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INTERVIEW

Japanese

Shout it Out

2015年12月号掲載

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Member:山内 彰馬(Vo/Gt) 露口 仁也(Gt) 新山 大河(Ba) 細川 千弘(Dr)

-(笑)歌詞の面では"光"と"闇"という対比も多いですよね。"輝く""陽"と"夜"などなど......この関係性は山内さんにとってどういうものですか?

山内:僕、10代は夜だと思ってるんです。夜ひとりで部屋にいるとすごくいろいろ思うし考えるじゃないですか。僕は10代誰にでもそういう時間があると思っていて。そういうときにひとりで落ち込んで涙を流して......どれだけたくさんそういう人がいたとしても全員に朝は来るじゃないですか。だから僕らの音楽が、ひとりで涙を流している人の光になれたらなと思って。心に少しでも光を射せたらな......と思って。だから"光"や"闇"という言葉は意識的に入れるようにしています。最終的には絶対"光"に持っていきたくて。

-山内さんのヴォーカルも湿っぽさがないので、歌詞の世界や音を体現していると思います。苦しいことにも屈しない強さが前面に出ている。

山内:僕らはみんなの背中を押したくて歌ってるのに、僕らが何かに負けそうじゃ言葉に説得力がまったくないと思うんです。聴いてくれてる人が少しでも顔を上げられて、前を向けるようになるにはどうすればいいんだろう......と考えたときに、まず僕ら自身の背中を押せる曲を書かないとと思って。だから自分たちがちゃんと前を向いて曲を作って、歌を歌って、音を鳴らしていますね。

-なぜそこまで強く"聴いている人の背中を押したい"とお思いに?

山内:中学のときにスポーツで高校の入学の推薦が決まっていた仲の良い友達がいたんですけど、そいつが選手生命が絶たれるか否かのものすごい怪我をしてしまって、推薦の話がなくなったんです。......そいつを勇気づけたくて作ったのが「光の唄」なんです。それが初めて誰かのために作った曲で。それから僕はずっと"誰かのために歌を歌おう、誰かのために曲を作っていこう"と思っています。それが回りまわって自分の曲が自分の背中を押しているのかなー......と思い始めてるんです。夜中にひとりで自分たちの曲を聴いていてそう思うこともあるし......ライヴで自分の歌を歌いながらお客さんのレスポンスに背中を押されてるんですよね。

-歌詞や歌だけでなく、楽器で作る音もそういう力を持ってますよね。露口さんのギター・フレーズはより歌詞を印象的に響かせて広く届けるキャッチーさがあると思いますし。

露口:僕は曲を作るときに結構自分の描いてるイメージが強くて"こういう歌詞にして"というパターンもあれば、なんも言わんと渡して返ってきた歌詞に"わ、こんな感じになんねや。面白い"と思うパターンもあったりして。ギターは歌の邪魔にならんようにとはずっと思ってて。でも自分が前に行けるところは行きたい(笑)。 山内:露口は"どんな音にしたい"とか伝えてないのに、歌詞に合ったフレーズを弾くことがびっくりするくらい多くて。やっぱりそれだけフィーリングが合うんやと思います。

-4人全員のフィーリングがぴったり合ってるんでしょうね。今は11月中旬ですが、この4人になってまだ1ヶ月ちょっとだというのに、空気感的にも信じられないくらいしっくりきてる。

山内:それ僕らが1番思ってます(笑)。

細川:僕も信じられないです(笑)。やっぱりShout it Outは同年代のバンドだし、若さをずっと武器にしてるバンドだし、彼(山内)にしか歌えないことがあるなと思っていたし......。そういうヴォーカルと一緒にやりたいという気持ちはずっと持ってて。だから今こうやって一緒にやれてることが嬉しいし楽しいです。

-年齢は関係ないとは言っても、同年代への想いはいくつになってもあるものだなと思っていて。やっぱり特に10代だとしたら同年代がここまで堂々と若さを武器にしていたら"自分たちも堂々としていいんだ"と思えると思うんです。自分たちが認めてもらえる感覚になる同年代のリスナーさんは多いかもしれないですね。

山内:ああ......本当にそういうことがしたいんです。"自分は自分でいいんや"ということに気づいて欲しくて歌っているところはあるので。だから僕らはちゃんと堂々としていたいんですよね。自分たちの言葉で自分たちの音楽をして、それに対してお客さんが受け答えをしてくれたり気持ち良さそうな表情で見てくれたり手をあげてくれたり......そうやって応えてくれると"ああ、俺らはこうやってて間違いないんや"と思えて。僕がお客さんに認めてもらえたので......でかい言い方をするとみんなを認めてあげたいんです。返したいという気持ちはいつも持っていて。

細川:フリー・ライヴも感謝の気持ちから開催したものだもんね。

-今作には疾走感の強い曲も多くて、"青くて瑞々しい=Shout it Out"というイメージを決定づける作品になっていると思います。歌を大事にしているバンドならミディアム・テンポでもいいものができそうですね。

山内:ああ~......なるほど(笑)。

新山:優しいやつ、やってみるか(笑)!

山内:来年二十歳になるんで、大人の雰囲気を出せるようになりたいですね(笑)。

-これから年齢を重ねて大人になっていくと、今みなさんが武器にしている若さというものは少しずつ減っていくと思うんです。そういう状況でみなさんはどうしていくおつもりですか?

山内:......僕は歌詞を書くうえで意識的に若さを武器にしようと思ったことはないんです。気づいたら若さが武器になってたんですよ。だから"10年後はこういうことをしよう"みたいにプランを立てるわけではなく、このまま行き続けたいと思います。どうしたって間違いなく自分は変わっていくじゃないですか。その流れに身を任せて、そのときそのときに出てきた言葉でちゃんと曲を作ろうと思っていますね。

新山:今は10代でしか歌えない歌を歌っていると思うんですけど、21歳になったら21歳でしか歌えない歌があると思うんです。そういうところに寄り添っていけたらと思います。常に"今"というものを大事にしていきたいですね。

露口:成長したときにこのミニ・アルバムを聴いて自分たちがどう思うかも楽しみやし。

山内:そのときそのときの"今"でしか歌えない歌は絶対にあるんですよ。25歳で「光の唄」を歌ったとしたら、歌詞とフレーズは同じやとしてもニュアンスが変わったりして19歳の僕らの「光の唄」とはまったく別物になると思うんです。だからこの『Teenage』に入っている曲たちは10代の自分たちで演奏して歌っておきたくて。自分がどう成長していくのか、どう変わっていくのかはわからないですけど......自分たち自身も自分たちがどうなっていくのかが楽しみですね。