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全国ツアー"This is Youth"がスタートしたLONGMANの最新作は、オンエア中のTVアニメ"ラブオールプレー"のエンディング・テーマとして書き下ろした「ライラ」。七転八倒しながら夢を追いかけて疾走する、爽やかでいて、でもLONGMANらしい泣きの哀愁感が滲んでいる曲で、憂いあるひらい(Gt/Vo)の歌から、サビでさわ(Ba/Vo)にバトンタッチしてハイトーンで駆け抜けていく感じがエモーショナル。フレンドリーなメロディと、男女ふたりのヴォーカルの妙味を使ったメロディック・チューンになっている。ライヴ当日までどのアルバムを演奏するかがお楽しみだった、今年2月に行ったツアーの代官山UNIT公演から、ライヴで人気の「Will」など4曲のライヴ音源も収録。
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LONGMANの1年3ヶ月ぶりとなるニュー・ミニ・アルバム。毎回恒例となっているオープニングのインスト曲から、LONGMANらしい明るくメロディックな音が響きわたる。その勢いのままに次曲の「Never Let Go」へ繋がっていくのも気持ちいい。コロナ禍に制作されたという楽曲たちの"音は止めないで/僕らまだ歌うから"(「Never Let Go」)、"諦める事はいつでもできるから/今しかできないことをやろう"(「Turning Away」/訳)といったストレートな言葉が、このご時世だからこそ、いつも以上に聴き手の胸に響く。「HUG」のそっと包み込んでくれるような温かさや、「Makes You Rock」のさわ(Vo/Ba)によるラップにもぜひ注目してもらいたい。
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愛媛発のLONGMANが、メジャー1stアルバム『Just A Boy』をリリース。今作は、メロディック・サウンドと、哀愁感がほどよく混じってブライトさが際立ったメロディ・ライン、心をダイレクトに貫いていくひらい(Gt/Vo)とさわ(Vo/Ba)の男女ヴォーカルという、彼らの武器が惜しみなく発揮された。たくさんの曲からベストなものを選んだという選りすぐりの作品で、十八番的な曲を磨くだけでなくスウィングしたビートの曲や試みのあるリズムも導入し、LONGMANとして昇華。ひらいのヴォーカル・パートが増え、より男女の声のコントラストが強化され、またサビで極上のふたりのハーモニーを聴かせるなど、丹念に曲を磨いていることがわかる。"1st"アルバムに相応しい力作だ。
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現メンバーになって7年、LONGMANが初のシングルをメジャー・デビュー盤としてリリース。表題曲「Wish on」は、歌詞以外は活動休止中に作られており、2年の時を経てついに完成した楽曲。苦難を乗り越えメジャー・デビューを掴み取った彼らだからこそ、歌うことができる等身大の歌詞にも注目してほしい応援ソングとなっている。「No End」は、約1分と曲が短いながらも、これぞメロコア! という疾走感に満ち、ひらい(Gt/Vo)とさわ(Vo/Ba)の掛け合いもあり、LONGMANの良さがすべて詰まった楽曲だ。そしてラストを飾る「Journey」は、最初からスピード感のあるギター・リフと英詞、さわの歌声をメインとした日本語オンリーのサビが爽快のひと言に尽きる。
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さわ(Vo/Ba)の喉の治療により、約1年間ライヴ活動を休止していた男女ツイン・ヴォーカル・メロディック・パンク・バンド、LONGMAN。今年7月、復活の舞台でリリースを発表した3rdミニ・アルバムが本作だ。ライヴの始まりを彷彿とさせるインスト・トラックを経て表題曲「WALKING」に突入。溌溂としたツイン・ヴォーカルのハーモニーを響かせるオープニングからして新たなスタートを印象づけるような構成であるため、聴いているとワクワクとした気持ちにさせられる。収録曲は休止期間中に作り溜めていたものが主。時間をかけてじっくりと作品作りを行ったためか、女声/男声、日本語詞/英詞のコントラストといった、バンドの特色がより自然な形で生かされるようになった。全7曲、計約20分。実に爽快な仕上がりだ。
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大型野外フェスにも出演を果たしメロディック・シーン期待の新星として、その名前を全国に轟かせんと活動する、愛媛の3ピース LONGMAN。ライヴや音源の評価が上がっているところにリリースされるのが、この2ndアルバム。男女ツイン・ヴォーカルとグッド・メロディという武器を最大限に活かして「Will」から一気に駆け抜けていく。迸るサウンドのパワーと、ふたりとも抜けのいいハイトーン・ヴォイスがダブル・エンジンとなって、曲を加速させるのが気持ちいい。明朗な曲から、マイナー調のハードコア「Realize」、ザクザクと刻まれるギター・リフに心が弾むパワー・ポップ「Slowly」、遊びのあるショート・チューン「BEER !」、じっくり聴かせる「Beautiful World」まで。気づくと何度もリピートしている、体感速度の高いアルバムだ。
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愛媛発のパンク・バンド。名前はLONGMANでもメイン・ヴォーカルは女性である。未来に向かってまっすぐに進むんだというバンドの想いを体現するように、疾走感溢れる7曲が並んだミニ・アルバム。このバンドの魅力はズバリ、シンプルなことをシンプルに鳴らしていることだ。男女ツイン・ヴォーカルの3ピースならばメンバーひとりが担う役割の数は多いはずなのに、難しさや複雑さといった印象を聴き手に一切与えない。カラッとしたテンションの中でキメのひとつひとつがスコーンと決まっていく様子が潔く、非常に爽快である。この夏は"MONSTER baSH2015"、"SUNBURST2015"といった四国のフェスに出演。こんな音楽を浴びながら汗をかけばさぞ気持ちいいことだろう。
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新体制となったPANが、結成25周年を記念しリリースする『ベスト盤°2』。初回盤には廃盤となった作品から、再録8曲も含め計10曲収録の"廃盤ベスト"も付属する。PANと言えば20周年のタイミングでもベスト・アルバムをリリースしたが、もちろん今回は名曲「想像だけで素晴らしいんだ」や、今やライヴに欠かせない「ギョウザ食べチャイナ」などの前回ベスト以降に生まれた曲や、過去作からチョイスされた楽曲も再録されてパッケージ(なんと新ドラマーのタツヤいわく1日で13曲レコーディングしたとのこと!)され、7割以上別モノとなっているので、どちらもコレクトしておきたい。ジャケットも1枚目と比べてパンの山が増えているという遊び心もあり、単純明快にリスナーを楽しませる彼ららしい。
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冒頭を飾る「初日ファイナル精神」がこの7thフル・アルバムを象徴しているようだ。事実、今作はこれが最後のつもりで制作したらしく......念のために断っておくが、彼らは解散するわけではない。その心意気で取り組むことが大事なんじゃないかと気づいたそうだ。その意味ではPANの生き様を刻みつけた作品と言ってもいい。よりストレートな演奏で攻め、深みを増したメッセージ性のある歌詞も素晴らしく、1曲1曲個性に溢れた楽曲が並んでいる。10月29日に実施されたファンクラブ限定イベントでは、新曲全曲お披露目会が行われたが(メンバーの曲解説は爆笑の嵐)、どの楽曲も一度聴けば忘れないパンチ力がありつつ、ライヴでよりいっそう映えそうなナンバーばかりであった。ぜひ、今作のツアーでそれを確かめてほしい。
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今年のPANは攻めまくっている。3月にシングル『ザ・マジックアワー』。5月に四星球と中国語で歌い上げたスプリット『包』。そして届いたニュー・シングルは、夏のライヴを掻き回すイメージで作ったそうで、全3曲がアッパーな曲調になっている。表題曲は"自分に賭けろ! 運命に抗え!"という内容の歌詞も熱く、ヘヴィな演奏と疾走感がうまく溶け合い、身も心も焚きつけられるナンバー。「ラジオ体操 第百」は川さん(Vo)がライヴ前にやるストレッチをモチーフに、つい口ずさみたくなるワードがたくさん並ぶユニークな仕上がりだ。「スイカの種」は合唱コーラスを盛り込み、心の中に潜む少年の心が呼び覚まされる明るい音色が最高。3曲通して、テーマ性と"繋がり"を感じさせる流れもよくできている。
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突如台湾進出を発表した、大阪の賑やかしバンド PANと、盟友である徳島のコミックバンド 四星球。台湾と日本の両国で開催する"台日爆音 BORDERLESS 2018"に彼らが引っ提げていくのが今作だ。両者共に新曲、代表曲、共作曲の全5曲を中国語で歌唱し気合十分。共作の「用小籠包都包起來吧(小籠包で包みましょう)」はPANらしい弾けるメロディック・ポップなサビに四星球お得意の言葉が跳ねるメロと、2組の十八番が融合した印象の、誰もが一発で盛り上がれる曲。中国語に挑戦した影響もあるのだろう、性急な初期衝動が詰まっている。そのうえ終わったかと思えばピアノが流れドラマチック(?)にメンバー全員が語り出し再び歌う展開に、"欲しがるなぁ~"とニヤニヤ。これは前代未聞の何かが起きるかも!?
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「たまごのうた ~ドン・キホーテ情熱価格編~」であのドン・キホーテとコラボするなど、何かと話題を呼んでいる彼らの最新シングルが到着。今作は飛び道具や遊び心に溢れる楽曲というより、熱いメッセージとシリアスな曲調で真っ向勝負したナンバーが揃った。表題曲はポエトリー調の歌声が新鮮で、胸の奥底に滾る想いがまっすぐ伝わってくる。何かに夢中になったことや、懐かしい青春時代を思い起こさせ、忘れていたものに気づかせてくれる楽曲だ。ハーモニカを導入した「3年後の自分から来た手紙」はシンプルな曲調だが、今もがき苦しんでいる人や悩んでいる人がいたら、大きな勇気を与えられる応援ソングと言っていい。2曲とも温かい気持ちになる名曲だ。「想像だけで素晴らしいんだ」のライヴ音源も必聴!
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4月12日"パンの日"にリリースされる約3年ぶり7枚目のフル・アルバム。シングル「想像だけで素晴らしいんだ」(Track.11)、餃子の王将公認の餃子愛ソング「ギョウザ食べチャイナ」(Track.4)など含む全11曲を収録。今回も「オリジナル」(Track.1)がアパレル・ショップ"SPINNS"と、「たまごのうた」(Track.7)が"JA全農たまご"とそれぞれコラボと話題性もあり聴く前から楽しさ保証済みといった感じで、冒頭から喜怒哀楽のうち"喜と楽"成分多めの楽曲が次々と飛び出してくる。22年のキャリアを積んでも"平凡じゃ物足りない 刺激が欲しくてたまらない"(Track.3「サヨナラオサラバ」)と歌えるバンドマンのかっちょよさと貪欲さに唸らされつつ最高に楽しめる1枚。
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結成22年目を迎えたPANのミニ・アルバム、リード曲のテーマはズバリ"餃子"。Track.1「ギョウザ食べチャイナ」は"餃子の王将"公認ソングとして店内で撮影された寿司くん監督によるMVも制作。メンバーが楽器を置いてダンスを披露するなど、やるからにはとことんやるPANのエンターテイメントにかける情熱と遊び心には脱帽するしかない。もちろん楽曲のクオリティも高く、ラップ、スラップ・ベース、ワウ・ギターと、サウンドでこれまでにない試みを行っているのも聴きどころだ。音数が少なく、豪快な演奏で青空の広がりが表現されたTrack.3「短い夏休み」の清々しさも今の季節にピッタリ。Track.6「アフレダス生命」の歌詞には常に新しいアイディアで人を楽しませたいというバンドの姿勢が感じ取れる。
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バンド結成20周年というタイミングで投下された4曲入りニュー・シングルが素晴らしい。特に表題曲は、川さん(Vo)がゆっくり歌い上げるイントロ・パートからグッと胸を鷲掴みにされる。それを経て、アップテンポに加速し、サビの突き抜け具合にも感情移入せずにはいられない。20年という節目に彼らが本当に腹の底で思っていることを歌詞にしているからだろう。楽曲の説得力がズバ抜けている。曲を聴いていると、何でも夢が叶いそうな気がしてくる。いや、まず大きな夢や希望を描くことを大切なんだよ、と熱く語りかけてくるメッセージ・ソングだ。ヘヴィな疾走感がある「やったった感」も楽曲クオリティが高いし、他の2曲も今のPANが最高の状態にあることを伝えてくれるナンバー。傑作!
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結成20周年を迎える大阪のPANから届いたベスト・アルバム。ジャケにもわかりやすく提示している通り、彼ら流に"ベストパン"と読ませる辺りが面白い。今作は2011年に新加入したドラマー・よこしん加入前の音源は再録され、全20曲を現4人編成でレコーディングした内容になっている。バンドの歴史を踏まえながら、最新型の自分たちを見せたい気持ちも強かったのだろう。川さんのヴォーカルは格段にうまくなっているし、演奏陣のプレイもクリアで非常に聴きやすい。ライヴのセットリストを作るような感覚で選曲や曲順も決めたようだが、名曲・珍曲(?)が違和感なく並び、通して聴いてもPANらしいエッセンスが猛烈に伝わってくる。改めて、愛すべきバンドだなと痛感する本気とユーモア・センスに脱帽。
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大阪を拠点に活動するロック・バンドPANとDJ MARK'E(マーキー)こと谷口 雅之により結成された"神出鬼没のヒーローバンド"のデビュー・シングル。番組での共演をきっかけに意気投合したとのことで、とにかく明るくポジティヴに音楽を発信しようという意志は清々しくもある。表題曲はまさに特撮ヒーロー番組のテーマ曲そのままの、血沸き肉躍るドラマティック且つ笑える楽曲に仕上がっており、それぞれのヒーロー名も紹介されている(マーキーの名前は"カレー")。カップリングには「心のバッティングセンター with マーキー」も収録。来年結成20周年を迎えるバンドとFM802を代表する大ベテランDJのフットワークの軽さは大阪ならでは。
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1995年結成以来、大阪を拠点に活動する4人組ロック・バンドの5枚目となるフル・アルバム。主催するフェスMASTER COLISEUMでは2日間で7000人の動員を記録するなど、ライヴ・バンドとして人を巻き込む魅力があることに納得させられる内容となっている。冒頭のリード曲「天国ミュージック」、「今日だけ祭り」をはじめ、とても"今日だけ"とは思えないパーティー・サウンドを立て続けに放りこんでくる様は、やはり大阪ならではのエネルギーなのだろうか。「金なんていらない」の後にすかさず「金くれ!」と歌うのは初期RCサクセションと同様の手法が伺えるが、シニカルさよりも能天気さが感じられるところが徹底していてさすが。心地よいレゲエ調の「夏の日のロッケンロール」、大阪・新世界を連想するような「my name is...」まで一気に聴けるエンターテイメントな1枚。
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サポート・ギターに為川裕也(folca)と竹内亮太郎(ex-the storefront)を迎えたアルカラの10thアルバム。リリース直前のツアーでこの会心の作をいち早く堪能できたが、ライヴで様々なシーンを生む曲が揃っている作品となった。言葉や語呂、サウンドでキャッチーに遊びながらアルカラの音楽はもちろん、音楽や芸術が生まれる心震わせる瞬間を封じ込めた「瞬間 瞬間 瞬間」、同様のテーマ性をよりパーソナルに内省的に描いた「未知数²」など、力のある曲に惹きつけられる。多くの曲の根底にあるのは生きる喜びであり、なんの変哲もない日常があることの喜び。それを"ロック界の奇行師"は、聴き手の耳を驚かせると同時に、その余韻に歌心と歌の真意とをそっと置いていく。何度も聴きたくなる作品。
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初のフル・アルバム『KAGEKI』を引っ提げて開催された全国ツアーのファイナル、Zepp DiverCity TOKYO公演の模様を収めた映像作品。"ツアー前に起こったKAGEKIな出来事"により、会場に集まった人の多くが不安を抱えていたであろうこのライヴだが、1曲目「3017」の1音目でその不安を払拭してのける様が痛快。サポート・メンバー 為川裕也(Gt/folca)のサウンドメイクが原曲に寄り添っているところには、アルカラへの愛とリスペクトが感じられる。事前に出演が告知されていた9mm Parabellum Bulletの滝 善充(Gt)に加え、菅原卓郎(Vo/Gt)とHEREの武田将幸(Gt)も乱入し、カオスなお祭り騒ぎとなったアンコールも必見。アルカラというバンドがなぜこんなにも愛されているのか、その答えがここに詰まっている。
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長く親交を温めてきた cinema staffとアルカラによるスプリットEP。書き下ろしの新曲、それぞれのカバー、コラボ曲の全5曲が収録された。cinema staff新曲「first song(at the terminal)」は、ソリッドで高いテンションのドラミングと多展開のドラマチックなサウンドを、伸びやかな歌が包み込む。キャッチーで温かいメロディにただ行儀よく収まらない、アンサンブルのパッションが惹きつける。アルカラの新曲「サースティサースティサースティガール」は、爆発的なオープニングからサビでファンクに急展開するトランスフォームっぷり、先の読めなさ、オチのつけ方で唸らせる。この2バンドが互いをカバーし、コラボする曲は、もちろん技もネタも巧妙に仕掛けられていて、味わい、楽しみが尽きない。
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8枚のアルバムを発表してきたアルカラだが、全12曲というボリュームのフル・アルバムは、今回が初。バンドの脳内へと分け入っていく迷宮的なサウンドがたっぷり味わえるアルバムで、迫力がある、怒濤のアンサンブルがパッケージされた。アルカラは、予測不能なスリリングな展開とキャッチーさとを両立する稀有なバンドである。その両方の濃度と純度を上げ、音の腕力でねじ伏せるだけではない独自のポップでロックな形を作ってきた。繰り返し聴きたくなる音の隠し味、違和感を少しずつ織り交ぜてなお耳触りや発語の気持ちよさがある言葉、けれんみたっぷりなようでいて、心の急所を突く歌と、今回もその"節"がわかっちゃいるのだが、気づけば脳内の迷宮にとらわれてしまう。愉快で濃い1枚だ。
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銅羅の音と逆再生に始まり、子供のコーラスや掛け声が入ったりと、飛び道具的なアイテムのキャッチーさも曲を盛り上げているが、何よりも4人が"主題歌"というお題で存分に遊び倒しているのが「炒飯MUSIC」。Aメロからサビまでどこで切ってもクセの強いメロディと、そのメロディに負けていないワウ・ギターや印象的なリフ、また突如シンセ・ベースが間奏に飛び込んできて異次元にワープする。小さいころに観たアニメの内容や主人公の名を失念しても、"ほら、あの"と主題歌だけはソラで歌えたり、音やフレーズを覚えていたりする。そういう、異物感と気持ちいいほどの耳馴染みの良さとが同居している曲だ。そこまでやるかの悪ノリも、キャッチーに響かせてしまうのがアルカラらしい曲でもある。
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エキゾチックなギター・フレーズを肝にした、フォークロアなパンク・サウンド「消えたピエロと涙」でアルバムは幕を開ける。ピエロの哀しき性を、ほろ苦く、寓話的に仕立てた歌にまずKOされる。自己肯定と否定とを繰り返して、自分の居場所で必死に踏ん張る姿はとても不器用で、それだからこそ美しくもある。この曲を筆頭にして、今作は、批評的にシニカルに世の中や人を切っていくスタンスと、同時に泥臭くもチャーミングな、人の心の機微や性分が詰まっていて、とてもエモーショナルな内容だ。懐かしい歌謡曲の、物憂げで、湿度のあるメロディが冴えて、アルカラらしいトリッキーなサウンドと絡まっているのも面白い。毎作突き抜けたパワーがあるが、今作は抜群。キャッチーさにしれっと毒を盛り、たちまち中毒にさせていくドープな音楽がここにある。
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すべてがあった。アルカラの、今の、すべてがあった。2014年12月7日にZepp Tokyoにて行われた『CAO』リリース・ツアー"ガイコツアー2014"のファイナル・ワンマン公演。本作は当日のライヴ全編に加え、ツアー・ドキュメント映像も含めた大ボリュームのDVD作品である。突き刺すように駆け抜けたライヴ前半。ユーモアで会場を沸かせた中盤。あたたかさと感動で会場を包み込んだ終盤。アルカライダーまで登場したアンコール。そして、ツアー・ドキュメントで見られる、"バンド"と"ライヴ"への愛。シリアスな顔もおどけた顔も、必死で何かを伝えようとする顔も......12年のキャリアの中で彼らが見せてきたあらゆる"顔"が、この作品には刻まれている。この先、どれだけ先へ進もうと、きっとここに刻まれたすべての顔を、彼らは忘れない。
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アルバムの最後に、たまに"ボーナス・トラック"って入っているでしょ。CDを聴いていたら、最後の曲が終わったのに全然CDが止まらなくて、ほっといたら数分後に急に曲が始まってビクッとする、あれのことね。ああいうのって、僕はちょっと苦手なのです。だって、アルバムの余韻を損なうじゃん。でも、アルカラのアルバムのボートラは例外的に好きなのです。何故ならクオリティが高いし、音楽愛に満ちた引用が出てくるし、何より彼らは悪ふざけにもゴリゴリの本気だから。本作は、そんなアルカラの素敵なボートラたちをアルカライダーが集めて監修したもの。初期のボートラはシリアスな名曲多めだけど、キャリアを経るごとに段々と悪ふざけが悪化していくのがよーくわかる。尽きせぬ初期衝動とロック愛に乾杯。
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若い子は知っているかな。昔、"ダウンタウンのごっつええ感じ"というバラエティ番組があってね、そこに"エキセントリック少年ボウイ"というコントがあったんだよ。今はもう、あんな素晴らしい悪ふざけはテレビで見ることはできないね。このアルカライダーというバンド(肩書きは"ロック界の奇行師ヒーロー")には、あのコントに通じる悪ふざけを感じるよ。このシングルの2曲目の「ゆけ!アルカライダー ~アルカライダーのテーマ~」からは特にそれを感じるよ。アニメ"怪盗ジョーカー"の主題歌である表題曲は捻くれた展開の妙と疾走感のあるサビで聴かせるギター・ロックだよ。リミックスも入ってるよ。悪ふざけも、やるならこのぐらい全力でやらないとね。というか『CAO』からのギャップがすごいね。最高だよ。
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すべての音が切迫感と焦燥感に満ちている。かつてなく生々しい。ここには、ドラマティックな激情と奇抜な変態性を行き来するサウンド、あるいは人を食った言葉遊びで聴き手を煙に巻いてきた今までのアルカラの姿はない。ここにあるのは、時代を突き刺す鋭利な刃物としてのロックを一直線に鳴らす、素顔を剥き出しにしたアルカラの姿である。均一化されていく価値観に満たされ、正しさだけが求められるこの世界に対して怒りの表情を浮かべながら、そうした問題意識を突き詰めたが故に露になった、"すべてのものが終わりゆく"という儚い刹那と、少年の頃の自分自身に重ねられたパーソナルな心象。"どーでもいい"という言葉の切実さと説得力。12年のキャリアの果てに辿り着いた大傑作。この先の10年はアルカラの時代になるだろう。
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アルカラ、5枚目のアルバム。歌謡性の高いドラマチックなメロディと歌が、変拍子を多用したリズムを基盤とした、空気を切り裂くようなソリッドな演奏と共に繰り広げられる、まさにアルカラ節が炸裂した作品である。ロックがシリアスさだけを打ち出すことは容易いが、同時にユーモアを手なずけるのは、とても難しい。しかし、アルカラは見事にそれをやってのける。それができるのは、ある一定の音楽性だけに捉われない豊かな素養と、それを楽曲に昇華する技術、そして独特な言葉のセンスがあればこそだ。4曲目「YOKOHAMAから来た男」~6曲目「380」において自由に音楽で遊びまくった後、「防御線の果て」、「ビデオテープ」という名曲で締める後半の流れが実に素晴らしい。
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おいおい!どうなってんだ!?やはり"ロック界の奇行師"を自称するだけに、思いもよらない展開をしてくれるぜ!前作『フィクションを科学する』から約7ヶ月という驚異的なスピードでアルカラが新作『こっちを見ている』をリリースする。フロントマン稲村太佑の脳内だだ漏れ状態か?この猪突猛進がさらなる高みへの鮮やかなステップ・アップであり、激エモな楽曲の疾走感にも反映しているようだ。映画『アベックパンチ』の挿入歌にも決定した「半径30cmの中を知らない」を中心に繰り広げる大胆かつ繊細なアルカラ・ワールド。奔放すぎておかんの声からピー音(放送禁止に使うアレ)まで入るとは、ホント馬鹿だな~(褒め言葉!)。これはライヴ映えする力もハンパないから、借金してでも生を体感するべし!
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嘘か真か、インタビューで語ったように"心で歌う"姿勢がそうさせたのか。アルバムとして3枚目の今作は、これまでの圧倒的なハイテンションで突っ走るような勢いを緩め、メロディアスな世界観を強調した作風となった。9mm Parabellum BulletとSyrup 16gの中間に位置付けられそうで、疾走感を期待するとやや肩透かしを食らうかも。だがしかし、この変化で露わとなったのは、聴けば聴くほど旨みが増すような、するめいか状態の味わい深い叙情性。「大久保のおばちゃん」や「はてない」に印象的だが、メロディアスなサウンドと日常のささやかな心情を掬う文学的な詩世界が絶妙に相まり、いつかの原風景を引き出すだろう。全体をみるとストレートなロックン・ロール「キャッチーを科学する」は軽いご挨拶って感じで、ニクイね!
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神戸出身の四人組、アルカラの2ndアルバム。尚、同時に1stアルバム「そうきたか」も再プレス&リリースされている。"ロック界の奇行師"と呼ばれているだけあって、確かに変わったことしてるな~という印象。「マゾスティック檸檬爆弾」では、2ビートを久々に聴きました。そこからの展開もめちゃくちゃ面白いし。プログレッシブというんじゃないんだけど、複雑怪奇なバッキング。その割に、ヴォーカルラインは覚えやすくてフックが満載なところも、賢いというか、狡猾というか。王道的バラードもいい曲ではあるんだけど、やっぱり(いい意味で)"変"だな~っていう曲の方が輝いて聴こえてきます。普通のロックに飽きちゃったんだよねっていう気持ちがバシバシ伝わってくるだけに、今後の更なる飛躍に期待が出来そうです。
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前作『ハリネズミズム』と一対のミニ・アルバムとなる今作。オープニングを飾る「3minutes」はこの時代ならではな"三密"をテーマにしており、どんな状況でもプラスに転換して音楽を続けていく確固たる意志を感じる。バンド結成10周年を迎えた2020年はライヴが思うようにできない歯痒さがあったと思うが、それをサウンドで跳ね返すようなキュウソ節が鳴り響く。また、情報が溢れるインターネット社会に喝を入れる、オカザワ カズマ(Gt)プロデュースの「囚」や、センチメンタルなメロディが印象的なカワクボ タクロウ(Ba)作詞/プロデュースのミドル・ナンバー「薄皮」も収録。"挑戦"と"実験"を絶やさず、バンドのスケールを拡大させ続ける彼らに2021年も期待をせずにはいられない。
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結成10周年&ねずみ年という、キュウソにとってWメモリアル・イヤーの幕開けとなる1枚が到着した。今作には新曲に加え、現在は手に入らない1stデモ収録のレアな2曲の再録版も収録。"10年経っても世界は継続"(「適当には生きていけない」)という言葉の重みが増しているものの、スピリットは当時のままであることを示している。そしてリード曲「冷めない夢」からは、彼らにとっての冷めない夢が"キュウソネコカミ"なのだろうと実感。この曲をラストに置くことは、どうしても周囲と比べてしまいがちなSNS世代の心を震わせることに奏功するだろう。今年は"SXSW"出演も発表されているが、ジャケットのハリネズミのように、バチバチと火花を散らし、アメリカでの刺激と戦う姿が目に浮かぶ。
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愚直に自らを振り返り、キュウソというバンドの生き様を曝け出した前シングルの2曲や、"クボタ LOVE米プロジェクト"への書き下ろし曲「米米米米」を含む新アルバム。お馴染みの"こういう人いるよね"とディスを吐くナンバーもあるが、変拍子も挟むスタイリッシュな音像の「遊泳」、青春パンク感のある「真面目に」などは、サウンド面ではキーボードの使い方がこれまでとは違って新鮮でありつつ、歌詞の方はヤマサキセイヤ(Vo/Gt)個人の心の内を映す叫びにも聴こえて、より血が滾った要素が増えていると感じた。その流れを汲むと「推しのいる生活」も"推される"側のバンドマンからのメッセージにも聴こえてくる。リアリティの路線が少しずつ変わってきている過渡期の作品ではないだろうか。
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新曲発表のたびに、今回は世の中のどこに焦点を当てて噛みつくのだろう、と思うのもキュウソの魅力のひとつだが、この新作はこれまでとはひと味違う一面が窺えるものだった。アニメ"メジャーセカンド"OP曲の「越えていけ」は、世の中に噛みつくのではなく、自分自身と戦い今の自分を"越えていこう"という、かつてないほどにシンプルな応援歌。そして「The band」では、"楽しさだけ"を求められることが多いキュウソというロック・バンドの生き様をその鋭い目線から描いている。過去最高にストレートにバンドの苦悩や本当にやりたいことを曝け出すからこそ、真に迫る凄まじさがそこにある。5人と"リアルタイムで出会えた"からこそ、彼らの音楽に笑った人は今こそ共に"楽しい"の先へ行くときだ。
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すっかり邦ロック・シーンに欠かせない存在となったキュウソの新作。これまで数々のエッジーでダンサブルな楽曲に不平不満を乗せてボヤき散らしてきた彼らだが、まだまだ言いたいことは収まらず、今作では"詐欺写真"、"メンヘラ"、"おじさん好き女子"などに現実を突きつける。そんななか、ぽつりと収録されていた「TOSHI-LOWさん」には笑ってしまった(もちろんあの"鬼"への愛が込められた楽曲)。だが、ただ現代を俯瞰的に面白おかしく皮肉るだけではなく、「5RATS」、「わかってんだよ」では彼らの中に今沸々と湧く闘争心や野心をむき出しにする。結成から8年、"バズらせ系バンド"先駆者として邦ロック界における確固たる地位を築いてきたと言えるキュウソ。5人が目指す、さらなる高みに期待。
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"2ndフル・アルバム『大事なお知らせ』をブラッシュアップさせたもの"というコンセプトで作られた今作は、この3年でバンドがスキル・アップし、許容範囲が拡大したことを感じさせる。エッジーなギターとシンセが疾走する"THEキュウソ"な楽曲はもちろん、キュートで人懐っこいリフも印象的な「NEKOSAMA」、ピアノの音色とエフェクティヴなギターが和メロを引き立てる「春になっても」など、フル・アルバムだからこそ収録できる楽曲の存在は作中で大きなアクセントだ。歌詞も単なるディスではなく、成長や味わいを感じさせるものが多いが、「ヤブ医者」は"うるせぇバーカ!!"と初期のように全力で不平不満をまき散らす。今も過去も全部詰めこんだエネルギッシュな作品、非常に痛快だ。
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今年1月24日のライヴを早くも映像化。成長期真っ盛りなバンドの記録をリアルタイムなものにするために極短スパンでリリースする必要があったのだろう。この作品は言うなれば成長痛の記録だ。フロアの人波に揉まれるスタッフ目線やクレーン・カメラによるカットなど、20台超のカメラによる映像は会場の熱狂をダイナミックに映し出すと同時に、葛藤の最中でもがくバンドの姿をも浮き彫りにした。"楽しみながら多くの人を巻き込んでいきたい""でもファン全員に楽しんでもらうためにはやりたい放題では済まない"――つんざくような葛藤の中から手を伸ばし、キュウソは如何にして歓喜を掴んでいくのか。どんなエンターテインメントを描いていくのか。泣き笑いに満ちた過程の熱さがヒシヒシと伝わってくる。
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前作『10代で出したかった』が一部のインディー・ロック好きの間で話題になり、最近ではライヴの動員も急上昇中。共感できるような気もするし、そんなこともないような、知らんがなとツッコミたくなるような歌詞とやたらとキャッチーなダンス・ロック、衝撃的なライヴ・パフォーマンスで今やネクスト・ブレイカーの一角に挙げられることも多い彼らの2ndアルバム。前作から曲の構成力は格段に増し、各パートの輪郭が顕著になり、メリハリのついたサウンドに悔しいけど体が揺れる。ツイン・ヴォーカルの必然性も一段と増し、しっかりとキャラクター分けができており、お互いが曲のアクセントとなっている。もっと、見るからにストイックに魂を削ってます感溢れるバンドが売れるシーンが望ましいのかもしれないが仕方ない、彼らは面白い。
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約束しよう、この音源を聴き終え、特に予定も無く街を歩いている時にふと"ヤーンキーこーわいー"と口ずさんでしまう事を。日本のインディー・ロック・シーンにありがちなダンス・ロック・サウンドと彼らは全く違う、彼らは段違いに"面白い"。コミカルな詞の世界観、凄まじい熱量でそれを体現するライヴ・パフォーマンス、そしてMC、全てが1つのエンターテイメントとなって笑えるのは間違いないのだが、彼らは決してコミック・バンドに収まらない音楽的IQの高さを持っている。全てが計算なのか偶然の産物なのかは正直わからない。しかし多様な音楽を吸収するというよりは貪り食っているかの如く超展開していく彼らの音が非凡であるという事は、このアルバムを聴いていただければ伝わるはずだ。
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結成20周年を迎えるセックスマシーンのほぼ新録ベスト・アルバム。70年代UKロック、パンク・ロックをベースとした痛快で疾走感あるサウンドに乗せて歌う、森田剛史(Vo/Key)の歌詞やメロディはとにかく明快。"シンプルであること"を追求した楽曲たちは一度聴いたら口ずさみたくなるキャッチーさと親しみやすさを持ち、恋愛ソングから日々のぼやき、かすかな希望と、半径5mの出来事を多分なユーモアを含んで歌った歌詞は笑いと共感の嵐! 20年の想いを込めたアルバム・タイトル曲のTrack.1「バンド名変えたい」、シンプルさを極めた彼らの代表曲でもあるTrack.2「サルでもわかるラブソング」は、ある意味このバンドを象徴している。騙されたと思って、まずはこの2曲だけ聴いて!
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傷つき、打ちひしがれた男が顔を上げ、再び歩き始める姿を歌った5作目のアルバム。森田剛史(Vo/Key)の手痛い失恋が制作のきっかけになったという。彼ららしいけれんみ溢れる作品と思いきや、ひとりでも多くの人に伝えたいという思いが、いい歌とまっすぐなバンド・サウンドで勝負する潔さに結実。けれんみが薄れたことで、芸風としての暑苦しさではなく、楽曲やバンドそのものが持っている熱さを改めて印象づける、ある意味、赤裸々な作品になっている。それに加え、バンドが新境地に挑んだことで、このバンドが持っている豊かな音楽性もこれまで以上に際立ってきた。彼ららしいユーモアも交えながら、合唱曲に真正面から挑んだ「唱歌「凪」」を始め、聴けば聴くほど、味わいが増す曲ばかりだ。
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持ち前のユーモアをぐっと抑え、奇をてらわずにストレート且つシリアスに"旅立ち"という春に相応しいテーマを歌い上げた3曲を収録した5thシングルは、ライヴDVDをカップリングした2枚組。ノスタルジックなオルガンの音色をフィーチャーした表題曲を始め、3曲とも70年代のロックを思わせる演奏がライヴならシンガロング必至のメロディの魅力を際立たせている。Track.2「眠るまちから」は切ないメロディをアピールしながら、マーチ風のドラムやアンセミックなコーラスが聴く者の気持ちを高揚させる不思議な味わいが印象に残る。Track.3「地平の向こう」は3曲中、最もセクマシらしいと言える疾走感溢れるロック・ナンバー。アートワークは新進気鋭の漫画家、西村ツチカによる描き下ろしだ。
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シンガロング必至の熱い曲の数々と、ちょっとずっこけたところもあるひたむきさが歓迎され、日本各地のライヴ・シーンを賑わせている神戸の4人組、セックスマシーン。3年ぶりにリリースする4作目のフル・アルバムもユーモアとペーソスを交えながらポジティヴなメッセージを訴えかけるアンセミックなセクマシ節は健在だ。聴きながら、とりあえず大きな声で叫びたい衝動に駆られたあとは、ぜひ曲作りや演奏の妙味にも耳を傾けていただきたい。シンガロング必至の青春パンクに加え、R&B調のバラード、アコギを鳴らすフォーク、ドカドカと突っ走るハードコアと曲は思いの外、幅広いうえにライヴのうわーっとしたイメージとは裏腹に荘厳なコーラス、華麗なギター・ソロなど、演奏も聴きどころが多い。
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青春パンクを装いながら、諧謔と反骨の精神、そして意外に奥が深い音楽性がセックスマシーンの存在をユニークなものにしている。その意味では半年ぶりのリリースとなるこの4thシングルも彼ららしさは何も変わらない。その延長上で、キーボーディストの脱退をメンバー全員がキーボードを兼任することで補いながら、それぞれに趣きの違う3曲に挑み、前進をアピール。新たなスタートを自ら祝うようにキーボードの音色を高らかに鳴らしながらウェットすぎる世の中に活を入れる表題曲、アンセミックなロック賛歌の「いいよね」に加え、ピアノの音色が印象的なバラード「なくしもの」も収録。さらにボーナス・トラックとしてライヴ音源を3曲追加したことで音楽性の深さとともにライヴの熱さも伝える聴き応え満点の1枚に。
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彼らの名を知らしめ、"おしゃれ且つ変態"な音楽と衝撃の出会いを果たしたリスナーも多いであろう傑作『ニガミ17才b』から2年半。本作は待望の新作に高まった期待を別角度から愉快気に壊して超えるような、異能っぷりがはじけた1枚であることを1曲目「Jimmy Perkins」から確信した。ジャジーなリズム隊にミュージカル風の岩下優介と平沢あくびのヴォーカルの掛け合い。音に身を任せるのも最高だが、歌詞を読むとその物語性にも心躍らされるというのはまさに奇術のよう。存在感を増したベースのグルーヴが引っ張るダンス・ミュージック「こいつらあいてる」、お得意の変拍子と病みつきになる言葉選びが光る「オフィシャル・スポンサー」を筆頭に、全曲聴きどころ満載で、最後の最後までドキドキしっぱなしだ。
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元嘘つきバービーの岩下優介を中心に結成されたバンド、ニガミ17才による2ndミニ・アルバム。岩下らしい、前のめりで予測不能な曲の展開力はそのままに、メンバーが変われば方向性もメンタリティも変わる。自由奔放なドラマー 小銭喜剛、ファンキーなベーシスト イザキタツル、鍵盤初心者でありながら、元役者という豊かな表現力と合わせて、岩下と並んでバンドの顔となっている平沢あくび。4人の個性が絶妙に絡み合ったファンキーなサウンドはさらに洗練され、そこに宿っていたポップで開けた魅力が大きく開花。どちらかというとカルトなイメージの強い岩下が本誌インタビューで"目標は「紅白」"と本気で言っていた。これが情報に溢れた時代のネオJ-POPスタイルなのか? とにかく、強い。
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祝、四星球結成20周年! 彼らのベスト盤が単なるベスト盤であるわけがなく、新曲4曲に、彼らの音源にはお馴染みとも言えるコント4本を収録、というのがトラックリストを見ただけでもわかるが、さらに「薬草」ではコザック前田(ガガガSP/唄い手)がゲスト参加するなど、既存曲も全曲最新バージョンに。おかげで聴き進めると、不意に詰め込まれた遊びに思わず吹き出しそうになったり、涙腺を刺激されてしまったり......。曲という単位ではなくアルバム全体を使い、CDの最大収録時間に差し迫るほどに、サービス精神旺盛な四星球の姿勢をこれでもかと詰め込んだ。1枚通して最後まで聴くと胸が温かくなる、私たちの気持ちを"心の穴の奥そこ"から掬い上げるパワーを閉じ込めた、玉手箱のような作品。(稲垣 遥)
四星球結成20周年を記念して作られた、ベスト盤ではなく"ベスト選曲アルバム"。ライヴでおなじみの楽曲たちはもちろん、4曲の新曲や曲間のコントも収録。ベスト盤として、最新オリジナル・アルバムとして、存分に楽しめるボリューム満点の1枚になっている。アルバムを象徴する曲且つ、四星球の最新型と言える1曲目「トップ・オブ・ザ・ワースト」でガッツリ心を掴まれたと思ったら、コントで四星球の不思議ワールドに誘われ、そこからは急転直下の80分。アルバム中のたくさんのネタフリが後半で回収される作品の物語性や、新曲「リンネリンネ」で終わる美しいラストはちょっと感動的ですらある。軽くネタバレしちゃったけど、あんまり情報を入れずに一気聴きするのがオススメ!
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スマートとは言えない、けど思いやりと信念が表れた作品名。四星球にしかできない術で、疲弊しかけた私たちを笑顔にする1枚が届いた。リード曲「ライブハウス音頭」は彼らの戦友である関係者、アーティスト100名以上がコーラス参加。ライヴハウスあるあるに頷き頬がほころぶと同時に、"ガラガラのライブハウスは いつだって最先端"などグッとくる一節も。また2度目のアルバム収録となった「運動会やりたい」も笑ったし、"段ボーラー"に続き、あるドラマーを描いたナンバーも意外と(?)名曲! シンガー、北島康雄節満載の愛の歌「シンガーソングライダー」はテッパンの温かな仕上がりで、あの曲のアンサー・ソング「早朝高速」にはリアルなバンドの生きる姿が刻まれていていい。やっぱりエンタメって絶対、何にも代えられない。
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突如台湾進出を発表した、大阪の賑やかしバンド PANと、盟友である徳島のコミックバンド 四星球。台湾と日本の両国で開催する"台日爆音 BORDERLESS 2018"に彼らが引っ提げていくのが今作だ。両者共に新曲、代表曲、共作曲の全5曲を中国語で歌唱し気合十分。共作の「用小籠包都包起來吧(小籠包で包みましょう)」はPANらしい弾けるメロディック・ポップなサビに四星球お得意の言葉が跳ねるメロと、2組の十八番が融合した印象の、誰もが一発で盛り上がれる曲。中国語に挑戦した影響もあるのだろう、性急な初期衝動が詰まっている。そのうえ終わったかと思えばピアノが流れドラマチック(?)にメンバー全員が語り出し再び歌う展開に、"欲しがるなぁ~"とニヤニヤ。これは前代未聞の何かが起きるかも!?
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前面に押し出した"段ボール"とまさやん(Gt)。彼らのライヴに欠かせない小道具(もはや大道具の場合も)をすべて彼ひとりが段ボールで制作していることが由来なわけだが、オチやオマケ以外で彼にスポットライトが当てられたことに少し感動。本楽曲はそんな陰の努力者への賛歌であることに加え、リスナーへのメッセージ・ソングにもなっている。続く「発明倶楽部」も"新しい時代"を作ろうとするバンドの本気のロック・ナンバーでニクい。またライヴでは数年前に披露していた「直りかけのCamera」、インディー期の隠れた名ラヴ・ソング「六文役者」の再録版、限定盤DVDには大阪の名物フェス"OTODAMA"の映像も収められているのも嬉しい。シンガー 北島康雄の歌唱力が着実にアップしているところも必聴。
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四星球が放つメジャー1stシングルは"占い"をテーマとして、1枚に13曲47分43秒収録という、シングルCDの概念を破壊した作品。表題曲が終わると牡羊座から魚座まで、星座順に1曲ずつ歌われているので当然まずは自分の星座から聴きたくなってしまうのだが、「蟹 座『い蟹ひそ蟹したた蟹』」、「天秤座『天秤の座』」等、趣向を凝らした楽曲(とコント)たちを順番に聴いていけば、ニュー・アルバムを聴くくらいの満足感あり。チャットモンチーの橋本絵莉子をフィーチャーしたセルフ・カバー「乙女座『蛍の影 feat.橋本絵莉子』」、八木優樹がKEYTALKをアピールすべく参加(?)の「山羊座『哺乳類星座会議 feat.八木優樹』」等も収録。"自分の星座よりあっちの星座の方がいい!"とか思わないように。完全限定生産盤には、デビュー前夜の2016年秋以降制作されたMVや企画動画を収録。
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四星球、結成15周年にしてビクターのレーベル"Getting Better"からまさかのメジャー・デビュー! 誰もが驚いたその吉報が届いた際の様子は初回限定盤付属DVDに収録された、2016年10月のワンマン・ライヴの映像で観ていただくとして、記念すべきメジャー1stアルバムの内容はというと、ライヴ定番曲+新曲で構成されたベスト・アルバム的な内容。「Mr.Cosmo」(Track.2)でのビクター担当者登場や「四星球十五年史 ~上巻~」(Track.12)でのバンドの歴史紹介、「メジャーデビューできなかった曲たちの逆襲」(Track.14)など、メジャー・デビューをたっぷりネタにしてエンタメ感全開の1枚に仕上げている。「HEY!HEY!HEY!に出たかった」(Track.6)が"HEY!HEY!HEY!"特番で聴ける日もそう遠くないのでは!?
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自ら"出世作"と名づけた通算5枚目となるフル・アルバム。"四季折々/12ヶ月のうた"をコンセプトにそれぞれの曲に"○月のうた"とつけ、生々しく現在のバンドの心境を歌い上げる表題曲から始まり、盛りだくさんの14曲+ボーナス・トラック「桃源郷をやってみた」が収録される。新たな挑戦を彼らなりの表現で示唆したTrack.2「鍋奉行パエリアに挑戦」などユーモア溢れる楽曲がある一方、訥々と歌い上げるメロディアスなTrack.7「蛍の影ではセンチメンタルな一面も。そんなムードをTrack.8「今作ここまでのダメ出し」で自らを戒めて(?)後半戦では怒涛のネタをぶっこんでくるあたりに、コミック・バンドとしての"バカ真面目さ"を感じることができるアルバム。祈!出世!
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四星球は、去年、地元・四国最大のフェス"MONSTERbaSH"のオオトリを務めた。本作の表題曲は、その経験から生まれた曲だという。"今日のための今日までが 明日のための今日に変わる"というラインは、フェス参加者だけじゃない、毎日を必死に生き抜くあらゆる人々に捧げたい言葉だ。Track.2「武器を捨てよ 太鼓を持て」では、バンドの本質を歌う。不毛な争いをして誰かを傷つけるくらいなら、笑かしてやろうと。たとえ、それで馬鹿にされようが、笑かしたもん勝ちだと。自分に尊厳と誇りを持てなければ歌えない歌だ。彼らが地元で、そして地元から遠く離れた場所でも愛される理由が良くわかる。本当に大事なものなど数えるほどしかないが、本当に大事なものが何かわかっていれば、人もバンドも、大いに笑えるのだ。
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色の濃いタイアップ曲が集結した打首のニュー・シングル。元極道の専業主夫の日常を描くギャグ・コメディ"極主夫道"OP曲「シュフノミチ」は、主夫/主婦の奮闘を歌っており、まさに"生活密着型ラウドロック"バンドと相性抜群の1曲だ。一方「カンガルーはどこに行ったのか」では、子どもの大人気キャラクター"しまじろう"とのタイアップというだけでも強烈なのに、"かんがえることを"と何度も繰り返される言葉が、より大きなインパクトを放つ。さらに、その"かんがえる"という歌詞の中に"カンガルー"が実は交ざっているんだから、笑わずにはいられないし、その裏で鳴るベース・ラインもクセになる。疾走感溢れる「それだけがネック」の、メロディにぴったりとハマる語感も良い。
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ミニ・アルバムそのものや"新型コロナウイルスが憎い"といった、どストレートなタイトルからもわかる通りに今年を象徴する1枚が完成。本作には、ステイホームで筋トレしながら、アニメを観る前後に、はたまた風呂上がりに腰に手を当て牛乳を飲みながら――そうして聴くことで灰色の日常を鮮やかに彩ってくれる曲が詰まった。"マスクしながらの ジョギングヤバイ"(「足の筋肉の衰えヤバイ」歌詞)など、打首らしく生活に密着した2020年のあるあるには思わずニヤリとさせられ、コロナ禍から平穏を取り戻したときに何をしようかと希望を歌う「明日の計画」で泣かせてくるのもニクい。日常が変わってしまったからこそ、今の日常を歌う打首の音楽がとても愛おしい。なんて書いたけど、頭を空っぽにして楽しむのもやっぱりいいのだ。