DISC REVIEW
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ヒトリエ
Friend Chord
並大抵ではないキャリアを歩んできたバンドのメジャー・デビュー10周年記念アルバムだが、そもそもの発端であるwowaka(Vo/Gt)という稀代の表現者の痕跡は、2024年リリースの「NOTOK」をシノダVoバージョンで収録するという方法である種決着。3人体制になった後のライヴ経験や、シノダのオルタナティヴ・ロック志向が明快になった先行シングル「ジャガーノート」を起点に、すでにライヴで披露されている「耽美歌」、イガラシ(Ba)作曲の「Quadrilat e r a l Va s e」、ハチロクの大きなグルーヴとオルタナの手触りを持つ「おやすみなさい」等に新たな傾向は顕著だ。そんななか、ゆーまお(Dr)作の打ち込みによるハウス調の「Shadowpray」がいいフックになっている。
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水中スピカ
Lux
タッピングしながらポップ且つ美麗なメロディを紡いでいくギター・ヴォーカル 千愛を擁する、京都発の男女混成4人組バンドによる3rdアルバム。かねてよりポストロック/マス・ロックを基調とした透明感のある楽曲を送り出してきていたが、シューゲイザー要素のある「iki」や、凄まじい生命力が漲る「恐竜も人間も飲む水は同じ」、アグレッシヴな音を走らせる「MIYAKO」、そして深遠なインスト・ナンバー「Fathom」から繋がっていく7分超えの大作「Spica」等、全8曲を収録。新たな表情を垣間見せながらも、水中スピカの軸であり、信念は全く揺らぐことなく存在していて、圧倒的なまでの進化を感じさせる。間違いなく多くの支持者を獲得する大傑作だ。
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ザ・ダービーズ
若者たち
2022年に名古屋で結成し、"SAKAE SP-RING"等への出演や各地でのライヴを重ねながらロック・ファンの心を掴んでいるザ・ダービーズ。孤独の痛みと喜びを知り、眩い青春期への憧れもあるが、彼等の歌にはどこか達観した視線が宿る。衝動を破裂させるようなアンサンブルがあり、ライヴを重ねてきたからこそミドルな曲でもいいノリが生まれているが、語り掛けるような歌心が沁みる音楽だ。1stミニ・アルバムとなる今作は、あのロック・バンドの名やあの曲のフレーズ等、ザ・ダービーズを形作ったものもちりばめられた自己紹介的作品であり、またロックの遺伝子を受け継いでいく意思も見える。バンドの産声が純度高くパッケージされた1枚。
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Aile The Shota
REAL POP
"本質的で大衆的である"ことをコンセプトとし、"踊れるポップス"というテーマのもと制作されたAile The Shota初のアルバム。艶やかなシルキー・ヴォイスとビートの心地よさに思わず身体を揺らしたくなるTrack.1「踊りませんか?」や、ほろ苦く切ない恋模様を描き、"ねぇ 酔ったときだけ 電話しないで"というフレーズも印象的なTrack.4「さよならシティライト」、軽快なリリックと晴れやかなサウンドに背中を押されるようなTrack.6「Yumeiro」等、バラエティに富んだ全11曲が収録された。ダンス・ミュージックを軸にしながらも、シティ・ポップといったJ-POPと高い親和性を持ち、"存在がジャンル"という彼の唯一無二の音楽性を存分に感じられる。
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Helsinki Lambda Club
月刊エスケープ
漫画の月刊誌を買うときのような、稀にしか訪れないワクワクがパッケージされた本作は、アジア各国の音楽や土地の雰囲気に影響を受け制作された「キリコ」を筆頭に、海外ツアーの中で触れた"非日常"に焦点が当てられる。束の間のバカンスを思わせるタイトルにも納得だ。普段は得られない快楽が夢見心地なリズムに乗って次々とやってくる一方で、浮き彫りとなったエスケープの果てにある"現実"に聴き手それぞれが無事に帰還できるようにと、「THE FAKE ESCAPE」や「Yellow」のような、"自分らしさ"を見つめ直すきっかけを詰め込んだ楽曲も収録される。ワクワクの感触を引き延ばすような「My Alien」の残響音に身を委ねた今夜はもう少しだけ夜更かししていたい気分。
TOWERamazon
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Chilli Beans.
blue night
今年2月には自身初の日本武道館ワンマンを成功裏に収めたほか、各地の音楽フェスにも多数出演、そんな充実の2024年を締めくくるChilli Beans.のミニ・アルバム。バンド初となる全編英詞で書かれたリード・トラック「escape」をはじめ、UKロックと接近した「Mum」、メロウなトラックがBillie EilishやCLAIROの最新作を彷彿とさせるベッドルーム・ポップ「fu uh」、ピアノと歌のみで構成された「look back」等、彼女たちの源流にあるインディー・ロックの影響を感じる1枚になっている。また、インタールードを挟んでラストに置かれた(いい意味で)ぶっ飛んだ規格外の「cyber」も必聴。抜群のセンスと柔軟な感性に感服させられる。
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BURNOUT SYNDROMES
ORIGAMI
2022年から毎年ワールド・ツアーを開催し、今年は初のアメリカ単独ツアーを成功させる等、近年ワールドワイドに活躍の幅を広げているBURNOUT SYNDROMES。約3年半ぶりのオリジナル・アルバムはそんな背景もあり、ぐっとスケール感がアップした印象だ。また彼等同様アニメ・シーンでも人気のFLOW、ASCA、東山奈央、CHiCO、halcaといったアーティストもゲスト参加し、各楽曲が全く異なる物語の主題歌のような、カラフルでコンセプチュアルなコラボ・ソングの数々。英詞が増えただけでなくアルバム名の"ORIGAMI"をはじめ"KUNOICHI"、"SAMURAI"、"武士道"といった言葉もちりばめられており、海外でも耳を惹くことだろう。
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androp
hooray
今年CDデビュー15周年を迎えたandropが、ニュー・アルバムをリリースする。昨年末に15周年への決意をしたためたステートメントを発表し、対バン・ライヴやワンマン・ツアー開催、ゲストVoをフィーチャリングに招いたシングルの発表等、精力的な活動を見せてきた彼等。そんな華々しいアニバーサリー・イヤーを締めくくる本作は、andropらしいエッジーなバンド・サウンドを湛えたTrack.1からライヴ会場での大合唱が目に浮かぶTrack.10まで、バンドの生音感を大切にしたような楽曲が並ぶ。日本語で"万歳"を意味する"hooray"というタイトルの通り、これまでの軌跡を噛み締めながら、リスナーへ感謝の想いをまっすぐに伝えるハートウォーミングな1枚。
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ヒトリエ
NOTOK
9月の日比谷公園大音楽堂でサプライズ披露された、wowaka(Vo/Gt)作の曲で世に出ていなかった「NOTOK」。生前に遺されていたヴォーカルと演奏のデータをもとに3人が構築し、wowakaヴォーカルの新曲として完成した。"正解不正解なんて/あたしの中にしかないわ"と歌うこの曲を限られたパーツから、自身も、リスナーも、そしてwowakaも納得のいくものに仕上げる難しさは計り知れない。だが、その意義をリスナーの存在を通して実感しているからこそ、もはや使命感のようなものを持って届けてくれたのだろうし、間違いなく心を揺さぶる曲になったと思う。全曲wowakaが手掛けたナンバーでメジャー・デビュー10周年に刻む、バンドの初心と今の実力が交錯する作品。
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ExWHYZ(ex-EMPiRE)
ExWHYZ TOUR 2024 Futura Free+ 'Reinforce'
今年5月から7月にかけ、全国19都市20公演で行った"ExWHYZ TOUR 2024 'Futura Free'"の追加公演としてShin Sakiura(Gt/Ba/Pad)と堀 正輝(Dr/Beats)の2人をサポート・メンバーに迎えた特別編成ライヴ"ExWHYZ TOUR 2024 Futura Free+ 'Reinforce'"が映像作品化。ツアー半ばでメンバーのmayuが活動休止に入り、4人体制で成長を遂げてきたメンバーが、生演奏による有機的なダンス・ミュージックに後押しされて魅せる、120パーセントの歌唱、ダンス、表情が本作の見どころだ。特に、マイク・スタンドを使用して披露したアコースティック・バージョンの「4:00 a.m」は必見。演奏、演出、パフォーマンスが三位一体で織りなす美しいアートな世界観を堪能することができる。
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Eve
Under Blue
大ヒット曲「廻廻奇譚」も収録した前作『廻人』から約2年8ヶ月ぶりとなるアルバムは、その勢い衰えることなく、豪華タイアップ曲が目白押しの全19曲。「ティーンエイジブルー」や「スイートメモリー」では澄んだ空やきらめく水面を染める青春の青、「lazy cat」や「逃避行」では夜明けを待つ空を染める深い憂鬱のブルーと、爽やかなポップ・ロックもクールなダンス・ナンバーも色彩豊かに様々な"Blue"を描く。「さよならエンドロール」が象徴するように、ダークな感情を吐き出しながらも希望を見いだしていく姿は、地の底から青空を覗かせるジャケットにも通ずる。神秘的な「Under Blue」から、青の持つ冷たさを包み込むような「夢に逢えたら」が締めくくるラストも美しい。
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暴動クラブ
撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady
平均年齢21歳と思えないグラマラスなパフォーマンスや類稀なセンスで見る者のハートを射抜いてきた暴動クラブ。このたび発表したEPには、初恋の甘酸っぱさを思い出すようなリリックと、釘屋 玄の張り裂けんばかりの歌声が胸を締め付ける「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」、不良少女の苦悩や満たされない日常を描いた「あばずれセブンティーン」(浜田省吾カバー)等全4曲が収録された。ダウンロード/ストリーミング配信が一切なく、CDでのみリリースするという挑戦や、懐かしさを感じさせる純粋なロックンロール・サウンドでリスナーの心を鷲掴みにし、現代のロック・スターとしてその道を突き進む彼等。今後の活躍からも目が離せない。
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Apes
GATEWAY
2021年、"次ロッ研"オーディション初代グランプリに輝いたApesは、躍進を続け今年メジャー進出。メジャー1作目ながらラフさを纏った前作に続き、今作でも型にはまることなくさらなる進化を遂げた。漠然とした不安、孤独、満たされない心――若者の嘘のない言葉たちが、心地よいオルタナティヴ・ロックとともに沁み渡っていく。そんななかグランジに振り切った「Reservoir Dogs」はライヴ感に溢れ、突如流れるエンドロールのような展開も含めて自由度の高さが光る。そして「Progress」では、不確定な未来だからこそ自由だというメッセージに、肩の荷が下りるような安心感と希望を宿らせた。新たな世界の"入口"に立った彼等の可能性はまだまだ未知数で、どこまでも自由だ。
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CHASE ATLANTIC
Lost In Heaven
オーストラリア出身(現在はロサンゼルス在住)の3人組、CHASE ATLANTIC。同じくオーストラリア出身のTAME IMPALAからの影響を公言している通り、ロックとも密接したモダンなR&Bサウンドが特徴的だ。バンド・スタイルであるCHASE ATLANTICの持ち味が活きた、ライヴ・パフォーマンスが連想されるキャッチーなメロディ、洗練されたプロダクションも完成度が高い。今作制作時には、曲作りに使っていたラップトップの故障でデータがなくなってしまうトラブルがあったようだが、心折れずにここまでしっかりとアルバムを作り込めたというのもすごい。中性的な甘いヴォーカルと、メンバー全員のシュッとしたルックスも含め、K-POPファンにも響きそう。
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PRIMAL SCREAM
Come Ahead
2016年リリースの『Chaosmosis』以来8年ぶり、12枚目となるPRIMAL SCREAMのアルバム『Come Ahead』。今作も、ファンキーでサイケデリック、それでいて伝統的な様式美を感じるロックンロールと、フロントマン Bobby Gillespieのこだわりがふんだんに盛り込まれた作品となっている。ライヴにも帯同するHOUSE GOSPEL CHOIRのコーラス、ストリングスをはじめとした様々な楽器のプロフェッショナルを迎えたサウンドは、聴き応えがある。いくらでも合成音声やシンセ、打ち込み等を用いて少人数で重厚感のある音楽が作れてしまうこの現代において、ここまで大所帯で作り上げるリッチなサウンドはまさに贅沢の極み。
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サンドリオン
SoundOrion Memorial BEST!!!!
2016年春に始動したスターダストプロモーション声優部のオーディションで、約5,000人の中から選ばれた黒木ほの香、小峯愛未、小山百代、汐入あすかの4名からなる声優ユニット"サンドリオン"。残念ながら彼女たちは2024年12月25日をもって解散してしまうことになっているが、最後に約8年間の活動の集大成となるオールタイム・ベスト・アルバムを遺してくれた。本作はオーバーチュアを含めて全36曲の大ボリュームで、挙げ始めればキリがないが、その制作陣の豪華さには改めて驚かされる。1枚を通して感じさせる、約8年間の成長の軌跡とも言うべき声と歌唱力の変化には、ドリオンズならグッと来るものがあるはずだ。
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あらいやかしこ
WHY
あらいやかしこの、実に約6年ぶりとなる最新アルバム。ボカロPとしても活躍する梨本うい(Vo/Gt)が制作したボカロ曲をバンド・アレンジするあらいやかしこだが、ラウドでノイジーなサウンドに、梨本の感情的なヴォーカルで表現する楽曲たちは全くの別物。クソみたいな日々や自分を受け入れた上で、自己否定感や自身への苛立ちを爆音でぶっ飛ばす。「絶叫モブB」の"笑うんだ ほら開き直っては笑おうぜ"という一節のように、怒りや諦めの先にある開き直りの境地まで辿り着いてる感さえある歌や音が、鋭く深く心に突き刺さる。全曲一発録り、わずか6~7時間で録音したという今作に感じる、ヒリヒリとした緊張感やライヴ感もロック・アルバム然としてて非常にいい。
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Shawn Mendes
Shawn
自身のメンタル・ヘルスと闘いながら、約2年の歳月をかけて様々な場所で制作された5枚目のスタジオ・アルバム。自らの名前を冠したタイトルに加え、ジャケットに映る本人の顔つき、過去作に比べて落ち着きを纏ったメロディと、全てにおいて"成長"を感じずにはいられない。数年間の旅の経験が色濃く反映された本作は、Shawn Mendes史上最もパーソナルな作品となった。"不安"をひっくり返すような高揚感でボルテージを上げる「Why Why Why」をはじめ、"悲しみ"を祝福感溢れるコード進行で運ぶ「Heart Of Gold」等、見失いかけた自己との対峙で手にした確かな信念が楽曲に美しさを宿しているかのよう。新たな門出を祝う、愛に満ちた至高のアルバムがここに誕生した。
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the paddles
オールタイムラブユー E.P.
ライヴハウス・シーンを賑わす、大阪 寝屋川発、the paddlesの2nd EP。バンドの勢いと状態の良さを感じる力強いサウンドに、耳心地のよいポップなメロディと歌声、柄須賀皇司(Vo/Gt)のいいやつっぷりが滲み出たピュアでリアリティ溢れる歌詞世界と、彼等の魅力満載の5曲が収録された。軽快な曲調に乗せたキャッチーな旋律と印象的なフレーズがスッと耳に飛び込んでくる「愛の塊」で始まり、大切なイベント・タイトルを冠してライヴハウスへの熱い思いを歌う「余白を埋める」、"卒業"をテーマに永遠が永遠じゃない儚さや焦燥感を歌う「永遠になればいいのに!」と、ガッツリと心に残る楽曲たちばかりの良盤。ここからの飛躍も要注目!
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鎌野 愛
cocoon
実験的な1st、初めて言葉のある歌に挑んだ2ndアルバムを経てどちらの要素も現在進行形で曲ごとに落とし込んだEP。アブストラクトな側面とポップスの要素が並行する彼女らしいTrack.1はösterreichの高橋國光との共作詞も聴きどころだ。cinema staffの三島想平やGOTO(礼賛/DALLJUB STEP CLUB etc.)等辣腕が複雑なリズムと構成に挑むTrack.2のバンド・サウンドのダイナミズム、NHK連続テレビ小説"虎に翼"でも知られる波多野敦子ストリングスが参加したポストクラシカルなTrack.3、ダーク・ポップにも通じるエレクトロニックな音作りと世界観のTrack.4、ポエトリーと奥で聴こえるバンド・サウンドの妙が味わえるTrack.5等、想像力が拡張される作品集。
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VESPERBELL
RUMBLING
「Noise in Silence」には、オカモトコウキ(Gt/OKAMOTO'S)、GOTO(Dr/礼賛/DALLJUB STEP CLUB/あらかじめ決められた恋人たちへ)、バンビ(Ba/アカシック)といった面々が集結。さらに「Bell Ringer」は、コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)での活動でも話題を集めたDJ KSUKEの作曲であり、バックアップも固い。しかし何よりも輝いているのは2人の歌声だ。ラップも似合うハスキーでパワフルなヨミの歌声、老若男女の耳に馴染みやすい優しいカスカの歌声。溶け合うことなく、しかし2人で手を繋ぐように息ぴったりに響き合うハーモニーは聴き応えたっぷり。タフなロック・チューンを華麗に歌いこなす"強さ"から目が離せない。
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篠塚将行
DEMO
今年活動休止を発表したそれでも世界が続くならのヴォーカルでソングライターの篠塚将行の初ソロ・アルバム。彼のファンにはこんなことは馬の耳に念仏だろうけれど、篠塚という人は曲を作って歌わないとほんとに死んでしまうんじゃないかと、前向きな意味で思ってしまった。というのもここにある18曲はほとんどがアコギの弾き語りで、1テイク入魂の演奏と歌に彼自身が誰よりも息をしている実感があるに違いないからだ。苦しくて仕方ない人に"悲しみから立ち直らなくていい"、"君だけが君の友達さ"と歌い、時に怒りに任せて暴言を吐く。聴いていると自分も言葉を書いて歌えばいいんじゃないか? と思い始める。それが彼の狙いかもしれない。
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berry meet
昼下がりの星、続く旅路
2022年結成のスリーピース・バンド berry meetが2ndミニ・アルバムをリリース。鮮やかなメロディが颯爽と駆けるサマー・チューン「青の魔法」、ソリッドなベースの歪みが鼓膜を揺らす「紬」と勢いある2曲で幕を開けるが、以降のボルテージは一変、等身大のソングライティングで紡がれるバラードを中心に構成される。恋の断片的な記憶を手繰り寄せるように、切なくも温かいコーラスが聴き手をうっとりさせるだろう。中でもポエティックな詞に思わず耳を傾けてしまうチルアウトな「星になりたい」は、詩集盤のリリースにも箔を付けるよう。終盤に収録される、100万回再生超えのMVが話題の「溺愛」も必聴だ。サビの合いの手にはギュッと胸を掴まれる。
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クジラ夜の街
恋、それは電影
映画の世界観がテーマの通称"恋盤"。スポーツ選手を主人公に描く熱いロック・チューン「SHUJINKO」、"銀河のはずれ"のサービス・エリアを舞台にした「ホットドッグ・プラネッタ」、雨に心踊る"魔女"のアグレッシヴなダンス・ロック「雨の魔女」と様々に紡がれる物語はオムニバス映画のよう。崎山蒼志とのコラボ「劇情」でも舞台俳優への募る想いを丁寧に辿る。悲劇の最期をキラキラなダンス・ポップに昇華した「End Roll」や、畳み掛けるライミングをダークなトラックに乗せた「出戻 (Interlude)」、別れのシーンをシアトリカルに描くロック・バラード「それだけ」と、サウンドの振り幅もドラマチックだ。現実世界と地続きの遊び心溢れるファンタジーはまさに真骨頂。
LIVE INFO
- 2025.02.21
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RELEASE INFO
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