Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

Klang Ruler × Marshall

2024年04月号掲載

いいね!

Member:Gyoshi(Gt)

Interviewer:米沢 彰 Photographer:濱谷 幸江

「タイミング~Timing~」(ブラックビスケッツ)のカバーがTikTokを中心に話題となり、新しくもどこか懐かしさを感じさせる楽曲やSFの世界観を纏ったライヴ・パフォーマンスで注目を集めるKlang Rulerより、ギタリストのGyoshiがMarshallの最新イヤホン"Motif II A.N.C."を徹底チェック。自身もYouTuberとして活動し、アップするカバー動画には世界中からあらゆる言語でのコメントを集める彼女の活動の背景やバンドの今後も交えつつ、率直な思いを語ってもらった。


共通の話題になって盛り上がっているのをSNSで見たりするので――"世代って超えられるんだな"、"そういう存在になれてるんだな"って思えた


Gyoshiさん個人のYouTubeチャンネルで、ギターのカバー動画をかなりの数アップしていますよね。これはどういったきっかけで始めた活動だったのでしょうか?

当時まだバンドを組んでなくて、ひとりでも何か活動できたらいいなと思って。でもライヴ出るってなるとノルマとかも最初あるし、知名度もなかったので、一番手っ取り早く始められるのはYouTubeかなと考えて、それで始めました。

Frank Sinatraのカバー"あつ森(あつまれ どうぶつの森)"のカバーが並んでいたり、渋いところから今の世代らしい楽曲まで、選曲がなんでもありで面白いですよね。どういう基準で選曲しているのでしょうか?

本当にそのときハマっている自分が弾きたいものを弾いてるって感じで、基本的にこういうのがウケるだろうとかは考えてないですね。

-全然考えてないんですね。

いや、少しは考えているんですけど、「Fly Me To The Moon」は1950年代の曲ですが、みんな絶対どこかで聴いたことがあると思うんですよ。なので"あつ森"とか今の若い世代が知ってるような曲と並んでいても、聴いてみたら"あ、知ってるかも"と思ってもらえるかなって、個人的に違和感もないのかなって考えています。

-もともと、そういう古い曲とかも含めて自分の中にいろいろな楽曲のバックグラウンドがあるっていうことですね。

「Fly Me To The Moon」は最初オールゴールで聴いて、それからジャズ・アレンジとかも見つけて。そういうのを掘っていったら、近しい年代の曲とかもいろいろ聴くようになりました。

-そういうふうに触れていったということは、いろんなアレンジにも触れたうえで、自分なりのアレンジを提示しているということなんですね。

そうですね。

-アレンジから入ったとしても、原曲もしっかり聴いたりしているのでしょうか?

どういう人がどういう意図や思いで作った曲なのか理解したうえで、オリジナルを最大限にリスペクトして自分なりにアレンジをしているっていう感じですね。

-バンドとしてもカバーを継続して行っていますよね。これはどういった経緯で取り組みを始めたのでしょうか?

わりと最近の曲もちょこちょこあるんですけど、歌謡曲とか長く愛されている曲、幅広い世代から愛されている曲を、Klang Rulerの解釈で新しくアレンジしてみたらどういうふうになるんだろうみたいな、ちょっと実験的な感じで始めました。

-どのカバー曲もKlang Ruler色にしっかりとなっていると感じるのですが、これは最初からそうしようと狙っているのか、あるいは結果的にそうなっているのか、どちらでしょうか?

色を入れようと意識してやっていますね。現代のサウンド感と原曲のメロやコード感をミックスさせたくて。その要素は絶対になくさないように意識しています。

-アレンジを決めていく過程はバンドの中で議論しながらやっていく感じなのでしょうか? それとも誰かがリードしていく感じでしょうか?

だいたいヴォーカルのyonkeyが土台を作って、みんなでこういうふうにやりたいっていうのを作ってきて、この曲にこうやって違う曲のアレンジを混ぜたい、みたいなのを足し引きしながらやっていく感じですね。

-「タイミング~Timing~」のカバーがTikTokのランキング1位を獲得するなど、かなり人気ですね。反響の広がり方がとても今っぽいですが、そういった反響を見て感じることや考えることなどあったりしますか?

今の若い世代の人だと、ブラックビスケッツさんの原曲を知らずに聴いた人が多くて。それを口ずさんでたら、そのお母さんとかが"なんで知ってるの?"ってなって、そこで共通の話題になって盛り上がっているのをSNSで見たりするので、"世代って超えられるんだな"、"そういう存在になれてるんだな"って思えたのが嬉しかったです。

-バンドにはあとからGyoshiさんが加入されていますよね? どういった経緯だったのでしょうか?

もともと通っていた専門学校の後輩なんですよ。私の演奏も観たことない、本当に挨拶する程度の関係だったんですけど、卒業したあとYouTubeを始めて、それをたまたまyonkey(Vo)が観て、"この先輩こういう感じのも弾けるんだ"みたいな。それで誘ってもらったので、素直に嬉しかったです。

-じゃあバンド側から誘われたってことなんですね。

そうですね。私もKlang Rulerのことが好きで、学校の中でも頑張っているバンドだったし、すごい応援してて、どっちかというとファン的な存在だったので、誘われたときはびっくりしました。

-誰から誘われたんですか?

ヴォーカルのyonkeyが誘ってくれて。急に"話があるんですが"って(笑)。