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DISC REVIEW

B

OTONARI BENTO BOX

THE BOY MEETS GIRLS

OTONARI BENTO BOX

メンバー全員が名古屋の保育系大学に通いながらバンドの道を選んだという異色の経歴を持つ4人組、THE BOY MEETS GIRLSの3枚目のミニ・アルバム。タイトルの"OTONARI BENTO BOX"はローマ字で見るとオシャレ感があるが、日本語で書くと"お隣弁当箱"。一気に庶民的に見えてしまうのが、まさにTHE BOY MEETS GIRLSの人を食ったようなマジックだ。シンセのアレンジで良質のポップ・ミュージックを作り上げながら、とびきりのジョークで笑いを誘う絶妙なバランス感覚。そんなTHE BOY MEETS GIRLSサウンドの源泉にある高島大輔(Vo/Gt/Key)の貪欲な音楽探求心や妄想力がポイントだが、彼の頭の中に広がる小宇宙は、まだその片鱗を見せただけのような気がする。

ONSEN POP WAVE

THE BOY MEETS GIRLS

ONSEN POP WAVE

2012年名古屋の保育大学で出会い結成され、2014年には"RO69JACK"入賞。"誰もひとりぼっちにしない音楽"を掲げる4ピース。今作は昨年9月にライヴ会場限定リリースされ、12月にTOWER RECORDS店舗限定でリリース、想定以上の売れ行きのためこのたび全国リリースが決定した。その実績と彼らのポリシーの通り、音のひとつひとつもすべてが澄んだとても聴き心地のいいギター・ロックである。アッパーな曲も軽やかで、そこはかとなくセンチメンタル。青春の甘酸っぱいワン・シーンを思い出す人も少なくないはずだ。なぜ温泉?と思うが話は単純、メンバー全員お風呂好きなのだそう。そういう素直さが人に愛される所以だろう。ミドル・テンポ曲が描く壮大な音景と迸るエモーショナルに才能を感じる。

STAND ALONE

BOYS END SWING GIRL

STAND ALONE

ライヴ・バトル優勝と今年6月のメジャー・デビューも大いに頷けるポップな魅力を持った4人組による半年ぶりのリリースとなるミニ・アルバム。J-POPと互角に戦えるポップ・ソングを、UKロックの影響を思わせるバンド・サウンドとともに聴かせる全6曲。ライヴハウス育ちならではの熱量をしっかりと込めながら、あくまでも爽やかというところが彼らならではだと思うが、より大きなステージで鳴らすことを意識したと思しきリード曲の「ラックマン」をはじめ、バラードからダンサブルなものまで、曲ごとに趣向を凝らした幅広いアレンジと演奏が物語るのは、確かなテクニックに裏打ちされた実力派の顔。理想の自分を求める葛藤を歌った歌詞も含め、単にポップのひと言では語りきれない魅力が凝縮されている。

NEW AGE

BOYS END SWING GIRL

NEW AGE

"青春3部作"完結編となる3rdミニ・アルバムをリリース後、"ROAD TO EX 2017"優勝を果たした千葉県成田市出身の4人組による、"新時代"と"新世代"をテーマにした4thミニ・アルバム。シンセを大胆に取り入れたスケール感のあるポップ・ソング、ファンタジックなバラード、J-POP的パーティー・ソングから、渋いギターが随所で唸る無骨で遊び心たっぷりのロック・ナンバー、デジタル・サウンドとテクニカルなリズム・プレイの交錯が光るダンス・ロック、アコースティック色の強いミディアム・ナンバー、エモーショナルなエレクトロ・ポップまで、時代感やジャンルの異なる煌びやかな7曲が揃う。ここまでカラーの異なる楽曲を作り1枚にまとめるとは。"全年齢対象バンド"の意地にも近い信念を見た。

CLOCK

BOYS END SWING GIRL

CLOCK

『KEEP ON ROLLING』(2016年9月リリース)、『TRANCE』(2017年4月リリース)と続いた"青春3部作"のラストを飾る3rdミニ・アルバム。疾走感溢れるギター・ロックから透明度の高いポップ・ソング、あたたかなミディアム・ナンバーからストリングスとともに羽ばたく壮大な楽曲まで、全7曲といえどもそれぞれの表情は様々。それでもとっ散らかっている感じがしないのは、全年齢対象を謳ってきた4人が大切にしてきた"嘘をつかずにひとりひとりへ届ける"という核の部分がしっかり貫かれているからであり、そこにバンドの軌跡が滲み出ているからだ。3枚を順に辿るのももちろんいいが、BESGへの入り口としてまずは本作に触れてみるのもいいかもしれない。

TRANCE

BOYS END SWING GIRL

TRANCE

清涼感のある冨塚 大地(Vo/Gt)の歌声や繊細なギター・サウンド、前向きな姿勢の中に美しい比喩が光る歌詞といった魅力はそのままに、年齢や経験を重ねたことが伝わってくる楽曲が増えた今作。特に渋く歪んだギターと、吐き出すような歌声がたまらなくブルージーなTrack.4「YELLOW」や、"拝啓"から始まる、まさに手紙のような文学的なバラードのTrack.5「或る恋文」は、今の彼らでなければ生み出せなかった楽曲だろう。また、オーディエンスが弾けているライヴハウスが目に見えるようなTrack.6「アンハッピーブレイカー」などは、彼らが言葉や音を届ける人たちの顔を、はっきりと頭に思い浮かべながら書いたことが想像できる。若き彼らが成長していく過程を、丁寧に切り取った、眩しい1枚だ。

KEEP ON ROLLING

BOYS END SWING GIRL

KEEP ON ROLLING

飽和状態にある昨今のギター・ロック・シーン。しかしそのど真ん中を堂々と鳴らすBOYS END SWING GIRLの音楽は、少年性を含んだ冨塚大地(Vo/Gt)の歌声、今しかない青さを瑞々しく描いた歌詞、耳馴染みの良さ抜群のメロディ、自然に楽曲を輝かせるアレンジ......それらすべての相乗効果で、シーンに埋もれない確固たる色を見せている。自ら"青春盤"と呼んでいるという今作は、その真骨頂を凝縮したような仕上がりで、人生において最も多感な時期の感情をストレートに投げ込んでくる。しかも、一度は解散まで視野に入れたバンドが、負のスパイラルを払いのけて這い上がり、再び音楽に夢を抱いて"一歩踏み出せば何かが変わる"と信じながら放つ挑戦の一手。この1枚にかけられた強い思いが、音からも滲み出ていて頼もしくて仕方ない。

ユアキャンバス

THE BOYS&GIRLS

ユアキャンバス

"こんなんじゃないんだってボーイズアンドガールズ"。そんな力強いファイティング・ポーズで幕を開ける本作。バンド自身を指しているようで、同時に"少年少女"すなわちリスナー全員を鼓舞する言葉とも取れるこのひと節に、"THE BOYS&GIRLS"というバンド名の妙が光る。好きな色で好きに描けばいいと、すべてを受け入れるまっさらなキャンバスのように"あなた"の色を全力で肯定する楽曲たち。随所に滲む"会いたい"というまっすぐで切実な想いにもグッとくる。自身の情けない過去や消えない後悔も曝け出し、それでも"間違いじゃない"と締めくくる本作は、涙が出るほど温かく、聴く者の弱さも惨めさもひっくるめて抱きしめてくれる。"この旅は終わらない"と歌うボイガルが、彼なりの色で描いていく未来に期待。

town to town

THE BOYS&GIRLS

town to town

キャッチコピーは"灯せヘイホー、あの場所へレッツゴー"。北海道の中標津という街がテーマの本作。配信に変更となった主催フェス"SHIRUBE 2021"のテーマ曲「その羅針盤」は、何度も繰り返すサビのシンガロングとその前向きな歌詞が、ライヴの自由を奪われたコロナ禍を乗り越え、前に進んでいく勇気を与えてくれる。続く「なんにもできない空だって」は"見上げた空は晴れ晴れ"と歌う希望を感じる1曲。そして切なくも優しさ溢れるバラード「くだらない雨」と続く。本作を締めくくるのはライヴ・バンドの真骨頂を魅せる「歩く日々ソング(Live Version)」。"2013の春"から"2021の春"、そしてこれからも歩き続けるボイガルが、先の見えない暗闇でも道標となる灯りを灯す1枚。

バックグラウンドミュージック

THE BOYS&GIRLS

バックグラウンドミュージック

北海道札幌市を拠点に活動するボイガルことTHE BOYS&GIRLS待望のメジャー・デビュー・アルバム。ここ数年名前を聞くことが多く、なんとなく純朴でストレートな印象のある札幌出身バンドの中でもとりわけ彼らの音楽はその傾向を感じさせるもので、青春パンク色濃厚なサウンドと歌はフレッシュさ満点。Track.1「せーので歌うバラード」の歌い出しからTrack.11「パレードは続く」まで、同時代に生きる若者なら共有できる世界観による歌が詰まっている。ボーナス・トラックとして「BGM」を収録した北海道限定の完全生産限定盤も同時発売されるあたりに地元愛を感じると共に、今の時代は地方を拠点に活動することが決してハンデにならないことを再認識させられる。

歩く日々ソング

THE BOYS&GIRLS

歩く日々ソング

この狭っ苦しい日本、そしてこのどうしようもない時代。こんな世の中でまっすぐに歌を歌うことは実はとても難しいことなのではないかと思う。北海道出身の4人組のロックンロール・バンド、THE BOYS&GIRLSはそんなつまらんことは知らん顔で一切衒いのない歌を歌う。全国デビュー・シングル『歩く日々ソング』はそんな彼らの挨拶代わりの作品だ。シンプルな歌詞にわかりやすいメロディ・ライン、武器はたったそれだけ。たったそれだけの武器で世の中に立ち向かう彼ら。偉大なロックンロール・バンドは本当にたったそれだけで世界を塗り替えてきた。悩んだり落ち込んだりする日もある、それでも"踵を鳴らして"僕らは日々を歩いていく。北海道の偉大な遺伝子を受け継ぐ彼らが世界を塗り替える日は近いのかもしれない。

Out Of The Black

BOYS NOIZE

Out Of The Black

00年代クラブ・シーンを代表するドイツのカリスマ、BOYS NOIZEの3rdアルバム。エレクトロ・クラッシュやニュー・レイヴなどのダンス・ムーヴメントと共振し、常にその中心にいながらも、ロック系アクトのリミックスやプロデュース業もこなす幅広い活動で独自の立ち位置を築いてきたBOYS NOIZE。本作は、彼のエネルギッシュでチャーミングな"BOYS NOIZE節"がより高次元で結実した作品である。そもそもの持ち味である攻撃的なトラックはさらなる洗練を見せ、その中にキャッチーさや叙情性を忍ばせることも忘れない。もはや堂々とした貫禄すら見せつけている。Track.12にはSNOOP DOGGも参加。先日SKRILLEXとのユニット、DOG BLOODとして楽曲を発表したりと、やはりこの男からは目が離せない。

I Think We’re Gonna Need A Bigger Boat

THE BPA

I Think We’re Gonna Need A Bigger Boat

やはりこの人は天才なのだと改めて感心させられた。FAT BOY SLIMことノーマン・クック。そもそもは、彼とサイモン・ソーントンを中心とした70年代のプロジェクトの幻のテープが、発見(発掘?)されたことから始まったプロジェクトだそう。そんなことは嘘に決まっているが(笑)、とにかく、この音楽という幸福に満ちた、祝祭感に溢れるサウンドには脱帽するしかない。そして踊るしかない。DJは、様々な解釈でプレイ出来る曲が詰まっているこのアルバムに、興奮するしかないだろう。裸踊りのPVなど、何かとファニーな話題に事欠かないBPAだが、彼らの本当のメッセージは、I Think We’re Gonna Need A Bigger” Beat”、ということなのではないだろうか。

ファンファーレ

BRADIO

ファンファーレ

BRADIOが、TVアニメ"自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う"OPテーマ「ファンファーレ」を表題に据えた新シングルをリリース。自然と身体が動いてしまうファンクネス溢れる表題曲は、ホーン・セクションと軽快なカッティング・ギター、コーラスで彩られた"これぞBRADIO"な1曲に。またc/wには5月にSHIBUYA CLUB QUATTROにて行われた[DANCEHALL MAGIC Celebration Party "TOKYO"]よりライヴ音源3曲を収録。"どうせ倒れるなら後ろより前向きに 僕らの行く道がファンファーレな"(「ファンファーレ」)――華やかなサウンドと自身を鼓舞する歌詞、レーベル移籍後第1弾シングルに相応しいポジティヴィティが詰まっている。

THE VOLCANOES - EP

BRADIO

THE VOLCANOES - EP

配信リリース済みの4曲に新曲2曲を加えたEP。コード進行がおしゃれなR&Bナンバー「瞬き羽ばたき、故に繋がり」、サザンオールスターズやTUBEを彷彿とさせる「夏のエンジェル」など曲調は幅広く、ファンクにあえて照準を絞った前作とは違う方向性であることが窺える。「THE VOLCANOES」にて、従来意欲的に取り込んできた横揺れのダンス・ミュージックではなく、EDMマナーにのっとった縦ノリのアプローチをしているのも象徴的。ブラス入りファンク「Frisbee」、トロフィーを女性のシルエットに見立てた「トロフィー」といった、バンドの得意技が発揮されている曲も音像は新しい。ラストは酒井亮輔(Ba)作詞曲「Yours」で全体を軽やかにまとめる。

Joyful Style

BRADIO

Joyful Style

抜き身のBRADIOが堪能できるメジャー2ndフル・アルバム。コロナ禍の中、結成10周年という節目を迎えたせいか、今一度、自分たちを見つめ直したうえでBRADIOのなんたるかを問い掛ける意欲が、全10曲に横溢。楽曲の方向性を広げずに、あえてファンクに絞ったことで、その中で変化をつけるメンバーそれぞれのチャレンジが聴きどころに。トラップからロックまで、あるいはラップからバラードまで、様々なエッセンスを用いたそのチャレンジは、彼らなりにファンクの可能性を広げようとしているようにも感じられる。そして、メッセージはよりストレートに、よりポジティヴに。昨年思うようにファンと会えなかった寂しさ、悔しさを糧に自分たちはファンにとってどんな存在でありたいのか、改めてその思いを歌い上げている。

O・TE・A・GE・DA!

BRADIO

O・TE・A・GE・DA!

5ヶ月かけて、47都道府県を回る"IVVII Funky Tour"をスタートさせたBRADIOが、3rdシングルをリリース。表題曲「O・TE・A・GE・DA!」は、重心の低い演奏からバンドの自信が窺える本格ファンク・ナンバーだ。そこから一転、「バクテリアch.」は、アップテンポのファンク・ロック。演奏はもちろん、歌詞に込めたメッセージも熱い。さらに一転、「帰り道のBlues」は、ハイトーンの美しい歌声が映えるバラード。それぞれに異なる魅力を持った3曲が、ファンキーのひと言だけには収まりきらないBRADIOの魅力を多面的に印象づける。そこに昨年11月22日開催のNHKホール公演から、彼らの代表曲と言える7曲のライヴ音源も加わり、聴き応え満点のシングルに!

YES

BRADIO

YES

インディーから通算3作目、メジャーでは初となるフル・アルバム。バンドのバックボーンがR&B/ファンクであることに変わりはないものの、基本編成にないパーカッション、ホーン、キーボードを大胆に使いながら、R&B/ファンクのマナーに縛られない自由な曲作りに挑戦。メジャー移籍後にリリースしたシングル2作のディスコ路線を予想していたリスナーは度肝を抜かれるはず。夏に相応しいラテン・サーフ・ロックの「Boom! Boom! ヘブン」をはじめ、やりたい放題やりながら、その一方では本格派のファンク・ナンバーの「Funky Kitchen」、アダルト・オリエンテッドなピアノ・ナンバー「Sparkling Night」がグッと作品全体を引き締めている。挑戦のひとつだったというアカペラを含むコーラス・ワークも大きな聴きどころだ。

きらめきDancin'

BRADIO

きらめきDancin'

快進撃を続けるBRADIOが『LA PA PARADISE』以来、半年ぶりにリリースするメジャー第2弾シングル。"BRADIO史上最高にエキサイティングなパーティー・チューン!"と謳う表題曲は、パーカッション、ホーンを加えたラテン・テイストがパーティー気分を盛り上げる。真行寺貴秋(Vo)のファルセットも絶好調。"ウーハッ!"という気合の入った掛け声もキャッチーだ。カップリングの「Once Again」はアーバンなソウル・ナンバー。ストリングスとピアノも加え、アダルト・オリエンテッドに仕上げながらも、芯ではしっかりとバンド・サウンドが鳴っているところはやはりBRADIOならでは。サビでぐっと熱を上げる演奏と、曲調とは裏腹に夢を追い続ける気持ちを歌った熱い歌詞も聴きどころだ。

LA PA PARADISE

BRADIO

LA PA PARADISE

インディーズながら中野サンプラザでのワンマン・ライヴを成功させ、いま最も注目を集めるファンク・バンド BRADIOのメジャー・デビュー・シングル。プロデューサーにサザンオールスターズやウルフルズらを手掛ける藤井丈司を迎えて完成させた「LA PA PARADISE」は、EARTH, WIND & FIREの影響をはっきりと感じさせる、最高にハッピーなパーティ・チューンだ。華やかなホーン・セクションと真行寺貴秋(Vo)のファルセット・ボイス、どこを切ってもBRADIOと言えるメジャー・デビューに相応しい1曲だ。カップリングにはキレ味のいいリズムに乗せて、アミーゴな脳内をコミカルに描く「Baddest」を収録。恋の戦略を"ご利用は計画的に"なんていう歌詞で表現する遊び心も最高。

FREEDOM

BRADIO

FREEDOM

前作『POWER OF LIFE』発表後、恵比寿LIQUIDROOMおよびZepp DiverCity TOKYO公演を成功させたことが物語るようにステップアップを続けている4人組が、約1年半ぶりにリリースする2ndフル・アルバム。バンドの世界観をぐっと広げた前作ももちろん良かったが、その広がりを踏まえたうえで、ソウル・ミュージックやファンクを演奏するロック・バンドの魅力をぎゅっと凝縮したこちらの方が個人的には好きだ。メンバーたちは何も考えずにいい曲をがむしゃらに作ったそうだが、無意識のうちに自分たちは今後、どんなふうに活動していきたいか、どんなバンドになりたいか考えていたんじゃないか。浮かれたところはこれっぽっちもない。音楽に取り組むその真摯な思いがこれまで以上に図太い演奏に表れている。

Back To The Funk

BRADIO

Back To The Funk

今年の6月から7月にかけて全国7都市を回ったワンマン・ツアーが全公演ソールド・アウトになったことに顕著なようにデビュー以来、着実に続けてきた前進がグッと勢いを増してきた4人組が11月2日から始まるZepp DiverCity公演を含む東名阪ワンマン・ツアーから会場限定でリリースする5thシングル。表題曲はタイトルどおり本格派のファンク・ナンバー。サビは彼ららしいパーティー調になるものの、これまでとはひと味違う大人っぽいクールな魅力をアピール。シティ・ポップにロックの疾走感を加えたカップリングの「夢見るEnergy」ともにグッと重心を下げた演奏からはバンドのパワー・アップが窺える。中でもスラップしながらうなるベースと重ためのドラムの活躍は目を見張るものがある。

ギフト

BRADIO

ギフト

全国5都市を回ったワンマン・ツアーがすべて即日ソールド・アウトになったことが象徴しているように昨年、大きな飛躍を遂げた4人組が前作より7ヶ月ぶりにリリースした4枚目のシングル。表題曲「ギフト」は、ファンキーな彼らのもうひとつの持ち味であるバラード・ナンバー。ファンキーなシャウター、真行寺貴秋がソウルフルなバラディアーであることを改めて印象づける珠玉のナンバーに仕上がっている。親に対する感謝、愛情を、ファルセットを交えて歌い上げる真行寺の歌を、ピアノとストリングスが華麗に彩るアレンジも聴きどころ。カップリングの「Bring It On!」はエレピが跳ねるファンク・ナンバー。ジャズ・ファンク調になる間奏も含め、熱度満点の演奏が楽しめる。ライヴで盛り上がること間違いなし。

HOTELエイリアン

BRADIO

HOTELエイリアン

東名阪を含む全国5都市を回ったワンマン・ツアーを成功させたBRADIO。彼らの快進撃がまだまだ止まらないことを印象づけるようにニュー・シングルをリリース。アニメ"Peeping Life TV シーズン1 ??"のオープニング・テーマとして書き下ろした表題曲はシンセを使ったイントロから何やら新しいと感じさせるスペーシーなロック・ナンバー。BRADIO節は健在ながら、それをこれまでのファンキーさとはちょっと違う形で表現しているところに1stフル・アルバム以降の成長が窺える。メロディアスなギターの音色も新鮮だ。カップリングの「Super Wonderful」も図太いギターのリフを始め、ロック色濃い演奏とディスコ・サウンドの融合に、新しいことに挑戦していこうという意欲が感じられ、なんとも頼もしい。

POWER OF LIFE

BRADIO

POWER OF LIFE

アニメ"デス・パレード"のオープニング・テーマに使われた2ndシングル「Flyers」をスマッシュ・ヒットさせたBRADIOがついに1stフル・アルバムを完成させた。この1年、めきめきと頭角を現してきた勢いを反映させた、とても聴き応えある作品だ。R&Bのバックグラウンドを持つファンキーなロック・バンドという、らしさをポジティヴな魅力とともにスケール・アップした形でアピールしながら、ゲストによるラップをフィーチャーした陽気なダンス・ナンバーや、普段R&Bに馴染みのないリスナーにもアピールできるポップ・ナンバーなど、新境地と言える曲にもチャレンジ。今まさに飛躍しようとしているバンドの姿をダイナミックに捉えている。ここから始まるステップ・アップが楽しみだ。

Flyers

BRADIO

Flyers

アフロヘアーの強烈なフロントマン、真行寺貴秋を擁する4人組 BRADIOが1stシングルより早3ヶ月、2ndシングル『Flyers』をリリース。ブラスと真行寺のシャウトで始まる表題曲は"なりたい自分へ"というコンセプトが詰まった楽曲。TVアニメ"デス・パレード"のオープニング・テーマにも起用されていることもあってか、この楽曲には"幕開け感"とも言うべきとてつもないエネルギーが込められ、バンドにとってもまさに"飛躍"の足がかりとなる楽曲となっている。"ようこそどうぞ はじめまして"のひと言から始まるTrack.2「感情リテラシー」も負けず劣らず、濃いファンキーなナンバー。今作を引っ提げ、初の東名阪ワンマン・ツアーも決定している彼らに2015年も注目だ。

オトナHIT PARADE / Step In Time

BRADIO

オトナHIT PARADE / Step In Time

即日ソールド・アウトになったツアー・ファイナルも含め、7月にリリースした2ndミニ・アルバム『Swipe Times』のリリース・ツアーを成功させた4人組、BRADIOが早くも両A面シングルをリリース。「オトナHIT PARADE」はツアーの勢いをそのまま反映させたファンキーなロック・ナンバー。バブル時代の日本が持っていた独特のエネルギーを懐古しながら、"オトナよ遊べ。コドモに戻れ"というメッセージとともに今の日本に活を入れる!「Step In Time」は女性を口説きおとすドキドキとワクワクを歌ったメロウなディスコ・ナンバー。シックに迫りながら、終盤、"脳内は高校生"なんてフレーズが飛び出すところが彼ら(いや、ヴォーカルの真行寺貴秋?)らしい。そこに愛着が湧くというファンもきっと多いはずだ。

Swipe Times

BRADIO

Swipe Times

元々、メロディック・パンク・シーンで活動していたミュージシャンたちによる新たな挑戦がソウルフルかつファンキーなロック・サウンドに結実!"日常に彩りを加えるエンターテインメント"というコンセプトを持つ2010年結成の4人組、BRADIOがリリースする2ndミニ・アルバム。日本語の歌をしっかりと聴かせる一方で、ディスコ・サウンド、UKソウル、AORの影響も巧みに取り入れながら、それをエネルギッシュなバンド・サウンドとして聴かせることができるのが彼らの大きな魅力と言えそうだ。熱唱とファルセットを使い分ける個性の強いヴォーカルが連想させるキャラクターも含め、ライヴを観にいきたいと思わせる作品になっている。FALL OUT BOYやTHE BAWDIESのファンにも薦めてみたい。

brainchild's "sail to the coordinate SIX" Live at Nakano Sunplaza

brainchild’s

brainchild's "sail to the coordinate SIX" Live at Nakano Sunplaza

brainchild'sの6thアルバム・リリース後のホール・ツアーから中野サンプラザ公演をMC以外、コンプリート収録した映像作品。始まるや否やその音質の良さ、5人の楽器のバランスの良さにぶっ飛ばされる。現場でライヴも観たが、このバンドの生楽器で織りなすアンサンブルのすごみをクリアでダイナミックな音で再び視聴できることの喜びは格別だ。菊地英昭のギター・プレイやフライングV、レスポール、SGなどそれぞれのギターの個性を味わえるのはもちろん、すべての楽器の音の再現性はリアルではむしろ聴こえない。世界でも稀有なロック・バンド且つ常にアップデートされる音楽性に打たれる。特典映像として["ALIVE SERIES" 21-22 Limited 66]の東京、大阪、愛知公演より1曲ずつ収録。

coordinate SIX

brainchild’s

coordinate SIX

菊地英昭(THE YELLOW MONKEY/Gt)がプロデュースするソロ・プロジェクト"brainchild's"。第7期のメンバーに前期のメンバーでもあったキーボードのMALを追加した5人体制で活動を行っている彼らが、現体制としては初となるアルバム『coordinate SIX』をリリース。本作には、サウンド/歌詞ともに新しい世界への強い推進力を感じさせる「Brave new world」をはじめ、骨太なロック・サウンドで攻める「Heaven come down」、思わず身体が揺れるダンサブルなナンバー「FIX ALL」など全10曲を収録。なお、完全生産限定盤Bは近年需要が高まるアナログ盤で発売される。バラエティ感満載の楽曲群をお好きな形態で堪能してほしい。(山田 いつき)

ジョージ・オーウェルの"1984"がSFに思えないほどヒドい世の中だが、渡會将士(Vo)の固い押韻と、一気にタフに転換する「Brave new world」で幕を開ける、コロナ禍以降の彼らのストーリーテリングの底力を見せる、第7期初アルバムが完成。腰の座ったブギーでありつつ、MALのゲーム・ミュージック風の鍵盤使い、菊地英昭(Gt/Vo)と渡會の掛け合いで展開するサビがアップデートされたサーカス空間のような「Big statue ver.2」など、彼らだからこそ可能なロック・オペラ感も。一方、これぞUK! なメロディを歌う菊地が作品全体のグルーヴを担う「WASTED」の力強さと優しさ。絡まったままの凧を擬人化した「Kite & Swallow」での詩情も染みる。稀有なロック・バンドの最新型。

STAY ALIVE

brainchild’s

STAY ALIVE

THE YELLOW MONKEYのギタリスト EMMAこと菊地英昭のソロ・プロジェクト、brainchild'sの5枚目となるアルバムであり、バンド・メンバーに神田雄一朗(Ba)、渡會将士(Vo/Gt)、岩中英明(Dr)を迎えてからは初となるフル・アルバム。ひとりであることの自由度を生かして、バンド・サウンドの可能性を突き詰める菊地と、彼の想像をさらに超えてくる次元に各曲を連れて行くことができる、メンバーそれぞれの確かなスキルとセンスが噛み合っている。1960年代のロックンロール/R&Bや1970年代のグラム・ロックやパンク、1990年代以降のオルタナティヴ・ロックといった、ロックの歴史的文脈にあるプリミティヴで熱き衝動と、立体的で美しいサウンドスケープが見事に融合した力作だ。

HUSTLER

brainchild’s

HUSTLER

ハード且つソリッドなロックとひと言に言っても、これを2016年の今、シンプルにかっこいい!と直感するフォルムに定着できるバンドは少ないのではないだろうか。グラマラスにソリッドに自由に弾く菊地のギターとタメを張る渡會のヴォーカルと、瞬時にロックに出会った14歳の気分を思い出させてくれるTrack.1「Phase 2」、擬音の使い方がブッ飛んでいて強烈なTrack.3「群衆」、黒尽くめでかっこつけたロック・バンドのある種の滑稽さを歌うブギー・ナンバーTrack.5「Rock band on the beach」、ラフで素なギター・サウンドと胸に迫るメロディにTHE YELLOW MONKEYとのリンクも感じるラストの「春という暴力」まで一気に聴かせる全7曲。粋(意気)と笑いのセンスも十二分に味わえる。

Awake

Brandel

Awake

今年5月に4曲入りミニ・アルバム『WHERE THE SUN RISES』をリリースしたBrandelから、早くも新作が到着。ツアーを回る中で制作とレコーディングがなされた今作『Awake』は初セルフ・プロデュースということで、各々のパートが“今自分たちが出したい音”“ライヴ感”を追究して作られている。より膨らみを増すコーラス・ワークはライヴで体感したときに口ずさみたくなるだろうし、骨太でワイルドながらもリズムのフックが効いた艶のあるバンド・サウンドは音に身を任せたくなるだろう。特に注目したいのは切なく感動的なミディアム・ナンバー「Raining Tears」。言葉をひとつひとつ大切に歌うヴォーカルも印象的で、壮大なサウンドながらもバンドの人間性を近く感じられる1曲になっている。

WHERE THE SUN RISES

Brandel

WHERE THE SUN RISES

配信限定で発表された「Sunrise」を含む今作は、新ヴォーカリスト・Taki加入後、初のCD形態リリース。“よりグローバルな展開を今後行っていく”“気持ちよく踊れる音楽”を目指し楽曲を制作しているとメンバーが語っている通り、4曲共通して楽器ひとつひとつに一筋縄ではいかないギミックが効いている。アコースティックな空気にリズムがスパイスを効かせる「Let Me Go」、静と動の鮮やかな展開で魅せる「Crazy Time」、ダイナミックで大仰なギター・ソロとベース・ラインがダイナミックな「Acceleration World」、煌びやかなギターが優しさと力強さを感じさせる「Sunrise」、新たなスタート・ラインに立った彼らの決意を感じられる全4曲だ。

NEW WORLD

branoir

NEW WORLD

フランス語の"blanc"(白)と"noir"(黒)を組み合わせたというバンド名の通り、両極の存在を理解し、受け入れているからこそ、2色間のグラデーションを丁寧に描くことの大切さを彼らは知りえたのかもしれない。光を乱反射させるようなバンドのサウンドで鳴らされる全6曲はどれも最終的に希望を感じさせてくれるが、"君"(≒過去の自分)が"僕"を救う「Another rainbow」から4曲を経て、"僕"が"君"を救う「"WORLD"end」がラストを飾るという全体の流れが特に美しい。"常に過去の自分に笑いかけられる存在でありたい"というインタビュー内での雄一朗(Vo)の発言を具現化したかのような、自身初の全国流通盤となる1stミニ・アルバム。

DUH

Bray me

DUH

4人組ガールズ・ロック・バンド、Bray meの1stフル・アルバム。昨年リリースのシングル「サイダー」や、ライヴ定番曲「エビデンスロード」、代表曲「魔法のように」といった、これまで大事に育ててきた名曲たちに新曲5曲を加えた、全14曲収録。強さとたくましさ、切なさと美しさを併せ持つこたに(Vo/Gt)の歌声と、パワフルでストレートなロック・サウンドが胸に迫る楽曲たち。"人間らしさを込めた音楽"を意味する"DUH"をタイトルに冠するように、嘘のないリアルなメッセージもロック・バンドとしての誇りを感じる。個人的にはバンドの最新型であり、現在のリアルを歌った「30's」や「SEEKER」、今作を締める「SING TO MYSELF」にグッときた。カッコいい!

N.T.A.

THE BREAKAWAYS

N.T.A.

突如現れた正体不明の3人組ロック・バンドがミニ・アルバムをリリース。"NEO TOKYO Alternative"というコンセプトを掲げているということで、エレクトロやEDM系統のスタイリッシュな音楽を想像していたが、いざ聴いてみると初っ端からグランジ/ガレージ・ロック直系のサウンドが炸裂。シンプルで骨太、砂埃を巻き起こしながらドライヴしていく男臭いテンションに意表を突かれた。初音源ということで自らのテーマを明確に印象づけるためか、本編(Track.1~6)はある程度色が整っているが、ボーナス・トラックとして収録されている2曲はまた違ったテイストで聴き応えあり。現時点ではかなり謎めいたバンドだが、色物と判断する前にまずは聴いてみてほしい。

AVEANTIN

BREIMEN

AVEANTIN

ファンクやネオ・ソウルがベーシックにある現行のバンドの中でも、卓越したプレイにケレン味と遊び心をたっぷり充填しているのがBREIMENならではの個性だろう。現体制4作目且つメジャー1stアルバムとなる今作は、ビートや構成がよりキャッチーになった印象だ。怒濤の早口ヴォーカル、精緻に刻まれるビートやアレンジのクレイジーさに舌を巻く「乱痴気」、ここからバンドがどんな方向性で進んでいくのかが窺える自己紹介的なニュアンスのあるリード曲「ブレイクスルー」、AORフレーバーと日本の家庭に風景や記憶が交錯する「眼差し」、ODD Foot WorksのPecori(Rap)がラップ・パートに参加していることでむしろBREIMENのスタンスが明快になる「T・P・P feat.Pecori」など日常の勢いと彩度を上げてくれそうな全11曲。

SKIN

BREMEN

SKIN

80kidzなどが所属していることでおなじみのレーベル・KSRに移籍後初となるBREMENのアルバムがリリース。テクノ/エレクトロを根底とした緻密なサウンドに、ヴォーカル・エリーの爽快感あふれるクリアな歌声が溶け込んで独自の世界を作り上げている。今作は鎮座DOPENESSが所属するユニットKOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'Sという個性派ラッパーたちとの異色のコラボ曲も収録さており、アコギやハンドクラップなど……BREMENのイメージを覆すようなアプローチで心地よいミュージックを生み出している。洗練された楽曲たちは、都会の夜を彩るBGM という感じ。個人的には南米音楽や、情熱的なスペインの要素を感じるアルバムだった。このアルバムを筆頭に2011年のクラブ/ダンスシーンはますます盛り上がりをみせそう。

War Room Stories

BRETON

War Room Stories

ポスト・ダブステップの延長上でFOALSやFRIENDLY FIRESらに共鳴するダンサブルなインディー・ロックを奏で、一躍、UKアンダーグラウンド・シーンの最前線に躍り出た5人組、BRETON。その彼らが世界中から注目を集めるきっかけになった前作『Other People's Problems』から2年、2作目のアルバムをリリース。不穏な響きを湛えた前作のダークかつアンビエントな路線を受け継ぎながらも、冒頭を飾るエレポップなファンク・ナンバーの「Envy」以下、よりオープン・マインドにポップな歌を追求。巧妙なサウンド・プロダクションのおもしろさとともに、より幅広いリスナーにアピールできる作品に。メランコリックなバラードからディスコに変化するドラマチックなTrack.9「Brothers」はライヴで大歓迎されそうだ。