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INTERVIEW

Japanese

The Mirraz

2013年02月号掲載

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Member:畠山承平 (Vo/Gt)

Interviewer:伊藤 啓太

インディーズでありながらZepp Tokyoでのワンマンを成功させるなど破格の人気を誇っていたバンドThe Mirrazのメジャー・デビューは、暗い話題も少なくないロック・シーンにおいてセンセーショナルなニュースだった。そしてメジャー・デビューから2作のシングルを経て2月6日にフル・アルバム『選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ』をリリースする。フロントマンであり中心人物の畠山承平(Vo/Gt)に今作、そして今までとこれからのThe Mirrazについて訊いた。

-前回のインタビューの時にメジャー・デビューしてから“凄く良い環境でやらせてもらっている”とおっしゃっていましたが、それは今も変わりませんか?

はい、そうですね。

-具体的に大きく変わった部分は?

僕はやっぱりレコーディングの時の出来上がった音が凄く変わったと思いました。スタジオも別に変えたわけじゃないし、エンジニアさんとスタッフが2人くらい代わっただけで音が凄く良くなったというのは凄く抽象的なんですけど。聴いてもらったらわかると思いますけど余計な音も聴こえないというかクリアになっているし、その部分が僕は1番変わったなと思っています。それはもしかしたらメンバーの精神的な問題かもしれないし、みんなのやる気とかも変わったのかもしれない、前向きになったのかもしれない。でも、環境自体で凄く良くなったって言ったらあれなんですけど、めちゃくちゃこれが変わったっていうのは特にそんなになくて、(EMIは)基本的にはやりたいようにやってくださいっていう姿勢だし“The Mirrazがやりたいことをサポートするのがこちらの仕事ですから”みたいな姿勢でやってくれているので、自分たちが主導でやっている感じも変わらないんです。基本的にやりたいことはやっているし、そういう意味ではあまり変わってない――でもやっぱりそういう意味ではスタッフとミュージシャンとの関係性みたいなものは正しい関係性になっているっていう感じもするし、良くなったかなって思う。

-インディーの時と比べると単純に音楽のことだけを考えていられる時間っていうのはきっと変わってきたと思うんですよね。今までは畠山さんがバンド全体のプロデュースや事務的な部分も含めてやってきた部分が、そこに占める割合が音楽に割けるようになってきたことによって変わってきたって部分もあるでしょうね。

そうですね、僕も最初そう思っていたんですけど、というよりはもしかしたら単純にもっと良いものを作ろうとか、音楽に集中しようというよりも、もっと“深くいきたい”みたいな気持ちが強くなっただけなのかもしれないなっていうのは最近ちょっと思って。今までも常に音楽のことを考えていたしって考えると、よりもっともっと深く音楽を追求したいなっていう気持ちがただ強くなっただけなのかなって思って。メジャーにいくことで多くの人が聴いてくれるからもっと良いもの出したいなとか、そういう気持ちが強くなっただけなのかなって思ったんですよね、最近は。

-今作の話に移らせていただきます。今作は1stから提示し続けてきたThe Mirrazの攻撃的でシニカルな部分と、4thアルバム『言いたいことはなくなった』で見せたピュアな衝動とメロディがうまくブレンドして、凄く今のThe Mirrazらしさが伝わるので新しいリスナーは勿論今までのファンにも新鮮に受け止めてもらえそうですね。

そうですね、『言いたいことはなくなった』は音楽性から僕の内面的な部分を感じられる人が多いんですけど、僕としては“時代の音楽を切り取っただけ”っていう感じがあって。それは自然とそういう風に出てきたのかなっていう感じはするんですけど、今回のアルバムに関してはその経験があったので、そういう流れは自然と汲めました。後は今回のアルバムに関してはメジャー1発目のアルバムで、The Mirrazっていうバンドの代名詞的な部分を集めたものにしたいっていう思いもありましたね。ギターのリフだったりとか歌詞の世界観だったりっていうのは「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」とか「check it out! check it out! check it out! check it out!」みたいなものをどういう風に進化させようかみたいなところだったので、自然と前作やったことと混ざってきてもいますね。後は今回ダブステップとかの要素をちょっと入れてみて、わりと僕の中ではARCTIC MONKEYSらしいリフとかTHE STROKESらしいギター・メロディだとか、最近のコード進行だったりっていうのが自然と出てくるようになっていて、それが色んなアルバムを出してきた経験が自然とそういうものをやらしてくれたのかなっていう感じはします。だから凄くベスト盤的な部分もあるし、今のThe Mirrazっていうバンドが自然と鳴らす音がこういう風に出てくるのかなっていうのは自分でも思いました。