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DISC REVIEW

BOYFRIEND EP

清 竜人25

BOYFRIEND EP

清 竜人が"今までで一番好き"と話すナンバー「KARESHIいるんだって」収録のEPが到着した。ブラスやウォーキング・ベースを取り入れミュージカルっぽくもジャジーにも聴こえる華やかな印象に加え、こなれ感もある技ありの同曲。編曲はSUKISHAで前回に続き抜かりない人選に唸る(清 竜人の振り切り方に破顔必至のMVも注目)。また原曲とガラリと雰囲気を変えた新録版「アバンチュールしようよ」には驚き! キラキラした'90s風のムードを纏いつつ細かなアクセントが光る新感覚な耳心地が楽しい。その他、彼等の代名詞"多幸感"満載の人気曲「LOVE&WIFE&PEACE」も現夫人たちの声で味わえ、ZOMBIE-CHANGとDJ DISKによるユニークな既出曲のリミックスもパッケージ。

波浪

鯨木

波浪

待望の1stシングル。「ハローとグッバイ」は"ひとり見てた 夕焼けがキレイだ/それを語り合うこともなく 今日もおやすみ"という孤独なフレーズから、"寂しさなんて 気にかけずに進んで/次から次へと出会う 新しいナニカ"と、決して後ろ向きではない姿勢を見せる。さらに「ワンダープロローグ」は、"燦燦と光が降ってくるようなナンバー。そして「ハングアウト」では、"抱いてる傷んでる想いは/今ここで解放して/さぁ自由に振る舞って"と、ハイトーン・ヴォイスも滑らかに取り入れながら、爽やかに歌い上げている。クリア・ヴォイスにマッチした3曲が並ぶ、眩しい1枚。このリリースを記念し12月に開催される1stワンマンへの期待も高まる。

ハイパー005

終活クラブ

ハイパー005

前作『終活新布教盤』でメジャー・シーンへの布教を開始した終活クラブが、早くもメジャー2nd EPを発表。掛け声にクラップとライヴ映え要素満載の表題曲「ハイパー005」は、MVもライヴ映像で構成されオーディエンスとの一体感まで映像化、またスラップ・ベースが効いた中毒性抜群の「マイ魔法陣を囲むダンス」はSNSに振付動画をアップする等、踊れるロックを提示する。そんななか「君だったら」では、淡い恋心を思い出すピュアさとロマンチックな美メロが際立つ。そしてラストの「せいのく」は"こんな転調も大嫌いだ"と言い放ちながら転調する大サビのハマり具合が痛快だ。癖のある意味深い歌詞とライヴにフォーカスしたキャッチーさがバンドの"らしさ"として確立されている。

ON THE ISLAND

DURDN

ON THE ISLAND

まだ何者でもない青年の日常を洗練されたサウンドスケープで描くという、誰にも似ていない作品性でリスナーの耳を掴んで離さないDURDN、新たな4曲入りシングル。清潔で浮遊感のある架空の夏を想像させるトロピカルなリード曲「ON THE ISLAND」のテーマは"無人島にたったひとつしか持っていけないとするなら"という身近なトピックで、それがユニークだ。ベースラインが効いたダンス・チューン「Study」は新しい服もないのに"深夜の断捨離"をしてしまうし、クールな「Summer Jumbo」ではタイトル通り"宝くじでも当たらないかな......"と労働に励みながら夢想、という振り切りぶり。安全地帯「恋の予感」のカバーはBakuの憂いを含んだ素直な声との相性の良さに瞠目間違いなし。

ふれてみたいと思った。

GOOD ON THE REEL

ふれてみたいと思った。

2年ぶり且つ3人体制初のアルバムは、ヴォーカルでソングライターの千野隆尋以外にギターの岡﨑広平、ベースの宇佐美友啓の楽曲も増え、前アルバムで聴かせた音楽的なチャレンジを、よりGOODのらしさとして定着させた印象。バンドとして前進していく意思を窺わせる「プロローグ」、何を諦めきれないのか? を切実且つストレートに綴る「HOPE」、大人になった友達同士の心の交流を描き、岡﨑の作詞センスも光る「余白」、3人の共作のポテンシャルの高さを実感させる「手袋」等、EP『新呼吸』収録曲と新たに書かれた5曲が、現在のGOODのサウンドやアレンジに対する意欲を表し、バンドの優しさや千野の説得力に溢れる歌の表現を更新する力作。

THREE

VOI SQUARE CAT

THREE

9月12日に結成10周年を記念して盟友 Novelbrightを迎えて行ったツーマン・ライヴで、Yumika(Gt)の加入を発表したVOI SQUARE CAT。新体制での初音源となり、新たなスタートとなる今作には、先行リリースした「シナリオ」、ライヴ定番曲である「有名人になりたくて」を含む全5曲が収録された。"逆転打 いつか逆転だ"と力強く告げる「イタチゲーム」、メンバーに向けて書いたという「TOUR」等の新曲たちは、決して順風満帆でなかった 10年も説得力や糧にして、ここから前に突き進んでいくことを高らかに宣言。ライヴ・バンドとして誇りを持ち、"明るいコードで/真夜中を照らそう"と誓うように歌う「fm bandmen」に彼等の明るい未来を見た。

Cut the Collar

DYGL

Cut the Collar

4thアルバム『Thirst』以降「Acervation」、「Shadow」という2作のシングルを発表してきたDYGL。そこに続くEPは、これまで以上にアンサンブルの生々しさ、エモーションをぶつけ音をかき鳴らすエネルギーや、バンドのグルーヴが封じ込められた作品となっている。ソリッドでスピード感のある縦のビートやキレのいいリフによる「Crawl」、スピンする感情のうねりに引っ張り込んでいく「Drag」の勢いや「Evil」でのノイズ等、そこには渇きから手を伸ばし刺激を求め続けるバンドの貪欲さが迸る。ポストパンクや'90sオルタナティヴの香りが漂うのもそれゆえだろう。香港のバンド、ARCHESのJackによるパンキッシュなアートワークともハマっている。

Soul Friendly

Lucky Kilimanjaro

Soul Friendly

ラッキリのニューEPがとにかく優しい。フィジカルを熱く躍らせた7月発表の『Dancers Friendly』とは別のアプローチで、今度は私たちの"ソウル"を温かく躍らせるのだ。低音を抑え、隙間のあるサウンドでぬくもりのあるギターが際立つ新境地「LIGHTHOUSE」、「いつもの魔法」。遊び心やサプライズも楽しい「フロリアス」。今回はお酒ではなくホットコーヒーで、まさにほっとする本作を彩る「コーヒー・セイブス・ミー」。そしてリスナーへのシンプルなメッセージを、伝えたいことはそれだけと言うかの如く繰り返す「メロディライン」をラストに。抱擁するような音像で疲れた心を鎮め、また明日へと向かわせてくれる、1日の終わりに傍にいてほしい好盤。

NU HEAVY

ANABANTFULLS

NU HEAVY

3年ぶりとなる、ANABANTFULLSのフル・アルバム。2022年に小唄(Gt/Cho)が正式加入。新たな音楽スタイルや方向性を探求しながら、ライヴや楽曲制作を重ねて。本作収録の「極東」、「未学」といった、バンドの新たな方向性を示す楽曲を配信リリースしてきたアナバン。"NU HEAVY"と名付けた今作は、全体的にヘヴィな印象を与えつつ、丁寧に作り込んだ構成やアレンジで、伝えたいフレーズや届けたいサウンドが効果的にズドンと響くヘヴィさも持つ。アルバム世界にグッと引きこむOPナンバー「重力」から、美しく世界と愛を歌う「福音」~バンドの存在証明を叩き付ける「声明」と続くラストまで。ガツンとテンション上げて一気に聴ける勢いと、ガッツリ聴き込める緻密さの両方を持ち合わせた1枚だ。

PUNK RECORDS

SpecialThanks

PUNK RECORDS

フル・アルバムとしては『SUNCTUARY』以来4年ぶりとなる5thアルバムに冠したのは、直球のタイトル。全13曲、珠玉と言うに相応しいパンク・ロックが並ぶ。昨年のEP『Sweet pea E.P.』が前体制での最後の作品になり、現在はMisaki(Vo/Gt)、よしだたかあき(Dr/Cho)の2人体制にサポート・メンバー(いやま/ex-Dizzy Sunfist等)を加え活動するSpecialThanks。形は変われどその心を掴むグッド・メロディは色褪せることなく、むしろ繊細にパワフルにと進化しながらエネルギーを放っている。これまでもモチーフとなってきた太陽のように、いつ、どんなときもそこにあって、誰かの人生と並走したり照らしてくれたりする。そんな音楽が詰まったアルバムだ。

Our Seasons Our Lovers

鉄風東京

Our Seasons Our Lovers

全国各地の大型フェスに出演する等、勢いが止まらない鉄風東京の最新ミニ・アルバムは、胸の高鳴りがギターの疾走感と絡み合って爆ぜるロック・チューン「Dazzling!!」で幕を開ける。哀愁を漂わせながらも、盲目だった恋の記憶を煌めかせるように畳み掛けるサビの勢いは、切なくもどこか清々しい。季節の移ろいに心情を透過したバラード「金木星」では半音ずつ下がるメロディがキャッチーで、詞と共鳴するようなサウンド・アプローチからも心の機微が読み取れる。忘れたくない"君"の姿が鮮度そのままにパッケージされた本作だが、思い出に浸るだけでは留まらない。早足の四つ打ちが、アルペジオの侘しさが、いつだって盲目な僕等を次の季節まで連れていってくれる。

オリオン/愛なんて嘘は置いといて

Laughing Hick

オリオン/愛なんて嘘は置いといて

コンスタントにリリースを続け、4月には初のワンマン・ライヴも大成功で終えたLaughing Hickのニュー・シングル。ライヴやツアーでしか得られなかったであろう想いを、スケールの大きいサウンドで表現した「オリオン」と、背景や結末を聴き手に委ねることで世界がグッと広がった、言葉とリズムのバランスも絶妙な「愛なんて嘘は置いといて」。どちらの曲も新たな一面を見せながら、これぞLaughing Hickと感じさせるのは、届けたい想いと、その相手がより明確になったから。誰もが心に描く"ラフィングらしさ"を取っ払い、自由に、そして真摯になったからこそ見えた本質。作品ごとにチャレンジを繰り返し、常に自身を超え続けた結果が、堂々とここに姿を現した。

人生賛歌

CNBLUE

人生賛歌

韓国と言えばダンス・ヴォーカル・グループのイメージが強いが、このCNBLUEはポップな曲調ながらも本格派のバンドだ。もともと、バンド文化が根付いている日本で活動したい、という思いがあって日本のマーケットを意識した活動をしていた彼等だが、今年UVERworldと日韓で対バン・イベントを行ったこともあり、より日本のファンに親しみやすい存在となった。今回のシングルでは初の日本語タイトルとなった表題曲、そして盟友 UVERworldとの共作含め、3曲とも日本語詞と英語詞の絶妙なバランスで歌が耳にスッと入ってくる。ソフトでノリやすいポップ・ロックは、EDMに慣れきったK-POP界隈よりも日本のシーンで受け入れられるはず。

BOY & GIRLS

ヤングスキニー

BOY & GIRLS

前作から1年半ぶり、メジャー2作目となるフル・アルバム『BOY & GIRLS』。タイアップ曲やヴァイラル・ヒットとなった話題曲「ベランダ feat. 戦慄かなの」が収められた今作は、さらなる飛躍を遂げたヤングスキニーの充実の1年半を物語る。それでいて大衆に迎合することなく、より破天荒に鳴らされた青春パンクの数々が爆発している。コンプライアンスに雁字搦めの世の中で、この振り切ったクズっぷりや赤裸々でパンチの効いた歌詞をメジャー・シーンに解き放てるのは、きっと今かやゆー(Vo/Gt)だけなのでは。また今作で唯一ゴンザレス(Gt)が作曲を手掛けた「ハナイチモンメ」では、ソリッドなギター・リフが突き刺さりバンドの新たな一面を引き出している。

出現!鼠浄土

キュウソネコカミ

出現!鼠浄土

10年前、"ビクター"への所属を発表し、当時の音楽シーンを揶揄した「ビビった」では"メジャーに行って1、2年で消えるバンド多過ぎクソワロタ"なんて歌っていたキュウソも、メジャー・デビュー10周年。随所に出てくる同曲へのセルフ・オマージュに思わずニヤリとしながらも、共に歩んできたファンへ向けたやけに素直な歌詞にうるっとくる「ネコカミたい」を筆頭に10曲が収録された。世相を斬る「わや」や「正義マン」の秀逸な皮肉には痺れるが、「一喜一憂」や「やってみようぜヒーロー」の心を救うような温かなポジティヴィティも印象的。同棲相手やペットとの別れの描き方もあまりにまっすぐだ。鋭い着眼点はそのままに、ひねくれたシニカルさよりも大切なものへの愛が際立つ。

意地と光

PEDRO

意地と光

フル・アルバム『赴くままに、胃の向くままに』以来約1年ぶりのPEDROの最新作『意地と光』は、ベース・ヴォーカルのアユニ・Dの中にある"意地"の側面と"光"の側面をありのままに描いたミニ・アルバムだ。BiSHの解散後、迷走しながらも自分探しを続ける長い旅の中で気付いた自身の二面性を受け入れることで、これまでの作品の中で最も人間"アユニ・D"が現れて、表れた作品に思える。だからこそ、彼女との心の距離が近づいたというか、すぐそばで歌ってくれているような感覚になったことが印象的だ。疾走感のあるサウンドやポップス要素を感じさせる耳馴染みのいいメロディは、ライヴでも日常生活でも存在感を放ちそう。音楽性だけでなく、人間性にまで惹かれる稀有な作品だと言える。

水光接天

NOMELON NOLEMON

水光接天

ノーメロ久々のフィジカル・リリースは全世代から支持を得る"るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-"から新作TVアニメ・シリーズ第2期の"京都動乱"篇のEDテーマに抜擢された「水光接天」。緋村剣心をはじめとする登場人物の孤独な旅の過程で抱く想い、その強さと儚さをトライバルなビートや流れるようなピアノのメロディ、透明感の中に芯を感じさせるみきまりあの歌声が明確に表現する。サビでのツミキとのユニゾン・コーラスも清々しく、ノーメロ新境地と言えそう。もう1曲はレトロ・ゲーム調のMVも話題になった「どうにかなっちゃいそう!」。ハイパー且つ生っぽいベース・ラインが病みつきになるキラーチューンだ。対極の2曲がノーメロらしい。

melt pop

Conton Candy

melt pop

甘酸っぱい恋模様をスウィートなサウンドとメロディに昇華した「ファジーネーブル」のヴァイラル・ヒットも記憶に新しいConton Candyによる1stフル・アルバム。同曲収録のEP『charm』でも見せた瑞々しさはそのままに、本作は数々の大型フェス出演や、自身初ワンマン等を経て、バンドとして一回りも二回りも成長したことが窺える作品に。初の映画主題歌となった「急行券とリズム」はメイン・キャストを務める日向坂46 四期生のフレッシュさと共鳴したような疾走感あるロック・チューンだし、パンキッシュなファスト・チューン「爪」もいいアクセントで、バンドのパブリック・イメージにとらわれない仕上がり。いい意味でバズの影響を感じさせない名刺代わりの1枚だ。

LOVE

中嶋イッキュウ

LOVE

ソロ第1弾『DEAD』から短いスパンで発表した2ndミニ・アルバム。熟達のメンバーによる包容力のあるオルタナティヴ・ロックだった1stから一転。アブストラクトなトラックで意表を突く本作にはtricotファンであることをきっかけにコラボが実現したCwondo(近藤大彗/No Buses)をはじめ、中尾憲太郎(NUMBER GIRL)+ビートさとし(skillkills)+Acidclank、そしてキダ モティフォ(tricot)+西野恵未の3チームが参加した、それぞれ異なる色が自ずと表出した5曲を収録。クラスの中で浮きがちな個性を若干の諦念と達観で描く表題曲が、情念を超えたユニークさで響くのはCwondoとのコラボゆえだろうし、「未成年」が女性のチームなのも納得。中嶋のプロデュース力が冴える。

INTERNET MAGICAL GIRL

NANIMONO

INTERNET MAGICAL GIRL

インキャの心に寄り添う7人組アイドル、NANIMONOの2ndフル・アルバム『INTERNET MAGICAL GIRL』。カラフルでエネルギーに溢れる表題曲「INTERNET MAGICAL GIRL」、ちょっぴり大人な表情で新たなNANIMONOを見せる「WHITE MUSK」、人生に何かが"足りない"とひたすら繰り返すインキャの面目躍如と言える「404」、正統派な冬バラードの「After CInDErella」等、本作にはバラエティに富んだ楽曲が収められとにかく聴き応え抜群。シングル・カットされている楽曲のコミカルさとキャッチーさも改めて面白い。インキャのフィルターを通す形で、本作のコンセプトである"魔法少女"を描き出した快作だ。(宮﨑 大樹)

「インキャのキャキャキャ」でNANIMONOは、ヲタク/インキャであることを全肯定。同じ境遇に身を置く人たちに"自分らしく生きることが正義"という勇気を与えた。「INTERNET MAGICAL GIRL」では"魔法少女になれなくたって"と歌いながらも、ネットの世界で輝ける自分になれると背中を押してきた。なのに、最後に収録した「After CInDErella」で彼女たちは、"魔法が溶けて"と歌っている。本作には、駄目な自分を謳歌し、背中を押す歌を多く収録。同時にどの楽曲にも、踏み出すことで新たな視点で未来が開けることも示している。今のままで満足するのか、それとも違う自分の可能性を見ようとするのか。それを審判するアルバムだ。

はごろも

インナージャーニー

はごろも

"イメージを超えてフレームの外へ"――「きらめき」の歌詞が象徴するようにEP収録曲のいずれもがこれまでのインナージャーニーのイメージからいい意味ではみ出していく新鮮さに溢れた4th EP。SF的な世界観が垣間見え、少しガレージ・ロックのニュアンスもある「Mary」で痛快に幕を開け、多様性がテーマの一端にあるNHK土曜ドラマ"%(パーセント)"に書き下ろした「きらめき」のアッパーなトーンに接続。ビートを抑え、アコギとヴァイオリンのアレンジに特化した映画"とりつくしま"主題歌の「陽だまりの夢」。前ドラマー Kaitoの演奏が聴ける「予感がしている」やライヴが楽しみになるスケール感を持った「トーチソング」の全5曲。

Love is Over!

MoritaSaki in the pool

Love is Over!

2021年結成、京都を拠点に活動する4人組バンド MoritaSaki in the pool。風変わりなバンド名に気を惹かれたら最後、ドリーミーな音像とシューゲイザー・サウンドに一瞬で虜にさせられる。淡い高揚感が静かに凝縮された1曲目「Portraits」は、荒くれたギターで幕を開けるロック・チューン「MIRROR'S EDGE」への加速装置。物語の冒頭を想起させるような、煌めいた瞬間が詰め込まれた待望の1stフル・アルバム『Love is Over!』は"青春"という言葉がよく似合っており、透明感のある男女ツイン・ヴォーカルの掛け合いや要所のギター・リフ、サビで炸裂する轟音はどこかSUPERCARを彷彿とさせる。海外アーティストと共演する等、着実に歩を進める彼等の活躍から今後も目が離せない。

君にモテたいっ!!

Mega Shinnosuke

君にモテたいっ!!

UKロックを彷彿とさせる音選びや、中華料理店を舞台にあどけない恋模様を描いたMVが印象的な「愛とU」、思わず身体を揺らしたくなるようなダンサブルなビートと、フィーチャリングに迎えたchelmicoとMegaの歌声の掛け合いが心地よい「あの子とダンス(feat.chelmico)」等、収録される8曲全てが"ラヴ・ソング"だという本作。誰もが一度は経験したことがあるであろう出会いと別れ、好きな人を一途に想うことへのときめきやもどかしさを綴った歌詞は胸キュン必至だ。ロックやヒップホップといった様々なジャンルを軸に、彼の提示する新たなジャンル"MEGA POP"の懐かしさを感じつつもキャッチーなサウンドは、老若男女問わず幅広い層にモテること間違いなし。

勝手

ビレッジマンズストア

勝手

"名古屋が生んだ暴れ馬"ことビレッジマンズストアが、約3年ぶりとなる流通CDをリリースする。新体制で制作された新曲3曲に、「みちづれ」や「1P」、「ボーイズハッピーエンド」、「TV MUSIC SHOW」といったライヴでも定番となっている4曲を加えた全7曲を収録。情熱的でまっすぐな歌声と孤独にそっと寄り添う歌詞、激しさと華やかさが共存し、キラキラと突き刺すようなギター、毒々しく変態的なベースライン、タイト且つパワフルなドラムと、各メンバーの魅力を存分に感じられる1枚となっている。"村立"20周年を迎え、11月17日にはZepp Shinjuku (TOKYO)でのワンマンを控える彼等。歩みを止めることなく音を鳴らし続け、照らし出す未来にも要注目だ。