Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

チーナフィルハーモニックオーケストラ

2016年06月号掲載

いいね!

Member:椎名 杏子(Vo/Pf) 柴 由佳子(Violin) HAPPY(Dr) 角谷 奈緒子(Viola) Sohey(Cello/Ba) ほしやま かなこ(Harp)

Interviewer:沖 さやこ

-みなさんは今回のクラウドファンディングに関してどう思っていらっしゃいますか?

柴:恥ずかしい話、あまり知識がなくて、まずは調べるところから始めました。いろんな人の方法や内容を見ていくうちに、"こちらから何を提案したら面白いか?"と考えるのが大事なんだなと思って。新しい方法としてとてもいい機会をいただいたなと思っています。

角谷:最近周りにクラウドファンディングをやっている人がちょこちょこいて。チーナフィルの場合は購入型のスタイルで、それも"コーラスに参加してもらう"、"譜面をプレゼント"といったように、内容がすごく面白いんですよね。チーナのメンバーがフィルのメンバーのことも考えてくれてるし、お客さんに対しても"譜面を大事にしているバンドだし、お客さんも譜面を見る機会はなかなかないだろうから見てもらおう"とか――愛情深いコミュニケーションを築いているバンドであることや、楽しいことをしようという気持ちが見える企画なので嬉しいなと思います。

ほしやま:投資してくれる方にバックをするというシステムはすごくいいなと思って。私自身、ものづくりをしている人と関わることが多いので、そっちにもいろいろ情報を回せたらと思っています。

HAPPY:音楽はCDやレコードという完成形をお客さんに聴いてもらうものだと思っていたので、"音楽でどうやって途中参加をするんだろう?"と最初はイメージがなかなか湧かなかったんです。でも、譜面をもらえる、"Special Thanks"の欄に名前が載る、コーラス参加できるとか......そうやってお客さんに参加してもらうことで、みんなとの距離がグッと縮まって、僕たちの制作過程を見てもらえるのがすごく嬉しいです。

Sohey:僕は5年くらい前からSOURで2回クラウドファンディングを利用してMVを作っているんです。クラウドファンディングの値段はCDよりも高いものが多いから、それに対して自分たちが見合ったものを届けられているかどうか最初は自信がなくて。でもファンディングしてくれる人がいて、そこにコメントをつけてくれたりすると......すごくグッとくるんですよね。それに加えて、購入してくれた方へのバックを通じて距離も縮まって。ライヴを観てもらう、CDを買ってもらう以外にもうひとつ交流の仕方が増えて、普通のバンド活動をしているだけでは得られない嬉しさがありました。

椎名:参加のパーセンテージが上がるたびに、心の底から叫びたくなるような喜びがあります。飛行機で来て参加してくれる人もいるので......本当に嬉しいですし、重みもとても感じています。

-チーナフィルのクラウドファンディングのサポート・メニューは7種類。"CD制作の段階からいつもより面白くしたい"とのことで、どのメニューもアイディア満載で魅力的でした。限定DVD、Special Thanksの名前記載、レコーディングにコーラスとして参加する権利などなど......普通ではできないことばかりです。

椎名:"レコーディングに参加してもらう"ことをテーマにメニューを考えました。お客さんから"私なんかが歌っていいの?"と言われることが多いんですけど、ぜひとも歌ってほしいんです。

柴:レコーディング・スタジオに入る機会はなかなかないと思うので、"あ、こんなところなんだ!"、"ツマミがいっぱいある!"みたいな感じで、社会見学のつもりで来てもらえたらいいですね。

椎名:参加してもらったら、"自分が作ったCD"になると思うんです。それは本当に特別なものなので......その感覚をお客さんにも味わってもらいたい。緊張せずにレコーディングに来てほしいです。このニュー・アルバムに入れる曲は、"お客さんにコーラスを入れてもらう"ということをメインに考えて作ったものなんですよ。だからどうしても参加してほしくて、一般的なコーラス参加のお値段よりもだいぶ破格にして。"心からコーラスできるものにしたいな"と思って歌詞も何度も書き直したんです。コーラスに参加してもらうなら、CDになったときに"これは自分の曲だ"と思ってほしかったから、お客さんの気持ちが投影できる曲にして。だからぜひコーラスに参加してほしいです。

-クラウドファンディングがきっかけで、ソング・ライティングにも新しい価値観が生まれたんですね。

椎名:本当にそうですね。コーラスはみんなでわいわい楽しいイメージがあるけど、それだけで終わらせたくはなくて。"どうしてお客さんはライヴに来てくれるんだろう"、"なんで私たちの曲を聴いてくれるんだろう"、"きっとチーナフィルのお客さんはちょっとひねくれてるだろうな......(笑)"とか、そういうことも考えて。個々がちゃんと自分の曲として歌えるものにしたいという気持ちが強かったんです。お客さんの存在はすごくバンドに影響していると思います。

-2017年2月25日(土)には代官山UNITでのライヴが決定しています。

椎名:会場がひとつになるように、客席からチーナフィルの一員としてコーラス参加してほしいなと思っています。レコーディングに参加して、CDを聴いて、ライヴで一緒にそれをやってもらうというのは、すごく夢があると思うし。チーナはじっくり聴き入るお客さんが多いんですけど、(みんなで一緒に歌うということを)やるからにはイチからお客さんと一緒になってやるところにチーナフィルらしさがあると思っています。2月のライヴではチーナフィル史上一番大きな声のコーラスが会場で聴こえるのかな......と思うと楽しみです。