Japanese
2018.05.06
"JAPAN JAM 2018"
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"JAPAN JAM 2018"
5月6日(日)千葉市蘇我スポーツ公園
開場 10:00/ 開演 11:30/ 終演 21:00 (予定)
チケットの詳細はこちら
■オフィシャル・サイト:https://japanjam.jp/
VENUE INFORMATION
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DANCEJILLION
"ダンス"を追求し続けてきたKEYTALKが、改めて"ダンス"と向き合ったアルバム。1曲目の「ハコワレサマー」が八木優樹(Dr/Cho)の書いた曲であるように、誰がメインで誰がオルタナティヴではなく、ソングライターとしてもプレイヤーとしても4人揃ってド真ん中を狙う姿勢。そしてKEYTALKがKEYTALKであるために4人が身につけた"王道"は、外から見ると"異様"であり、とんでもないスゴ技であることが今作を聴くとよくわかる。山場だらけのメロディ。突然の転調。それを見事に乗りこなすツイン・ヴォーカル。不思議な軌道を描くギター。様々なリズム・パターンを繰り出すドラム。これだけいろいろやっているのにどこかケロッとしているのは、重ねた歳月によるところが大きいのだろう。
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ACTION!
思えばコロナ禍以前にリリースした「サンライズ」が、彼らには珍しいファストなポップ・パンクだったのも、バンドが初期衝動に満ちていた予兆だったのかも。何度も更新されてきたKEYTALK流カーニバル・ソングは、「宴はヨイヨイ恋しぐれ」でゴリゴリした感触さえ残すし、前作以降、冴えを見せる首藤義勝のファルセットは奇妙なメロの「大脱走」で映えているし、EDM路線でありつつドラムは生音がタフな「ラグエモーション」、16ビートの中にハード・ロック・テイストが否応なしに滲む「不死鳥」は、小野武正のギターあってこそ。終盤は首藤のソロ・ヴォーカル曲「あなたは十六夜」、「愛文」、寺中友将の「照れ隠し」が並ぶことで、自然体の歌詞の強さも伝わる。結成12年にしてこの飽くなき好奇心と振り幅が彼ららしい。
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Best Selection Album of Victor Years
2013年にメジャー・デビューしてからの、14枚のシングル表題曲+タイアップやライヴ人気曲からなる20曲に、怒濤の5年間の進化を感じるベスト・セレクション。首藤義勝、寺中友将のツイン・ヴォーカル、四つ打ち、目まぐるしい転調とどこかメランコリックなメロディは今でも独特だ。「MONSTER DANCE」、「桜花爛漫」など和テイストの振り切れっぷり、祭りというテーマを太いファンクに昇華した「MATSURI BAYASHI」あたりから、全体の屈強さもアップ。ストリングスとプリミティヴなビートと、EDM風味を融合させた「Summer Venus」に至っては、楽しいことを120パーセント体現するKEYTALKの真骨頂だ。完全生産盤にはライヴ映像も。フィジカルならではのお楽しみは見逃せない。
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ビクター時代のc/w集。人気曲「OSAKA SUNTAN」、寺中友将(Vo/Gt)の美メロ・メーカーぶりが発揮された「エンドロール」、ルーツであるthe band apart的なアレンジにニヤリとする「O型」、怒濤のブラストビートの「ナンバーブレイン」、小野武正(Gt/MC/Cho)、八木優樹(Dr/Cho)の共作で、めくるめく展開や早口のトーキングVoがユニークな「鏡花水月」、テクニックの高さを笑えるスクリーモ(!?)に昇華した「One side grilled meat」、レア・グルーヴ~ニュージャズ風の「wasted」、タフさが増した「SAMURAI REVOLUTION」、モンドなメロディが癖になる「誓い」など、高い作編曲能力と斜め上のセンスを満喫できる。
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DON'T STOP THE MUSIC
移籍第1弾アルバムを幕開けるのは「DE'DEVIL DANCER」。この曲で思い起こすのは、最強のライヴ・チューンとしてバンドのスケールを大きくした「MONSTER DANCE」。あの曲のリリースから5年を経て、タフに進化をした今のKEYTALKが爆裂なダンス・チューンを描いたらどうなるかというのが冒頭の曲だ。同曲を筆頭にスマートなアレンジ力に磨きをかけて、EDMからロカビリー、彼らならではの躁的でカオスなサウンドからグッド・メロディのキャッチーさまで、多彩なエッセンスをKEYTALK節として昇華した12曲。4人のキャラクターを生かして曲を書き、曲の物語や力を最大限にするアイディアを重ね、テクニカルな面でも緻密なこだわりを感じる。ライヴでどう化けていくか楽しみ。
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BUBBLE-GUM MAGIC
結成10周年にしてレーベルを移籍。新たな一歩を印象づけるのに十分なシングルが到着した。表題曲は、首藤義勝(Vo/Ba)のソングライターとしての新生面が発揮された、早めのポップ・ファンク・チューン。ソウルのフレーズを散りばめながら、サビではEDM以降のポップスのニュアンスを汲むメロディやコーラス、さらに間奏では小野武正(Gt/MC/Cho)のソロが炸裂するという情報量の多さ。しかも4人の音で構築するダンス・ミュージックであることに彼ららしいバンドの意地と矜持も。一方の「海」は寺中友将(Vo/Gt)お得意のスケール感のある爽快なバラード。ピアノとアコギを映えさせ、以前より隙間の多いアレンジが歌を際立たせている。聴き応えと浸透力の高さ、新しい音像を両立させた快作。
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清涼飲料水、しかも盛夏のリリースというと、ポップ・ソングの王道感がひとつの系譜としてあるが、今の時代の"それ"をKEYTALKが体現してくれた。アレンジとプロデュースにJ-POPのヒット・メーカーである蔦谷好位置を迎えた「Cheers!」は、ポップ・パンクな曲調がシングル表題では新鮮な印象で、ごくさりげないアレンジで効果的に配置されたストリングスとの相性もいい。首藤義勝(Vo/Ba)の新鮮な曲作り、蔦谷の客観的な視点が功を奏した。c/wは寺中友将(Vo/Gt)の作詞作曲による赤十字運動月間ショートムービーのタイアップ曲「東京シネマ」。寺中十八番の美メロに一歩踏み込んだ歌詞の表現も加わって、ニュートラルに前を向かせてくれるロック・ナンバーに。2曲ともストレートなテーマを昇華していて力強い。
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アゲアゲのパーティー・ナンバーに替わる、KEYTALKの新しい武器が満載の5thアルバム。グッと生感やソリッドさが増した『ロトカ・ヴォルテラ』以降の質感を感じながらも、小野武正(Gt/MC/Cho)のジャズ、フュージョンという背景を感じる「nayuta」や、これまで以上にAOR路線に振り切った首藤義勝(Vo/Ba)作の「雨宿り」、ロー・ギアなのに速い体感が新鮮な寺中友将(Vo/Gt)作の「ミッドナイトハイウェイ」、ライヴで活躍しそうな八木優樹(Dr/Cho)作の「テキーラキラー」など、1曲1曲の存在感や濃度が高い。その中で、異なる音像だからこそ既発シングルの良さも改めてわかるという、なかなか練られた構成だ。全12曲を通して聴いてこそわかる、虹のようなKEYTALKの多様性を味わってほしい。
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KEYTALK、2018年一発目のシングル。アッパーで攻める彼らの常道でありながら、恋愛における、食うか食われるか? 的なスリリングな瞬間をほのめかした歌詞や、それを引き立てるダークで速い曲調が新鮮。ストレートにかっこいいだけで済まないのがKEYTALKならではの危うい曲自体のアップデートに繋がっていて、度重なるリズム・チェンジ、エクストリームなギター・アレンジ、そして歌謡としての強度を誇るメロディという過積載っぷりにニヤついてしまう。もう1曲の「アオイウタ」は"音楽と旅が大好きだ #KEYTALKとANA旅キャンペーン"CFソング。まさに今すぐ旅したくなる開放感溢れる1曲。さりげない転調や寺中友将(Vo/Gt)のR&Bシンガー顔負けのスムーズなヴォーカルも心地よさを増幅する。
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セツナユメミシ
前作「黄昏シンフォニー」に続き、今のKEYTALKが考える"普遍性"が、お馴染みの和なメロディやギター・リフ、親しみやすい歌メロに集約されている感があるタイトル・チューン「セツナユメミシ」は首藤義勝(Vo/Ba)作の楽曲。ただもちろん聴きやすさの中にもアウトロ前の転調や、歌メロの裏で情景を描く小野武正(Gt/MC/Cho)のフレージングの細かさは過去最強かも。そしてこのシングル、メンバー全員の曲が収録されているのもアルバム以降のモードを知る絶好の手がかりで、ニュー・レイヴを再解釈したような小野作の楽曲、最もぶっ飛んだアート・ロック且つ真っ青で複雑なメロディを持つ八木優樹(Dr/Cho)作の楽曲の底知れない白昼夢感と不気味さには唖然。最後は素直でフォーキーな巨匠ナンバーで安定の締めくくりという、ボリューミーな1枚。
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KEYTALKにとって、初のドラマ主題歌の書き下ろしとなった「黄昏シンフォニー」。彼らとも共通する愛や生(性)へ関心の薄い、いわゆる"ゆとり/さとり世代"がいきなり赤ん坊と対峙し、自分の中にある未知の感情や行動に出会うというストーリーを今回のソングライターである寺中友将(Vo/Gt)はかなり汲んでいる。無垢な命と向き合い原点に戻る感覚、同時に自分はもう子供ではないという若干の寂しさや覚悟を"黄昏"に託しているように聞こえるからだ。ドラマと切り離しても彼らには珍しい速すぎない8ビートや歌い上げすぎないツイン・ヴォーカルですんなり歌詞が入る。首藤義勝(Vo/Ba)作の「F.A.T」はおしゃれ16ビートに陥ることなく必殺のフックと小野武正(Gt/MC/Cho)のリフで意表を突く。2曲とも曲作り功者KEYTALKが考える"いい曲"の新次元。
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PARADISE
「スターリングスター」から「ASTRO」に至るシングルでKEYTALKらしさを前面に出しつつ、同時に4人全員が作詞作曲した楽曲を収録するようになった現在のKEYTALKの楽曲のポテンシャルと、それをほぼ人力で演奏してしまうスキルの高さに驚嘆と笑いが自然に起こってしまう、会心の4thフル・アルバム。EDMが一瞬表れる首藤作のオープニング・ナンバー「Summer Venus」、小野のジャズ、フュージョン寄りの知識がジェットコースター級の展開を見せる「森羅万象」、一瞬で通り過ぎる八木作のデスメタル風「HOROBIRO」、寺中が洋楽シーンと符合するメロディで新生面を見せる「story」など、4人4様のアルバム曲が痛快。ポップだが、未知のアレンジ、アンサンブルで新境地を切り拓く姿勢に拍手したい。
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ASTRO
少々の懐かしさも漂う歌謡としての強さのある歌始まりからして意表を突く、KEYTALKの10枚目のシングル。何より、不安の最中にある過去の自分に対して、強く思うことで未知の可能性を掴める、もっと言えば自分は自分を裏切らないだろうという未来からの手紙のような力強いメッセージが新鮮だ。前作の表題曲「Love me」から徐々にストレートになってきた首藤楽曲のさらなる変化でもあり、これまで彼らのシャイネスゆえか前面に出してこなかった意思表明とも取れる。2分台のショート・チューンに8ビートも四つ打ちもスカも盛り込んで疾走する、とにかく熱い1曲。カップリングはインディーズ時代からの人気曲「amy」のライヴ音源を収録。従来のスタジオ・テイクとは異なるライヴならではの首藤、寺中のヴォーカルが聴きどころ。
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Love me
KEYTALKのシングル表題曲としては珍しい、ちょっとアップ気味のミディアム・テンポが新鮮な「Love me」。16ビートながら、さらっとポップに聴かせる音像が首藤義勝(Vo/Ba)作曲ナンバーらしい。そんな中でもゴリッとした感触の、小野武正(Gt/MC/Cho)のカッティングがロック・バンドのダンス・チューンとして個性を際立たせている。カップリングの寺中友将(Vo/Gt)作曲、歌詞は寺中と八木優樹(Dr/Cho)の共作である「SAMURAI REVOLUTION」は、"バンド戦国時代"など一瞬シリアスなバンド・シーンからの現状報告に思えて、語り口調やアレンジによって少々時代劇風のニュアンスも醸し、飛び道具っぽいユニークな1曲に仕上がっている印象も。「金木犀」は、アッパーな四つ打ちにハードなコード感、歌メロの裏を行く小野のギター・フレーズ、そしてエンディングの唐突ささえも小野らしい。
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KEYTALK
KTEP COMPLETE
KEYTALKのインディーズ時代の限定盤4作品、いわゆる"KTEPシリーズ"には、現在のライヴでもピーク・ポイントにくるキラー・チューンが満載。だが、今は入手困難で高値がついている状況に朗報! というわけで全曲をコンプリートしたアルバムをリリース。そりゃ「MABOROSHI SUMMER」も「祭りやろう」も「太陽系リフレイン」もCDで持っときたいでしょ! しかもお蔵入りになっていた「MABOROSHI SUMMER」の別バージョン、DVDにもこれまた廃盤になった"SUGAR TITLE TOUR DVD"、"オムスターの逆襲DVD"を収録。メジャー・デビュー以降や最近ファンになった人へのプレゼント的な企画でもあるが、KEYTALKの楽曲構造のオリジナリティ、レコーディングの工夫の跡が聴こえてくる大事な記録でもある。
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KEYTALK
MATSURI BAYASHI
2ヶ月連続リリースのシングルはKEYTALKの音楽的なレンジと演奏者としての攻めの姿勢を感じる、メンバー各々が作詞作曲した4曲を収録。寺中作の表題曲は彼お得意の"お祭り系"の中でも突出した太いファンクネスとスピード感が融合。爽快感の中に洋楽インディーなコーラスが映える首藤作の「boys & girls」、驚きのジャズ/フュージョン・テイストをものにした八木作の「wasted」は、KEYTALK史上最も大人なナンバーかも。そして前作収録の「KARAKURI夢ドキュメント」と連作めいた小野作「赤いサイコロのMAYAKASHI」。ぜひその繋がりも意識して聴いてみてほしい。それにしてもゲームのステージをクリアするような軽快さで、その実、曲のハードルを上げていく4人は逞しいのか、ドMなのか?(褒めてます)
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KEYTALK
HELLO WONDERLAND
四者四様の"KEYTALKのロック感"はいい意味で見事なまでにバラバラで、それだけにこのバンドの武器の多さも再認識させられる。首藤作のタイトル・チューンは80年代のサザンオールスターズばりの歌謡感と相対する演奏のタフさがキャッチーであるし、ファストなスカ調の小野作品は最も今のバンドの状態を示唆する歌詞が、彼のナイーヴな感受性の発見にも。作詞にもチャレンジした八木作品は、珍しく"ロックな二枚目"タイプの疾走する8ビートが激しく新鮮。一部リズム・チェンジする部分がむしろスタンダードに聴こえるのがKEYTALK節が定着した証か。ラストは寺中作の2ビート・メインのラウド/ミクスチャー系。エフェクト・ヴォイスで歌われる歌詞に意味を求めない怪作。クアトロAサイド・シングルと受け止めたい濃厚さ。
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KEYTALK
スターリングスター
フロント3人が曲を作れる強みはもちろん、『HOT!』から、フックありまくりでメロも残る首藤、美メロの巨匠(寺中)、シュールでエッジ立ちまくりの小野という役割分担が、この1年の経験を経て変化したことを感じるシングルだ。お互いの得意分野がよりKEYTALKとしての個性になって堂々と鳴らされる。それを最も象徴しているのが、大人になって自分のいる場所も自覚し、だからこそそこから見る夢について歌う「スターリングスター」の説得力。輝度の高いサウンドと上昇するサビが美しくも切ない。また、KEYTALKの作曲マナーも何気に綴られている「鏡花水月」のめくるめく展開、ピアノのアレンジが印象的な「summer end」。3曲とも曲ごとの色と言葉が鮮烈だ。
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KEYTALK
HOT!
退屈なロックもあれば、思いっきり尖ったJ-POPもある。呼び方なんてどうでもいい、とにかくまだ世の中に存在しないポップ・ミュージックを作るのだ。というKEYTALKのオリジナリティがグッと進化したメジャー2ndアルバム。いきなり1曲目から首藤(作詞作曲も)の脱力ラップで始まり怒涛の展開を見せる「YURAMEKI SUMMER」、歌を聴かせつつ低音の迫力も増した寺中作の「グローブ」、アブストラクトなビート感を人力で昇華した小野作の「Human Feedback」、最もこれまでのKEYTALKっぽいリズムを持つ八木作曲「キュビズム」には、小野のちょっとシニカルで歌詞的なものを超越する言葉が乗っているのも痛快だ。ハードな曲でもバラード寄りでも全体的に音像が豊かになったことも新鮮な聴感をもたらす。
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KEYTALK
FLAVOR FLAVOR
ぶっとい16ビートのイントロからガラリと景色が変わるサビ始まりと、どこか90年代以前の歌謡曲を思わせるメロディ。年齢を問わず甘酸っぱい思いが胸をよぎりそうな、KEYTALKが放つより広いフィールドを目指すタイトル・チューン「FLAVOR FLAVOR」。本格的な春の声もまだ聴こえないが、早くも夏が待ち遠しくなるほど季節感や温度のある楽曲だ。新たな王道を目指した首藤の同曲を始め、小野が幾何学的なフレーズを封印し、 ひたすらリフとコードで押しまくる(作詞・作曲も小野)「ナンバーブレイン」、寺中の美メロ体質が全面的に表出した「Stand By Me」では、同時にシンセやオルガンのアレンジが曲の輝度を上げ、彼ら流のシンセJ-POPワールドを表現。ジャンルが細分化された時代の中で普遍性に挑戦した1枚。
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KEYTALK
MONSTER DANCE
トライバルかつお囃子を思わせるビートから、往年のアイドル歌謡的なアレンジ、UKインディーぽい3連のソリッドなギター・リフ、サンバのリズムとエキゾチックなシタールの音......とおよそ世界のダンス、お祭り騒ぎが4分半にめくるめく速度で展開するタイトル曲の強烈さ。首藤のサザン好きが垣間見られる歌詞もニヤリとさせられる。一転、キラキラのキーボード・サウンドがJ-POPという呼称以前の日本のポップスを思い出させる「エンドロール」では寺中のセンスが炸裂。KEYTALKの作曲能力、エクストリームなアレンジ・センスが堪能できる前半2曲に続き、これまでを踏襲した「FREEDOM」、血液型シリーズ(?)第3弾「O型」の4曲を収録。さらに遠くまでKEYTALKの存在が届きそうなシングルだ。
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KEYTALK
OVERTONE
変拍子、転調、美メロ、そしてマスロック、メタル、ジャズ、フュージョン、ポップスという物理とジャンルが交錯しつつギリギリのバランスで成立するKEYTALKの男の子チックな世界観はそのままに、1曲ごとの強度が増したモンスター的な2ndアルバム。特に首藤義勝のソングライターとしての覚醒は凄まじく、「バミューダアンドロメダ」や「MURASAKI」に登場する一歩間違えると気持ち悪ささえある転調やマイナー・メロディと、妖しさ満載な歌詞は物理的なスリルのネクスト・レヴェルを見せる。また、エディットのセンスが冴えまくる小野武正の「BEAM」のテクノ的な痛快さ、美メロの王道を行く寺中友将の「メロディ」、初めて曲が収録された八木優樹の「YGB」も聴きどころ。脳と肉体を直撃する13曲。
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KEYTALK
パラレル
2ndシングルとなる本作は、プロデューサーにNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮。ももいろクローバーZやBABYMETAL、上坂すみれらの作品の作曲編曲も手がける)を迎え、彼の提案により一発録りに挑んだ新曲2曲を収録。ギター・サウンドの太さやリズムの臨場感は表題曲の「パラレル」「サイクル」ともにグッと増した印象。「パラレル」は4つ打ちから8ビート、レゲエ・ビートへとめまぐるしく変化するリズムも通して演奏していることで、流れの良さと勢いが加速。「サイクル」は寺中のラップ調の早口ヴォーカルが新鮮だ。また、通常盤には昨年11月17日のLIQUIDROOMのライヴから「UNITY」を収録。初回限定盤にはなんと7曲を収録! 現場感に胸躍る。
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KEYTALK
コースター
攻めのキャッチーでリスナーをフック・アップするKEYTALKが放つメジャーからの第1弾シングル。タイトルになっている「コースター」は四つ打ちとトリッキーなギターはもちろん、寺中と首藤の異なる声質かつどちらも伸びやかなヴォーカルが交互に登場するスピード感も聴きどころ。小野のギターが暴れまくる「スポットライト」、90年代のロック寄りの、J-POPにも似た王道感のあるメロディ・ラインが、同世代、同系列、いや、他の世代にもなかなかないスケール感の「Winter March」はライヴキッズ以外にもぜひ聴いてもらいたい逸品。一転、幾何学的なギター・リフと踊れるビートに時折挟まれるシンコペーションや、歌とベースのユニゾンなど、アレンジも演奏も痛快な「OSAKA SUNTAN」の新曲4曲を大盤振舞い。
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KEYTALK
ONE SHOT WONDER
the cabsにも在籍の首藤義勝(Vo/Ba)と寺中友将(Vo/Gt)のツイン・ヴォーカルとALASKA JAMなど様々なバンドでギターを弾く小野武正(Gt)、そして八木優樹(Dr)からなる4人組バンドKEYTALKが待望の1stフル・アルバムがリリース。彼らの武器である超絶キャッチーなギター・ロック・サウンド、先を読めない展開は更に進化をしている。Track.3「fiction escape」の疾走感溢れる軽快で陽気なポップ・チューンからTrack.7「茜色」のホロリとさせるバラード、そしてまさにJ-POPの真骨頂とも言えるキャッチーなメロディを料理したTrack.11「summer tail」。2009年に結成してからKEYTALKファンが首を長くして待ちわびた1stフル・アルバムは期待を裏切らない超絶キャッチーな作品だ。
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KEYTALK
KTEP2
CDを再生した瞬間から“これは……!”と唸らずにはいられないキラー・チューンが詰め込まれた攻めの2000枚限定マキシ・シングル! 凝ったマニアック性と大衆の心もグッと掴みそうなキャッチーなメロディの絶妙なところをついてくるバランス感覚はさすが。かゆいところに手が届くような“こんな曲たちを待ってた!”と声高らかに叫びたくなる快作。Track.1「MABOROSHI SUMMER」はアッと驚くような予想もつかない展開がクセになり、気になるワードが詰め込まれた初っ端からぶちかましている1曲。ポップにもロックにも全速力で駆け抜けていくジェット・コースターのような全4曲にKEYTALKというバンドの多面性と底力を見た。
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THE BACK HORN
最後に残るもの
結成25周年シングルの表題である「最後に残るもの」は菅波栄純(Gt)作詞作曲。バンドマンとしてもおそらくひとりの人間としても危ういときに"この手を掴んでくれたあなた"はファンやリスナーだったことを思わせる歌詞に、このバンドの真心が滲む。ごくシンプルな8ビートだが、Bメロのリズムの妙や楽器の抜き差しに実直なバンドが磨いてきた効果的なアレンジ力の高さが見て取れる。カップリングの「フェイクドラマ」は松田晋二(Dr)によるリアルが見えにくい時代だからこそ自分の体感や衝動を信じようという歌詞が山田将司(Vo)によるモダン・ヘヴィ・ロックにファンク要素も加わった曲構成で際立つ。2曲ともすべての楽器が見えそうな削ぎ落とされた生々しくも乾いた音像がこれまでの曲ともまた違うタフなエネルギーを発している。
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THE BACK HORN
REARRANGE THE BACK HORN
今年結成25周年を迎えたTHE BACK HORNのアニバーサリー作品は太文字のロック・バンドである彼らの魂はそのままに、ジャズやカントリー、R&Bなどにアプローチし、オリジナルをリアレンジしたもの。「冬のミルク」や「罠」、「美しい名前」など、ライヴで生き残ってきたナンバーもありつつ、インディーズ楽曲やシングルB面曲などレア選曲なのも面白い。「ガーデン」のラテン・ビートとアトモスフェリックな音像の不気味さ、「幻日」のアラビックなフレーズ、「羽根~夜空を越えて~」の淡々とした進行があぶり出す曲の純度や、音数が減ったことで歌詞の鋭さが際立つなど、このバンドのひと筋縄でいかない側面が目立っている。本作のタイミングで書き下ろした新曲「Days」での恐ろしくシンプルな歌詞が表現するファンへの感謝も深く沁みる。
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THE BACK HORN
アントロギア
コロナ禍でライヴ活動が止まってしまった際、そのかけがえのなさを描いた「瑠璃色のキャンバス」からスタートした本作。次第にツアーも開催するなかで生まれた「希望を鳴らせ」や「ユートピア」といった新たなアンセムに加え、山田将司(Vo)がラテン音楽からインスピレーションを得て、松田晋二(Dr)がそこに妖しさや生々しさを言葉として書いた「深海魚」、4ビートのジャズのみならず、8にも16にもリズム・チェンジするスモーキーな「戯言」、素直なメロディと力強いボトムを持った岡峰光舟(Ba)の「夢路」、エレクトロ・サウンドやSEの使い方と黙示録的な歌詞が菅波栄純(Gt)らしい「ウロボロス」、神聖なムードや声のレイヤーに新鮮さを感じるラストの「JOY」まで、50分弱でこれほどまでに多様な世界観を体験させるこのバンドの柔軟性にも感動する。
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THE BACK HORN
ユートピア
13thアルバム『アントロギア』からの第2弾先行配信曲「ユートピア」は、THE BACK HORNの新たな代表曲になりそうな試行が投入された1曲。ヘヴィなベースのイントロから楽器の音が生々しく、そして輪郭が明快だ。ダンス・ミュージック的なグルーヴ感やエレクトロニックなSEが新鮮な聴感を残す。ブランニューなアレンジに乗る歌詞も突き抜けた前向きさを醸し、過去の彼らの作品名――"ヘッドフォンチルドレン"なども登場する包括的な視点が逞しい。不器用に誠実に生きてきたバンドとファンが、今こそその蓄積をこの不安な時代をサヴァイヴする糧とし、ディストピアから脱出し、自分たちなりの理想=ユートピアへ辿り着くための、嘘偽りのないユニークなアンセム誕生と言っていいだろう。
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希望を鳴らせ
いい意味で身も蓋もないほどストレートな8ビートが、すでにこの曲を知っていたかのような錯覚を覚えるが、取り戻せない日々や人々、未だ存在する絶望をしっかり背景として描いているからこそ、希望を鳴らせという鼓舞が真実味を持って響く。近い将来のライヴで絶対シンガロングしたいサビそのものが希望だ。c/wは摩訶不思議な菅波栄純(Gt)流ミクスチャーが顕在した「疾風怒濤」。ラテン、ジャズ、ヒップホップ、トラップ、レゲエにメタル......と要素は多彩だが、リスナーにとってのTHE BACK HORNをサンタクロースになぞらえるほど、強さとユーモアを持ち得たことも証明する。CD版に付帯する映像には、今年3月のライヴ"「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム~今を掴め~"を完全収録。この時期の記録としても貴重だ。
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THE BACK HORN
KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL 2020
新型コロナの影響でライヴ活動を自粛せざるを得なかった2020年。配信公演の8月の"スタジオ編"と9月の"ライブハウス編"をまとめた映像作品は、皮肉なことに、コロナ禍2年目を迎えてしまった今、不安も焦燥の種類も変化してきたなか、根本的に自分はどう生きたいのかというシンプルな命題に向き合わせてくれる。ふたつのライヴで被りは新曲「瑠璃色のキャンバス」とお馴染み「コバルトブルー」、「シンフォニア」の3曲。8ヶ月ぶりのライヴとなった"スタジオ編"は音を鳴らした瞬間、バンドに血液が巡るような衝撃が画面越しでも伝わるし、ライヴハウスが無人でも、山田将司(Vo)は冒頭から汗だくだ。隣り合わせの生と死を実感し、成長しつつ無垢の魂を曝け出す、TBHにしか伝えられない希望が作品の中で生きている。
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THE BACK HORN
この気持ちもいつか忘れる
5曲入りEPという形態ではあるが、THE BACK HORNにとっての"この気持ちもいつか忘れる"という物語が5曲で紡がれている印象も。そのスタンスがいい意味でバランスを取りすぎることなく、各楽曲でひとつのテーマや、それが導くイメージを音像やアレンジに落とし込んでいるのが面白い。すでにライヴでも定番になった「ハナレバナレ」の中間部での宇宙的な展開、ラウドでヘヴィ且つタイトな聴感が新しい「突風」、木琴の音色やポップス的なメロディが愛らしい「君を隠してあげよう」、世武裕子が歌うことで主人公の他者との関係を示唆する「輪郭 ~interlude~」、そしてバンドの素を思わせるオルタナティヴな「輪郭」。この楽曲では作詞に住野よるが参加。コラボの濃度を高めているように思える。
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THE BACK HORN
カルペ・ディエム
フル・アルバムとしては『運命開花』以来、約4年ぶりとなる本作。結成20周年の期間にインディーズ作品の再録や、ミニ・アルバム『情景泥棒』の制作、ツアーをハードに巡ってきた経験が昇華された、完成度と濃さを持つ作品だ。「心臓が止まるまでは」のSF的なサウンドトラック感やEDMの消化、和のメロディと壮大さが彼ららしいリード曲「太陽の花」、20年経過したうえでのミクスチャー感が冴える「フューチャー・ワールド」、青春の瑞々しさと切なさが溢れる「ソーダ水の泡沫」、物語性と空気感においてTHE BACK HORNの唯一無二の側面を際立たせる「ペトリコール」、一歩踏み出す穏やかな勇気をくれる終盤の「果てなき冒険者」など、メンバー個別のデモから発展させただけあっていずれも純度の高い全11曲。
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THE BACK HORN
ALL INDIES THE BACK HORN
すでにベスト・アルバムのリリースを機に再録されている「冬のミルク」や「無限の荒野」などはその音源だが、今回ついにインディーズ時代の2枚のアルバム『何処へ行く』、『甦る陽』、そしてシングル『風船』収録の全21曲が今の演奏とサウンドで蘇った。善良な人間と見せ掛けた内なる闇や獣性にシニカルな目線で切り込んでいく表現は、若さゆえの激烈さを孕んでいる。様々な試練も音楽をやる楽しさも経験してきた今のTHE BACK HORNの出自を改めて知るうえでも、またライヴで演奏され続けている曲が多いことからも、再度向き合いたい曲ばかりだ。近年のストリングスとのライヴで物語性が際立った「カラス」や、洋楽と並走していた日本のオルタナティヴ・ロックの貪欲さを思い起こさせる「新世界」など、全曲が濃厚。
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THE BACK HORN
情景泥棒
前作『運命開花』もTHE BACK HORNならではの音楽言語で人間の深淵に手を突っ込み核心を引きずり出されるアルバムだったが、今回はミニ・アルバム、トータル7曲なだけに集中した濃厚な世界観に圧倒される。ヘヴィ/ラウドロック的な聴感でありつつ定石から逸脱した「Running Away」。ストレートなTHE BACK HORN節のようでアレンジの細部がこれまで以上に詰められた「儚き獣たち」や「閃光」。痛烈に今を皮肉る歌詞とラガマフィン調がユニークな「がんじがらめ」。記憶や情景という人間らしい感性が取引されているようなSF的なストーリーが「情景泥棒」と「情景泥棒~時空オデッセイ~」の2曲で展開するくだりは本作の核心。悪夢からの帰還とも取れるラストの「光の螺旋」まで一気に聴きたい。
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THE BACK HORN
BEST THE BACK HORN Ⅱ
DISC-1は『覚醒』以降の13のシングル曲とアルバム・リード曲、そして新曲「グローリア」を収録。自分を見つめることで世界は対立項ではないことを音楽的にも実感させる名曲「世界中に花束を」、ファンクやラップへのTBHならではのアプローチがユニークな「コワレモノ」、今の力量で原点を見つめた「悪人」や「その先へ」に至るまでのいい緊張感。そして、そうしたバンドの生き方を踏まえたうえで聴こえてくる「WithYou」や「あなたが待ってる」の優しい説得力は破格。ある種素朴な新曲「グローリア」も新鮮だ。DISC-2は2008年以前の曲からファン投票で選ばれた上位14曲に加え、インディーズ時代からの定番曲「無限の荒野」、ストリングス・アレンジの「泣いている人」の新録も。「扉」、「枝」など隠れた名曲の多さにも驚く。
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THE BACK HORN
孤独を繋いで
思わず拳が上がる曲とはこういう曲をいうのではないだろうか。表題曲は、久々のTHE BACK HORN節100パーセントの骨太なアッパー8ビート・チューン。山田将司(Vo)自身が孤独の中で光を見いだしたロック・スターや、音楽に今のバンドとオーディエンスの姿を重ね合わせるように"今夜だけは俺たちのもの/行こう行こう 途切れぬように"と歌うヴァースは力強くも優しい。Track.2「導火線」は菅波栄純(Gt)らしいおどろおどろしいイントロからAメロでは一転、ファンキーなカッティングと四つ打ちに驚きを隠せない、ライヴでぜひ聴きたい弾けた1曲。松田晋二(Dr)作詞、山田作曲のTrack.3「夏の残像」は、岡峰光舟(Ba)のメロディアスなベースが導く、匂い立つような夏の別れの情景を描き出すマイナー・スロー・チューン。彼ららしい優しさが染みる。
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THE BACK HORN
あなたが待ってる
前作「With You」に続くミディアム・バラードでありつつ、音像はグッと柔らかな今回の「あなたが待ってる」。少しのタメが効いたピアノが物語の道筋を描くように流れながら曲を牽引し、各楽器も必要最低限のフレージングとクリーンなトーンが美しい。どこか初期のNorah Jonesを思わせるジャジーなムードもある。そこに力まず、素直に歌う山田将司(Vo)の"あなたが待ってると思うだけで/もうそれだけであったかい"というフレーズが、聴く人の数だけ様々なイメージを喚起する。共同プロデュースとして参加した宇多田ヒカルの控えめなコーラスも一瞬、個性を光らせるところが強く胸を打つ。カップリングの「始まりの歌」は一転、一筆書き的な勢いのあるバンド・アレンジ。バンドの表現方法として、さらなる可能性が確認できるシングルだ。
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THE BACK HORN
With You
THE BACK HORNの美しいスロー/ミディアム・ナンバーはこれまでもジャンルを超越したところで聴き手を闇から救ってくれた。だが今回はもはや対象をファンに特定することすら無意味なほどの普遍性を湛えている。ピアノやストリングスの音に一切の虚飾がないこと、そして何より山田将司の素朴で素直な声の特性が、大切な人への感謝や覚悟、そして不変の愛を伝える心情を高い純度で届ける。何度も聴くほどに内側からあたたかさが満ちてくると同時に何とも切ない。「言葉にできなくて」のティーンエイジャーの悩める恋心と軽快なスカのリズムも意外ではあるが、これもバンドの軸にあるものだろう。さらに「世界中に花束を」のストリングスを交えて2015年に渋谷公会堂にて行われたライヴの音源も収録。
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THE BACK HORN
運命開花
人間の矛盾や邪悪な部分にあえて手を突っ込んで引きずり出す初期のニュアンスを"投げっぱなし"じゃなく聴かせる。そのことにバンド自身が自覚的且つ客観性を持った強いアルバムが完成した。ジャジーなスウィング感を持ったTrack.1「暗闇でダンスを」の意表を突く幕開け、素のギター・ロック感が彼らには珍しいTrack.4「tonight」、メタリック且つサタニックなギター・ソロが禍々しいTrack.7「胡散」などから、1曲の中で大きく展開するTrack.9「悪人」への流れが非常に早い。山田将司のイノセントなヴォーカルが秘めた狂気を感じさせるTrack.11「君を守る」、そしてアルバムの冒頭とは打って変わって、愚直なまでにファストなビートが爆走する機関車のようなラストの「カナリア」。曲の持つ素性が1回聴いただけで刻まれるアレンジ力の高さにも圧倒される。
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THE BACK HORN
悪人/その先へ
THE BACK HORNが00年代半ばから彼らを追いかけ続けてきたリスナーに与えた影響とは、すなわち"世代感"だった。世代感とは、大義名分を掲げることではなく、むしろ、"何も言い切ることができない"という揺らぎと真摯に向き合うことでしか描けない。THE BACK HORNは、正義と悪――その両極の狭間にある不安定な人間の感情と常に真摯に向き合い続けてきた。「ジョーカー」や「ヘッドフォンチルドレン」といった大名曲を改めて聴けばわかるだろう。そこには揺らぎ続ける僕らの生があった。23枚目となる本シングルにおいて彼らは、そんな自らの表現の本質に再び目を向けている。収録された3曲が、その通底するメッセージにおいて緩やかに繋がっている。それは、人間誰もが内包する普遍的な魂の在り処としての"悪意"と、"愛"である。
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V.A.
Yes,We Love butchers〜Tribute to bloodthirsty butchers〜"The Last Match"
吉村秀樹が亡くなってから1年と1日目にリリースされるトリビュート盤第4弾。あがた森魚(ブッチャーズの射守矢や小松も参加)、the 原爆オナニーズらベテラン、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやTHE BACK HORNといったシーンの中核を担う存在、+/−ら海外の盟友、それでも世界が続くならといった若手まで顔を揃えた今回は、シリーズの中でも最も吉村の影響の広範さを証明。ギター・サウンドとフィードバックだけで胸に熱いものがこみ上げるAKGやenvy、合成ボイスや読経のようなリズム感で再構築したASA-CHANG&巡礼や、ピアノをフィーチャーし、生死の狭間を行くようなサイケデリックな祈りの歌へ昇華したGREAT3など、バンド/アーティストがリスペクトの姿勢を究極まで研ぎ澄ましている。
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THE BACK HORN
アサイラム
前アルバム『パルス』から約2年振りにリリースされた待望の8thフル・アルバムの今作は彼らの集大成と言っても過言ではない。山田将司が歌う全ての言葉がどこまでも真っ直ぐ聴く者の意識を貫き、ひとつひとつが限界以上の熱量を放つ強靭な音は"鋭さ" と"柔らかさ"、両極端の色を同時に打ち出す。人間業とは思えないほどの圧倒的な神聖さを感じさせる要因は、確固たる信念を持った4人の心がこれまで以上に強く深くひとつになっているからに他ならないだろう。11 年の歴史でとうとうアサイラム="聖域" を開拓したTHE BACK HORN。アルバムの最後に収録されている「パレード」で高らかに掲げられた"ここから新しい旅を始めよう" という言葉の示す、この先の彼らが創造する世界は如何に――?
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THE BACK HORN
戦う君よ
2月に歌詞集とPV集を発表したばかりのTHE BACK HORNから新曲が届けられた。歌詞集にも限定CDとして収録されていた「コウロギのバイオリン」という新曲が届けられたばかりだが、集大成的な長尺ナンバーだった「コウロギのバイオリン」とは違い今作は即効性の高い攻撃的なロック・ナンバーだ。今年2月から行われている豪華な対バン・ツアー"KYO-MEI大会" では早くも定番になりつつあるという。バンド自体700日振りのニュー・シングルとなる今作からは新たなスタートを切る気合いと決意が感じられる。メンバー4人それぞれが歌詞を担当するという試みも各々の世界観が伝わってきて興味深い。初回限定盤にはライヴ音源も収録されている。
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THE BACK HORN
生と死と詞
THE BACK HORNの歌詞はとても素朴ながらも、体の芯を掴まれる様な感触がある。誰もが感じているけど言えなかった事をストレートに投げかけられる様な誠実さがそこにはある様な気がするのだ。キャリア初となる歌詞集をリリースするTHE BACK HORN。インディーズの頃から今日までの楽曲125曲をメンバー監修のもとに作られたこの歌詞集には新曲「コウロギのバイオリン」が収録されている。バンド史上最長の8分を超えるこの楽曲は、絶望的な気持ちを表現する序盤から徐々に光が射す後半へと1つのストーリーになっていて、まさに彼らの今の集大成と言えるような内容になっている。喉を震わせて「はぐれた心を取り戻しに行く」と歌われる後半はとても感動的で、今後の彼らの決意が見えるようだ。
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アルカラ
NEW NEW NEW
サポート・ギターに為川裕也(folca)と竹内亮太郎(ex-the storefront)を迎えたアルカラの10thアルバム。リリース直前のツアーでこの会心の作をいち早く堪能できたが、ライヴで様々なシーンを生む曲が揃っている作品となった。言葉や語呂、サウンドでキャッチーに遊びながらアルカラの音楽はもちろん、音楽や芸術が生まれる心震わせる瞬間を封じ込めた「瞬間 瞬間 瞬間」、同様のテーマ性をよりパーソナルに内省的に描いた「未知数²」など、力のある曲に惹きつけられる。多くの曲の根底にあるのは生きる喜びであり、なんの変哲もない日常があることの喜び。それを"ロック界の奇行師"は、聴き手の耳を驚かせると同時に、その余韻に歌心と歌の真意とをそっと置いていく。何度も聴きたくなる作品。
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アルカラ
20180127~KAGEKIにやってくれないかチュアー~
初のフル・アルバム『KAGEKI』を引っ提げて開催された全国ツアーのファイナル、Zepp DiverCity TOKYO公演の模様を収めた映像作品。"ツアー前に起こったKAGEKIな出来事"により、会場に集まった人の多くが不安を抱えていたであろうこのライヴだが、1曲目「3017」の1音目でその不安を払拭してのける様が痛快。サポート・メンバー 為川裕也(Gt/folca)のサウンドメイクが原曲に寄り添っているところには、アルカラへの愛とリスペクトが感じられる。事前に出演が告知されていた9mm Parabellum Bulletの滝 善充(Gt)に加え、菅原卓郎(Vo/Gt)とHEREの武田将幸(Gt)も乱入し、カオスなお祭り騒ぎとなったアンコールも必見。アルカラというバンドがなぜこんなにも愛されているのか、その答えがここに詰まっている。
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cinema staff×アルカラ
undivided E.P.
長く親交を温めてきた cinema staffとアルカラによるスプリットEP。書き下ろしの新曲、それぞれのカバー、コラボ曲の全5曲が収録された。cinema staff新曲「first song(at the terminal)」は、ソリッドで高いテンションのドラミングと多展開のドラマチックなサウンドを、伸びやかな歌が包み込む。キャッチーで温かいメロディにただ行儀よく収まらない、アンサンブルのパッションが惹きつける。アルカラの新曲「サースティサースティサースティガール」は、爆発的なオープニングからサビでファンクに急展開するトランスフォームっぷり、先の読めなさ、オチのつけ方で唸らせる。この2バンドが互いをカバーし、コラボする曲は、もちろん技もネタも巧妙に仕掛けられていて、味わい、楽しみが尽きない。
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アルカラ
KAGEKI
8枚のアルバムを発表してきたアルカラだが、全12曲というボリュームのフル・アルバムは、今回が初。バンドの脳内へと分け入っていく迷宮的なサウンドがたっぷり味わえるアルバムで、迫力がある、怒濤のアンサンブルがパッケージされた。アルカラは、予測不能なスリリングな展開とキャッチーさとを両立する稀有なバンドである。その両方の濃度と純度を上げ、音の腕力でねじ伏せるだけではない独自のポップでロックな形を作ってきた。繰り返し聴きたくなる音の隠し味、違和感を少しずつ織り交ぜてなお耳触りや発語の気持ちよさがある言葉、けれんみたっぷりなようでいて、心の急所を突く歌と、今回もその"節"がわかっちゃいるのだが、気づけば脳内の迷宮にとらわれてしまう。愉快で濃い1枚だ。
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アルカラ
炒飯MUSIC
銅羅の音と逆再生に始まり、子供のコーラスや掛け声が入ったりと、飛び道具的なアイテムのキャッチーさも曲を盛り上げているが、何よりも4人が"主題歌"というお題で存分に遊び倒しているのが「炒飯MUSIC」。Aメロからサビまでどこで切ってもクセの強いメロディと、そのメロディに負けていないワウ・ギターや印象的なリフ、また突如シンセ・ベースが間奏に飛び込んできて異次元にワープする。小さいころに観たアニメの内容や主人公の名を失念しても、"ほら、あの"と主題歌だけはソラで歌えたり、音やフレーズを覚えていたりする。そういう、異物感と気持ちいいほどの耳馴染みの良さとが同居している曲だ。そこまでやるかの悪ノリも、キャッチーに響かせてしまうのがアルカラらしい曲でもある。
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アルカラ
ちぎれろ
エキゾチックなギター・フレーズを肝にした、フォークロアなパンク・サウンド「消えたピエロと涙」でアルバムは幕を開ける。ピエロの哀しき性を、ほろ苦く、寓話的に仕立てた歌にまずKOされる。自己肯定と否定とを繰り返して、自分の居場所で必死に踏ん張る姿はとても不器用で、それだからこそ美しくもある。この曲を筆頭にして、今作は、批評的にシニカルに世の中や人を切っていくスタンスと、同時に泥臭くもチャーミングな、人の心の機微や性分が詰まっていて、とてもエモーショナルな内容だ。懐かしい歌謡曲の、物憂げで、湿度のあるメロディが冴えて、アルカラらしいトリッキーなサウンドと絡まっているのも面白い。毎作突き抜けたパワーがあるが、今作は抜群。キャッチーさにしれっと毒を盛り、たちまち中毒にさせていくドープな音楽がここにある。
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アルカラ
20141207-ガイコツアー2014-
すべてがあった。アルカラの、今の、すべてがあった。2014年12月7日にZepp Tokyoにて行われた『CAO』リリース・ツアー"ガイコツアー2014"のファイナル・ワンマン公演。本作は当日のライヴ全編に加え、ツアー・ドキュメント映像も含めた大ボリュームのDVD作品である。突き刺すように駆け抜けたライヴ前半。ユーモアで会場を沸かせた中盤。あたたかさと感動で会場を包み込んだ終盤。アルカライダーまで登場したアンコール。そして、ツアー・ドキュメントで見られる、"バンド"と"ライヴ"への愛。シリアスな顔もおどけた顔も、必死で何かを伝えようとする顔も......12年のキャリアの中で彼らが見せてきたあらゆる"顔"が、この作品には刻まれている。この先、どれだけ先へ進もうと、きっとここに刻まれたすべての顔を、彼らは忘れない。
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アルカライダー
アルカライダー監修「アルカラボーナストラック大全集」
アルバムの最後に、たまに"ボーナス・トラック"って入っているでしょ。CDを聴いていたら、最後の曲が終わったのに全然CDが止まらなくて、ほっといたら数分後に急に曲が始まってビクッとする、あれのことね。ああいうのって、僕はちょっと苦手なのです。だって、アルバムの余韻を損なうじゃん。でも、アルカラのアルバムのボートラは例外的に好きなのです。何故ならクオリティが高いし、音楽愛に満ちた引用が出てくるし、何より彼らは悪ふざけにもゴリゴリの本気だから。本作は、そんなアルカラの素敵なボートラたちをアルカライダーが集めて監修したもの。初期のボートラはシリアスな名曲多めだけど、キャリアを経るごとに段々と悪ふざけが悪化していくのがよーくわかる。尽きせぬ初期衝動とロック愛に乾杯。
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アルカライダー
怪盗ミラクル少年ボーイ
若い子は知っているかな。昔、"ダウンタウンのごっつええ感じ"というバラエティ番組があってね、そこに"エキセントリック少年ボウイ"というコントがあったんだよ。今はもう、あんな素晴らしい悪ふざけはテレビで見ることはできないね。このアルカライダーというバンド(肩書きは"ロック界の奇行師ヒーロー")には、あのコントに通じる悪ふざけを感じるよ。このシングルの2曲目の「ゆけ!アルカライダー ~アルカライダーのテーマ~」からは特にそれを感じるよ。アニメ"怪盗ジョーカー"の主題歌である表題曲は捻くれた展開の妙と疾走感のあるサビで聴かせるギター・ロックだよ。リミックスも入ってるよ。悪ふざけも、やるならこのぐらい全力でやらないとね。というか『CAO』からのギャップがすごいね。最高だよ。
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アルカラ
CAO
すべての音が切迫感と焦燥感に満ちている。かつてなく生々しい。ここには、ドラマティックな激情と奇抜な変態性を行き来するサウンド、あるいは人を食った言葉遊びで聴き手を煙に巻いてきた今までのアルカラの姿はない。ここにあるのは、時代を突き刺す鋭利な刃物としてのロックを一直線に鳴らす、素顔を剥き出しにしたアルカラの姿である。均一化されていく価値観に満たされ、正しさだけが求められるこの世界に対して怒りの表情を浮かべながら、そうした問題意識を突き詰めたが故に露になった、"すべてのものが終わりゆく"という儚い刹那と、少年の頃の自分自身に重ねられたパーソナルな心象。"どーでもいい"という言葉の切実さと説得力。12年のキャリアの果てに辿り着いた大傑作。この先の10年はアルカラの時代になるだろう。
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アルカラ
ドラマ
アルカラ、5枚目のアルバム。歌謡性の高いドラマチックなメロディと歌が、変拍子を多用したリズムを基盤とした、空気を切り裂くようなソリッドな演奏と共に繰り広げられる、まさにアルカラ節が炸裂した作品である。ロックがシリアスさだけを打ち出すことは容易いが、同時にユーモアを手なずけるのは、とても難しい。しかし、アルカラは見事にそれをやってのける。それができるのは、ある一定の音楽性だけに捉われない豊かな素養と、それを楽曲に昇華する技術、そして独特な言葉のセンスがあればこそだ。4曲目「YOKOHAMAから来た男」~6曲目「380」において自由に音楽で遊びまくった後、「防御線の果て」、「ビデオテープ」という名曲で締める後半の流れが実に素晴らしい。
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アルカラ
こっちを見ている
おいおい!どうなってんだ!?やはり"ロック界の奇行師"を自称するだけに、思いもよらない展開をしてくれるぜ!前作『フィクションを科学する』から約7ヶ月という驚異的なスピードでアルカラが新作『こっちを見ている』をリリースする。フロントマン稲村太佑の脳内だだ漏れ状態か?この猪突猛進がさらなる高みへの鮮やかなステップ・アップであり、激エモな楽曲の疾走感にも反映しているようだ。映画『アベックパンチ』の挿入歌にも決定した「半径30cmの中を知らない」を中心に繰り広げる大胆かつ繊細なアルカラ・ワールド。奔放すぎておかんの声からピー音(放送禁止に使うアレ)まで入るとは、ホント馬鹿だな~(褒め言葉!)。これはライヴ映えする力もハンパないから、借金してでも生を体感するべし!
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アルカラ
フィクションを科学する
嘘か真か、インタビューで語ったように"心で歌う"姿勢がそうさせたのか。アルバムとして3枚目の今作は、これまでの圧倒的なハイテンションで突っ走るような勢いを緩め、メロディアスな世界観を強調した作風となった。9mm Parabellum BulletとSyrup 16gの中間に位置付けられそうで、疾走感を期待するとやや肩透かしを食らうかも。だがしかし、この変化で露わとなったのは、聴けば聴くほど旨みが増すような、するめいか状態の味わい深い叙情性。「大久保のおばちゃん」や「はてない」に印象的だが、メロディアスなサウンドと日常のささやかな心情を掬う文学的な詩世界が絶妙に相まり、いつかの原風景を引き出すだろう。全体をみるとストレートなロックン・ロール「キャッチーを科学する」は軽いご挨拶って感じで、ニクイね!
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アルカラ
BOY NEXT DOOR
神戸出身の四人組、アルカラの2ndアルバム。尚、同時に1stアルバム「そうきたか」も再プレス&リリースされている。"ロック界の奇行師"と呼ばれているだけあって、確かに変わったことしてるな~という印象。「マゾスティック檸檬爆弾」では、2ビートを久々に聴きました。そこからの展開もめちゃくちゃ面白いし。プログレッシブというんじゃないんだけど、複雑怪奇なバッキング。その割に、ヴォーカルラインは覚えやすくてフックが満載なところも、賢いというか、狡猾というか。王道的バラードもいい曲ではあるんだけど、やっぱり(いい意味で)"変"だな~っていう曲の方が輝いて聴こえてきます。普通のロックに飽きちゃったんだよねっていう気持ちがバシバシ伝わってくるだけに、今後の更なる飛躍に期待が出来そうです。
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アルカラ
2019.02.16 @マイナビBLITZ赤坂
cinema staff × アルカラ
2018.08.03 @LIQUIDROOM ebisu
アルカラ
2018.01.27 @Zepp DiverCity TOKYO
新里英之(HY) / 稲村太佑(アルカラ)
2017.09.29 @下北沢LIVEHOLIC
folca
2017.05.25 @渋谷TSUTAYA O-Crest
アルカラ
2016.12.19 @渋谷CLUB QUATTRO
アルカラ×女王蜂
2016.10.03 @LIQUIDROOM ebisu
アルカラ
2015.12.12 @新木場STUDIO COAST
アルカラ
2014.12.07 @Zepp Tokyo
アルカラ
2012.11.04 @渋谷O-EAST
アルカラ
2012.06.08 @恵比寿LIQUID ROOM
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