Japanese
キュウソネコカミ × Marshall
2024年11月号掲載
Member:ヤマサキ セイヤ(Vo/Gt) ヨコタ シンノスケ(Key/Vo)
Interviewer:米沢 彰 Photographer:濱谷 幸江
メジャー・デビュー10周年を飾るフル・アルバム『出現!鼠浄土』を10月9日にリリースし、そのまま大規模な全国ツアーをスタートしたキュウソネコカミのフロントマン2人が、Marshallの最新ワイヤレス・ヘッドホン"Major V"を徹底チェック。バンドマンらしい視点から、音楽ファンとしての視点まで、楽曲さながらに様々な視点からヘッドホンに切り込みつつ、最新アルバム、ツアー、そして来年3月に神戸 ワールド記念ホールで開催する主催イベントについて語ってもらった。
-お2人は普段、どういった環境で音源を聴いていますか?
ヤマサキ:外に出たときはワイヤレスのイヤホンで聴いたり、家ではコンポで聴いたり、あとはYouTubeでMVを流して、サウンドバーで(低音を)デュクデュク鳴らしたりしていますね。夜な夜なお酒を飲みながらサウンドバーでぶち上がってます。
ヨコタ:僕も一緒で、外に出るときはワイヤレス・イヤホンを付けてて。基本的に僕はオープン(スピーカー)ではあんまり聴かなくて、家でもヘッドホンを使っていますね。制作のときはスピーカーがあるので、そっちでも出してみて変じゃないかとやってみるときはあります。あと、レコード・プレイヤーを直接繋いでいるので、レコードを聴くときはスピーカーで聴いていますね。
-やっぱりスピーカーと、イヤホンやヘッドホンとかだと聴こえ方が違いますよね。
ヨコタ:全然違いますね。言ったら湿度とかでも聴こえ方は変わりますし、気になるところがないかとか、どっちでも聴いてみないと分からないから聴き比べをしている感じです。
-普段はどういう音楽を聴かれていますか?
ヤマサキ:邦楽も洋楽も関係なく、今聴きたいやつをバンバン流していくスタイルですね。最近だとJack Whiteの新作(『No Name』)が、ギターがギャンギャンに鳴っててTHE WHITE STRIPESの雰囲気がまた戻ってきてる感じがあって、それを楽しんでますね。日本だとずっと真夜中でいいのに。とかいっぱい音が入ってて、聴いてて楽しいなというか。こんなちっちゃい音も入ってんだとか、これなんていう楽器なんだろう? って聴いちゃいますね。
ヨコタ:最近そういう緻密な音作りをしてる音楽家が増えたなと思ってて、新しい人の曲は基本イヤホンとかヘッドホンで聴くことが多いですね。勉強のためにも本当に細かいところまで聴いてるみたいな感じもあって。逆にオープンで聴いたり外で聴いたりするときはあんまりキュウソ(キュウソネコカミ)みたいなうるさいやつは聴かないんですよ。自分たちが言うのもなんですけど、そういうソフトな曲のほうが繊細じゃないですか(笑)。繊細なやつのほうが聴いてて楽しいというか、行間とか仕草みたいな、雰囲気を出すにはこういうのいいよなって。
-お2人のMarshall に対するイメージを教えていただけますか?
ヤマサキ:僕はもうライヴの相棒ですね。ずっとMarshallなんで。キング・オブ・アンプ。アンプって言ったらMarshallって感じですね。音楽始めた瞬間からMarshallに触れてきてる。なくてはならないというか。
ヨコタ:軽音楽部に入ったときの部室に何個か置いてあるなかで、Marshallが一番人気で。ガンッて鳴らすならMarshallって感じ。
ヤマサキ:ギター・ヴォーカルとリード・ギターがいて、どっちが取るかってなったらだいたいリード・ギター!
一同:(笑)
ヨコタ:それで取られちゃうんだよね。
ヤマサキ:初めてでもギター挿してドギャーンって鳴らしたら"俺かっこいい!"ってなるのがMarshallっていう。音デカいし、あの歪みがいろんな人の人生を変えてきたと思うんですよね。ヒーローにでもなったような気分になれるという体験を、Marshallはたくさんの人にさせている。
ヨコタ:僕はB'zがめっちゃ好きなんですけど、「Pleasure(Pleasure '91 ~人生の快楽~)」という曲に"重いマーシャル運んでた腰の痛み/まだ覚えてるの"って歌詞があって、Marshallって言葉が出てくるんですよ。俺はその当時まだ小学生だったんですけど、まずMarshallがなんなのか調べて、"アンプなんだ!"って分かって、重いんだと知って。楽器とか触れる前からもうすでにMarshallを知ってたことに後から気付いたんです。
-今回はMarshall の新しいワイヤレス・ヘッドホン"Major V"をMarshallさんからご提供いただきましたが、聴いてみた感想をまずは伺って良いでしょうか?
ヤマサキ:やっぱりMarshallってイメージが先行してるから、ギターがかっこいい曲を聴きたくなる。
-(笑)それはありますね。
ヤマサキ:ギャンギャンのギターのロック・バンドの曲を聴きまくりました。
ヨコタ:俺もOASIS聴いた(笑)。
ヤマサキ:OASISももちろん聴いたし、最近の音作りをしてるギターがギャンギャンのバンドはどうかなって聴いたり、今のギターの音に対して昔のロックはどうかって聴き比べたりとかして。昔のやつは勢いがすごいし。
ヨコタ:ギターがバーンって鳴ってるときの感じとかが、初めてロックを聴いたときをまた思い出させるというか、なんか若返らせる音が鳴っているなって。あとはやっぱ全部の音がちゃんと聴こえますよね。だいたいどこかに特化してたり、聴こえ方っていろいろあると思うんですけど、全部パキーンと聴こえて、それがすげーMarshallらしくてイメージ通り。
ヤマサキ:昔のやつも今のやつもむちゃくちゃかっこ良く聴こえるよね。(ギターの)手元が見えてくるぐらいの。THE STROKESの「Reptilia」とか、あの指のキュキュっていう感じが"聴こえる"を超えて"見えてくる"っていうか。
ヨコタ:あとは、僕は外ではイヤホンで聴くことが多いんですが、あんまり音量を上げづらいというか、上げるとこの辺が限界だなっていうところがあって、それ以上上げちゃうと"うるさい"が勝つので下げるんですけど、Marshallはどこまで上げられるかなと思ったら、イヤホンよりも上げられて。それだけで、ちゃんとかっこいい音が出るところまで出せるのがいいなと思いました。身体に響く感じというか、身体には来るけど、耳ではあんまりうるさくないっていう印象でした。
ヤマサキ:同じアーティストですけど、Jack Whiteは2024年の作品、THE WHITE STRIPESは2007年の作品(『Icky Thump』)を聴いて、年代がだいぶ離れてるんですが、最近の音源もギターの鳴り方がめっちゃかっこいいし、昔の音源もMarshallで聴いたらかっこ良さを再発見できました。
-Jack White とかTHE WHITE STRIPESって間があって、その間の中にノイズがあったり、という世界でもありますよね。
ヨコタ:空間がちゃんとありますよね。
ヤマサキ:その辺の細かい音まで聴こえるから、よりテンションが上がるみたいなのはあるかもしれないですね。
-Marshallのアンプも、ただ通電しているだけで音が出てるっていうところがありますからね。
ヤマサキ:そういうところにライヴ感があるんですよね。
ヨコタ:俺はフィッシュマンズを聴いてたんですけど、普段イヤホンでもフィッシュマンズはすごい聴いてて。イヤホンで聴くときって"自分の中で聴く"みたいな感じなんですけど、Marshallで聴いたら本当にクラブとかライヴハウスの聴こえ方になって、ロー感やハイの音もよく聴こえるから、俺の中では大人しいと思ってた曲があんまりそうは聴こえないというかブリブリに聴こえるから、"あ、またかっこいいじゃん"ってなったりしましたね。
ヤマサキ:丸々は見なかったんですけど、映画もちょっと観てみました。ドゥーンみたいな低音のところとかすごかったですね。
-(笑)めちゃめちゃ来そうですね。
ヤマサキ:その場にいるような。ホラー映画の冒頭だけちょっと観たんですけど、臨場感がすごいですね。
-その使い方もいいですね。ちなみに使い勝手はいかがでしたか?
ヨコタ:めちゃくちゃ使いやすいというか、(※ボタンを触りながら)ほとんどこれで使えますよね。
ヤマサキ:感覚的に操作できるのがいいよね。上に上げたら音量が上がって、下にしたら下がって、右にしたら飛ばせるっていうのが最初ややこしいんか? って思ってたけど、付けて触ってみたら即分かったよね。"使い心地いいじゃん"って。
ヨコタ:使ってるイヤホンがスライドとかタッチで操作するやつなんだけど、それだと不意に触って変わっちゃったり止まったりっていうのがめちゃくちゃ多くて。ある意味繊細っていうか。こっちやと手応えがあるんで、めちゃくちゃ使いやすい。
ヤマサキ:俺たちはまだ物理ボタンが好きなんです!
一同:(笑)
ヨコタ:iPhoneとかもね。
ヤマサキ:ホームボタンがなくなってがっかりしたよね。
-見た目はいかがですか?
ヤマサキ:おしゃれすぎん? 見た目が良すぎるから、ファッションの一部としても使えるし、首に掛けてるだけで1個のアクセサリーとして使えるっていうか。
ヨコタ:かわいいよね。
ヤマサキ:しかも音もいいから、ファッションだけじゃなくて音もこだわってるんだぜ、っていうのをちゃんと表現できてるっていうか。
ヨコタ:俺たちってバンドマンだよなって感じでね。見た目にMarshallっていう感じがめっちゃ出てるのが本当に良くて。