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INTERVIEW

Japanese

Some Life

2018年08月号掲載

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Member:DAIYA-TAN(Vo) you太郎(Gt) RYOMA(Ba) KaeDe(Dr)

Interviewer:TAISHI IWAMI

-音楽的に大きく言うと、国内ではミクスチャーと言われるものに近い。1990年代に発するそういう音楽からの刺激はありましたか?

RYOMA:ミクスチャー・バンドがとりわけ好きというわけではないんです。それぞれが持っているものを寄せ集めたらそうなった、というニュアンスの方が近いと思います。

-では、例えばレゲエの要素はどこからきているのでしょうか?

DAIYA-TAN:そこはSUBLIMEとかMAGIC!とかですね。

-なるほど。SUBLIMEはミクスチャーの流れにも入る、その元祖的なバンド。MAGIC!はレゲエの要素が強い近年のポップ音楽。出自がまったく違いますが、そこは分かれているから飛び越える、っていう感覚はないんですか?

DAIYA-TAN:そうですね。そういう感覚はないです。

-Some Lifeの音楽性は、そこに、ドメスティックな音楽などもニュートラルに混ざって生まれたもののように感じます。そういうベクトルで、理想とするバンドはありますか?

DAIYA-TAN:音楽的に近くないんですけど、THE BLUE HEARTSとか、バンドじゃなければ、ダウンタウンみたいになりたいんです。国民的なスターだけど棘も主張もあるような。それが、自分たちが素直に憧れる存在です。

-曲はどうやって作っていくんですか?

RYOMA:ある程度はDAIYA-TANが作ってきて、そこからみんなで肉づけしていく感じです。

-アレンジの部分もいろいろあるんですが、クラップがお好きですよね。入り方が面白くて。

DAIYA-TAN:僕が好きなんです。ギター・リフの上にクラップがあるっていう違和感みたいなの。

-たしかに、硬派で強いリフの上に、跳ねたクラップというのが。

you太郎:ですよね。自分でも面白いと思います。

-ヘヴィで強靭なサウンドからダビーな音もありますね。音色のアイディアは、どうやって詰めていくんですか?

DAIYA-TAN:レコーディングは狭い家にみんなで集まって全員で話しながらやってるんで、そこで決めていきました。

-すごく多面的な魅力があるんで、例えばフェスやイベント単位で言うと、ラウドロックに特化したものから、オルタナティヴ寄りのもの、もっとポップなフィールドでもやれるポテンシャルはあると思うんですけど、そこはどう感じてますか?

KaeDe:国民的なところまでいきたいっていうのはあるんで、欲張って全部欲しいです。

-歌詞も、主観をまっすぐに貫いたことが、結果、特定のコミュニティではなく、広く誰かの胸を指すものになっていると思いました。

DAIYA-TAN:リード曲が「マサヨシ」なんですけど、これはバンドを続けていくうちに、何がかっこ良くて、かっこ悪いのかわからなくなる瞬間があって。そこって自分にとっての正義だからブレちゃいけない。それを"マサヨシ"って読んだんですけど、自分の中にある"かっこいい"を前提に、ぶっちゃけかっこ良くないと思うものを批判してるんです。そういう気持ちにも正直でいたいから。

-とはいえ、ただ批判してストレス解消ってわけではなくて、"プライド、綺麗事/洗い流したバスルーム"とあるように、自分と向き合った結果、見えたものがそこにある。これって、多くの人が人に揉まれて生きていくなかで対峙する問題でもあるわけで、パワフルなサウンドと相まって奮い立ちます。

DAIYA-TAN:去年はもろにそんな感じだったんですけど、でも特に深く考えずにやってたんです。だから、こういう曲を書いたのは今回からかもしれない。言いたいことは言って、やるべきことはやるみたいな。

you太郎:そういう意味では「マサヨシ」の"洗いすぎた野菜"っていうワン・ヴァースが好きなんです。そこの意味を聞いて意識を高めたことで、すごくいい曲になったと思います。ほんとに、かっこいいかっこ悪いかがわからなくなることって、音楽だけじゃなくてあるじゃないですか。全部含めて、僕は言葉でうまく表現できないから、ギターに乗せています。

KaeDe:"やっぱり同じこと思ってるんだな"って、そこで意思疎通できるという意味では、ネガティヴな方が生々しいっていうか、一緒に酒を飲みたくなるんですよ。そういう感じが音に出ていてもいいのかなって思います。

RYOMA:それぞれの捉え方ってあるじゃないですか。人によってどう思うか、そこが面白いんですよね。僕もその中のひとりで、僕らの場合は長いこと一緒にいるから、"これ、あのときのことかな"とか思ったりして。そうやって、歌詞のことも音のことも、思ったことや好きなものをぶつけたら、ちゃんと返ってくる。そうやって仲間同士で完成させた作品なんです。

-バンド内での対話をまっすぐに表現したら伝わる。そういうことですかね?

DAIYA-TAN:だから、外に向いてわかりやすくしようとか、そういうことは、気になるけど入れないようにしてるんです。僕らは小学校から一緒に遊んでて、バンドもその延長線上にあるから、僕らにしかわからない言葉とかノリもあるんです。そういうものが曲を通じてたくさんの人に伝わってほしい。僕らが笑ってるってことは、そこに面白いことが起きてるんだって。

-自信作であることが窺えます。

KaeDe:今まではDAIYA-TANがほぼひとりで作ってたのが、今回からみんなで意見を出し合うようになって。結果その方が早くて合わせるのが楽だったし、バンドとしての"Poo"になったんです。すごく納得いってます。もう自信しかないですよ。"聴けよ"ってくらいに。