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青春の日々に追い求めた夢も、それに伴う葛藤も、終わってしまった恋の後悔も、大切なものを失った悲しみも。人生で出会う喜怒哀楽のすべては、心に保存され(=Storage)、それぞれの人間をかたちづくる大切なものである。そんなことに気づかせてくれる、ザ・モアイズユーの1stフル・アルバム。本多真央(Vo/Gt)の朴訥とした歌声で紡ぐセンチメンタルなメロディを軸にしつつ、華やかにホーンを取り入れた「MUSIC!!」、80sなサマー・ソング「ブルースカイブルー」、メロウなラップ曲「求め合うたび」など、丁寧なアプローチで振り幅を広げた全13曲が並ぶ。珠玉は、バラード「Afterglow」。悲しみの残光で未来を照らす、優しい祈りの歌が胸を打つ。(秦 理絵)
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初の全国流通盤『想い出にメロディーを』から約1年4ヶ月ぶりとなる、大阪発の3ピース、ザ・モアイズユーの新曲は、4ヶ月連続の配信リリース。恋に臆病な情けない男のダンス・ナンバー「すれ違い」を皮切りに、誰かと比べてしまう弱さと葛藤するギター・ロック「環状線」、初めてキーボードを取り入れた繊細なバラード「悲しみが消える頃」、若さゆえの無敵感がアグレッシヴなロックとマッチした「19」という幅広い楽曲が並ぶ。特筆すべきはソングライティング、アレンジ、演奏など、あらゆる点でバンド初のチャレンジを盛り込んだこと。決して同じ場所には留まらないというバンドの意地を滲ませつつ、"完璧にはなれない自分"を歌うという変わらないスタンスも貫かれているところがいい。(秦 理絵)
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大阪発の3ピース・バンド、初の全国流通盤。"想い出にメロディーを"というタイトルが表す通り、季節の移ろいの中でたしかに動いた感情や思い出を、センチメンタルなメロディに乗せて丹念に切り取っていく楽曲たちは、日本人の琴線に触れるエヴァーグリーンなものばかり。バンド初のスロー・バラード「桜の花びら」から、"君"に溺れる切ない気持ちを躍動感溢れるロックへと昇華させた「fake」など、様々な恋模様を描いた幅広い楽曲にこのバンドのポテンシャルを感じるが、決して順風満帆ではなかったバンドの軌跡を滲ませた「光の先には」や「何度でも」にはロック・バンドとしての矜持が窺える。何度も負け続けた悔しさを知るバンドだからこそ、その歌には言葉を超えた説得力がある。(秦 理絵)