Japanese
2016.03.21
"SANUKI ROCK COLOSSEUM"
高松市内のライヴハウス7会場
["SANUKI ROCK COLOSSEUM"~BUSTA CUP 7th round~]
3月21日(月)
有料会場:高松オリーブホール、高松DIME、高松MONSTER、高松SUMUS Cafe、高松 festhalle
無料会場:瓦町駅地下広場、786FM香川ブース
パス交換開始 9:00~ / 開場 11:00 / 開演 11:30
チケット前売:\4,000
■チケット発売中
※通し券の販売はありません。20日券、21日券のみの販売となります。
※未就学児の入場不可。6歳以上チケット必要。
※有料会場にご入場には、購入したチケットをPASS交換所にて専用PASSに引き換えが必要。専用PASSを提示すれば全ての会場への出入りが可能となります。
(各会場の入場者が定数を超えた場合は、一時的に入場者制限をかけ退場者待ちとなります。)
協賛:ローソンチケット
オフィシャル・サイト:https://www.duke.co.jp/src/index.php
VENUE INFORMATION
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2月10日の恵比寿LIQUIDROOM公演で初披露した「ファビュラ・フィビュラ」で幕を開ける7thアルバム。ライヴ・アンセムとしてすっかり定着しているTrack.2「MUTOPIA」など、お馴染みの曲も含む全14曲を収録。それぞれの曲に(架空の)街の物語とテーマが込められ、アルバム1枚でひとつの地図ができあがるというコンセプトのもと、多彩な曲が散りばめられているが、ハード・ロッキンな「ファビュラ・フィビュラ」を始め、大人っぽい曲がグッと増えてきたという印象だ。ファンキーな演奏と哀愁のメロディが絶妙に入り混じるTrack.5「BLINKSTONEの真実を」、しっとりと聴かせるバラードのTrack.10「レインコートになれたなら」に今年、10周年イヤーを迎えるBIGMAMAの成熟を聴き取りたい。
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昨年のツアーに密着したドキュメンタリーとツアー・ファイナルとなったZepp東京公演を収録した映像作品と同時リリースするニュー・シングル。すでにライヴで披露され、新たなライヴ・アンセムの誕生を印象づけている表題曲は、EDMにアプローチした「MUTOPIA」から一転、メンバー5人だけで演奏したエモーショナルなロック・ナンバー。昔からのファンは彼らがYELLOWCARDに憧れてスタートしたバンドであることを思い出すに違いない。カップリングの「A Chocolate Ghost」は1ヶ月遅れのバレンタイン・ソング(?)。歌詞、アレンジともに彼ららしい遊び心が感じられるダンサンブルなポップ・ナンバー。前述のツアーの追加公演から「最後の一口」と「MUTOPIA」のライヴ音源が加えられている。
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and yet,it moves~正しい地球の廻し方~
2001年に東京で結成された、女性ヴァイオリンを含む5人組ロックバンド。一度彼らのライヴを観たことがあるのだが、メンバーの確かな演奏力と、モッシュやダイヴで応戦するキッズの熱狂が強く印象に残っている。昨年12月にセカンド・アルバム『Dowsing For The Future』をリリースし、一年を待たずにこのサード・アルバムが発表されるわけだが、今作もBIGMAMAらしいパワフルでエモーショナルな曲が満載で、時に全体のメロディーを牽引するヴァイオリンの音色と、透き通った歌声とのコントラストが大きな魅力となっている。"全曲を通して、一つのストーリーで繋がるコンセプシャルな小説的アルバム"ということで、特に曲と曲との繋がりや歌詞に注目して、自分なりの解釈を楽しもう。
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シングルとしては約9年ぶりになる今作は、TVアニメ"はたらく細胞BLACK"のOP/ED主題歌である2曲と、過去に同アニメに起用されたClariS「CheerS」のカバーを収録。タイトル曲はキュウソネコカミのヤマサキセイヤ(Vo/Gt)をゲストに迎えた。"明日へ振り絞って/奮い立たせ進め"、"決してその光 絶やさないで"というPOLYSICSでは歌わない直接的な表現や、まっすぐに疾走するサウンドも、アニメの内容やヤマサキの存在があるからこそだろうか。ハングリーなヤマサキの歌声を曲の動力にする感覚で、馬力あるバンド・サウンドに、いつにも増した人力のエネルギーを迸らせた曲で新鮮だ。ED主題歌ではCVを務める声優を迎え、ピコピコサウンドで遊びに遊んでいる。
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前作から約2年ぶりとなるアルバムは、ガレージ感のあるギター・リフとアグレッシヴなビートに乗せ"Broken Mac!!!"と叫ぶ「Broken Mac」でスタート。毎度アルバムのムードを伝える1曲目に、一発で録りあげたような生々しいアンサンブルを聴かせてくれるのが爽快だ。20年を経てエクストリームに加速するサウンドを聴かせ、また「Belong」ではファンク的なアプローチも健在。「Surprise me」や「Abrinbou」の言葉や語感で遊ぶリズミカルな歌詞とギターとの絡み、というか緩急のある掛け合い漫才のような心地で聴かせるニューウェーヴ感は、彼ららしくもあり、さらに進化している面白さがある。4人のバンドとしての呼吸が冴えている、生身のせめぎ合いが詰まった作品だ。
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結成20周年にして、新メンバー ナカムラリョウ(Gt/Vo/Syn)加入! というウルトラCな展開を迎えたPOLYSICSの最新作。新たな血が入ったことは制作の刺激となったようで、1曲目のタイトル曲から、目をよく開け、耳をかっぽじってよく聴けと歌う攻めっぷり。挑戦的でありシニカルな歌をフルスロットルで飛ばし、ニュースクールなラップ風からファンク風のブラック・ミュージックに、トライバルなダンス・ビートに、オルタナ感溢れる奇想天外なEDM(?)に、ロックンロールに......と様々な音楽的な引き出しを躊躇なく開け放っている。何を調理しても、歪でファニー且つとびきりキャッチーでパンチ力のあるものになってしまうのだから、もう恐れることなくやってしまえという、オトナの余裕を感じる1枚。
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Replay!
今年、結成20周年を迎えるPOLYSICS。アニバーサリー・イヤーを飾る作品は、現メンバーで定番曲をリテイクしたトラックやライヴ音源、新曲を収録した、リアルタイムでオールタイムなベスト盤。2010年のカヨ(Syn/Vo)の脱退以降サウンドを再構築し、ライヴで洗練してきた曲だけに、爆発的なステージの熱をもパッケージした内容となっている。新曲「Tune Up!」は、縦ノリのソリッドなビートではなく、トライバルなアフリカン・ビートを採用。そのプリミティヴな胎動と、電子音楽、ポリならではの奇天烈なキャッチーさがぐるぐると大車輪で回る、ダイナミックな曲になっている。前のめりのビートでの爆発感やカオスともまた違ったグルーヴで、ライヴでのいいフックになりそうだ。20年、探求はまだまだ続く。
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超高速のポップでデストロイなテクノ・サウンド「Introduction!」で幕を開け、怒涛の勢いでPOLYSICSの音の宇宙を旅させる全19曲。結成19周年だから、19曲という安易な、それでいて無謀なことをやってのけるのがこのバンドらしい。そしてタイトルの"What's This???=これはなんだ???"の通りに、リスナーは、次から次へと頭上のクエスチョンマークが消えぬうちに続く曲へとピンボールのように弾かれていく。このソリッドなスピード感と、瞬時に場面を切り替えていくようなダイナミックさがPOLYSICSだ。そんなすこぶるパワーのある最新鋭のエンジンを持ちながらも、実は人力で動かしているような、汗が迸っているのもまたこのバンド。人の手と感情と気まぐれと遊び心とのいびつさが生み出すポップネスが、聴き手を全方位から揺さぶってくる。
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HEN 愛 LET'S GO! 2 ~ウルトラ怪獣総進撃~
ハヤシの偏愛するものを曲にした『HEN 愛 LET'S GO!』第2弾は、円谷プロ全面協力によるウルトラ怪獣とのコラボ作。よく知られた怪獣ばかりでないチョイスは"らしい"ところだが、そのサウンドを聴いていると怪獣のフォルムやキャラも浮かび上がってくるのが面白い。好きゆえに暴走気味で、POLYSICSと言われて連想するエクストリームな音、凸凹の凸部分をこれでもかと詰めて構築したサウンドの振り切れぶりも最高だ。しかし、怪獣の偏愛でありつつ、サウンド的にもこのバンドの音楽の偏愛を改めて確認する内容でもある。食べ物や怪獣をテーマに作品を作るとなれば確実に三の線でネタっぽいものになりがちで、もちろんその笑いもありながらも、音楽的にはストイックに真正のパンク、ニュー・ウェイヴたる姿勢を見せる。それがPOLYSICSだ。
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HEN 愛 LET'S GO!
ハヤシが言った、"ドクターペッパー(炭酸飲料)の存在感がPOLYSICSに似てる"とはなるほどなと納得。毒やクセもたっぷりながら、その独特の味が秘薬のように身体をめぐって、いつしかロングセラーになっている。そんな特異性と中毒性というポリの魅力を、大音量で詰め込んだのがこのミニ・アルバム。テクノにストレンジなポップス、ハードロックからインダストリアル等々、好きな音をとことん詰め込んで、3人のアグレッシヴなアンサンブルで昇華していったサウンドは、破壊力満点だ。キャリアを重ねてきたアレンジやバランスの妙味はあるも、彼らが登場してきたときの"何じゃこれ?!"という衝撃が音の最前線にあるのが面白い。アートワークにも様々なオマージュがちりばめられているので、サウンドと共にその"偏愛"を楽しめる。
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10月にミニ・アルバム『MEGA OVER DRIVE』をリリースし、ツーマン・ツアーを大盛況で終わらせたばかりのPOLYSICSが『Weeeeeeeeee!!!』以来、約13ヶ月ぶりとなるフル・アルバムをリリース。ポップでシャープなシーケンス、ハードなバンド・サウンドで攻める『MEGA~』の勢いをスケール・アップさせ炸裂する楽曲群はとにかく痛快!テクノやニュー・ウェーブ・サウンドに絡むひりついたギターやハードコア的なアプローチのリズム隊は肉体的で、EDM要素もあれば80'sに特化したナンバーなど、止まない音楽的好奇心に翻弄される。収録曲は全て益子樹がエンジニアリングとマスタリングを手掛けているとのことで、よりクールで洗練されたサウンドに仕上がった。ぶれずに攻め続けるその姿勢に、毎度のこと感服である。
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POLYSICS
MEGA OVER DRIVE
表題曲のTrack.1のイントロからヤラれました。さすがですPOLYSICS。シャープなシンセがポップに炸裂、ゴリゴリのベースとタイトなドラムが走り抜け、ハヤシの耳を突き刺す高音がスコーンと抜ける......ロックすぎるポップ・センス、切れ味鋭すぎです! ギターとベースがどちらも引かないTrack.2も肉感たっぷりで飛びかかり、Track.3はロックな展開とポップなアプローチが交錯するアイディア満載の楽曲。衝動的に攻めまくるその音像に、まだまだポリが落ち着くということはなさそうだなとニンマリしてしまう。2010年のカヨの卒業以来封印していた人気曲を3人体制で新録した「I My Me Mine 2013」と「Baby BIAS 2013」も収録。まさしく大爆発の全5曲。
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POLYSICS
Weeeeeeeeee!!!
活動15周年を迎えたPOLYSICSの今年2枚目のフル・アルバム。「Sparkling Water」で一気に弾け、8月にリリースされた「Lucky Star」、「Distortion」という爽快なポップ・チューンで軽快に始まるが、あっという間に「Steam Pack」、「Ice, Tights, Mike」とロック・チューンに突入していく。そして、テクノ色の強い「Why」へと続き、アルバム後半は「Kitchen Ban Ban」、「Lightning Express」とコミカルな楽曲へ。そのサウンドは変幻自在。相変わらず1曲1曲はコンパクト。ぎゅっと濃縮された音の塊が次々と襲来する。息をつく間もないその展開は、まさにPOLYSICSの真骨頂と言えるだろう。
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POLYSICS
Lucky Star
約3年ぶりとなるPOLYSICSのシングル。表題曲「Lucky Star」はフミがヴォーカルをとる瑞々しさと爽快感に溢れたポップ・チューン。今年3月には結成15周年を記念して、様々なゲストを招いた記念アルバム『15th P』をリリースし、さらにSHIBUYA-AXで通算1000本記念ワンマンを行うなど(この日のライヴ映像のダイジェストが、本作の初回限定盤特典DVDに収録)、メモリアルな活動が目立っていたPOLYSICSだが、この「Lucky Star」から感じられるのは、築き上げてきたキャリアに甘んじることなく最前線を突き進まんとする今のバンドの充実ぶりだ。"止まらない 遊んでる/不器用に 詰め込んで/忘れてる 忘れてる"――遊び続けることの重みと強みをこれでもかと感じさせる1曲である。
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POLYSICS
Oh! No! It's Heavy Polysick!!!
POLYSICS、3人編成となってから初のフル・アルバムはその名もHeavy Polysick=重度のポリ病。今年1月に行われた彼らの新年一発目のライヴで初めてスリーピース版POLYSICSを観たのだが、兎に角"Heavy"だったのを覚えている。そう、タイトルにも使っている"Heavy"という言葉は、今の彼らを形容するにぴったりなのだ。ハヤシ、フミ、ヤノが不動の三点とでもいうように存在感を放っている。これが、本作がドPOPでありながら妙に骨太である由縁、全方位からけたたましい音が一気に溢れ返ってくるような賑やかさの中にも、一点突破してくるような猪突猛進感へと繋がっているのだろう。シンプルな編成となったからこそ、よりシンプルに、より力強く、より痛快に。全ての要素がより明快になったようだ。
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POLYSICS
eee-P!!!
メンバーの卒業を経て3人編成となった新生・POLYSICSの待ちに待った新譜が到着。これがもう、テンションMAXで振り切っている。中でも、すでにフェス等でも披露されているファミコン・ピコピコ・サウンド炸裂の「Mach肝心」はスピード感ある展開に引っ張られていくように音の乱反射が止まらない、POLYSICSらしくもありながら今までになかった新たな一面を覗かせている。POLYSICS経由でニュー・ウェイヴというジャンルに触れたキッズも多いことだろう。こんなにもとっつきやすくコミカルに最上級のパフォーマンスをやってのけるバンドは他にはいないと再確認させられた。歌詞にも表れているが"じっとしていられない!"というウズウズ感が伝わって早くライヴでToisu!と叫びたくなるはず。
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POLYSICS
BESTOISU!!!!
メジャー・デビュー10周年という節目を迎えたPOLYSICSにとって、2枚目となるベスト・アルバム。2004年、Drのヤノ加入以後の作品から選曲されているこの作品。シングル曲やライヴでの定番曲などを中心にまとめられたDisc-1と、未発表曲や海外でのリリースのみだった楽曲からライヴ・テイクまで、充実のレア・トラックをまとめたDisc-2(初回生産限定盤のみ)というPOLYSICSらしいヴォリューム感。POLYSICSのライヴを意識したというだけに、通して聴くとPOLYSICSが持つポップさを改めて感じることができる。POLYSICSの音楽にまだ触れたことがないという人にも、POLYSICSという唯一無二のニューウェーヴ・バンドの音楽性を楽しむきっかけになるはずだ。
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POLYSICS通算13枚目のシングル。POLYSICS節全開のハイテンションで奇天烈なエレクトリック・ロックンロール。この人達のテンションは一体どこからくるんだろう?初めてPOLYSICSを耳にした時から、変わらぬこのテンション。音楽への偏愛と笑っちゃうくらいのハイテンションがかけ合わさって生み出される、POLYSICSというエネルギッシュなエンターテイメント。腹を抱えて爆笑するか、汗だくになりながら踊り狂うか。いや、爆笑しながら踊り狂うしかない。下世話に陥りかねないギリギリの一線。そこは、最高のエンターテイメントの居場所だ。そして、POLYSICSは今日もそこで汗だくになって暴れ回っている。
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The Mirrazがメジャー・レーベルを離れ、自主レーベルからリリースする初のフル・アルバム。自主レーベルからの第1弾リリースとなった『マジか。と つーか、E.P.』でアプローチしたEDMとバンド・サウンドの融合をさらに追求した曲の数々は、海外のロック・シーンの最新トレンドを確信犯的に取り入れてきたThe Mirrazならでは。とはいえ、耳を傾けるべきはEDM云々よりもインパクトの大きなダンス・ビートとシンセ・サウンドを使い、彼らが表現しようとしているアグレッシヴなメンタリティ。リリックを迸らせる畠山承平(Vo/Gt)の舌鋒はますます鋭いものになってきた。切れ味鋭いカッティングを閃かせるギターも聴き逃せない。畠山によるリミックス・バージョン6曲を含む全18曲の大作だ。
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主宰レーベル"DEATH PYRAMID RECORDS"からの第1弾リリースは、すでにライヴで披露している「マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。」と「つーか、っつーか」他の計6曲に今年3月の新木場STUDIOCOAST公演前半からのライヴ・トラック13曲をプラスしたEPと謳いながら、EPとは思えないボリュームの1枚。新曲のテーマはThe Mirraz流のEDMということで、ド派手なシンセとダンス・ビートが鳴っているが、曲そのものは彼ららしいものなのでファンはご安心を。つーか、ライヴで無条件に盛り上がることができる曲が増えたんだから喜ぶべきだろう。キョーレツなニヒリズムをアピールしながら、それでも最終的には愛を求める歌詞もThe Mirrazらしい。
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OPPORTUNITY
1年8ヵ月ぶりとなるメジャー第2弾アルバム。バンドの最新モードを追求しながら、ファンが求めるThe Mirrazらしさにも応える絶妙のバランス感覚が自分たちなりに日本のロックのトレンドを咀嚼したダンサブルな「プロタゴニストの一日は」他、多彩な12曲に実っている。エレクトロニカに接近した「i luv 日常」やR&Bを意識したというメロウな「レイトショーデートしよう」が最新モードをアピールする一方で、ガレージ・ロック・ナンバーはよりハードかつヘヴィなサウンドに。どこをどう聴いても彼ららしいと思えるのは、同時にバンドの芯がさらに図太いものになっているからだ。言葉遊びを交えながら、物語の主人公になれない葛藤と"君"への想いを歌った歌詞からも彼らがどんな想いで作品に取り組んでいるかが窺える。
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音源としては2013年6月のミニ・アルバム『夏を好きになるための6の法則』から約11ヶ月ぶりとなる、2014年第1弾シングル。既にライヴでも披露されている表題曲はミイラズ節とも言える早口で猛進する、6分弱のに渡る壮大なギター・ナンバー。何度も繰り返される"この惑星のすべてを見てみたい"という言葉の通り、どんな場所にも突き抜けていくような力強いバンド・アンサンブルで引きつける。この惑星のすべてを見ようとしていた主人公が、その惑星に存在するただひとりの"君"に熱視線を向けて歌う展開はドラマティックで映画のクライマックスのようでもあり、胸が焦がれた。ゆるめのビートが心地よい「らぶりー」、ユニークなリリックが印象的なカントリー・ナンバー「ステーキを食べに行こう」の全3曲を収録。
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選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
メジャー・デビューの発表から2枚のシングルを経てリリースとなった待望のフル・アルバム。シングルの時点でメジャーに行ったら彼らの持ち味である牙が取れてしまうのではないか?という心配を取り去るどころかインディーの時以上に牙をむき出していたが、本作はThe Mirrazらしさがすべて凝縮されて、なおかつダブステップの要素を取り込むなど“今”の音にしっかりとアップ・デートされている。リード曲となっている「スーパーフレア」は1stから聴き続けているファンにも受け入れられるであろうARCTIC MONKEYSよろしくなザクザクと畳み掛けるギター・サウンドだが、確実にThe Mirrazの音としてアウト・プットされている。メジャーで頂点でを目指すのではなく、頂点を取りにきた彼らの気迫を感じる作品だ。
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The Mirraz
傷名/うるせー
10月に1stシングル『僕らは/気持ち悪りぃ』でメジャー・デビューしたThe Mirrazが早くも2ndシングルをリリース。「傷名」では、“絆”と“傷”を掛けて大切な人たちとの信頼関係を独特の解釈で歌い上げる。リスナーの心に爪を立てるように刻み込まれる強いメッセージ性が溢れる歌詞だが、それをより熱く深く伝えてくれるのはソリッドに研ぎ澄まされたバンド・サウンドだろう。「僕らは」に続くThe Mirrazなりの素直な感情表現を感じられる楽曲だ。コミカルでシニカルな爽快感のあるアッパー・チューン「うるせー」、ポップで煌びやかな「I don't know」と、3つの表情を楽しめるシングルだ。Track.4には前作から引き続き7月の代官山UNITのライヴ音源の後編を収録している。
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The Mirraz
僕らは/気持ち悪りぃ
この秋、ついに4トラック総収録時間50分超えのシングルでメジャー・デビューするThe Mirraz。Track.1「僕らは」は"もっとでかいところへ行きたい"と宣言した彼らの決意と気合が炸裂する、キャッチーでありながら攻め続ける楽曲だ。畠山承平が早口で刻む言葉と気迫溢れる強靭なギター・ストロークは心の中にまっすぐ染み込んでいく。メジャーであろうとインディーズであろうとThe MirrazはThe Mirrazだということを体現しながらも、その新たなスタートに賭ける純粋な情熱が美しく鳴り響く。これまでのThe Mirrazの音の中で一番強く"素直な思い"を感じた。Track.4には7月16日の代官山UNITライヴ音源(前編)がメジャー・デビュー発表のMCを含め全11曲収録。
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The Mirraz
言いたいことはなくなった
The Mirrazは言う、"ただ音を楽しもう"。そう、生きている限り、僕らには、音を楽しむ権利がある。いや、それに限らず、なんだって出来る、僕らは自由なのだ。それは、"音楽"にとっても同じはずだろう?僕らは少しばかり音楽に重荷を背負わせすぎた。"心の支え"という枷を外して、もっと自由にしてやろう。――例え、その頭に"疑"という文字が隠されていようとも、世界を、人を、愛し愛そうとする限り、自問自答と、自己と世界を糾弾することを止めなかったThe Mirraz。だが、彼らは遂に止まった。次なる革新の一手を繰り出すために、攻撃の手を、前進する足を、そして、最後には口を閉ざした。そうして、生み落されたのは、愛する理由も理屈も並べない、ただシンプルに愛と希望だけを歌った、ストレートなロックンロール。3.11、震災、原発問題...。"そんな時代でも楽しく生きれるような音楽を作りたかった"と畠山が言うように、今作は、こんな状況下に取り残された者の生きることへの漫然とした不安すらも払拭する、ただ純粋な楽しさと喜びに溢れている。これは、希代のヒールが繰り出す一世一代のアプローチ、これまでのバンドのやり方を投げ出して完成させた、音楽への愛と希望の形である。
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cinema staff
海底より愛をこめて
ライヴを主軸に音楽活動という名の航海を続けてきた彼らは、突如猛威を振るった新型コロナウイルスにより、その船から大海へと投げ出された。そんな彼らが"海底"から放つ、暗闇の中に光を見いだす本アルバム。先の見えない深海でもがく1曲目「海底」から始まり、"想像力で地上へ"というテーマのもと愛という明かりを頼りに進んでいく。荒波のように激しく緊張感漂うナンバーから穏やかに広がる大海原のように雄大な曲まで、様々に表情を変え展開する挑戦的な楽曲群。そして夜明け前の丘の上で始まりを歌う「はじまりの場所」にたどり着く。コロナ禍をともに彷徨い苦しみながらも乗り越えてきたすべての人々を、素直な感情を吐露した歌詞と深みを増したサウンドで抱きしめる、愛に満ちた12曲。
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cinema staff
白夜/極夜 E.P.
"極夜"とは太陽が昇ることのない状態。逆に"白夜"は太陽が沈んでも暗くならない状態を指す。真逆の現象をタイトルに冠し、陰と陽の心境をメタファーで表現したcinema staffの2021年初となるスタジオ音源。緩急を行き来する緻密なアレンジで激しくも悲しいワルツを描く「極夜」と、新しい一歩を踏み出す意志をエネルギッシュな歌に託した「白夜」は、サウンド面でもバンドの魅力を両軸から浮き彫りにする。バンド初期に演奏していた「DAWN」をソリッドにリアレンジした「NEWDAWN」も含めて、太陽をテーマにしたような統一感のある収録曲が印象的だ。さらに、CD盤には学生時代に、飯田瑞規(Vo/Gt)が作曲を手掛けた初々しい楽曲を収録。バンドの過去と現在が詰まった1枚。
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cinema staff
BEST OF THE SUPER CINEMA 2008-2011/2012-2019
2008年全国デビュー、2012年メジャー・デビューという経歴の中での初のオール・タイム・ベスト。収録されている新曲「新世界」は伸びやかなメロディとソフトなヴォーカルの相性を最大限に生かしつつ、バンドの地に足のついた音像を聴かせる晴れやかな楽曲。冷静に未来を見据え邁進する4人のモードを実感できる。もう一方の新曲「斜陽」は盟友、高橋國光(ex-the cabs/österreich)との共同制作。両者の尊厳と個性が美しく混ざり合った、繊細で慈愛と情熱に満ちた楽曲が生まれた。彼らの音楽人生を描いたであろう高橋の綴る歌詞も、ひとつひとつがパンチラインとして響く。様々な痛みと喜びと迷いに翻弄されながらも、自分の音楽を磨き続けることをやめなかった人間たちの、情操の結晶だ。
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cinema staff
Name of Love
「great escape」以来約6年ぶりにTVアニメ"進撃の巨人"のEDテーマを手掛けるcinema staff。嵐のようなギター・リフが生むカオスの中で、手探りで道を見つけていくような前回のダークなサウンドに対して、「Name of Love」は静謐なピアノと歌で始まる。今回描いたのは"絆"。強くも脆くもある目に見えないものを手にして進んでいく、美しくドラマチックな曲だ。構築的に細部を積み上げながらスケールの大きな曲を描いていく4人の手腕が生きた曲で、アニメの世界観や根底に流れるものを掬い取った内容となった。今作では「great escape」のニュー・ミックスの他、「OCEAN」、「さらば楽園よ」とアニメを思わせる曲を収録。重厚で充実感のあるシングルだ。
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cinema staff×アルカラ
undivided E.P.
長く親交を温めてきた cinema staffとアルカラによるスプリットEP。書き下ろしの新曲、それぞれのカバー、コラボ曲の全5曲が収録された。cinema staff新曲「first song(at the terminal)」は、ソリッドで高いテンションのドラミングと多展開のドラマチックなサウンドを、伸びやかな歌が包み込む。キャッチーで温かいメロディにただ行儀よく収まらない、アンサンブルのパッションが惹きつける。アルカラの新曲「サースティサースティサースティガール」は、爆発的なオープニングからサビでファンクに急展開するトランスフォームっぷり、先の読めなさ、オチのつけ方で唸らせる。この2バンドが互いをカバーし、コラボする曲は、もちろん技もネタも巧妙に仕掛けられていて、味わい、楽しみが尽きない。
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cinema staff
熱源
前作『eve』は初めてプロデューサーを立て、cinema staffの武器である歌、鋭さ、キャッチーさを洗練させた作品を生んだ。今回の6thフル・アルバムは再び自分たちの手で完結した作品だが、そこではこれまでの経験値を駆使したより鋭利な曲と、馬力のあるサウンド、構築的で変化に富んだアンサンブルへの知性が光る。グッド・メロディと幾何学的なサウンドが、ギリギリのところで接着している初期のスリルに引き込まれた人も、歌心や寓話的な物語性の高さに心揺さぶられた人も、爆発的なロック・バンドとしてのスケール感にやれらた人も、満足する作品。その、それぞれのポイントの高いハードルを超えたアルバムだ。"熱源"という果てることのない、マグマのように煮え立ったバンドのクリエイティヴィティを見せつける。
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cinema staff
Vektor E.P.
「エゴ」、「返して」、「ビハインド」の3曲からなる最新EPは、cinema staffのアンサンブルの妙味と歌とのハーモニーをより洗練し、大きく響かせたアルバム『eve』とはまた違った4人の味を引き出している。勢いの面では、初期のころの、互いに一歩も引かずに音のバトルを繰り広げ、せめぎ合う音が刹那な火花を散らすエネルギーがある。それが沸々としたカオス的な暴発感でなく、メロディを際立たせ、微妙な言葉の温度感を伝える繊細な火力を持ったサウンドとなっているのがとても美しい。「エゴ」ではサビのメロディ、肝のフレーズが猛烈な切迫感で耳に飛び込み、「返して」ではもう二度とないかもしれない甘い景色を、その音で痛切に心に刻み込む。叙情的な風景が、閃きのように脳内に広がる1枚だ。
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cinema staff
eve
前身バンドから数えれば、10数年に渡る年月をこのバンドで過ごし、ミニ・アルバムは5作、フル・アルバムとしても4作リリースしてきたcinema staff。5枚目のアルバムは、彼らのキャリアの中でも、より意識的に変化を求め、実践していった作品だ。それぞれが主張の強いフレーズをぶつけ合うアンサンブルと、展開の多い曲構成、泣きの要素で心を掴む叙情的なメロディ、これを絶妙の絡みで聴かせるのがシネマ節。アルバムに繋がるEP『WAYPOINT E.P.』収録の「YOUR SONG」では、シネマ節を超王道のバラードへ昇華した。その過程で培った曲を洗練させる手法が、アルバムの端々に活きている。各曲のチャーム・ポイントたる場所を、最大限引き出して響かせていくアレンジが、バンドのポップ性とヒリヒリとした尖りを露わにした。
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cinema staff
SOLUTION E.P.
リード曲「YOUR SONG」が大きな反響を得た前作『WAYPOINT E.P.』と対をなす今作。彼らのメロウな歌心を最大限強く、且つシンプルに引き出した前作、そして今作のバンド・アンサンブルの妙が織りなす"動"のドラマ、この両極がcinema staffの面白さだ。今作のリード曲「切り札」では、飯田瑞規(Vo/Gt)の上昇していく鮮やかなメロディ・ラインと並走し、デッドヒートを繰り広げる辻友貴(Gt)のメロディアスなギター・フレーズが肝。メロディの両輪がサウンドのスピードを上げ、風を生んでいく爽快さがある。サウンドはラウドでアグレッシヴだけれど、ビートもフレーズもデコラティヴになりすぎず、鋭く磨き洗練されている。プロデューサーを迎え、1曲を徹底してブラッシュアップし、4人の個の音を明快に編み上げたアンサンブルとなっている。
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cinema staff
WAYPOINT E.P.
自分たちの表現を護り、育み、磨き続けてきたcinema staffが、大きな一歩を踏み出した。アレンジをプロデューサーの江口亮へ一任し、それを自分たちなりに消化して作り上げた表題曲「YOUR SONG」。NHK岐阜放送局開局75周年を記念して制作されたドラマ"ガッタン ガッタン それでもゴー"のために書き下ろした主題歌だ。ドラマの世界観に自身の現況や心情を重ねたミディアム・テンポのバラードは、彼らが持っている誠実さ真摯な姿勢を混じり気なくこちらに届けてくれる。様々な人の力を借りて手に入れた方法論を、彼らは今後自分たちのものにするだろう。そのとき彼らはどんな音を鳴らすのか――。それは今はまだ曖昧なヴィジョンかもしれないが、未来は見えないからこそ面白く、自らの手で開拓してこそ喜びがあるのだ。
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cinema staff
blueprint
過去最高に歪んだギター、より地に足の着いたベースとドラム、そしてその4つの音の上で強く響くヴォーカル。"自分たちにしか鳴らせない音楽"を大事にしてきた4人の、活動と年齢を重ねたうえでの変化の結晶がこの『blueprint』、彼らの"未来予想図"である。"今の自分たちが何をするべきなのか"という冷静な視点と、"大好きな音楽/バンドを長く続けていきたい"という純粋な気持ちが作り上げた音と言葉は、ひとつひとつに高い熱量が宿り、4人の気迫が絶え間なく突き刺さる。しっかりと未来を見据えることができた、現在のcinema staffのモードがそのまま結実したアルバムだ。実に清々しく、実に夢とロマンに溢れたダイナミックなリアリズム。そんな勇敢な音色に、心が突き動かされるのは必然なのだ。
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V.A.
残響record Compilation vol.4
全15バンドが新曲を録りおろした残響recordレーベル10周年記念コンピレーション。好きなバンドだけ聴ければいい、なんて思ってるかたはその考えを改めることをお勧めする。なぜなら、もしこの15バンドにあなたが好きなアーティストがいるならば、間違いなくそれ以外の楽曲もあなたのアンテナに触れるはずだから。それこそが残響recordが10年間でリスナー、そしてアーティストと積み上げた"信頼"だ。ポスト・ロックやエレクトロニカの音楽性を持ち、どこか人を寄せ付けない孤高の輝きを放つ危険性、神聖さを持つアーティストが集うという、事件とも言うべきロマンチシズム。残響recordの看板でもあるcinema staff、People In The Boxをはじめ、全アーティストが独自の色を研ぎ澄ました攻めの新曲を投下している。
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cinema staff
Drums,Bass,2(to) Guitars
バンドが始動して10年の歳月が流れた。その間には数々の喜怒哀楽があり、挫けることも少なくなかったかもしれない。だが彼らはどんな時代でも自分たちに嘘をつかず、抱いている想いをそのまま音と歌にし、そのときの最高水準の音源を作り続けてきた。前作『望郷』はそのモニュメント的作品とも言える。そんな大作を作り上げたバンドが手に入れたのは確固たる自信。今作『Drums,Bass,2(to) Guitars』にはそれが満ち満ちた音しか鳴っていないのだ。美しく高らかに鳴り響く4人の音色と、情感豊かな飯田瑞規のヴォーカルは、聴き手を大きく巻き込むポジティヴで晴れやかなパワーがある。サンバ風のリズムや、エレクトリック・シタールを用いたりなど、随所に挟まれる人懐こい遊び心も痛快。大きなバンドになった。本当に。
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cinema staff
borka
4月2日にリリースされるメジャー2ndフル・アルバム『Drums,Bass,2(to) Guitars』に先駆けて、リード曲を先行配信。同曲は「great escape」をプロデュースした亀田誠治と再びタッグを組んで制作された。ものすごい手数で果敢に攻め込むダイナミックなドラミングに、瑞々しく響く2本のギター、ソフトなコーラスが一足早い春の訪れを告げるようだ。亀田誠治のプロデュースにより、いままでcinema staffが積み上げてきたものを更に大きくこじ開ける、洗練された音色になった。いつ帰ってくるかわからない"あなた"を待ち続ける主人公のボルカ。だが4人の音と飯田瑞規の包容力と説得力のある歌声は、そんな悲しみや不安を吹き飛ばすように鳴り響く。ここに存在するのは笑顔と強い希望だけだ。
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cinema staff
great escape
バンド初の書き下ろしタイアップ曲であり、初のプロデューサー起用曲はテレビアニメ版"進撃の巨人"の後期エンディング・テーマ。インタビューで三島想平(Ba)が"ヒーローがたくさんいるような曲にしたかった"と語ってくれたように、速く鋭く感情的に突き進むギター、メロディアスなベース、音全体を引き締めるドラム――全てが各々の輝きを発っており、攻勢的でハードでありつつも非常に開けた楽曲になっている。主人公エレン・イェーガーの心情や物語の持つ勢いや団結力を反映させつつ、実にcinema staffらしいサウンド・メイクだ。上京してからの2年間で感じた思い全てを込めたフル・アルバム『望郷』という、ひとつの到達点を迎えた今だからこそ作り上げることが出来た、実験的かつ挑戦的なナンバー。
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cinema staff
望郷
楽曲の中核を担う三島想平(Ba)は、ライヴで観客に向かい"岐阜県からやってきましたcinema staffです"と挨拶をする。それは彼らが上京してからも変わらない。『望郷』に収録されている楽曲は全てバンドが上京後に考えたこと、作り出したもので構成されているとのことだ。この作品はcinema staff史上、最も不安定な音像かもしれない。だが最も4人の生々しい心情が音と言葉に溢れた、非常にダイナミックな作品である。故郷への特別な想い、故郷を離れてでも追いたい理想、そして葛藤――。ここには環境と心境の変化がもたらした"進化"が現在形で集約されている。何より、感情的な4人の音色がとにかく包み込むようにあたたかいのだ。泣きながら人の涙を拭うような不器用な優しさに、何度も涙腺が緩んだ。
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cinema staff
西南西の虹
cinema staffのダブル・シングルのうちの1枚である『西南西の虹』は4曲入り。タイトル・トラックは昨年からライヴでも演奏されているが、音源で聴くと鋭利な部分だけではなくそこから生まれる優美さがより浮き彫りに。両極端なものが自然と地続きになるのも彼らの魅力のひとつだ。特にリード・ギターの切れ味と速度は目を見張るものがあり、何度も突き刺されるような感覚。スケールのあるメロディも楽曲の持つ力強さを引き出している。つんのめるような疾走感が光るシネマ節とも言える「A.R.D」、ギターの弦を押さえる指の音も優しく響くアコースティック・ナンバー「発端」、バンドの新章を予感させる言葉が耳に残る「いらないもの」。着実に歩んできた彼らの現在位置を示すシングルと言えよう。
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cinema staff
小さな食卓
cinema staffがシングルを2枚を2222枚完全限定で2月20日に同時リリース。そのうちの1枚である『小さな食卓』はCDに同曲を収録。タイトルとLOSTAGEの五味岳久が描くジャケットにもあるように、"食卓"をテーマに歌った同曲。何度もリフレインするギターは流線型を描くように広がり、躍動感のあるドラムはダイナミックに炸裂。緩急のあるベースは包容力を生み出す。4人の阿吽の呼吸が生み出す絶妙なアンサンブルは、家族の風景そのものにも思える。飯田瑞規のヴォーカルも、よくある日常風景をあたたかく優しく、何より明るく響く。身近にいる掛け替えのない人々への愛情と感謝の気持ちに満ちた曲。
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cinema staff
SALVAGE YOU
メジャー・デビュー作である前作『into the green』から3ヶ月弱で届けられたミニ・アルバムは"救い"がテーマ。聴き手を意識するようになった4人の音はより柔らかく、ダイナミックなスケール感を帯びており、バンドがネクスト・ステージに上がったことを如実に表している。明確な意思を発するポップな「奇跡」から、鋭さと激しさとミステリアスが交錯する「her method」、フィクションとノンフィクションの狭間を描く抽象画のような「warszawa」「小説家」へと、どんどん心の奥底へと4人の音が浸透していく。その鮮やかでドラマティックなストーリー展開は、夢なのか現実なのか分からなくなるほどに我々を音の中へと取り込んでしまうのだ。更に振り幅を増し成熟してゆくcinema staffの音像に息を呑む。
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cinema staff
into the green
新曲2曲と過去の代表曲4曲によって構成されたメジャー・デビュー作にして、音楽的にもcinema staffに新たな季節が到来したことを告げるEP。表題曲「into the green」はまさに、ここ数年の彼らが緩やかに、しかし確実に描いてきた音楽的な進化が昇華された改心の1曲だ。バンド最大の特徴であった飯田の透明感のあるヴォーカルに導かれるように流麗な旋律を描くギターは、時にシューゲイザーのような感傷的なサイケデリアを宿しながら、じわじわと聴き手を包み込む。怒りとも悲しみとも喜びともつかない、この独特なエモーションを表現するサウンドは、彼らがスピッツやsyrup 16gに連なる、この国の偉大なるオルタナティヴ・ロックの系譜にあるバンドであることを告げている。
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cinema staff
cinema staff
03年結成の4ピースバンドcinema staffの1stフル・アルバム。セルフ・タイトルを冠した本作は、まさにデビュー作というに相応しく、"海"という生命の源、始まりの場所を目指す希望に満ちた旅を描いている。そのジャケットの通り、冒頭曲「白い砂漠のマーチ」で夜の砂漠から旅は始まり、目指す"始まりの場所"は"海"。そう――これは、始まりへの旅路なのだ。未だ見ぬ生命の源、船出の場所へと近付くにつれて、光と潤いの色が徐々に加わっていく本作の流れ。と同時に、曲が進むにつれ、その足どりがより強くなっていくかのように、より強く、凛と響いていくヴォーカルもじつに勇ましい。そして、ラスト・ナンバー「海について」で約7分にわたり描かれる希望と歓びは、これ以上ない最高の"始まり"を描いている。
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cinema staff
水平線は夜動く
ここ2年間の彼らの活躍には目を見張るものがある。リリースを重ねるごとに、音が一回りも二回りも膨らみを増し、洗練されていくのだ。前作から半年振りのリリースになる今作は"線"をテーマにした4曲入りのコンセプト・シングル。彼らが切り取る4つの情景はどれも一貫として、張り詰めた早朝の真冬の空気に零れる吐息のように柔らかであたたかく、闇の中で深々と降り注ぐ粉雪のように繊細で凛としている。白と黒のコントラストを感じさせる静寂と轟音で彩られた彼らの音は独特なリズムを刻み、どこまでも切なく、どこまでも美しく響き渡る。慢性的な不満を抱えた現実世界に"夢"という魔法を掛けるようなドラマティックな空気感に、完全に飲み込まれ抜け出せなくなった。目を閉じて聴き入りたい、そんな音。
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cinema staff
Blue,under the imagination
社会へと足を踏み出したcinema staffの溢れる衝動は、ひどい熱量を放ちつつも冷静さを内包している。彼らがいわゆる"激情系"を逸脱したのは、その凄然とした冷静さ故だと思う。『Blue, under the imagination』では、深層心理をを丸裸にし、非常に叙情的で完結された形で世界を切り取っている。3枚目にして、触れれば血が噴出しそうな鋭利さは磨きがかかり、より一層の純度が増した。内でうねる心の震えが激情へと高ぶりを見せ、石を投げ込まれた水面の波紋のように破壊力が広がりを見せるのだ。そこには衝動だけで語ることのできない、彼らのドラスティックなまでの確かな意思がある。彼らは知っているのだ。「想像力」こそが、未来へ向かう原動力であり、現実を作りだしていることを。そして、現実に対峙する唯一の手段であることを。"想像力"はやがて"創造力"へと変貌を遂げる。世界はまだ始まったばかりだ。
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アルカラ
NEW NEW NEW
サポート・ギターに為川裕也(folca)と竹内亮太郎(ex-the storefront)を迎えたアルカラの10thアルバム。リリース直前のツアーでこの会心の作をいち早く堪能できたが、ライヴで様々なシーンを生む曲が揃っている作品となった。言葉や語呂、サウンドでキャッチーに遊びながらアルカラの音楽はもちろん、音楽や芸術が生まれる心震わせる瞬間を封じ込めた「瞬間 瞬間 瞬間」、同様のテーマ性をよりパーソナルに内省的に描いた「未知数²」など、力のある曲に惹きつけられる。多くの曲の根底にあるのは生きる喜びであり、なんの変哲もない日常があることの喜び。それを"ロック界の奇行師"は、聴き手の耳を驚かせると同時に、その余韻に歌心と歌の真意とをそっと置いていく。何度も聴きたくなる作品。
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アルカラ
20180127~KAGEKIにやってくれないかチュアー~
初のフル・アルバム『KAGEKI』を引っ提げて開催された全国ツアーのファイナル、Zepp DiverCity TOKYO公演の模様を収めた映像作品。"ツアー前に起こったKAGEKIな出来事"により、会場に集まった人の多くが不安を抱えていたであろうこのライヴだが、1曲目「3017」の1音目でその不安を払拭してのける様が痛快。サポート・メンバー 為川裕也(Gt/folca)のサウンドメイクが原曲に寄り添っているところには、アルカラへの愛とリスペクトが感じられる。事前に出演が告知されていた9mm Parabellum Bulletの滝 善充(Gt)に加え、菅原卓郎(Vo/Gt)とHEREの武田将幸(Gt)も乱入し、カオスなお祭り騒ぎとなったアンコールも必見。アルカラというバンドがなぜこんなにも愛されているのか、その答えがここに詰まっている。
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cinema staff×アルカラ
undivided E.P.
長く親交を温めてきた cinema staffとアルカラによるスプリットEP。書き下ろしの新曲、それぞれのカバー、コラボ曲の全5曲が収録された。cinema staff新曲「first song(at the terminal)」は、ソリッドで高いテンションのドラミングと多展開のドラマチックなサウンドを、伸びやかな歌が包み込む。キャッチーで温かいメロディにただ行儀よく収まらない、アンサンブルのパッションが惹きつける。アルカラの新曲「サースティサースティサースティガール」は、爆発的なオープニングからサビでファンクに急展開するトランスフォームっぷり、先の読めなさ、オチのつけ方で唸らせる。この2バンドが互いをカバーし、コラボする曲は、もちろん技もネタも巧妙に仕掛けられていて、味わい、楽しみが尽きない。
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アルカラ
KAGEKI
8枚のアルバムを発表してきたアルカラだが、全12曲というボリュームのフル・アルバムは、今回が初。バンドの脳内へと分け入っていく迷宮的なサウンドがたっぷり味わえるアルバムで、迫力がある、怒濤のアンサンブルがパッケージされた。アルカラは、予測不能なスリリングな展開とキャッチーさとを両立する稀有なバンドである。その両方の濃度と純度を上げ、音の腕力でねじ伏せるだけではない独自のポップでロックな形を作ってきた。繰り返し聴きたくなる音の隠し味、違和感を少しずつ織り交ぜてなお耳触りや発語の気持ちよさがある言葉、けれんみたっぷりなようでいて、心の急所を突く歌と、今回もその"節"がわかっちゃいるのだが、気づけば脳内の迷宮にとらわれてしまう。愉快で濃い1枚だ。
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アルカラ
炒飯MUSIC
銅羅の音と逆再生に始まり、子供のコーラスや掛け声が入ったりと、飛び道具的なアイテムのキャッチーさも曲を盛り上げているが、何よりも4人が"主題歌"というお題で存分に遊び倒しているのが「炒飯MUSIC」。Aメロからサビまでどこで切ってもクセの強いメロディと、そのメロディに負けていないワウ・ギターや印象的なリフ、また突如シンセ・ベースが間奏に飛び込んできて異次元にワープする。小さいころに観たアニメの内容や主人公の名を失念しても、"ほら、あの"と主題歌だけはソラで歌えたり、音やフレーズを覚えていたりする。そういう、異物感と気持ちいいほどの耳馴染みの良さとが同居している曲だ。そこまでやるかの悪ノリも、キャッチーに響かせてしまうのがアルカラらしい曲でもある。
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アルカラ
ちぎれろ
エキゾチックなギター・フレーズを肝にした、フォークロアなパンク・サウンド「消えたピエロと涙」でアルバムは幕を開ける。ピエロの哀しき性を、ほろ苦く、寓話的に仕立てた歌にまずKOされる。自己肯定と否定とを繰り返して、自分の居場所で必死に踏ん張る姿はとても不器用で、それだからこそ美しくもある。この曲を筆頭にして、今作は、批評的にシニカルに世の中や人を切っていくスタンスと、同時に泥臭くもチャーミングな、人の心の機微や性分が詰まっていて、とてもエモーショナルな内容だ。懐かしい歌謡曲の、物憂げで、湿度のあるメロディが冴えて、アルカラらしいトリッキーなサウンドと絡まっているのも面白い。毎作突き抜けたパワーがあるが、今作は抜群。キャッチーさにしれっと毒を盛り、たちまち中毒にさせていくドープな音楽がここにある。
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アルカラ
20141207-ガイコツアー2014-
すべてがあった。アルカラの、今の、すべてがあった。2014年12月7日にZepp Tokyoにて行われた『CAO』リリース・ツアー"ガイコツアー2014"のファイナル・ワンマン公演。本作は当日のライヴ全編に加え、ツアー・ドキュメント映像も含めた大ボリュームのDVD作品である。突き刺すように駆け抜けたライヴ前半。ユーモアで会場を沸かせた中盤。あたたかさと感動で会場を包み込んだ終盤。アルカライダーまで登場したアンコール。そして、ツアー・ドキュメントで見られる、"バンド"と"ライヴ"への愛。シリアスな顔もおどけた顔も、必死で何かを伝えようとする顔も......12年のキャリアの中で彼らが見せてきたあらゆる"顔"が、この作品には刻まれている。この先、どれだけ先へ進もうと、きっとここに刻まれたすべての顔を、彼らは忘れない。
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アルカライダー
アルカライダー監修「アルカラボーナストラック大全集」
アルバムの最後に、たまに"ボーナス・トラック"って入っているでしょ。CDを聴いていたら、最後の曲が終わったのに全然CDが止まらなくて、ほっといたら数分後に急に曲が始まってビクッとする、あれのことね。ああいうのって、僕はちょっと苦手なのです。だって、アルバムの余韻を損なうじゃん。でも、アルカラのアルバムのボートラは例外的に好きなのです。何故ならクオリティが高いし、音楽愛に満ちた引用が出てくるし、何より彼らは悪ふざけにもゴリゴリの本気だから。本作は、そんなアルカラの素敵なボートラたちをアルカライダーが集めて監修したもの。初期のボートラはシリアスな名曲多めだけど、キャリアを経るごとに段々と悪ふざけが悪化していくのがよーくわかる。尽きせぬ初期衝動とロック愛に乾杯。
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アルカライダー
怪盗ミラクル少年ボーイ
若い子は知っているかな。昔、"ダウンタウンのごっつええ感じ"というバラエティ番組があってね、そこに"エキセントリック少年ボウイ"というコントがあったんだよ。今はもう、あんな素晴らしい悪ふざけはテレビで見ることはできないね。このアルカライダーというバンド(肩書きは"ロック界の奇行師ヒーロー")には、あのコントに通じる悪ふざけを感じるよ。このシングルの2曲目の「ゆけ!アルカライダー ~アルカライダーのテーマ~」からは特にそれを感じるよ。アニメ"怪盗ジョーカー"の主題歌である表題曲は捻くれた展開の妙と疾走感のあるサビで聴かせるギター・ロックだよ。リミックスも入ってるよ。悪ふざけも、やるならこのぐらい全力でやらないとね。というか『CAO』からのギャップがすごいね。最高だよ。
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アルカラ
CAO
すべての音が切迫感と焦燥感に満ちている。かつてなく生々しい。ここには、ドラマティックな激情と奇抜な変態性を行き来するサウンド、あるいは人を食った言葉遊びで聴き手を煙に巻いてきた今までのアルカラの姿はない。ここにあるのは、時代を突き刺す鋭利な刃物としてのロックを一直線に鳴らす、素顔を剥き出しにしたアルカラの姿である。均一化されていく価値観に満たされ、正しさだけが求められるこの世界に対して怒りの表情を浮かべながら、そうした問題意識を突き詰めたが故に露になった、"すべてのものが終わりゆく"という儚い刹那と、少年の頃の自分自身に重ねられたパーソナルな心象。"どーでもいい"という言葉の切実さと説得力。12年のキャリアの果てに辿り着いた大傑作。この先の10年はアルカラの時代になるだろう。
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アルカラ
ドラマ
アルカラ、5枚目のアルバム。歌謡性の高いドラマチックなメロディと歌が、変拍子を多用したリズムを基盤とした、空気を切り裂くようなソリッドな演奏と共に繰り広げられる、まさにアルカラ節が炸裂した作品である。ロックがシリアスさだけを打ち出すことは容易いが、同時にユーモアを手なずけるのは、とても難しい。しかし、アルカラは見事にそれをやってのける。それができるのは、ある一定の音楽性だけに捉われない豊かな素養と、それを楽曲に昇華する技術、そして独特な言葉のセンスがあればこそだ。4曲目「YOKOHAMAから来た男」~6曲目「380」において自由に音楽で遊びまくった後、「防御線の果て」、「ビデオテープ」という名曲で締める後半の流れが実に素晴らしい。
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アルカラ
こっちを見ている
おいおい!どうなってんだ!?やはり"ロック界の奇行師"を自称するだけに、思いもよらない展開をしてくれるぜ!前作『フィクションを科学する』から約7ヶ月という驚異的なスピードでアルカラが新作『こっちを見ている』をリリースする。フロントマン稲村太佑の脳内だだ漏れ状態か?この猪突猛進がさらなる高みへの鮮やかなステップ・アップであり、激エモな楽曲の疾走感にも反映しているようだ。映画『アベックパンチ』の挿入歌にも決定した「半径30cmの中を知らない」を中心に繰り広げる大胆かつ繊細なアルカラ・ワールド。奔放すぎておかんの声からピー音(放送禁止に使うアレ)まで入るとは、ホント馬鹿だな~(褒め言葉!)。これはライヴ映えする力もハンパないから、借金してでも生を体感するべし!
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アルカラ
フィクションを科学する
嘘か真か、インタビューで語ったように"心で歌う"姿勢がそうさせたのか。アルバムとして3枚目の今作は、これまでの圧倒的なハイテンションで突っ走るような勢いを緩め、メロディアスな世界観を強調した作風となった。9mm Parabellum BulletとSyrup 16gの中間に位置付けられそうで、疾走感を期待するとやや肩透かしを食らうかも。だがしかし、この変化で露わとなったのは、聴けば聴くほど旨みが増すような、するめいか状態の味わい深い叙情性。「大久保のおばちゃん」や「はてない」に印象的だが、メロディアスなサウンドと日常のささやかな心情を掬う文学的な詩世界が絶妙に相まり、いつかの原風景を引き出すだろう。全体をみるとストレートなロックン・ロール「キャッチーを科学する」は軽いご挨拶って感じで、ニクイね!
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アルカラ
BOY NEXT DOOR
神戸出身の四人組、アルカラの2ndアルバム。尚、同時に1stアルバム「そうきたか」も再プレス&リリースされている。"ロック界の奇行師"と呼ばれているだけあって、確かに変わったことしてるな~という印象。「マゾスティック檸檬爆弾」では、2ビートを久々に聴きました。そこからの展開もめちゃくちゃ面白いし。プログレッシブというんじゃないんだけど、複雑怪奇なバッキング。その割に、ヴォーカルラインは覚えやすくてフックが満載なところも、賢いというか、狡猾というか。王道的バラードもいい曲ではあるんだけど、やっぱり(いい意味で)"変"だな~っていう曲の方が輝いて聴こえてきます。普通のロックに飽きちゃったんだよねっていう気持ちがバシバシ伝わってくるだけに、今後の更なる飛躍に期待が出来そうです。
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