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チーナフィルの開会宣言めいた、メロディ楽器がユニゾンでリフを展開する「はじまる」の力強い幕開けから、バンドで表現するフィルハーモニックの楽しさに胸が躍る。「コーラス讃歌」はクラウドファンディングでプロジェクトに参加した人々による、"コーラス参加"が大迫力。"私は歌う歌わずにいられない"というフレーズが一塊の感情となって押し寄せる様に圧倒されてほしい。ハープのイントロが美しい「紙ひこうき」が醸し出す、人と人の繋がりを感じさせる雰囲気も、大所帯で奏でるアンサンブルによっておおらかな印象を残す。ストリングス、ホーン、ハープ、スティールパンなどの音と、母体であるチーナが渾然一体となった生音の楽団ならではのカタルシス、そしてあくまでバンド音楽の延長としてのオリジナリティを両立。(石角 友香)
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1曲目からピアノ、ギター、ヴァイオリン、コントラバス、ドラムがビートとして一塊になって前進していく「世界が全部嘘だとしても」に、今のチーナというか、フロントウーマンである椎名杏子(Vo/Pf)の思いが溢れている。そして、チェンバー・ロックの括りに収まり切らないヒップホップ的な「いい人間になりたいよ」や、ポスト・ロック調の「魚」。インストの「Schwarzwald」のピアノとスキャット、ドラムからなる構成は、編成は違うがどこかtricotなどにも通じる透明感と轟音が同居。独り言のような「キャラメルの包み」は、個人的にはきのこ帝国の「クロノスタシス」に通じる愛らしさも。"この世界でどう生きる? 答えはないけど、生きて行こう"――聴き終えてそんな気持ちになれる10曲が詰まっている。 (石角 友香)
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いわゆるギター、ベース、ドラムのロック・バンドのフォーマットに則らない、ヴァイオリンやホーンの入ったバンドが世界各地で頭角を現す今。チーナは日本、そして東京に生きる女の子のリアルをちゃんと封じ込めた音楽として無二の存在と言えるだろう。7曲入りの今作では、コントラバスの林絵里を始め、何人かのメンバーのマスロック志向が表出した「大きな渦」といった新機軸もパッケージ。また、椎名杏子が作る、日常のなにげない事象に対するシニカルな視点や、女の子のいい意味でのしたたかさやあっけらかんとした強さを描いた歌詞が印象的な「テレビドラマ」や「四面楚歌」など、言葉のチョイスも面白い。編成のユニークさのみならず、テーマや楽曲のオンリー・ワンっぷりが増した、最新鋭のロック/ポップ作。(石角 友香)
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ピアノ・ヴォーカル、ヴァイオリン、コントラバス、ギター兼マイクロコルグ、サポート・ドラムという個性的な編成のグループ。クラシック楽器でコミカルに奏でられる楽曲は可愛らしく、オーケストラルな多彩な音色が耳に心地良い。だが、クラシック楽器がサウンドの中心にあるにも関わらず、間違いなくバンド・サウンドになっているのが面白い。そして、サウンド以上に耳が惹かれるのがその歌詞だ。言葉の1つ1つは限りなくシュール。けれども、その言葉が織りなすのは現実とお伽話の狭間にあるような摩訶不思議な世界。ただ無心に音を追おうとする意識に、強引とも思えるくらい強烈に、チーナの紡ぐ物語が刻みつけられる。1度聴けばその世界に捕まってしまう。驚くほどの吸引力をぜひ体感していただきたい。(石井 理紗子)