタンダードでありながら、バンドとしてのアイデンティティをすでに確立している彼ら。これから大箱でのワンマン・ライヴや大型フェスへの出演など期待が高まる。(滝田 優樹)
大阪発4ピース・バンドの初の全国流通盤。「一直線」や「君はまだ強くなれる」を聴いていると、熱い日本語ロック・バンドかと思いきや、2ビートの疾走感がたまらない「You're my HERO」や、攻撃的な感情をダンサブルに昇華した「匿名希望」など、フックとしてだけではなく、しっかりと自分たちのモノにして歌い鳴らしている。それができるのは、どんな歌詞やメロディを歌っても、開けた世界観を描ける藤川信吾の声の力が大きいと思う。また「DIVER」を聴くと、個々にしっかりとした演奏のスキルがあるからこそ、幅広い冒険ができるということもわかる(特に、フュージョン好きという三好将誉のギターは必聴!)。大きな会場で響くことをイメージできる楽曲も揃っており、これからが楽しみになる1枚だ。
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野田愛実
ミライ
恋愛に翻弄される時期って誰にだってあるはず。特に10代や20代前半の女の子にとっては恋愛を中心に生活を送っていて、毎日がてんてこ舞い。喜怒哀楽すべてを恋愛に注ぎ込むことも多いと思う。彼を振り向かせるためにあの手この手と奮闘する姿や、絶対に叶わない切ない片思いで涙して、あるときはむず痒くなるほどの相思相愛っぷり。キュンキュンする少女漫画のストーリーを描いているような6つのエピソードが詰め込まれている。SSW野田愛実が放つ等身大の1stミニ・アルバム『ミライ』は、聴く人の青春時代をくすぐる1枚。きっと同世代には共感を呼ぶはず。ちなみに、彼女は明治大学理工学部に在学中で、ラジオ番組のレギュラーを持っている。忙しいながらも甘酸っぱい恋愛はしているのだなと何だか微笑ましくなってしまった。
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