Japanese
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チーナフィルの開会宣言めいた、メロディ楽器がユニゾンでリフを展開する「はじまる」の力強い幕開けから、バンドで表現するフィルハーモニックの楽しさに胸が躍る。「コーラス讃歌」はクラウドファンディングでプロジェクトに参加した人々による、"コーラス参加"が大迫力。"私は歌う歌わずにいられない"というフレーズが一塊の感情となって押し寄せる様に圧倒されてほしい。ハープのイントロが美しい「紙ひこうき」が醸し出す、人と人の繋がりを感じさせる雰囲気も、大所帯で奏でるアンサンブルによっておおらかな印象を残す。ストリングス、ホーン、ハープ、スティールパンなどの音と、母体であるチーナが渾然一体となった生音の楽団ならではのカタルシス、そしてあくまでバンド音楽の延長としてのオリジナリティを両立。(石角 友香)