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INTERVIEW

Japanese

"SCHOOL OF LOCK!"とーやま校長&あしざわ教頭

2017年02月号掲載

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Member:SCHOOL OF LOCK!: とーやま校長 あしざわ教頭

Interviewer:岡本 貴之

TOKYO FMの人気番組"SCHOOL OF LOCK!"とEggsがタッグを組んで送る、10代アーティスト限定の夏フェス"未確認フェスティバル"の開催が2017年も決定した。"閃光ライオット"を受け継いでスタートしてから今年で3回目となり、新人アーティストの登竜門としてますます大きな注目を集める同イベントへの思いを、"SCHOOL OF LOCK!"とーやま校長とあしざわ教頭のふたりに語ってもらった。

-"未確認フェスティバル"は今年で3回目となりますが、2015年は3,254組、2016年はそれを上回る3,364組の応募がありました。これまで開催された2回を振り返ってどんな印象を持っていらっしゃいますか?

とーやま校長:1年間、毎日ラジオで喋らせてもらってるんですけど、いろんなところで"この1年で印象に残った出来事はなんですか?"って聞かれると一番に出てくるのが、やっぱり夏の"未確認フェスティバル"なんです。僕もそうですし、ラジオを聴いてくれているみんなからもそういう声が多いので、もう身体に刻み込まれているものだと思うんですよね。なんか、"イベント"っていう感じが僕は全然してなくて。みんなで一緒に遊ぶ場でもあるし、何かを刻みつける場所でもあったりして。笑顔もあるし、泣いてる奴もたくさんいるし、お客さん側にいる奴も泣いてるし。そういう場所ってなかなかないんじゃないかなって思うので、今年も開催されることが嬉しいです。

あしざわ教頭:いろんな"初めて"があるというか。人前で何かをやるとか、こんなにたくさんの人に見られるとか、誰かと競うとか、ライヴを観るのが初めてな人もいるわけで。そこで初めて経験することが結構あると思うんですよ。僕らがライヴを観に行くときは、プロの方のできあがったものを観ることが多かったりするんですけど、未完成かもしれないけどその瞬間に変わったりする様子を観られることってあんまりないし、他のライヴでもそういうことってないなって。校長も言ってましたけど、イベントというか、大会でもないし、なんか不思議な場所なんですよね。何かがぶつかっていることはわかるけど、"これはなんだろう?"というものをみんなが持って帰るみたいな。すごく感動したり、悔しかったり、自分の応援していたアーティストがうまく行かなかったり、自分が次にあの場所に立ちたいと思ったりとか。そういういろんなものが生まれる場所、結晶体というか。不思議な場所というか、なかなかうまく形容できないものがありますね。

"Eggs"誕生以降のインディーズ・バンド・シーンの盛り上がりをどのように感じていますか?

とーやま校長:僕もEggsでちょくちょく聴かせてもらったり、Twitterでアーティストをフォローさせてもらったり、"僕らもEggsに曲があるんですよ"ってツイートを見て聴いたりするんですけど、僕が10代のころに比べたら、今の10代の子は知識も情報量も破格で、それこそ何千倍くらいあるので。僕らが学生のころって、ひとつ流行ったものがあったらみんなそっちに行っちゃうというか、UKロックが流行ったらみんなUKロックっぽいバンドを組んでたんです。でももう、今は世界中の音楽が知れちゃいますよね。だからEggsでいろいろ聴いてても、"これはどうやって音を作ってるんだろう?"とか、"どうやって録音しているんだろう?"っていうくらい、ちゃんとしたエンジニアがついていないと録れないような音があって。それはずっと驚きですね。

あしざわ教頭:たぶん、今までってそういう音楽をやっている周りの様子はわからなかったと思うんです。自分が音楽をやりたいと思っていても、その仲間を見つけるのにめちゃくちゃ時間がかかるとか、話し掛ける勇気がないとか、意外とそういうところで時間がかかってしまったり(笑)。だからこその喜びもあるんでしょうけど、今はすぐに"あ、この人自分と同じことをやりたがってる"とか、自分が聴いてみたい音楽ってすぐにわかるし、しかも今はそれが都道府県別になっていたりするじゃないですか? 自分の仲間がこんなにもいるんだっていう安心感とか、ライバル心も生まれるかもしれないし、"世の中には自分の味方がいっぱいいる"っていうふうに見えるんじゃないかなって。

-ネット上で出会ってバンドを組む人も結構普通にいますもんね。そういうところはおふたりが10代のころとかなり違うところだと思いますけど、自分が10代のころから考えるとうらやましい気持ちもあります?

あしざわ教頭:僕らはもうこの歳になっちゃってるし、そのタイミングで共有できていないので(笑)。彼らの世代はナチュラルに当然のごとくそうしていると思うし、そこでの悩みもあったりするんでしょうけど。でも、仲間がすぐに見つかるのはうらやましいかもしれないですね。

とーやま校長:今聞いてて思ったんですけど、さらに面白いことができそうだなって。毎回、"3次ライヴ審査"って呼んでいるライヴ・ステージがあるんですけど、例えばEggsとかFacebookとかTwitterで知り合ってユニットを組んで、曲を交換して作っているんだけど実際会ったことがない、"今日このライヴ・ステージで初めて会うんです"っていう奴らがやるライヴを観るのもすごく面白いと思うし、自分だったらそういうのをやってみたいです。可能性がめちゃくちゃあるという意味では、今の10代はすごくうらやましいですね。僕らの考えることなんて、凝り固まってるようなことしかないと思うんですけど、今はとんでもない角度からぶち込んでくる子たちもいると思うので。

-それは楽曲の特徴からも感じることですか。

とーやま校長:そうですね。去年出場したロケットボーイズっていう奴らは、めちゃくちゃだったんですよ(笑)。楽器のセットは置いてあるんですけど、最初に4人で出てきて、まずハンドマイクでラップをやって。そのあと持ち場について楽器をやるけども、急に銀杏BOYZをもっと青くしたようなパンクっぽい音を鳴らしてみたりとか、15分間の使い方が自由すぎて。そういう、"ただやりたいことをやり尽くす"っていう人たちを何度も目の当たりにしているので観ていて楽しいです。