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INTERVIEW

Japanese

ザ・モアイズユー

2019年04月号掲載

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Member:本多 真央(Vo/Gt) 以登田 豪(Ba/Cho) オザキ リョウ(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-作詞作曲は本多さんがメインですけど、以登田さんも「雪の降る街」を書いてますね。

以登田:そうですね。これまでも僕が何曲か作っていたんですけど、ここしばらくは全然作ってなくて。このアルバムを出すっていうタイミングで、もう1回作ってみたいなと思ったんですよね。

本多:4年ぶりだよね。

以登田:そう、4年ぶり。それまでに作ってはいたんですけど、なかなか完成させることができなかったんですよ。もともと僕は"曲を作りたい"と思ってバンドを始めたから、このタイミングで完成することができて良かったと思います。

-本多さんは実体験が多いと言っていましたけど、以登田さんはソングライターとして、自分はどういうタイプだと思いますか?

以登田:実体験もあるし、自分の中で妄想を混ぜて作ったりしますね。「雪の降る街」は、たまに冬の夜にひとりで散歩に行ったりするんですけど、そのときの感じ感情を書きました。

オザキ:ふたりともそれぞれ個性がありますよね。同じように実体験を書いているんだけど、ものの見方が全然違うから、すごく面白いなと思います。ふたりとも本当にいい曲、いいメロディを書いてくれるから......幸せです(笑)。

本多:幸せって(笑)。

-例えば、ザ・モアイズユーにとって"いい曲"のジャッジというか、その判断基準はどういうところに置いているんですか?

本多:いいメロディっていうのが漠然とあるんですよ。たぶんメンバーに持っていったときに、どういう反応をしてくれるかですね。いい曲だと、そこからバンド・サウンドができていくスピードが速いんですよ。みんな、どんどんアイディアを出してくれたりして。

以登田:いい曲やと、自然とポンポンポンと出てくる。

本多:ひどいときは2時間ぐらい何も出てこないことがあるからね(笑)。

以登田:あるね(笑)。

-プロフィールなどには"センチメンタル・ロック・バンド"と書いてありますが、"センチメンタル"っていうのも、ザ・モアイズユーにとっては大事にしたいことですか?

以登田:結成当初から私生活で全然うまくいかないことばっかりで、その気持ちをバンドに持ってきて歌にしているから、悔しさとか悲しさが根底にあるんですよね。

本多:自然と出てくるものがそういう曲なんですよ。根本的に劣等感みたいなところからバンドがスタートしているから、心底ハッピーな歌を歌いたいと思わないし、出てこないんです。聴くぶんには楽しいんですけどね。もっと現状を変えたいとか、うまくいかない日々を曲として昇華させることによって前に進めるような気がするんです。

-じゃあ、「桜の花びら」なんかはすごくいい曲だから、スムーズでしたか?

本多:いや、これは時間がかかったんですよ(笑)。今までこういうスロー・テンポな曲は作ったことがなかったから、大変だったんですよね。たぶん世間的にはベタなバラードではあったんですけど、ザ・モアイズユーにとっては新鮮なバラードだったんです。

オザキ:こういう曲を作るときって、歌が一番にあるけど、その下で支えているオケでは、どこまでクオリティを上げていけるのかっていうことを考えたりしましたね。あんまり派手なことをするとやっぱり浮いちゃうから、下で支えながらもちょっとしたフレーズで個性を出したいなと思います。

-1曲目に入っている「光の先には」は、さっき言っていたような"現状を変えたい"っていう気持ちが強く出ていますね。

本多:「花火」と同じ時期に作った曲ですね。自分のダメな部分とか弱い部分を認めたうえで、自分たちが思い描いている方向に向かって光を放ちたいっていう気持ちですね。

-"逃げ癖ばかりが染み付いているから"って弱い自分を曝け出しているけど、"僕ら声を枯らすよ"っていう歌詞では歌い続ける決意を歌っているなと思いました。

本多:バンドをやっているなかで、周りのバンドがやめていくっていう状況が続いたときがあったんですよ。そういうときに"バンドを続けたい"っていう気持ちと同じぐらい、やめたいけど、やめる勇気もない、決断できないから続けているっていう部分もあったので、続けるからにはちゃんと自分たちの思い描く方向に進みたいっていうのはありましたね。

-「何度でも」も、バンド活動の中で思ったことですよね?

本多:こういう恋愛のことじゃないアップテンポな曲は、自分に対して歌いたい気持ちがありますよね。この8年間で何回も道を間違えたり、遠回りをしてきたけど、そのたびに誰かが手を差し伸べてくれたり、誰かが背中を押してくれて。止まったときもあったけど、進むことができたんです。そこに感謝を伝えるためにも歌いたい曲ですね。

-今作は8年間の活動があったからこそ生まれたアルバムなんでしょうね。

本多:うん、そうだと思います。

-この先、ザ・モアイズユーはどんなバンドになっていきたいと思いますか?

本多:このアルバムを作って、"自分はこういう曲を書けるんや"っていう新たな一面を発見できたんですよ。特に「桜の花びら」なんですけど。やっぱりバラードでいい曲を書けることが、バンドには絶対に必要な要素だと思うんです。こういう楽曲を作れたから、これからも"いい曲"を......って言うと漠然としちゃうんですけど、いい曲の精度を上げて、いい曲を作るバンドっていうことをシンプルに突き詰めていきたいですね。

オザキ:リスナーに対しては共感じゃなくて、後押しをしてあげたいなと思うんですよね。ロックってそういうものなのかなって思うんですよ。だから、ザ・モアイズユーの曲を聴いてもらうことで、みんなにちょっとでも勇気を与えられるバンドになれたらと思います。