Japanese
GO TO THE BEDS、飯田瑞規(cinema staff)、B.O.L.T、MAGIC OF LiFE、Have a Nice Day!、さとうもか他出演。下北沢LIVEHOLIC 6周年記念イベント・レポート第5弾公開
2021.11.17 18:00
Skream!、激ロックのふたつのメディアを運営する激ロックエンタテインメントが2015年にオープンさせたライヴハウス"下北沢LIVEHOLIC"。その6周年を記念したライヴ・イベント"LIVEHOLIC 6th Anniversary series"が6月から9月までの3ヶ月にわたり開催された。
I Don't Like Mondays.、GO TO THE BEDS、そこに鳴る、Bentham、ぜんぶ君のせいだ。、稲村太佑(アルカラ)、飯田瑞規(cinema staff)、柴田隆浩(忘れらんねえよ)、B.O.L.T、エルフリーデ、MAGIC OF LiFEなど、Skream!や激ロックと繋がりのあるアーティストを中心に、今後の音楽シーンを担うであろう多彩なアーティストが顔を揃えた同イベント。そんな怒濤のライヴ・シリーズより第5弾として9月5日、10日、11日、16日、18日、30日公演をレポートと写真で一挙に振り返る。
LIVEHOLIC 6th Anniversary series 9/5, 9/10, 9/11, 9/16, 9/18, 9/30 | Skream! ライヴ・レポート
第1弾~第4弾のライヴ・レポートはこちら。
LIVEHOLIC 6th Anniversary series 6/22, 6/23, 7/3, 7/6 | Skream! ライヴ・レポート
LIVEHOLIC 6th Anniversary series 7/15, 7/23, 7/28, 8/2 | Skream! ライヴ・レポート
LIVEHOLIC 6th Anniversary series 8/6, 8/8, 8/10 | Skream! ライヴ・レポート
LIVEHOLIC 6th Anniversary series 8/11, 8/23, 8/30, 9/1, 9/4 | Skream! ライヴ・レポート
▼ライヴ情報
"LIVEHOLIC 6th Anniversary series~コドモメンタルナイト vol.2~" ※延期公演
11月23日(火・祝)下北沢LIVEHOLIC
OPEN 18:00 / START 18:30
出演:ぜんぶ君のせいだ。
[チケット]
前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000(D代別)
"LIVEHOLIC 6th Anniversary series~ロックしかやらん✊~" ※延期公演/FC限定公演
12月14日(火)下北沢LIVEHOLIC
OPEN 17:30 / START 18:30
出演:バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
[チケット]
前売 ¥5,000(D代別)
※チケットの再販は未定
"LIVEHOLIC 6th Anniversary series ~CATCH UP Youth!!!~" ※延期公演
12月17日(金)下北沢LIVEHOLIC
OPEN 17:00 / START 18:00
出演:SAISEIGA / The Mash / DOLL PARTS and more
[チケット]
前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000(D代別)
予約はこちら
関連アーティスト
B.O.L.T, DeNeel, GO TO THE BEDS, Have a Nice Day!, LIVEHOLIC, Lenny code fiction, MAGIC OF LiFE(ex-DIRTY OLD MEN), NOT WONK, No Buses, YME(ex-sui sui duck), cinema staff, miida, さとうもか, 愛はズボーンRelated NEWS
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B.O.L.T
Weather
移り変わる天気のように様々な感情が表現された1st EP。その作家陣には、どついたるねん、KNOCK OUT MONKEY、BACK LIFT、POT(※五十音順)といった強力なロック・バンドが名を連ねた。メロコア、ポップ・パンクを中心とした楽曲の数々は、提供アーティストの個性が発揮され、それぞれのカラーを持っているにもかかわらず作品としてのまとまりを感じさせる。それは、このEPのテーマ性だけでなく、メンバー4人の声が立ってきたことで、歌声で作品をひとつに束ねられるようになったからだろう。リード曲はHold Out Hope提供の「BY MY SIDE」。現行のUSポップ・パンクのテイストを取り込んだサウンドに乗せる、複雑な恋心を繊細なタッチで表現した歌唱に注目したい。
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B.O.L.T
B.O.L.T "THE LIVE PACKAGE" 2021
自身初のツアー"#BOLT関東デマス ~初ライブツアーの巻~"のツアー・ファイナルと、恵比寿LIQUIDROOMで行われた"B.O.L.T ONE MAN LIVE 「Voyage」"の2本立てという豪華な映像作品。前者は、初のツアーでの経験を経て成長した4人の姿と、パフォーマンスの充実っぷりが見どころ。2ndアルバム『Attitude』を引っ提げてのツアーということもあり、同作の全曲が収録されているので、CDと共に楽しみたい。後者は、高井千帆のラスト・ティーン・ライヴというメモリアル公演。高井自身が考案した、四季をモチーフにパート分けが施されたコンセプチュアルなセットリストで、"Voyage"のタイトル通りに、メンバーと共に季節を旅する気分を味わうことができる。
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B.O.L.T
More Fantastic
表題曲「More Fantastic」は、桜井日奈子主演のBSテレ東 真夜中ドラマ"ごほうびごはん"OP主題歌に起用され、SILENT SIRENのサウンド・プロデューサーとして知られるクボナオキが提供。B.O.L.Tらしい疾走感溢れるロック・ナンバーで、料理用語を巧みに取り入れながら恋愛に絡めた歌詞が目を引く、キャッチーでエネルギッシュな1曲だ。"空想よりも現実のほうがファンタスティックだ"という根底にあるテーマも深い。秋田のバンド Hold Out Hopeが提供したカップリングの「Reborn」は、B.O.L.Tが主軸とするポップ・パンクの中でもよりヘヴィなイージーコアをベースに、エレクトロニックな上物が映える。つい口ずさんでしまうエモーショナルなメロディは秀逸だ。
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B.O.L.T
Attitude
各曲に身体のパーツや動きがテーマとして割り振られた2ndアルバム。Misaki(SpecialThanks)提供の「スマイルフラワー」、SHANKの松崎兵太は「まわりみち」、「未完成呼吸」の2曲、TOTALFATからShunとJoseがそれぞれ1曲ずつなど、楽曲を提供したアーティストには強力なライヴ・バンドの面々が名を連ねた。中学生になったばかりの青山菜花と白浜あや、20歳付近で大人になった内藤るなと高井千帆、双方の歌声が絡み合い、各作家の個性が発揮された曲を歌い上げる。今の彼女たちにしか作れない作品と言えるだろう。タイトル"Attitude"は"姿勢"などの意味を持つが、本作を経た4人がアーティストとしてどんな姿勢を見せてくれるのか、彼女たちの今後も楽しみだ。
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B.O.L.T
スマイルフラワー
B.O.L.Tの2ndシングル表題曲「スマイルフラワー」を提供したのは、SpecialThanksだ。ミドル・テンポの歌い出しから徐々に疾走感と力強さを帯びていくこの曲は、コロナ禍でマスク着用が当たり前になり、日常で見る機会が減ってしまった"笑顔の大切さ"を伝えてくれる。B.O.L.TメンバーとMisaki(SpecialThanks/Vo/Gt)が持つ優しさを共鳴させたかのような歌声とサウンドで、ライヴハウスには笑顔の花が咲きこぼれるだろう。音楽性としても人間性としても、抜群の相性を見せた1曲だと言える。c/wは「OUR COLOR」。イントロからアウトロまで終始エモーショナルに駆け抜けていき(特にサビのユニゾンがエモエモ!)、こちらもライヴで威力を発揮しそうだ。
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B.O.L.T
Don't Blink
今年アルバム『POP』でメジャー・デビューを果たしたB.O.L.Tの初シングル。BSテレ東のドラマ"どんぶり委員長"主題歌に起用されている表題曲「Don't Blink」は、TOTALFATが提供しており、TOTALFAT節全開のメロコア・サウンドに踊れる要素も加えたアッパー・チューンに仕上がった。"どんぶり"→"Don't Blink"→"瞬きしないでずっと見つめていて"と、ラブコメの主題歌に相応しく恋心と遊び心も詰まった歌詞にも注目。c/wにはバンド・サウンドに切ない想いを乗せた「淡い空」、1stアルバムから「SLEEPY BUSTERS」と「わたし色のトビラ」のリミックス音源も収められ、この1枚でB.O.L.Tの歌唱とサウンドの様々な顔を知ることができる。
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B.O.L.T
POP
ももいろクローバーZや私立恵比寿中学が所属する"スターダストプラネット"の4人組アイドル、B.O.L.Tのメジャー・デビュー・アルバム。本作は、メロコア、パンクを始めとした生バンドによる本格ロック・サウンドが聴き応えたっぷりで、且つメロディをポップに仕上げることにより、タイトル通りにB.O.L.T流のポップを体現している1枚だ。同じ歌詞でも歌うメンバーによって意味が変わって聴こえてくるのは、年の離れたメンバー構成の賜物だろう。単曲配信が主流になりつつある時代に、アルバムを通して24時間を表現している点も意義深い。1枚を通して時間の流れを感じながら聴くも良し、今の時間帯に合った曲を聴くも良し。聴き方のバリエーションも楽しむことができる。
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DeNeel
導火 / ブラックアウト
今年1月に初ワンマンを終えたばかりの4人組バンド、DeNeelからシングルが到着。アニメ"キングダム"第5シリーズOPテーマとドラマ"彼女と彼氏の明るい未来"主題歌を収録、という情報からもバンドの勢いは伝わるだろう。オリエンタルなイントロからリスナーを一気に世界観へ引き込む「導火」は、メタルのような重厚感を湛えたバンド・サウンドで戦の厳しさと激しさを表現。クリアなヴォーカルが戦う人の強い意志を象徴しているようだ。対して、キャッチーなギター・リフから始まる「ブラックアウト」は踊れるロック。バンドの得意とする歌謡曲調のメロディに乗せて、恋に翻弄される心を歌いつつ、調や拍子、ダイナミクスの操作などによって、言葉の奥にあるものを描いている。
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DeNeel
SYMBOL
約1年半ぶりのミニ・アルバムが到着した。オープニングは、リリック・ビデオの再生回数も38万回超えで好調の「百鬼夜行」。きらびやかな都会を"乾いたこの街"と表現し、きれいなものの裏側を描くクールなロック・チューンだ。続いて3拍子のテンポで、怪しげな音像から突如ロマンチックな香りを漂わせる不思議な1曲「円舞曲」、重めのイントロから新境地を感じさせるリード曲「煙」、歌謡曲的な要素をモダンにアップデートする、彼らの掲げる"OSAKA REVIVAL POP"が色濃く表れた「黒く、彗星」、アーバンなシティ・ポップ的チューン「サヨナラ」と、趣はそれぞれに違いながらも、ダークさと妖艶さを全7曲で貫き通す。バンドの向かうべき方向が固まり始めたという彼らのマイルストーン的作品。
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DeNeel
MASK
大阪から昨年上京し、現在東京で活動中の4人組バンド、DeNeelから初の全国流通作品が到着。"OSAKA REVIVAL POP"を掲げる彼らの曲は、ダークなムードを纏ったずっしりした感覚のあるロックでありながら、各音が洗練された"踊れる"仕上がりになっている。そこにフロントマン 中野エイトの、艶がありつつも言葉を届ける意志のあるヴォーカルが乗り、一曲一曲の輪郭をよりくっきりと浮かび上がらせる。外から見える自分と、自らで思う自分とには差があり、見る人やタイミングによっても様々な人物像がある。そんな"MASK"=仮面について、リード曲「IF」を皮切りに気持ちを巡らせた全6曲。バンドの新境地的サウンドのラスト・チューン「Some day」まで聴き終えたとき、胸がすく思いがした。
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GO TO THE BEDS & PARADISES
G⇔P
GANG PARADEから分裂したG(GO TO THE BEDS)とP(PARADISES)が、全メンバーをトレードして"トレード・スプリットEP"を完成させた。ゴリっと歪ませたロックやダンス・サウンドを主軸としてきたGと、"WACKの楽園"を掲げて自由度高めに活動してきたP。それぞれの道で表現力を培ってきたからこそ、両グループの代表曲がトレード前後で驚くほど印象の違う仕上がりになっている。新曲は2曲。テラシマユウカがGで作詞をした「merry bad end」、ヤママチミキがPで作詞をした「you」は、それぞれが互いに贈った手紙のように思えてつい深読みして聴いてしまう。いつも予想外の活動で驚かせてくれるこの2組は、今回のトレードを経てどうなるのか。次の一手にも注目だ。
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GO TO THE BEDS
BLOOD COMPACT
新メンバー チャンベイビーを加え、6人組になったGTTBの2nd EP。ロック・サウンドにキラキラした上物を散りばめた「そんなんじゃベイビー」は、アイドルが苦境に立たされるこの時代に、腹を括って、頭のネジを緩めてバカなことをやろうとする気概が、曲調や歌唱に反してグッと来た。泣きメロだらけのメロディック・パンク・ナンバー「Dear」では、作詞を手掛けたヤママチミキが紡いだまっすぐで愛のある言葉が感情たっぷりに歌われ、前身グループ GANG PARADEや所属事務所 WACKの歴史を感じさせる「OK」もエモかった。涙もろいSLEEPER(※ファン)は、本作をうっかり外で聴いてしまうと、人前で泣き顔を晒すことになり兼ねないので、要注意だ。
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GO TO THE BEDS
REINCARNATION
GO TO THE BEDSの1st EPのタイトル"REINCARNATION"は、"輪廻転生"、つまりは、死んでまた生き返ることを意味する。人が生きる死ぬの話となると、必然的に重い作品にはなりがちで、そのうえメンバーがアイドルとしての死(解散)を想像して歌詞を手掛けた曲が、さらにリアルさと切実さを増していて、聴いていると心にズシリとくる。たしかにそういう側面はあるけれど、1stフル・アルバムで"GO TO THE BEDS"(="墓に行く")した彼女たちが、また新たな生を受け、前へ進んでいこうとする意志や希望が力強い光を放っていることこそが重要だ。そんな自分たちを、世界や"あなた"に重ねて、寄り添って進んでいきたいと語る尊い精神が、この作品からは感じられるはず。
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GO TO THE BEDS
GO TO THE BEDS
GANG PARADEから分裂し、古株のメンバーで結成されたGO TO THE BEDSの1stフル・アルバム。冒頭、ラップをふんだんに取り入れたエレクトリックで美しい「行かなくちゃ?」が、いきなりの名曲で心震えた。続く「I don't say sentiment」は、バンド・サウンドで攻め立てる、ライヴお披露目前ながらアンセム誕生を予感させた1曲。「パッパラパー」では、個性的な歌声を持つメンバーだからこその唯一無二のコーラス・ワークを堪能でき、「MISSING」では、エスニックなパートから疾走感のあるサビへ展開していく様がたまらなくカッコいい。前身グループからのファンへ、新たに彼女たちを知ったリスナーへ、どちらに向けても自信を持って太鼓判を押せる名作。
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Lenny code fiction
花束
約5年ぶりのアルバム『ハッピーエンドを始めたい』を今年7月に発売、同作を引っ提げたリリース・ツアーを現在開催中のLenny code fictionから、早くもニュー・シングルが到着。TVアニメ"新しい上司はど天然"のEDテーマに起用されている表題曲「花束」は、前述したアルバムの世界観と地続きながらも、80'sテイストのシンセはレニーのアンサンブルに心地よい浮遊感と耳新しさを与えている。また、c/wには夜が似合う打ち込みが印象的な「チープナイト」と、ストレートなバンド・サウンドを湛えた「それぞれの青」という、表題曲とは趣向を変えた2曲を収録。片桐 航(Vo/Gt)が自身と向き合うことで生まれた2ndアルバムを経て、今作で綴られた"今贈りたい歌詞"をあなたも受け取ってみては。
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Lenny code fiction
ハッピーエンドを始めたい
Lenny code fictionから約5年ぶりのアルバム『ハッピーエンドを始めたい』が届いた。本作には「脳内」("炎炎ノ消防隊"第2クールED主題歌)、「ビボウロク」("BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS"2022年7月クールEDテーマ)、「SEIEN」("魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~"OPテーマ)という3曲のTVアニメ・タイアップを含む全11曲を収録。片桐 航(Vo/Gt)がひたすらに自分と向き合うことで生まれたというアルバムだが、コロナ禍で思うように活動ができなかった期間を経て歌われるラスト・ナンバー「幸せとは」はバンドを続けることへの喜びと気概に満ちている。
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Lenny code fiction
ビボウロク
予定していたツアーが再三にわたり延期になるなど、コロナ禍で辛酸を嘗めてきたLenny code fictionだが、3年ぶりのリリースとなった6thシングル『ビボウロク』は、思うようにバンド活動が行えなかった期間も決して無駄ではなかったことを確信づける1枚だ。片桐 航(Vo/Gt)が自身の弱さと向き合ったことで生まれたという「ビボウロク」は、人生で貰った"優しさ"に励まされながら生きる心情を歌った温かくも力強さを感じさせるナンバー。c/wには反骨心と不屈の精神を滾らせるロック・チューン「Pretty Dirty」と、バンド第2章の始まりを告げる「TOKYO」が収録された。この3曲を通して聴いたとき誰もが"新生Lenny code fiction"の姿に胸を打たれることだろう。
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脳内
1stアルバム『Montage』のリリース後、ツアーをするなかでダーク調の曲や攻めた曲の評判が良かったことに応え、"ダーク調"、"ラウドロック"をキーワードに新たな魅力をアピールしたシングル。「脳内」、「ヴィランズ」共に90年代のミクスチャー・ロックのエッセンスを取り入れながら、Lenny code fictionらしさも追求したアレンジ、サウンドメイキングが聴きどころとなった。この2曲がセットリストに加わることでライヴの盛り上がり方も変わっていきそうだ。そして、持ち前の反骨精神を剥き出しにしたそんな2曲とあえて並べたことで、メロディアスな「Time goes by」の爽やかさが際立つ結果に。カップリングだけで終わらせてしまってはもったいない。
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Lenny code fiction
Montage
デビューから2年3ヶ月。滋賀出身の4人組ロック・バンドがついにリリースする待望の1stアルバム。リリースするたび新たな一面を見せつけた4枚のシングルに、新曲8曲を加えた全12曲が収録されているが、本能剥き出しで畳み掛けるようにロック・ナンバーを並べた前半は、まさに痛快のひと言だ。「Enter the Void」、「欲を纏う」、「Vale tudo【MAKE MY DAY】」の3曲は中でも特にインパクト大。そこで今一度自分たちがどういうバンドなのか存分にアピールした意味はリリース後、大きな意味を持つと思うが、後半に並ぶのは、バラードの「オーロラ」を含むじっくり聴かせる曲の数々。それもまた彼らの魅力だ。メンバー全員が火花を散らしながらぶつかり合っているような演奏にも、バンドの矜持が感じられる。
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Lenny code fiction
Make my story
フィジカルとしては前作『Colors』から1年4ヶ月ぶりとなる4thシングル。TVアニメ"僕のヒーローアカデミア"のオープニング・テーマとして書き下ろした表題曲は、キャッチーなインパクトをテーマに作ったダンサブルなロック・ナンバーだ。曲の印象がポップだからと、逆にそれぞれの楽器の個性を際立たせることを意識したロッキンなアンサンブル、そして不屈の闘志を、これでもかと歌った歌詞も聴きどころとなっている。キャッチーというテーマが、持ち前のロック・バンド精神を結果的に引き出したところが面白い。華やかなルックスとは裏腹に、この4人組、気持ちはとことんロック・バンドなのだと改めて思わせる。疾走感が心地いいTrack.2「影になる」と連作バラードのTrack.3「Wonder」をカップリング。
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Colors
TVアニメ"パズドラクロス"のオープニング・テーマ「Colors」を含む3rdシングル。カップリングを含め、毎回、異なる魅力をアピールする平均年齢23歳の4人組はライヴ・チューン3曲を詰め込んだというここで、ロックな部分やハードな魅力を改めてアピールしている。ファンに対する想いを伝えたかったという表題曲は、展開の読めないドラマチックな構成からダイナミックなバンド・サウンドが浮かび上がる。また、カップリングの「Alabama」と「Romance」は共にストレートなロックンロール・ナンバーだが、若いカップルの無軌道なラヴ・ストーリーを男女それぞれの視点で歌った歌詞にも耳を傾けたい。ライヴ・チューンだからって"勢いだけで勝負!"とならないところが彼らならでは。
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Flower
"スタイリッシュ・ロック・バンド"を掲げる平均年齢23歳の4人組が前作『Key -bring it on, my Destiny-』から3ヶ月でリリースする2ndシングルは前作同様、疾走感と力強いメッセージが彼らの王道と言えるロック・ナンバー「Flower」の他、ドラマチックなバラード・ナンバーの「オリオン」、歌謡ディスコ・ロックなんて言ってみたい「KISS」というそれぞれにタイプの異なる3曲を収録。幅広い曲が自分たちの武器のひとつだと自ら言っていることを考えると、"スタイリッシュ"という言葉が表すのは単にバンドのヴィジュアルに留まらないような気もする。それぞれにスタイリッシュな3曲を聴き応えあるものにしている演奏や、サウンドのプロデュースを手掛けるakkin(ONE OK ROCK他)と作り上げたアレンジも聴きどころだ。
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Key -bring it on, my Destiny-
滋賀で結成された4ピース・バンドのメジャー・デビュー・シングル。テレビ・アニメ"D.Gray-man HALLOW"のオープニング・テーマとしてオンエア中の表題曲には、今現在のバンドの姿を映すように"誰一人邪魔はさせるか/初めて自分で選んだ道だ"という決意が。王道をてらいなく進むギター・ロックの疾走感を荘厳なストリングスがさらに後押しする。そのあとには、自分を形作る過去や他者の存在をまるごと肯定するTrack.2「世界について」、アメコミ的世界観で変身前後におけるヒーローの葛藤を描いたTrack.3「Showtime!!!!」と続く。"始まり"という一貫したテーマに基づいた3曲には、平均年齢22歳、若き彼らの等身大の感情が宿った。
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MAGIC OF LiFE
MAGIC
悲しいときにはその涙を拭うための優しい歌を、苦しいときにはそれすらも笑い飛ばす陽気な歌を。それがMAGIC OF LiFEというバンドの流儀であることを感じるミニ・アルバム。新しい生活への期待とお節介な"間違い探し"への苛立ちを歌った「陰日向」をはじめ、コロナ禍に制作されたことが伝わる切実な楽曲が並ぶ。ホーリーなハーモニーとダンス・ミュージックが溶け合う「What a Relief」や、バンド史上最速と言える妄想ソング「コーラ」、"生きている"と力強く歌い上げる「未来を追いかけて」など、様々なシーンを描いた全8曲は、あらゆる矛盾を抱えて日々を奔走する私たちの心の温度にとても近い。珠玉はバラード曲「記念日」。彼らの音楽は、"命の残りの日数"を豊かに彩ってくれる。
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MAGIC OF LiFE
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約11ヶ月ぶりのリリースは、2019とちぎテレビ高校野球応援ソング「応援歌」、栃木市マスコット・キャラクター"とち介"イメージ・ソング「大福」を含む、8曲入りミニ・アルバム。前々より取り入れていたストリングスやエレクトロ、EDM要素といったバンド外の音との親和性を高め、より包容力のあるサウンドスケープが実現している。人を愛する意味の大きさをまっすぐと歌うバラード「素晴らしくて」、繊細な音使いで爽やかに駆け抜ける「Four Seasons」、バンド・サウンドが前面に表れたエモーショナルな「Anniversary Ring」など、それぞれ趣向の違う楽曲でありながらも、ひたむきに前を見ている姿勢は一貫。美学に向かって邁進していく生き様が、混じり気なく昇華された楽曲が揃った。
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MAGIC OF LiFE
FOR YOU
約1年ぶりのリリースとなるミニ・アルバムは、8曲入りのラヴ・ソング集。悲しさだけでなく感謝の気持ちが添えられた温もりのある失恋ソング「朝焼けとからっぽ」や、恋が芽生える瞬間を魔法に例えた「魔法にかかる」、闇の中に見えたひと筋の光を歌う荒々しいサウンドが印象的な「QUICK DRAW」など、表情豊かな楽曲が揃う。"FOR YOU"というアルバム・タイトルに相応しく、様々なシチュエーションでの甘酸っぱく切ない"君"への想いが綴られている。恋の終わりや始まり、日常に溢れる小さな幸せばかりではなく、どこにぶつけたらいいのかわからない葛藤も包み隠さず描かれ、まるでひとつの恋の物語のよう。そして最後には一緒に前を向いてくれるところが、実にMAGIC OF LiFEらしい。
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MAGIC OF LiFE
線香花火/乱舞ランデブー
2017年初作品となる両A面シングル。agehasprings 玉井健二と約5年ぶりにタッグを組み制作されたTrack.1は、当たり前のようで当たり前ではない命に感謝することをテーマにした楽曲で、眩しすぎるくらいの愛が綴られている。彼らの武器とも言えるストリングスの効いたバラードに、ノリの良さをプラスした壮大なサウンドは新境地。一瞬の光の美しさを讃える心と、いつか輝きを失うことを憂う心の双方を感じさせる高津戸信幸のヴォーカルを十二分に堪能できる。Track.2はダンサブルなビートと12弦ギターなどによる豊かな響きにより異国情緒を感じさせる楽曲。Track.3にはDIRTY OLD MEN時代に制作された楽曲のアコースティック・バージョンを収録している。
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MAGIC OF LiFE
X-1A
自身の制作活動以外にも、地元で自主企画フェスを開催したり、Rhythmic Toy Worldとともに世界中の子供たちにおもちゃを届けるプロジェクト・バンド"GIFT MEN"を結成するなど、精力的に活動するバンドの姿がそのまま音楽になっているのでは。テクニカルに疾走するギター・ロック、温もりを感じさせるミディアム・ナンバー、スカのテイストを取り入れたものやファンキーでハッピーな楽曲、ポスト・ロック風のリズムを取り入れた壮大な楽曲など、様々なチャレンジや煌きに満ちた楽曲ばかりだ。特に象徴的なのはTrack.1。EDM、ポエトリー・リーディングやラップ・テイストのヴォーカル、シンガロングできるサビなど、これだけ大胆に取り入れてしまう度量や勇気には舌を巻くばかり。
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MAGIC OF LiFE
「はじまりの日々」 / 「スキルフラワー」
劇場版アニメ"弱虫ペダル SPARE BIKE"の主題歌である「はじまりの日々」と、TVドラマ"弱虫ペダル"の主題歌である「スキルフラワー」を収録した豪華ダブル主題歌シングル。どちらの曲もスピード感のあるバンド・サウンドという似た趣を持つ。「はじまりの日々」は煌びやかなシンセなどのウワモノと、ダイナミックなドラムが炸裂。歌詞には登場人物の感情の起伏が丁寧に描かれている。「スキルフラワー」はギター・リフが先導して音を作る、まさしく火花をまき散らすような肉体的な楽曲。そのサウンドのモードと同じく、歌詞に並ぶ言葉も強気で男らしい。近しいカラーを持たせつつ、作品を各曲で別の角度から捉えている。この2曲は9月7日にリリースされるフル・アルバム『X-1A』には収録されないので、チェックはマストで。
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MAGIC OF LiFE
風花ノ雫
Rhythmic Toy WorldとともにGIFT MENを結成し、10月には改名1周年記念ツアーを行うなど精力的な活動を続けるMAGIC OF LiFEが7月30日にリリースした配信限定シングル『音無き言葉』に続き新曲を発表。ピアノとシンセが煌びやかな疾走感のあるサウンドに、繊細なハイトーン・ヴォイスが映えるロック・ナンバーだ。高津戸信幸(Vo/Gt)はこの楽曲に"近くにある愛情や幸せの大切さに気づいて欲しい""近くにいる人に自分の気持ちをたくさん伝えて欲しい"と想いを込めたという。歌詞に綴られているのは大事な人との別れと後悔、悲壮感。アップ・テンポ且つダンサブルなサウンドには、そんなやりきれない心情を解き放つポジティヴなパワーがある。彼らのニュー・アンセムに成り得るのでは。
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MAGIC OF LiFE
栄光への一秒
昨年10月にDIRTY OLD MENから改名したときは驚いたが、"MAGIC OF LiFE"というバンド名の方が彼らの音楽には合っていると思う。高津戸信幸(Vo/Gt)の紡ぐ、物語のような歌詞はキラキラと輝いていて、まるで魔法みたいだから。TVアニメ"弱虫ペダル GRANDE ROAD"のエンディング・テーマに起用されている「栄光への一秒」も、前へ進めと背中を押してくれる魔法のような楽曲。アニメの世界観とマッチした歌詞で、"弱虫ペダル"ファンの心も掴むであろう。カップリングの「古ぼけた季節に」は、懐かしく暖かいバラード・ナンバー。優しいギターの音色に、ささやくような高津戸の歌声が重なり、なんだか涙がこぼれそうになる。MAGIC OF LiFEの静と動、両方の魅力を味わえる1枚。
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MAGIC OF LiFE
Storyteller
Track.1のイントロから、4人の作る世界が優しくダイナミックに聴き手を包み込む。バンド名の"命の魔法"という奇跡は、現実に起こすことができるものだと、音のひとつひとつが正面から訴えかけてくるようだ。すべてから漲る生命力、それはいつか来る"終わり"から逃げずに、受け入れた人間だからこそ出すことができる。この11曲は嘘偽りのない、このバンドが11年で感じてきた想いと痛みそのものだ。ラウドロックにも負けず劣らずの骨太ロック・ナンバー、民族楽器的な音色が懐かしさを呼び起こす楽曲、ポップなギター・ロック、アコースティック色の強い楽曲やミディアム・ナンバー、触れ幅の広いすべてにファンタジーとリアリティが美しく混ざり合う。まさしく"MAGIC OF LiFE"だ。
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NOT WONK
dimen
自分の内へと深く潜り込み瞑想的な時を重ね、様々な感情や、想像力を掘り起こしていくような、美しくイマジネーションに富んだアルバムだ。ライヴやツアーができない、時にスタジオに入ることさえもままならない状況もあった、2020年という特殊な時間と閉塞感とを、多くのアーティスト同様にNOT WONKの3人も過ごしたが、そこでのフラストレーションも燃料になったのだろう。彼らに根ざしているハードコアの精神、反骨心や、クリエイティヴィティにスポットを当てて、型にはまることなく作品づくりをしようという姿勢が映っている。前作でのソリッドでスリルに満ちたセッション感、鍛え上げたバンドの筋力を存分に使いながらも、その感触はとても詩的だ。静かに確かに、バンドを新たな次元に引き上げた作品。
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No Buses
Sweet Home
"フジロック"への出演も果たし注目を集めるNo Busesの3rdアルバムが到着した。かわいいテディベアが不気味な雰囲気を纏ったジャケットと、"Sweet Home"というタイトルが不穏に響き合う本作。UKロックの影響を色濃く反映する彼らの楽曲は、前作に比べダークでよりダウナーな印象に。デジタル・サウンドも取り入れ深みを増した音使い、起伏に富んだメロディにエモーショナルなヴォーカルと、その進化は一目瞭然だ。さらにラッパー BIMを迎えた「Daydream Believer」は、タイトなビートとスリリングなラップの掛け合いがヒリつく緊張感を生み、本作のいいアクセントになっている。表現を深化させ独自のサウンドを追求したことで、よりロック・バンドとしてタフになったNo Busesを堪能してほしい。
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No Buses
No Buses
国境を越えての活動が期待されるバンド No Busesが、2ndアルバムをリリース。トリプル・ギター編成となった彼らが鳴らす音は、表現豊かでメロディックだ。「Number Four or Five」で奏でられる高速ビートや、インスト曲「Biomega」のリフレインする心地よいフレーズも、この作品を語るうえで外せないところ。また、全体に散りばめられたメランコリーな歌詞はダウナーな雰囲気を漂わせている印象だが、"希望はある/大丈夫"(「Not Healthy」/訳)ともあるように、ネガティヴな状態も肯定してくれているように感じる。ボリューム満点に12曲を詰め込んでセルフ・タイトルを冠したのも、"これがNo Busesである"という自信の表れだろう。
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cinema staff
海底より愛をこめて
ライヴを主軸に音楽活動という名の航海を続けてきた彼らは、突如猛威を振るった新型コロナウイルスにより、その船から大海へと投げ出された。そんな彼らが"海底"から放つ、暗闇の中に光を見いだす本アルバム。先の見えない深海でもがく1曲目「海底」から始まり、"想像力で地上へ"というテーマのもと愛という明かりを頼りに進んでいく。荒波のように激しく緊張感漂うナンバーから穏やかに広がる大海原のように雄大な曲まで、様々に表情を変え展開する挑戦的な楽曲群。そして夜明け前の丘の上で始まりを歌う「はじまりの場所」にたどり着く。コロナ禍をともに彷徨い苦しみながらも乗り越えてきたすべての人々を、素直な感情を吐露した歌詞と深みを増したサウンドで抱きしめる、愛に満ちた12曲。
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cinema staff
白夜/極夜 E.P.
"極夜"とは太陽が昇ることのない状態。逆に"白夜"は太陽が沈んでも暗くならない状態を指す。真逆の現象をタイトルに冠し、陰と陽の心境をメタファーで表現したcinema staffの2021年初となるスタジオ音源。緩急を行き来する緻密なアレンジで激しくも悲しいワルツを描く「極夜」と、新しい一歩を踏み出す意志をエネルギッシュな歌に託した「白夜」は、サウンド面でもバンドの魅力を両軸から浮き彫りにする。バンド初期に演奏していた「DAWN」をソリッドにリアレンジした「NEWDAWN」も含めて、太陽をテーマにしたような統一感のある収録曲が印象的だ。さらに、CD盤には学生時代に、飯田瑞規(Vo/Gt)が作曲を手掛けた初々しい楽曲を収録。バンドの過去と現在が詰まった1枚。
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cinema staff
BEST OF THE SUPER CINEMA 2008-2011/2012-2019
2008年全国デビュー、2012年メジャー・デビューという経歴の中での初のオール・タイム・ベスト。収録されている新曲「新世界」は伸びやかなメロディとソフトなヴォーカルの相性を最大限に生かしつつ、バンドの地に足のついた音像を聴かせる晴れやかな楽曲。冷静に未来を見据え邁進する4人のモードを実感できる。もう一方の新曲「斜陽」は盟友、高橋國光(ex-the cabs/österreich)との共同制作。両者の尊厳と個性が美しく混ざり合った、繊細で慈愛と情熱に満ちた楽曲が生まれた。彼らの音楽人生を描いたであろう高橋の綴る歌詞も、ひとつひとつがパンチラインとして響く。様々な痛みと喜びと迷いに翻弄されながらも、自分の音楽を磨き続けることをやめなかった人間たちの、情操の結晶だ。
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cinema staff
Name of Love
「great escape」以来約6年ぶりにTVアニメ"進撃の巨人"のEDテーマを手掛けるcinema staff。嵐のようなギター・リフが生むカオスの中で、手探りで道を見つけていくような前回のダークなサウンドに対して、「Name of Love」は静謐なピアノと歌で始まる。今回描いたのは"絆"。強くも脆くもある目に見えないものを手にして進んでいく、美しくドラマチックな曲だ。構築的に細部を積み上げながらスケールの大きな曲を描いていく4人の手腕が生きた曲で、アニメの世界観や根底に流れるものを掬い取った内容となった。今作では「great escape」のニュー・ミックスの他、「OCEAN」、「さらば楽園よ」とアニメを思わせる曲を収録。重厚で充実感のあるシングルだ。
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cinema staff×アルカラ
undivided E.P.
長く親交を温めてきた cinema staffとアルカラによるスプリットEP。書き下ろしの新曲、それぞれのカバー、コラボ曲の全5曲が収録された。cinema staff新曲「first song(at the terminal)」は、ソリッドで高いテンションのドラミングと多展開のドラマチックなサウンドを、伸びやかな歌が包み込む。キャッチーで温かいメロディにただ行儀よく収まらない、アンサンブルのパッションが惹きつける。アルカラの新曲「サースティサースティサースティガール」は、爆発的なオープニングからサビでファンクに急展開するトランスフォームっぷり、先の読めなさ、オチのつけ方で唸らせる。この2バンドが互いをカバーし、コラボする曲は、もちろん技もネタも巧妙に仕掛けられていて、味わい、楽しみが尽きない。
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cinema staff
熱源
前作『eve』は初めてプロデューサーを立て、cinema staffの武器である歌、鋭さ、キャッチーさを洗練させた作品を生んだ。今回の6thフル・アルバムは再び自分たちの手で完結した作品だが、そこではこれまでの経験値を駆使したより鋭利な曲と、馬力のあるサウンド、構築的で変化に富んだアンサンブルへの知性が光る。グッド・メロディと幾何学的なサウンドが、ギリギリのところで接着している初期のスリルに引き込まれた人も、歌心や寓話的な物語性の高さに心揺さぶられた人も、爆発的なロック・バンドとしてのスケール感にやれらた人も、満足する作品。その、それぞれのポイントの高いハードルを超えたアルバムだ。"熱源"という果てることのない、マグマのように煮え立ったバンドのクリエイティヴィティを見せつける。
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cinema staff
Vektor E.P.
「エゴ」、「返して」、「ビハインド」の3曲からなる最新EPは、cinema staffのアンサンブルの妙味と歌とのハーモニーをより洗練し、大きく響かせたアルバム『eve』とはまた違った4人の味を引き出している。勢いの面では、初期のころの、互いに一歩も引かずに音のバトルを繰り広げ、せめぎ合う音が刹那な火花を散らすエネルギーがある。それが沸々としたカオス的な暴発感でなく、メロディを際立たせ、微妙な言葉の温度感を伝える繊細な火力を持ったサウンドとなっているのがとても美しい。「エゴ」ではサビのメロディ、肝のフレーズが猛烈な切迫感で耳に飛び込み、「返して」ではもう二度とないかもしれない甘い景色を、その音で痛切に心に刻み込む。叙情的な風景が、閃きのように脳内に広がる1枚だ。
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cinema staff
eve
前身バンドから数えれば、10数年に渡る年月をこのバンドで過ごし、ミニ・アルバムは5作、フル・アルバムとしても4作リリースしてきたcinema staff。5枚目のアルバムは、彼らのキャリアの中でも、より意識的に変化を求め、実践していった作品だ。それぞれが主張の強いフレーズをぶつけ合うアンサンブルと、展開の多い曲構成、泣きの要素で心を掴む叙情的なメロディ、これを絶妙の絡みで聴かせるのがシネマ節。アルバムに繋がるEP『WAYPOINT E.P.』収録の「YOUR SONG」では、シネマ節を超王道のバラードへ昇華した。その過程で培った曲を洗練させる手法が、アルバムの端々に活きている。各曲のチャーム・ポイントたる場所を、最大限引き出して響かせていくアレンジが、バンドのポップ性とヒリヒリとした尖りを露わにした。
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cinema staff
SOLUTION E.P.
リード曲「YOUR SONG」が大きな反響を得た前作『WAYPOINT E.P.』と対をなす今作。彼らのメロウな歌心を最大限強く、且つシンプルに引き出した前作、そして今作のバンド・アンサンブルの妙が織りなす"動"のドラマ、この両極がcinema staffの面白さだ。今作のリード曲「切り札」では、飯田瑞規(Vo/Gt)の上昇していく鮮やかなメロディ・ラインと並走し、デッドヒートを繰り広げる辻友貴(Gt)のメロディアスなギター・フレーズが肝。メロディの両輪がサウンドのスピードを上げ、風を生んでいく爽快さがある。サウンドはラウドでアグレッシヴだけれど、ビートもフレーズもデコラティヴになりすぎず、鋭く磨き洗練されている。プロデューサーを迎え、1曲を徹底してブラッシュアップし、4人の個の音を明快に編み上げたアンサンブルとなっている。
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cinema staff
WAYPOINT E.P.
自分たちの表現を護り、育み、磨き続けてきたcinema staffが、大きな一歩を踏み出した。アレンジをプロデューサーの江口亮へ一任し、それを自分たちなりに消化して作り上げた表題曲「YOUR SONG」。NHK岐阜放送局開局75周年を記念して制作されたドラマ"ガッタン ガッタン それでもゴー"のために書き下ろした主題歌だ。ドラマの世界観に自身の現況や心情を重ねたミディアム・テンポのバラードは、彼らが持っている誠実さ真摯な姿勢を混じり気なくこちらに届けてくれる。様々な人の力を借りて手に入れた方法論を、彼らは今後自分たちのものにするだろう。そのとき彼らはどんな音を鳴らすのか――。それは今はまだ曖昧なヴィジョンかもしれないが、未来は見えないからこそ面白く、自らの手で開拓してこそ喜びがあるのだ。
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cinema staff
blueprint
過去最高に歪んだギター、より地に足の着いたベースとドラム、そしてその4つの音の上で強く響くヴォーカル。"自分たちにしか鳴らせない音楽"を大事にしてきた4人の、活動と年齢を重ねたうえでの変化の結晶がこの『blueprint』、彼らの"未来予想図"である。"今の自分たちが何をするべきなのか"という冷静な視点と、"大好きな音楽/バンドを長く続けていきたい"という純粋な気持ちが作り上げた音と言葉は、ひとつひとつに高い熱量が宿り、4人の気迫が絶え間なく突き刺さる。しっかりと未来を見据えることができた、現在のcinema staffのモードがそのまま結実したアルバムだ。実に清々しく、実に夢とロマンに溢れたダイナミックなリアリズム。そんな勇敢な音色に、心が突き動かされるのは必然なのだ。
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V.A.
残響record Compilation vol.4
全15バンドが新曲を録りおろした残響recordレーベル10周年記念コンピレーション。好きなバンドだけ聴ければいい、なんて思ってるかたはその考えを改めることをお勧めする。なぜなら、もしこの15バンドにあなたが好きなアーティストがいるならば、間違いなくそれ以外の楽曲もあなたのアンテナに触れるはずだから。それこそが残響recordが10年間でリスナー、そしてアーティストと積み上げた"信頼"だ。ポスト・ロックやエレクトロニカの音楽性を持ち、どこか人を寄せ付けない孤高の輝きを放つ危険性、神聖さを持つアーティストが集うという、事件とも言うべきロマンチシズム。残響recordの看板でもあるcinema staff、People In The Boxをはじめ、全アーティストが独自の色を研ぎ澄ました攻めの新曲を投下している。
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cinema staff
Drums,Bass,2(to) Guitars
バンドが始動して10年の歳月が流れた。その間には数々の喜怒哀楽があり、挫けることも少なくなかったかもしれない。だが彼らはどんな時代でも自分たちに嘘をつかず、抱いている想いをそのまま音と歌にし、そのときの最高水準の音源を作り続けてきた。前作『望郷』はそのモニュメント的作品とも言える。そんな大作を作り上げたバンドが手に入れたのは確固たる自信。今作『Drums,Bass,2(to) Guitars』にはそれが満ち満ちた音しか鳴っていないのだ。美しく高らかに鳴り響く4人の音色と、情感豊かな飯田瑞規のヴォーカルは、聴き手を大きく巻き込むポジティヴで晴れやかなパワーがある。サンバ風のリズムや、エレクトリック・シタールを用いたりなど、随所に挟まれる人懐こい遊び心も痛快。大きなバンドになった。本当に。
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cinema staff
borka
4月2日にリリースされるメジャー2ndフル・アルバム『Drums,Bass,2(to) Guitars』に先駆けて、リード曲を先行配信。同曲は「great escape」をプロデュースした亀田誠治と再びタッグを組んで制作された。ものすごい手数で果敢に攻め込むダイナミックなドラミングに、瑞々しく響く2本のギター、ソフトなコーラスが一足早い春の訪れを告げるようだ。亀田誠治のプロデュースにより、いままでcinema staffが積み上げてきたものを更に大きくこじ開ける、洗練された音色になった。いつ帰ってくるかわからない"あなた"を待ち続ける主人公のボルカ。だが4人の音と飯田瑞規の包容力と説得力のある歌声は、そんな悲しみや不安を吹き飛ばすように鳴り響く。ここに存在するのは笑顔と強い希望だけだ。
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cinema staff
great escape
バンド初の書き下ろしタイアップ曲であり、初のプロデューサー起用曲はテレビアニメ版"進撃の巨人"の後期エンディング・テーマ。インタビューで三島想平(Ba)が"ヒーローがたくさんいるような曲にしたかった"と語ってくれたように、速く鋭く感情的に突き進むギター、メロディアスなベース、音全体を引き締めるドラム――全てが各々の輝きを発っており、攻勢的でハードでありつつも非常に開けた楽曲になっている。主人公エレン・イェーガーの心情や物語の持つ勢いや団結力を反映させつつ、実にcinema staffらしいサウンド・メイクだ。上京してからの2年間で感じた思い全てを込めたフル・アルバム『望郷』という、ひとつの到達点を迎えた今だからこそ作り上げることが出来た、実験的かつ挑戦的なナンバー。
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cinema staff
望郷
楽曲の中核を担う三島想平(Ba)は、ライヴで観客に向かい"岐阜県からやってきましたcinema staffです"と挨拶をする。それは彼らが上京してからも変わらない。『望郷』に収録されている楽曲は全てバンドが上京後に考えたこと、作り出したもので構成されているとのことだ。この作品はcinema staff史上、最も不安定な音像かもしれない。だが最も4人の生々しい心情が音と言葉に溢れた、非常にダイナミックな作品である。故郷への特別な想い、故郷を離れてでも追いたい理想、そして葛藤――。ここには環境と心境の変化がもたらした"進化"が現在形で集約されている。何より、感情的な4人の音色がとにかく包み込むようにあたたかいのだ。泣きながら人の涙を拭うような不器用な優しさに、何度も涙腺が緩んだ。
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cinema staff
西南西の虹
cinema staffのダブル・シングルのうちの1枚である『西南西の虹』は4曲入り。タイトル・トラックは昨年からライヴでも演奏されているが、音源で聴くと鋭利な部分だけではなくそこから生まれる優美さがより浮き彫りに。両極端なものが自然と地続きになるのも彼らの魅力のひとつだ。特にリード・ギターの切れ味と速度は目を見張るものがあり、何度も突き刺されるような感覚。スケールのあるメロディも楽曲の持つ力強さを引き出している。つんのめるような疾走感が光るシネマ節とも言える「A.R.D」、ギターの弦を押さえる指の音も優しく響くアコースティック・ナンバー「発端」、バンドの新章を予感させる言葉が耳に残る「いらないもの」。着実に歩んできた彼らの現在位置を示すシングルと言えよう。
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cinema staff
小さな食卓
cinema staffがシングルを2枚を2222枚完全限定で2月20日に同時リリース。そのうちの1枚である『小さな食卓』はCDに同曲を収録。タイトルとLOSTAGEの五味岳久が描くジャケットにもあるように、"食卓"をテーマに歌った同曲。何度もリフレインするギターは流線型を描くように広がり、躍動感のあるドラムはダイナミックに炸裂。緩急のあるベースは包容力を生み出す。4人の阿吽の呼吸が生み出す絶妙なアンサンブルは、家族の風景そのものにも思える。飯田瑞規のヴォーカルも、よくある日常風景をあたたかく優しく、何より明るく響く。身近にいる掛け替えのない人々への愛情と感謝の気持ちに満ちた曲。
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cinema staff
SALVAGE YOU
メジャー・デビュー作である前作『into the green』から3ヶ月弱で届けられたミニ・アルバムは"救い"がテーマ。聴き手を意識するようになった4人の音はより柔らかく、ダイナミックなスケール感を帯びており、バンドがネクスト・ステージに上がったことを如実に表している。明確な意思を発するポップな「奇跡」から、鋭さと激しさとミステリアスが交錯する「her method」、フィクションとノンフィクションの狭間を描く抽象画のような「warszawa」「小説家」へと、どんどん心の奥底へと4人の音が浸透していく。その鮮やかでドラマティックなストーリー展開は、夢なのか現実なのか分からなくなるほどに我々を音の中へと取り込んでしまうのだ。更に振り幅を増し成熟してゆくcinema staffの音像に息を呑む。
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cinema staff
into the green
新曲2曲と過去の代表曲4曲によって構成されたメジャー・デビュー作にして、音楽的にもcinema staffに新たな季節が到来したことを告げるEP。表題曲「into the green」はまさに、ここ数年の彼らが緩やかに、しかし確実に描いてきた音楽的な進化が昇華された改心の1曲だ。バンド最大の特徴であった飯田の透明感のあるヴォーカルに導かれるように流麗な旋律を描くギターは、時にシューゲイザーのような感傷的なサイケデリアを宿しながら、じわじわと聴き手を包み込む。怒りとも悲しみとも喜びともつかない、この独特なエモーションを表現するサウンドは、彼らがスピッツやsyrup 16gに連なる、この国の偉大なるオルタナティヴ・ロックの系譜にあるバンドであることを告げている。
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cinema staff
cinema staff
03年結成の4ピースバンドcinema staffの1stフル・アルバム。セルフ・タイトルを冠した本作は、まさにデビュー作というに相応しく、"海"という生命の源、始まりの場所を目指す希望に満ちた旅を描いている。そのジャケットの通り、冒頭曲「白い砂漠のマーチ」で夜の砂漠から旅は始まり、目指す"始まりの場所"は"海"。そう――これは、始まりへの旅路なのだ。未だ見ぬ生命の源、船出の場所へと近付くにつれて、光と潤いの色が徐々に加わっていく本作の流れ。と同時に、曲が進むにつれ、その足どりがより強くなっていくかのように、より強く、凛と響いていくヴォーカルもじつに勇ましい。そして、ラスト・ナンバー「海について」で約7分にわたり描かれる希望と歓びは、これ以上ない最高の"始まり"を描いている。
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cinema staff
水平線は夜動く
ここ2年間の彼らの活躍には目を見張るものがある。リリースを重ねるごとに、音が一回りも二回りも膨らみを増し、洗練されていくのだ。前作から半年振りのリリースになる今作は"線"をテーマにした4曲入りのコンセプト・シングル。彼らが切り取る4つの情景はどれも一貫として、張り詰めた早朝の真冬の空気に零れる吐息のように柔らかであたたかく、闇の中で深々と降り注ぐ粉雪のように繊細で凛としている。白と黒のコントラストを感じさせる静寂と轟音で彩られた彼らの音は独特なリズムを刻み、どこまでも切なく、どこまでも美しく響き渡る。慢性的な不満を抱えた現実世界に"夢"という魔法を掛けるようなドラマティックな空気感に、完全に飲み込まれ抜け出せなくなった。目を閉じて聴き入りたい、そんな音。
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cinema staff
Blue,under the imagination
社会へと足を踏み出したcinema staffの溢れる衝動は、ひどい熱量を放ちつつも冷静さを内包している。彼らがいわゆる"激情系"を逸脱したのは、その凄然とした冷静さ故だと思う。『Blue, under the imagination』では、深層心理をを丸裸にし、非常に叙情的で完結された形で世界を切り取っている。3枚目にして、触れれば血が噴出しそうな鋭利さは磨きがかかり、より一層の純度が増した。内でうねる心の震えが激情へと高ぶりを見せ、石を投げ込まれた水面の波紋のように破壊力が広がりを見せるのだ。そこには衝動だけで語ることのできない、彼らのドラスティックなまでの確かな意思がある。彼らは知っているのだ。「想像力」こそが、未来へ向かう原動力であり、現実を作りだしていることを。そして、現実に対峙する唯一の手段であることを。"想像力"はやがて"創造力"へと変貌を遂げる。世界はまだ始まったばかりだ。
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さとうもか
WOOLLY
インディーズ時代から早耳の音楽リスナーやクリエイターの耳と心をくすぐり、その曲で虜にしてきたさとうもか、待望のメジャー1stアルバム。ふとした時間に、街並みやそこに漂う香りに、無防備なときに聞こえてくる音楽や誰かの仕草に、蓋していた想いや誰かの面影がまた身体中で弾けてしまう。ほろ苦さと同時に、そんな自分に悔しさやみっともなさすら抱いてしまう瞬間をも、きらびやかに、ポップに、クールに、あるいはちょっとビザールな世界観で彩って、気持ちの置きどころを作ってくれるマジカルで爽やかな令和のシティ・ポップが詰まっている。ベッドルーム・サウンドからバンド・アレンジ、ESME MORIなど様々なアレンジャーとのグルーヴもふわりとステップを踏んでエアリーに乗りこなすヴォーカルもまた、気持ちがいい。
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愛はズボーン
MIRACLE MILK
テーマは"ミラクル"、"マジカル"、"ケミカル"の3ワードという、愛はズボーンの4thフル・アルバム。まさに、それらの感覚が全12曲を通して散りばめられた1枚になっている。赤ちゃんの泣き声や牛の鳴き声を交えながら"また1日が始まる"と切り出す「IN OUT YOU~Good Introduction~」から、言葉遊びと音遊びが炸裂。とはいえ、ぶっ飛んでいるだけではなく、"ヒーローは遅れて現れる/それが愛はズボーン式/スーパーエンターテイメント"という歌詞の通りのストレートな勢いを感じることもできる。ラップと歌を行き来する声に秘めたグッド・メロディと極彩色の音色が描く、混沌としたポップな世界観。皮肉も熱情も真実も溶かした心地いいミルクを飲めば、明日からも踊りながら生きていける。
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愛はズボーン
I was born 10 years ago.~TRIBUTE~
愛はズボーン結成10周年を記念したトリビュート盤。ラインナップするメンバーは彼らが敬愛する先輩や盟友たちで、轟くシャウトとキレッキレのギターで中毒性の高いリフレインをさらに印象づけるキュウソネコカミの「まさかのイマジネイション」や、オリジナルに忠実ながらも独自のレゲエ・テイストでアルバムのポイントとなるDENIMSの「ゆ~らめりか」など、10バンドによる一曲入魂の全10曲を収める。もともとクセ強めの原曲は、豪華面々のセンスと技と愛情により新たな魅力を引き出され、"愛はズフリーク"も大納得の仕上がりだが、参加バンドのファンにとっても聴きごたえたっぷりだ。また、愛はズが同作に参加した10組の曲をカバーしたアルバムも同発されているので合わせて聴くのもおすすめ。
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愛はズボーン
I was born 10 years ago.~COVER~
バンドの周年を記念して、豪華アーティストがそのバンドの曲をカバーするというのはあっても、さらに、そのトリビュートに参加したアーティストの曲をバンドがカバーした作品集の同時リリースは前代未聞では? そんな愛はズボーンの10周年記念盤が完成。まさにインディーズで戦い続けてきた彼らが、キュウソネコカミの魂を受け継いだとも言える「ウィーアーインディーズバンド!!」、原曲の優しさはそのままに、浮遊感たっぷりのアレンジで歌うことで、ひと味違うエモーショナルなムードを湛え、愛はズの新境地を切り拓いた岡崎体育「エクレア」など全10曲を収めた。企画の面白さのみならず、より個性を研ぎ澄まし、全員が曲作りに積極的に携わるようになった今の愛はズがカバーするからこそ、バンドの最新作としても楽しめる意欲作。
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愛はズボーン
TECHNO BLUES
誰にも似ていないサウンドと言葉選びの発明を続けてきた愛はズボーンが、結成10周年を前に2ndアルバムを発表。今作では作品タイトル通り、シーケンスを多用した"テクノ"+魂の叫びを歌う"ブルース"の彼らなりの融合に挑戦し、新たな愛はズらしさを手にしている。これは金城昌秀(Gt/Vo)が結成当初からしたかったことにバンドの地力が追いつき、さらにGIMA☆KENTA(Vo/Gt)が歌に自信を持てたこと、そして4人が同じ方向を向けたことにより成せた業だという。冒頭「ぼくらのために part 1」から全曲そんな威勢のいいニュー・マインドを堪能できるが、タフなバンド・サウンドが際立つ「ひっくりかえす」は従来からのファンも痺れると思う。10年の挑戦と試行錯誤の末に作り上げた自信作。
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愛はズボーン
Psycho Western
2019年第1弾リリースとなる全2曲入りのシングル。表題曲は彼ららしい多国籍感溢れる"ごちゃ混ぜパーティー・チューン"で、イントロの雷鳴に続き弾けるサビで幕を開ける。一緒に叫びたくなる"最高! 最高!"や"ラララ"のコーラスが生み出すキャッチーさと、どこかサイケデリックでキラキラする感触が入り混じり、"これでいいのか? これでいいのだ!"の自問自答を伴ってクライマックスへ! "サイコで最高!"、"YES!"の結論には誰もが痛快な気分になること間違いなしだ。またc/wは、1stフル・アルバム『どれじんてえぜ』の収録曲「adult swim-friends 岡崎体育-」のバンド・バージョン。表題曲と好対照にどっしりとしたグルーヴが小気味よくクール・ダウンさせてくれる。
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愛はズボーン
どれじんてえぜ
愛はズボーン待望の1stフル・アルバムはミニ・アルバム2枚からの再録を含む12曲を収録。よくぞここまで豊富なアレンジ、曲調、歌詞が出てくるものだと改めて感心してしまうほど凝りに凝った作品。何しろバンド・サウンドとは一線を画す岡崎体育との共演作「adult swim-friends 岡崎体育-」ですら、これはこれで愛はズボーンらしいと思えるのだから不思議だ(そしてめちゃくちゃカッコいい)。カネシロ、ギマの両ボーカルがそれぞれのパーソナリティを発揮する「27」、「もねの絵のよう」やキャッチーなポップ・ロック「空飛ぶピンクのユニコーン」、ラスト「生きてるって感じ」のめちゃくちゃ長い"ラララ"まで、聴きどころ満載のアルバム。じっくり1枚ずつ曲順どおりに聴くことをおすすめしたい。今作で彼らの音楽は確立されたといってもいいのではないだろうか。
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愛はズボーン
ゆ~らめりか
愛はズボーンの2ndシングルは1,000枚限定でリリース。表題曲「ゆ~らめりか」(Track.1)のタイトル、アートワーク、歌詞、序盤から湧き上がるようにリズム・チェンジして後半へと向かうアレンジまで、気になることだらけで気がつけば何度も繰り返し聴いていた。緻密なアンサンブルが進行していき、スケールの大きなメロディと繋がってカタルシスを感じさせる展開はこのバンドの大きな魅力。「へんなの」(Track.2)で聴かせるサイケデリックな音像もスタジオ・セッションの面白さをそのまま出してきたようで興味深いし、ラストのエモ/スクリーモなミディアム曲「恋のスーパーオレンジ」(Track.3)まで聴き応え満点。ますます長時間のライヴで彼らの曲を聴いてみたくなった。
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愛はズボーン
MAGMAそれは太陽のデジャヴュ
大阪を拠点に活動を続ける4人組バンドの1年ぶりとなる2ndミニ・アルバム。2015年は初の全国流通盤を発売すると共に全国ツアー、イベントにも多数出演することで音楽ファンの間で着々と知名度を上げて行った彼ら。前作収録の「まさかのイマジネイション」を思わせる1ワードで繰り広げられるTrack.4「ピカソゲルニカ」はどんな展開になって行くのかずっと聴いていたくなる彼らの発明品のごとき必勝パターン。どこか懐かしいポップ・ロックのTrack.5「BABY君は悪魔ちゃん」、Track.6「エレクトリックオーシャンビュー」も気持ちが晴々とする爽快感があって楽しい。やりたいことが収まりきらずにはみ出しまくっているような音楽バカっぷりが最高です。
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愛はズボーン
IWZBN
2014年に"COMIN'KOBE"のオーディションで見事1位に輝き出演したことを始めとして"MINAMI WHEEL""見放題"等、関西の音楽イベントで軒並み入場規制となるライヴでその名を轟かせる4人組バンド初の全国流通盤となるミニ・アルバム。ライヴを観たことがなくてもその楽しさが伝わってくる楽曲たちは決まったフォーマットを持たない自由なもの。バンドのテーマ曲的な「愛はズボーン」、ひたすらワン・ワードで押す「まさかのイマジネイション」といった曲は頭も身体もバンドの演奏に委ねなさい、と言わんばかり。下を向いている人間も否応なく顔を挙げてしまう突き抜けた明るさと力技で盛り上げる曲が続いた後のラスト「デーモンのレモン」がバンドの奥深さを感じさせる。
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街中音楽フェス"CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2019"開催記念――個性際立つ3バンドが一堂に会した出演者座談会!
嘘とカメレオン × Shiggy Jr. × ニガミ17才 × Lenny code fiction
異なるカラーを持つ4組が集結する"HAMMER EGG vol.9"開催目前! 全員が初対面を果たしバンドの秘話も飛び出した出演者座談会
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