Japanese
2018.08.11
"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018"
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"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018"
8月11日(土)北海道 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
Open 10:00 / Start 12:30 / End 05:00 (12日)予定
【チケット】
通し入場券 ¥22,000
10日入場券 ¥11,000
11日入場券 ¥15,000
そのほかチケットの詳細はこちらにて
オフィシャル・サイト:https://rsr.wess.co.jp/2018/
■タイムテーブルはこちら
VENUE INFORMATION
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04 Limited Sazabys
Squall
表題曲は疾走する演奏にメランコリックな歌が乗る、まさにフォーリミ印のメロディック・ナンバー。今年2月に日本武道館公演を成功させてからも快進撃が止まらない彼らが約1年3ヶ月ぶりにリリースするシングルとしては、ちょっと手堅いんじゃない? と思いきや、"こんなはずじゃない/こんなもんじゃない"という歌詞にグサッとヤラれた。闘志なのか、それとも飢餓感なのか、危機感なのか。いずれにせよ、彼らの中にはまだまだ、こんな気持ちがくすぶっている。さらなる飛躍の前にバンドとファンの間でそれを再確認。そういう位置づけのシングルと受け止めた。Track.3「capture」のハードコアな演奏ももちろんだが、キュートなTrack.2「happiness」でGEN(Ba/Vo)が奏でるウォーキング・ベースも聴きどころだ。
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04 Limited Sazabys
eureka
メジャー・デビューしてから、パンク・シーンに留まらない人気を確立しながらロック・シーンでめきめきと頭角を現してきたとはいえ、バンドが持っている本質に何ら変わりはないことは、前作アルバム『CAVU』から1年5ヶ月ぶりに完成させたこの2ndフル・アルバムが雄弁に物語っている。メロコアや2ビートに頼らないメロディックなロック・ナンバーという王道路線ももちろんいい。Track.2「Feel」、Track.3「drops」、Track.4「Warp」他、前半の6曲を聴けば、彼らが自分たちの王道をさらに磨き上げたことがわかるだろう。しかし、彼らなりに90年代のJ-POPの魅力を再現したTrack.7「Night on」からの型にハマらない展開がやっぱりフォーリミ。後半は、僕らが知らないフォーリミを存分に楽しませる。
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04 Limited Sazabys
AIM
昨年、初の全国ワンマン・ツアーを成功させた04 Limited Sazabysが前作『TOY』から8ヶ月ぶりにリリースするメジャー第2弾シングル。夏にリリースすることを意識して、原点回帰を思わせる2ビートのメロコア・ナンバー「climb」がオープニングを飾っているが、『TOY』収録の「Letter」同様、「fog」ではメロディアス且つ、ちょっと大人っぽい魅力を存分にアピール。その他、ハードコアの影響が表れた「cubic」、そしてポップなロック・ナンバーの「Give me」とそれぞれに異なる魅力を楽しめる計4曲が収録されている。バンドの新たなステートメントとも言える「climb」はもちろん、ラヴ・ソングの「fog」と「Give me」。ヒネらず、あえてストレートに綴った歌詞も聴きどころだ。
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04 Limited Sazabys
TOY
持ち前のメロディ志向がせつないメロディに実ったTrack.1「Letter」を始め、それぞれに異なる魅力を持った4曲が揃い、バンドの快進撃とともに成長をアピールするメジャー第1弾シングル。「Letter」の印象が強すぎて、しっとりしすぎてしまうんじゃないかとメンバーたちは心配したそうだが、ハード且つエモーショナルなTrack.3「escape」とキュートなポップ・ソングのTrack.4「soup」の毒っ気が作品全体をギュッとひきしめているから昔からのファンもご安心を。逆に「Letter」を聴き、フォーリミに興味を持ったリスナーもその2曲を聴けば、彼らがどんなバンドかたちまち理解できるはず。「Letter」で聴ける大人っぽい音色およびフレーズのギターも聴きどころだ。彼らの新境地と言ってもいい。
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04 Limited Sazabys
CAVU
3rdミニ・アルバム『monolith』のヒットをきっかけに吹き始めた追い風に乗って、さらに加速したバンドの勢いが感じられる1stフル・アルバム。メジャーからの第1弾ということで、「swim」で打ち出したポップな一面をさらに追求したものになると思いきや、予想以上にアグレッシヴでちょっとびっくりした直後、バンドの芯がこれっぽっちもぶれていないことがわかって思わず快哉。メロディック・パンクを軸に新しいサウンドも含め、いろいろな楽曲に挑戦しているが、その幅広さがポップからアングラまでというところにバンドの心意気が感じられるが、スロー・ナンバーが1曲もないところもいい。「Any」を始めライヴではお馴染みの3曲もリメイクして収録。現在のバンドの姿をすべて曝け出すという想いもあるようだ。
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04 Limited Sazabys
YON
切なさとポジティヴなヴァイブが絶妙に入り混じりあいながら一皮剥けたことをアピールするTrack.1「swim」は、3rdミニ・アルバム『monolith』のヒットをさらに大きな広がりのあるものにするに違いない。ブレイク間近!?と噂されている名古屋の4人組が『monolith』から7ヶ月ぶりにリリースするシングル。その他の3曲もメロディック・パンクならではの疾走感を持ちながら、曲ごとに新境地を思わせるアレンジを閃かせ、より広がりある魅力を心憎いまでにアピールしている。1度聴いただけで耳に残る中性的な歌声のインパクトのみならず、多彩なリズム・パターンで曲のバリエーションを作るドラムや印象的なフレーズを奏でるギターも聴きどころ。バンド・サウンドそのものに個性が感じられるところがこのバンドの一番の強みだ。
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Base Ball Bear
DIARY KEY
結成20周年を迎えたBase Ball Bearの新作。この時代を深く見つめながら描かれた"人生讃歌集"だという今作だが、ここには小出祐介(Vo/Gt)の中にあるだろう様々な意図や想いを深読みせずにはいられない言葉たちが綴られている。また、近年突き詰めてきた3ピース・サウンドはさらに洗練されており、曲が複雑化したというよりは、ピュアな気持ちで生み出されたものがそのままソリッドに研ぎ澄まされて進化を遂げているような印象。長年のベボベファンは新しさと懐かしさを同時に感じる部分もあるのではないだろうか。作品をひもとく"鍵"となる1曲目の「DIARY KEY」、メンバー全員で作曲した「悪い夏」、valkneeとのコラボ曲など全11曲。一曲一曲を大切に聴きたいアルバムだ。
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Base Ball Bear
SYUUU / ドライブ
"SYUUU"(=驟雨)とは夕立のことを指す。一見哀愁を帯びたイメージを持たれかねない言葉だが、夕立はしばらくすると止むものである。「SYUUU」はそんな雨上がりの晴れた空に似合う、爽快なリズムと共に新たな一歩を踏み出す人に寄り添うナンバーだ。対して「ドライブ」は、何気ない日常にある"生きている音"をメロウなメロディに乗せて表現するミドル・バラード。シンプルな3ピースのバンド・サウンドだからこそ、磨き上げられた音と小出祐介(Vo/Gt)のしなやかに伸びる歌声が際立っている。また、3人の歌声が美しく重なるコーラスも必聴。両曲を聴き終えると、ベボベがそっと照らしてくれた光によって自然と前を向ける、そんな1枚に仕上がった。
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Base Ball Bear
C3
2010年代になぜヒップホップが覇権を握ったのかと言えば、ジャンル内ゲームから抜け出し自由に外側と接続することで、メタモルフォーゼを遂げていったからである。"ヒップホップだけど、ヒップホップじゃない"からこその面白味が、YouTube/SNS時代以降のジャンルレスな感覚とシンクロしたとも言える。そう考えると(特に日本の)ロック・バンドはいつからか、"ロック・フェス"という内々のゲームに拘泥してしまっていたように思えてならない。そして、それに対して常にラディカルな抵抗を見せてきたBase Ball Bearは、本作において"どうしようもなくロック・バンドなのに、これまでのロック・バンドとは明らかに違う"という境地に辿り着いた。新たなディケイドの幕開けに相応しい。
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Base Ball Bear
ポラリス
"3人の音"にこだわったのはライヴにおける再現性の重視が大きな理由だが、それは録音物としてトラック的な音作りと肉体性の同居を表現するための最適解でもあり、間違いなくこれまでのバンド像を更新する作品となった。関根史織(Ba/Cho)のアイディアから曲作りが行われた「試される」と「PARK」は、やはりベース・ラインが楽曲の主役で、存在感抜群のフレージングとミッド・ローの抜けの良さによって強い印象を残す。堀之内大介(Dr/Cho)も含め3人がヴォーカルやソロを担当し、徹底的に"3"にこだわったリリックが小出祐介(Vo/Gt)のナードっぷりを際立たせる「ポラリス」も最高。DISC 2には2018年10月に行った"日比谷ノンフィクションⅦ"のライヴ音源も収録している。
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Base Ball Bear
光源
本作を前にすれば、『C2』での大胆な音楽的変化は、ここへ向かうための通過点だったように思えてくる。もちろん、それは湯浅将平(Gt)の脱退によって結果的に導かれたものではあるが、国内外の音楽を対象化することによって、自分たちの独自性を獲得してきたバンドが、ここに来て音楽と本質的に向き合ったという事実はとても大きなことだ。一方で、"青春"を対象化することによって、"時間"を描き出すという、コンセプターとしての小出祐介(Gt/Vo)は、本作でもキレキレ。歌詞が青春から今へと向かうのに対して、音楽的には逆にルーツを遡り、ファンキーなカッティングからスタートしつつ、UKロックを経由して、ラストの「Darling」でブルースに辿り着くという構成もお見事。新たな扉を開いた、真の転機作。
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Base Ball Bear
ファンファーレがきこえる/senkou_hanabi
ベボベことBase Ball Bear初のダブル・タイアップによるダブルA面シングル。RHYMESTERや声優の花澤香菜と共演した『THE CUT』から一転、"締め切りも、契約もある"という一節に思わず、あれこれと想像を膨らませてしまう「ファンファーレがきこえる」と「senkou_hanabi」ともにギター・ロック・バンドとして彼らが持っている醍醐味をストレートに打ち出してきた。焦燥感いっぱいの同世代のリアルと刹那的な10代の青春。それぞれテーマに違いはあってもどこかオプティミズムが感じられるところが清々しい。疾走感で押す「ファンファーレがきこえる」、巧みなアレンジで聴かせる「senkou_hanabi」。それぞれに魅力があるが、個人的には関根史織(Ba)がハーモニーを重ねた後者に聴きごたえを感じる。
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Base Ball Bear
THE CUT
今年2月にベスト・アルバムとシングルを同時リリースし、全国ツアーと6/15の日比谷野外大音楽堂でのワンマンも大成功を収めたBase Ball Bearから、新曲3曲+64分に渡るライヴ音源を収録したミニ・アルバムがリリースされた。RHYMESTERとのコラボ曲「The Cut」はベボベがこれまでで築き上げたダンス・ビート、DJ JINのダイナミックなスクラッチ、小出祐介のソフトなヴォーカル、宇多丸とMummy-Dの切れ味鋭いフロウとライム、全ての相性がばっちり。自然と体が揺れるキャッチーな楽曲だ。関根史織(Ba)と声優の花澤香菜のツイン・ヴォーカル曲「恋する感覚」は小出のポップ・センスが炸裂したキュートなナンバー。ギターが刻む緊迫感が心地よい「ストレンジダンサー」も新たな側面を覗かせる。
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V.A.
惡の花譜
アニメ『惡の華』の主題歌を完全収録したコンセプトEP。宇宙人によるOP曲「惡の華」は、しのさきあさこ、後藤まりこ、の子(神聖かまってちゃん)、南波志帆をそれぞれヴォーカルにフィーチャーした全4種類が収録され、ED曲であるASA-CHANG & 巡礼の「花 -a last flower-」も収録。物語の不穏な空気感、歪さを表現するため、ロトスコープと呼ばれる実写を元にした映像作成も話題を呼んだアニメだけあって、音楽においてもアニメならではの世界観を生み出そうとしていることが、本作を聴けばよくわかる。出口の見えない陰鬱な青春が、それぞれの楽曲に見事に表現されている。その中でボーナス・トラックとして収録されたBase Ball Bearの「光蘇」は、暗闇の中、かすれた瞼に映る微かな光のようで、美しい。
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Base Ball Bear
CYPRESS GIRLS/DETECTIVE BOYS
「DEATHとLOVE」をテーマに作られたBase Ball Bear 初のコンセプト・アルバム。3.5thアルバムというクレジットの通り、同コンセプトのもと制作された2タイトルの同時リリースとなっている。コンセプトが"DEATH とLOVE"って...。ベタだなーと思っていたが、このベタベタ具合が、ある種J-POP 的ともいえるドラマチックなメロディ・センスと楽曲の構成力を持つ彼らとはベスト・マッチだったよう。様々なジャンルを取り入れた曲作りをしながらも、楽曲のドラマ性を最大限尊重するプロデュース力が際立っているのだ。『CYPRESS GIRLS』は男性目線の情熱的で力強い意思表示の躍動的な作品。『DETECTIVE BOYS』は女性目線の曲が多く、やわかいタッチの作品で、思わずドキドキさせられるロマンチックが溢れた作品。一つ言えることは、確実にベボベの新たな側面が見られますよ!
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Base Ball Bear
(WHAT IS THE)LOVE & POP?
Base Ball Bearというポップで可愛いバンド名から想像していたサウンドとは違い驚いた。学園祭に出演するためのバンドとして始まったのが2001年。そこからライヴ・バンドとして着実に力を付けていき2006年にメジャー・デビュー。これまでに2枚のアルバム、11枚のシングルをリリースしている。そしてこの作品は4曲のタイアップ・ソングを含む1 年9 ヶ月ぶり、3枚目のアルバムとなる。エッジーなギターとタイトなバンド・アンサンブル。言葉に気持ちをぶつけていくエモーショナルなボーカル。疾走感溢れるサウンドがとにかく気持ちがいい。今作は加速していく彼らにとっての代表的な一枚となるだろう。
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King Gnu
一途/逆夢
初日で100万人以上動員した"劇場版 呪術廻戦 0"で、物語とともに「一途」と「逆夢」の意味を飲み込んだ人も多いことだろう。つまり、ここからさらにファン層を拡大していくことは間違いない。先行配信された「一途」はスピード感のあるガレージ・ロックを下地に持ちながら、"一途さ"をサウンドやアレンジに昇華したかのごとく、リフもドラム・パターンも圧に耐えながら突破していくような体感をリスナーにもたらす音像に、King Gnuでしか鳴らし得ないパースペクティヴがある。そしてエンディングで、"呪術廻戦"という複雑で矛盾を孕んだドラマに説得力を与えたのが「逆夢」だろう。鍵盤やストリングスを配し、バースやサビも細かにその中で変容。4サビでメジャー・キーに転調する構成はまさにエクスペリメント。
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King Gnu
CEREMONY
King Gnuの強すぎる音楽的背景を伴ったポップ・シーンへの確信犯的なブレイク要素は、ヒップホップ並の言葉数を、楽器を弾くような難解で癖になるメロディに乗せる常田大希(Gt/Vo)の作曲/アレンジ能力と、それを歌いこなせる井口 理という恐るべきヴォーカリストが実在することだ。配信サービスで1億回再生を突破した「白日」、アンセミックな「Teenager Forever」、詩的な美しさを湛えた「傘」など馴染みの曲を収めた本作だが、見事なのは、"俺たちの東京ニーゼロニーゼロ"とでも言うべきテンションの上に成り立つ"儀式"がテーマである点。情報量の多さがデフォルトの彼らの作品の中でも歪み系ギターの「どろん」、常田のチェロがこの儀式の方向を示唆するフィナーレの「閉会式」に震えた。
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King Gnu
Sympa
始動から1年強にもかかわらず急速に知名度を上げ、ワンマンをすべて即完するなど注目を集めるKing Gnuが、アルバム『Sympa』でメジャー・デビューを果たす。色気たっぷりの美しいサウンドだけでなく、歌詞のメッセージ性も全体的に強度を増した印象。壮大なリード曲「Slumberland」、ロック色が強い「Sorrows」、アニメ"BANANA FISH"EDテーマ「Prayer X」などキラー・チューンが多いなかで、悲しげなピアノがひと際意外性を放つバラード「The hole」は彼らなりの挑戦だったのでは。また、世界観を強調するインスト4曲がアルバム全体のバランスを保ち、ひとつの作品としての完成度を高めている。まだまだ進化の余地を感じさせる、可能性に満ちた1枚。
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OKAMOTO'S
この愛に敵うもんはない
戸塚慶文原作の人気漫画"アンデッドアンラック"がアニメ化、その第2クールのエンディング・テーマに書き下ろした「この愛に敵うもんはない」。原作のファンだというオカモトショウ(Vo)が、主人公ふたりがリアルの世界に生きていると想定して書いたという歌詞は、愛する相手の悲しみや苦しみすべてを引き受けるという、原作に通じるもの。特異なストーリーがストレートなラヴ・ソングを生む好例だ。ドライヴするユニークなギター・サウンドをフックに開かれたR&Rに落とし込んでいるのも、何周か回って十八番を堂々と鳴らしている印象。2曲目の「カーニバル」はオカモトコウキ(Gt)の作詞作曲。彼の作風には珍しいオーセンティックなフォーク・ロックで、ナチュラルな音像だが、知らないどこかを夢想しているような新鮮な1曲。
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OKAMOTO'S
Where Do We Go?
フィジカル・パッケージのシングルはなんと2016年の『BROTHER』以来となる本作は、人気漫画を原作とするTVアニメ"Dr.STONE"第3期エンディング・テーマとして書き下ろした新曲だ。作曲はアルバム『KNO WHERE』以降最強タッグになったオカモトショウ(Vo)とオカモトコウキ(Gt)で、彼らのレパートリーの中でもファンクとロック両方の旨味と哀愁を混交した世界観。いわば"レッチリDNA"をここまで極上のアンサンブルで落とし込めるバンドは、国内外を見渡してもいないのではないだろうか。石器時代から現代まで一気貫通する冒険譚に漂うスケール感と人間愛を、普遍的な人生の物語として歌詞に落とし込んだショウの歌は、奇しくも先の見えない現代とシンクロする。ライヴでもほぼそのままの音像なので現場でも確認してほしい1曲。
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OKAMOTO'S
Flowers
OKAMOTO'Sのコラボレーション・アルバムとはいったい? と妄想していたら、相手はメンバー。4人が曲のプロデューサーとなって自由にアイディアを出したことで、音楽的なキャラクターが明快に。「Gimme Some Truth」の90s UKロック~THE BEATLESを彷彿させる大展開、オカモトレイジ(Dr)とオカモトコウキ(Gt)作曲のアルバム・タイトル曲は、コウキの声に似合うネオアコっぽいメロとトリップ・ホップのビートやネタの差し込みが新鮮。ハマ・オカモト(Ba)のスラップが前面に出た「いつも、エンドレス」は、AOR歌謡的なアレンジに。他にもストレートすぎてこれまで着手していなかったコード進行も、腹の底からパワーが出そうな音像も、彷彿どころか"OASISじゃん!"な曲も、むしろ4人のバンド・サウンドが際立つ高度な仕上がり。
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オカモトコウキ(OKAMOTO'S)
時のぬけがら
時間をかけて紡ぎあげられたことが美しくきらめく音の粒から伝わる、約2年ぶりのアルバム。TAIKING(Suchmos)、澤 竜次(黒猫チェルシー)、マスダミズキ(miida)らとの音作りは、懐かしい要素をいかに新しく聴かせるかというレア・グルーヴ感があり、近年のシティ・ポップ・ムーヴメントにも通ずる。そしてそこに、とびきり人懐こい彼の声がベスト・マッチ。OKAMOTO'Sのギタリストのソロ作、といったイメージで聴くといい意味でひっくり返るに違いない新鮮な仕上がりだ。"喪失と時間"について描いた本作は、この2年のどこか空っぽに感じる心模様が素直に落とし込まれているが、実はそれってコロナ禍と関係なく存在していた感覚なのかも、と思わせられたりもした。心地よいうえに聴き応えも充分の名盤。
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OKAMOTO'S
Welcome My Friend
デビュー10周年というキャリアもあるが、彼らはTHE WHOらが編んできた物語性のあるロック・ミュージックを作れる数少ない日本のロック・バンドであることを改めて実感する。音数を整理したRED HOT CHILI PEPPERSのようなアンサンブルで生業について歌う表題曲にしろ、反復するビートに乗せ、世界で起こっている暴動を身近に感じながら、しかしこの国では起こらないであろう虚無感が滲む「Riot」にしろ、以前、彼らが『OPERA』で実現したことのさらに図太いやり口に感じられる。BRIAN SHINSEKAIがアレンジで参加している「MOTEL」のピアノもギターのどこか70年代風なムードも不穏且つ耳新しい。このEPは2020年のOKAMOTO'Sの全容のさわり且つ大事な伏線である予感がする。
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OKAMOTO'S
BOY
中学の同級生で結成し、10代でデビューした彼らは"BOY"というワードが似合いすぎるバンドだ。デビュー10年を経て客観的になれたからこそ冠することのできたタイトルだし、ある種象徴的。誰より早くロック・バンドでファンク的なグルーヴを導入した彼らだが、今作では「Dreaming Man」に代表される8ビートが圧倒的に多い。また、NHK「みんなのうた」に起用された「DOOR」でのTHE BEATLES的アレンジへの昇華も新鮮だし、LOVE PSYCHEDELICOのNAOKI(Gt)を共同アレンジャーに迎えた「Dancing Boy」は珍しくU2からのリファレンスを感じられる作風。他にも00年代ヒップホップの匂いのミクスチャーなど、そのセンスの奥深さは音楽好きのタイム感とツボを突きまくる。
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OKAMOTO'S
NO MORE MUSIC
音楽は溢れているけれど一瞬で消費されてしまう、今の状況を象徴するテーマを打ち出した本作。"昨日の続きのようなすっきりしない今日"を歌うリード曲「90'S TOKYO BOYS」のファンク/ヒップホップを呑み込んだグルーヴ、ダルなギャングスタ・ムードの中でアイデンティティ崩壊寸前のメンタルを歌う「Cold Summer」、タイトルに反して本当はかけがえのないものとして存在し続ける音楽について歌う表題曲、ポップ・マエストロ 堂島孝平をプロデューサーに迎え、オカモトコウキ(Gt)のスウィートな資質がさらに押し出された「WENDY」、珍しくグランジーな「SAVE ME」など、どの曲も"いい加減ほんとのこと言えよ"的なヒリヒリ感が根っこにある。カラ元気はいらない、哀しみを認めて前へ進むためのハイブリッド・ロックの誕生だ。
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OKAMOTO'S
LIVE
アナログと配信のみの『BL-EP』にしろ、ライヴ音源とライヴ映像で構成された今回にしろ、今のOKAMOTO'Sは必然性のあるリリースしかしていない。それにしても日比谷野音のライヴからもう半年経過しているにもかかわらず、あの日最後に演奏され、熱狂と歓喜が爆発した「Dance With You」を聴くと、全県ツアーで獲得した自分たちの存在意義や、時代とリンクした手応え、彼らの信じるR&Rの強度に涙が出そうになる。およそ今のR&R、R&B、ファンクの美味しいところをすべて凝縮したようなOKAMOTO'Sのレパートリーの中でも、その振り幅を象徴するライヴ・テイク5曲と、ツアー中に制作した「ROCKY」のスタジオ・テイクからなるCD。Blu-rayは日比谷野音公演をコンプリート収録した永久保存版。
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OKAMOTO'S
BROTHER
楽曲の参照点としてTHE ROLLING STONESやらRED HOT CHILI PEPPERSや80'sのファンクがあるんじゃなくて、バンドの肉体性や精神にそうしたカッコいい洋楽の美学がもう根付いちゃっているのである、OKAMOTO'Sは。しかもカオスなまでに様々なジャンルを呑み込んだ怪作『OPERA』のあとの作品なわけで通り一遍のアレンジじゃない。でもパッと聴くにはゆるいぐらいな「BROTHER」の本物感。それにしてもオカモトショウが描く自身のアイデンティティに関わる英語詞のリアリティが泣ける「Lagoon」。日本語だとある種、ロック的なスタイルに着地しがちな彼の言葉が今回はグッと生々しく表現されたことも本作収録の「BROTHER」と「Lagoon」の大きな成果だろう。コウキ作の「なんかホーリー」は太いファンクに乗るスウィートさが絶妙なバランス。
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OKAMOTO'S
OPERA
シングル「Dance With Me」でショウが語る冒頭部分の怒気と切なさが混じったあの強烈なインパクトを信用したリスナーは、このアルバムでさらにOKAMOTO'Sというバンドが持つ迫力を知ることになるだろう。このロック・オペラのストーリーはこうだ。泥酔した主人公はカギとケータイとサイフをなくして、街を彷徨い、自分の内面でも彷徨い......自分にとって必要なものを探しながらさらに傷つく。のだが、これまでの彼らの文脈にない相当振り切ったテクノやヒップホップや往年のファンクやオルタナ要素が曲ごとに色濃く打ち出され、そのアレンジは時にコミカル、時に歌詞とともにシリアスに迫ってくる。まさに映画より小説より生々しい、だからこそ"ロック・オペラ"なのだろう。ここまで突き詰めた4人に感服。
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OKAMOTO'S
VXV
CDデビュー5周年を迎え、1月に5thアルバムをリリースしたばかりのOKAMOTO'Sによる"5.5th"アルバムは5組のアーティストとのコラボレーション作品。RIP SLYMEとはAEROSMITH & RUN-D.M.Cばりのオールド・スクールな王道ヒップホップとハード・ロック・サウンドの融合を聴かせ、スカパラとは大編成イケイケ音楽部隊と化し、Wilson PickettばりにシャウトするROYとはクロさ全開で渡り合う。タイトルと曲調から"民生愛"がビンビン感じられる「答えはMaybe」と、いずれもOKAMOTO'Sならではの、この企画を実現できる実力と各アーティストへの敬意を感じさせる内容。中でもラストの黒猫チェルシーとのデュエット「Family Song」が出色で、2組の友情を感じさせる感動的な楽曲となっている。
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OKAMOTO'S
Let It V
CDデビュー5周年にあたる2014年にリリースされるメジャー5thアルバム。"夢を殺して"というサビが強烈で、ある種アルバムの原動力となった、現状を越えていく意思がみなぎる「Kill Dreams」、くるりの岸田繁がプロデュースとアレンジで参加した、シンプルだがこれまでにない広がりを感じるR&R「HAPPY BIRTHDAY」、SOIL&"PIMP"SESSIONSのタブゾンビ、元晴、丈青が参加した2トーン・テイストの「Let's Go! Hurry Up!」、Phil Spectorや大滝詠一らへのオマージュ的なサウンドへの挑戦も新鮮なラストの「虹」までOKAMOTO'Sのルーツ・ミュージックへの造詣の深さが10年代のサウンドやポップネスへと昇華された全11曲。4つ打ちにアプローチした「JOY JOY JOY」もアルバムの中でさらに光っている。
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OKAMOTO'S
オカモトズに夢中
10 代にして、時代錯誤な匂い漂う音を生々しく響かせるOKAMOTO'S。学園祭で話題をさらっていたキッズ達は、瞬く間にその名を全国、そして全米にまで轟かせた。なんとも末恐ろしい才能である。OKAMOTO' S のロックには、綺麗な女の子と眩く輝くネオンのぎらつきがぎゅうぎゅうに詰められている。圧倒的な熱量が駆け巡るサウンドは、文字通り世代を超えて、エネルギッシュな奔放さで私たちを翻弄する。彼らのライヴさながらのスピードでリリースされた本作では、街の空気に漂う酒臭い裏通りの匂いやざわめきを感じさせながらも、向こう見ずなエネルギーが更に増幅されている。"人間大嫌い" と叫んでいながら、そこにあるのは愛と焦燥なのだ。悔しいけれど、彼らの思惑通り、すでに私たちはオカモトズに夢中。そう、全ては"ここから始まる" のです。
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OKAMOTO'S
10'S
メンバー全員が岡本太郎好きだというOKAMOTO'Sの2ndアルバム。成長期には1年間で10センチ以上も背が伸びることがあるというが、まさに10代の成長は目覚ましく、それはこの子供たちにおいても、例外ではないようだ。前作から1年、確実にバンドは変化している。高校生とは思えないクオリティの直球ガレージ・ロックを鳴らした1stアルバム。しかし、その中には、"ロックン・ロールに夢中な少年" が見え隠れしていた。幼さが垣間見える瞬間が何度もあり、そのサウンドと不釣り合いな"青さ"には、思わずくすりと笑ってしまうような愛嬌があった。それがどうだ、この頼もしさは。前作よりも、さらにシンプルになっているのにもかかわらず、全てがより力強く、より豪快に振りきれている。一つ大人になったからこそ、本当の意味でやんちゃになったのかもしれない。
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UNISON SQUARE GARDEN
Catcher In The Spy
「桜のあと(all quartets lead to the?)」がアニメ"夜桜四重奏 ~ハナノウタ~"OPテーマに、そして"劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-"主題歌に起用された『harmonized finale』リリース時にはミュージックステーションに出演するなど、知名度を大きく上げた彼らが、ロック・リスナーもJ-POPリスナーも丁寧に誘う、非常にフレッシュでエネルギッシュな作品を完成させた。歌謡メロと強力なバンド・サウンドで序盤たたみ掛けると中盤からはポップに。と思いきやその後、切れ味鋭いロックで切り返す。全員が退かないアンサンブルによる牽引力はまるで彼らのライヴそのままで、随所に効いたヴォーカル・ワークなどの遊び心も痛快だ。高揚感溢れるラストまで、約50分を駆け抜ける。
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UNISON SQUARE GARDEN
harmonized finale
着実にスケール・アップしながらヒットを飛ばし続けている3人組、UNISON SQUARE GARDENによる9thシングル。『劇場版TIGER & BUNNY -The Rising-』の主題歌として書き下ろしたタイトル・ナンバーはピアノの音色が印象に残るとても気持ちのいいロック・ナンバー。構成そのものはシンプルながらドラマチックな展開および熱度満点のアンサンブルによって、何度でもリピートしたいと思わせる聴きごたえある仕上がりに。言葉をそっと置いていくような歌唱も個性を際立たせている。「オリオンをなぞる」「リニアブルーを聴きながら」同様、彼らの代表曲になることは必至。その他、それぞれに異なる魅力をアピールする「ピストルギャラクシー」「三月物語」「I wanna believe,夜を行く」の3曲をカップリング。
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UVERworld
ENIGMASIS
豊沃だ。持ち前の才覚に、長いキャリアに裏打ちされた経験値、そして何よりも各メンバーが徹底する求道的なスタンス。それらを兼ね備えたUVERworldは、ここに来て今まで以上に音楽に対して貪欲な姿勢を示した作品を完成するに至ったのだと思われる。鮮烈なコラボが実現している「ENCORE AGAIN (feat.SHUNTO from BE:FIRST)」や「FINALIST (feat.ANARCHY)」も興味深いが、「Don't Think.Sing」から溢れ出すハイエナジーにしてソリッドなリアリティにはただただ圧倒され、「THEORY」から伝わってくる熱き想いは聴き手の胸を強く打つ。ライヴを想定して作られたというこの収録曲たちは、7月末に開催される日産スタジアム公演でも豊沃にして眩しいほどの輝きを見せてくれるに違いない。
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UVERworld
ピグマリオン
情け容赦のない日々が連続する現世にあってこそ、我々に問われているのは向き合う相手を容赦し理解していくことができるのかどうか? という点なのかもしれない。人に嫌われがちな虫や、孤立する独裁者を例にあげつつ"そこに立たなきゃ分からない"、"悲しみも 痛みも 感じ方も 違うから"と、寛容の表情を漂わせながら歌うTAKUYA∞と、包容力を滲ませながら温かな音を綴る各メンバーたちは、表現者としての発信と提示をここに具現化していると言えよう。ちなみに、タイトルに冠されている言葉は古代ローマ文学に由来する教育心理学用語、ピグマリオン効果からとったものであるようだが、彼らがここに託したのは未来への願いであるに違いない。簡単ではないにせよ、愛が地球を救えばいいのに......ね。
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UVERworld
INSTRUMENTALS-∞
たとえメイン武器を使えない状態だとしても、結局は戦術とチームワークと闘志で勝ってしまうヒーロー映画のように。UVERworldの音楽はTAKUYA∞の歌をぶっこ抜いたしても、目茶苦茶かっけーインスト曲として成立してしまうことがここで証明されたようだ。これまで発表されてきたものや、このアルバムのために新規インスト化したものを2枚組全33曲に編纂した今作は、コアファン向けのスペシャリテ。作業用BGMとしてもおすすめだが、結局は"真太郎(Dr)のキックが熾烈すぎる"、"信人(Ba)の音がこんな絡み方をしていたのか"、"彰の緻密なギター・フレーズがヤベぇ"、"克哉の弾くアコギの音が素晴らしい"、"誠果のサックスがエモくて最高"と作業に集中できない可能性も大!?
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UVERworld
30
映画主題歌「HOURGLASS」や「AS ONE」をはじめ、ドラマ主題歌「AVALANCHE」、「EN」が作品のテーマ性をよりエモーショナルに語る役割を果たしたことも記憶に新しい。11枚目のフル・アルバムは、UVERworldというバンドのスケール感がまだ広がっていくこと、恐れることなくバンド像を打ち壊していく姿が刻まれている。スキルフルで音楽的な精度は上がっているが、その真ん中になぜここまで猛烈な衝動感や胎動感、あるいは飢餓感と言うべき叫びの激流があるのか。一昨年には結成20周年を迎えたが、そのパワーにまず圧倒される。フィーチャリング曲やコライト曲でバンド自身刺激を堪能し、ロック・ミュージックのフロンティア精神を開拓し続ける。前進するそのエンジンはバケモノのようにデカい。
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UVERworld
HOURGLASS
目には見えないはずの時を、可視化させるために人類が生み出した時計。その中でも砂時計はガラスの中の砂がサラサラとこぼれ落ちてゆく様に、儚さや限りある時間の概念を投影することができる素敵アイテムだ。UVERworldのシングルと言えば、従来はハイエナジーでアップテンポなものも多かったが、今作の表題曲「HOURGLASS」はそれらと明らかに一線を画する仕上がり。じんわりと、心地よいテンポ感の中で紡がれる音像と歌詞には得も言われぬ滋味深さが漂う。そして、カップリング「Teenage Love」についても、タイトルから想像ができるようなワチャワチャ感はまるで皆無。いろいろな意味で、物事の本質とはなんなのかということを改めて考えさせられる1枚かもしれない。もの思う春のお供に最適かと。
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UVERworld
Touch off
マッチの擦過音から始まる表題曲は、題名のとおり人の内側で燃え続ける魂の炎をUVERworldが音をもって描き出したものになるだろう。サスペンス性の高い内容で話題のアニメ"約束のネバーランド"のOPテーマとして起用されているこの曲において、まずイニシアチブを取っていくことになるのは、彰のザクザクとしたアコギのカッティングと、どこか情念さえ感じさせる誠果のサックス・プレイだ。そこに克哉の奏でる芯の太いギター・リフや信人が放つどっしりとしたベース・フレーズ、真太郎がストイック且つパワフルに叩き出す律動が重なり、さらにフロントマン TAKUYA∞が熱っぽいヴォーカリゼーションおよびポエトリー・リーディングを絡ませていくことで、実にエキサイティングな1曲へと仕上がった。
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UVERworld
ALL TIME BEST
UVERworldは、決して楽曲を大量生産するタイプのバンドではないだろう。だが、彼らがことあるごとに世の中へと向けて発信する音楽には、想いと愛と信念がもれなく詰まっており、そのクオリティも間違いなく"ハンパない"ものばかり。今作は、そんな彼らがメジャー・デビューして以来コツコツと作り続けてきた音楽たちの中から、"MEMBER BEST"と"FAN BEST"、そして"BALLADE BEST(Re-Recording)"というかたちで秀逸な選曲を実施した結果、珠玉の楽曲たちを一堂に会させたベストとなる。中でも、全曲を再録したという"BALLADE BEST(Re-Recording)"は必聴中の必聴。UVERworldがカッコいいのは当たり前のことだとして、ヤバいほど魂に響く名曲バラードたちは、どれも尊すぎる。
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UVERworld
TYCOON
磨き抜かれた音と、研ぎ澄まされた言葉だけで構成されているのが今作『TYCOON』だ。そこに"大君"を意味するタイトルを自ら冠したという事実が、また実に興味深い。Track.8「PRAYING RUN」を筆頭に近年のライヴにおける主力曲たちが音源化されているほか、既発シングル曲の大半がアルバムVer.にて収録されている一方、むろん書き下ろし曲たちの発する強い存在感も圧倒的。疾走する音像と、説得力ある歌詞が燦然とした光を放つTrack.3「シリウス」。ビター&スウィートなTrack.4「SHOUT LOVE」。作曲クレジットにバンド名が記されたTrack.5「IDEAL REALITY」に滲む、ドキュメント性......。全18曲、計78分59秒には、彼らの辿ってきた3年余りの日々が凝縮されている。
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UVERworld
DECIDED
シングルというと一般的には表題曲ばかりがもてはやされる傾向にあるが、フロントマン・TAKUYA∞が明言するとおり、今作は「DECIDED」だけでなく収録曲全3曲を通しての存在感を堪能すべきだ。映画"銀魂"の主題歌として使われることを意識しながらも、バンドとしての"今まさに思うこと"をストレートな音像に乗せて託したという「DECIDED」。かの名曲「MONDO PIECE」を凌駕するような、深いメッセージ性を孕んだ楽曲に仕上がっている「RANGE」。そして、TAKUYA∞と信人が曲タイトルどおりに熾烈にしてコミカルなディスり合いを演じる「DIS is TEKI」。それぞれがまったく別方向のベクトルを持っていながら、どれもがUVERworldならではの楽曲に仕上げているあたりはお見事。これは8月のアルバムも待ち遠しい!
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キュウソネコカミ
モルモットラボ
前作『ハリネズミズム』と一対のミニ・アルバムとなる今作。オープニングを飾る「3minutes」はこの時代ならではな"三密"をテーマにしており、どんな状況でもプラスに転換して音楽を続けていく確固たる意志を感じる。バンド結成10周年を迎えた2020年はライヴが思うようにできない歯痒さがあったと思うが、それをサウンドで跳ね返すようなキュウソ節が鳴り響く。また、情報が溢れるインターネット社会に喝を入れる、オカザワ カズマ(Gt)プロデュースの「囚」や、センチメンタルなメロディが印象的なカワクボ タクロウ(Ba)作詞/プロデュースのミドル・ナンバー「薄皮」も収録。"挑戦"と"実験"を絶やさず、バンドのスケールを拡大させ続ける彼らに2021年も期待をせずにはいられない。
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キュウソネコカミ
ハリネズミズム
結成10周年&ねずみ年という、キュウソにとってWメモリアル・イヤーの幕開けとなる1枚が到着した。今作には新曲に加え、現在は手に入らない1stデモ収録のレアな2曲の再録版も収録。"10年経っても世界は継続"(「適当には生きていけない」)という言葉の重みが増しているものの、スピリットは当時のままであることを示している。そしてリード曲「冷めない夢」からは、彼らにとっての冷めない夢が"キュウソネコカミ"なのだろうと実感。この曲をラストに置くことは、どうしても周囲と比べてしまいがちなSNS世代の心を震わせることに奏功するだろう。今年は"SXSW"出演も発表されているが、ジャケットのハリネズミのように、バチバチと火花を散らし、アメリカでの刺激と戦う姿が目に浮かぶ。
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キュウソネコカミ
ギリ平成
愚直に自らを振り返り、キュウソというバンドの生き様を曝け出した前シングルの2曲や、"クボタ LOVE米プロジェクト"への書き下ろし曲「米米米米」を含む新アルバム。お馴染みの"こういう人いるよね"とディスを吐くナンバーもあるが、変拍子も挟むスタイリッシュな音像の「遊泳」、青春パンク感のある「真面目に」などは、サウンド面ではキーボードの使い方がこれまでとは違って新鮮でありつつ、歌詞の方はヤマサキセイヤ(Vo/Gt)個人の心の内を映す叫びにも聴こえて、より血が滾った要素が増えていると感じた。その流れを汲むと「推しのいる生活」も"推される"側のバンドマンからのメッセージにも聴こえてくる。リアリティの路線が少しずつ変わってきている過渡期の作品ではないだろうか。
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キュウソネコカミ
越えていけ/The band
新曲発表のたびに、今回は世の中のどこに焦点を当てて噛みつくのだろう、と思うのもキュウソの魅力のひとつだが、この新作はこれまでとはひと味違う一面が窺えるものだった。アニメ"メジャーセカンド"OP曲の「越えていけ」は、世の中に噛みつくのではなく、自分自身と戦い今の自分を"越えていこう"という、かつてないほどにシンプルな応援歌。そして「The band」では、"楽しさだけ"を求められることが多いキュウソというロック・バンドの生き様をその鋭い目線から描いている。過去最高にストレートにバンドの苦悩や本当にやりたいことを曝け出すからこそ、真に迫る凄まじさがそこにある。5人と"リアルタイムで出会えた"からこそ、彼らの音楽に笑った人は今こそ共に"楽しい"の先へ行くときだ。
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キュウソネコカミ
にゅ~うぇいぶ
すっかり邦ロック・シーンに欠かせない存在となったキュウソの新作。これまで数々のエッジーでダンサブルな楽曲に不平不満を乗せてボヤき散らしてきた彼らだが、まだまだ言いたいことは収まらず、今作では"詐欺写真"、"メンヘラ"、"おじさん好き女子"などに現実を突きつける。そんななか、ぽつりと収録されていた「TOSHI-LOWさん」には笑ってしまった(もちろんあの"鬼"への愛が込められた楽曲)。だが、ただ現代を俯瞰的に面白おかしく皮肉るだけではなく、「5RATS」、「わかってんだよ」では彼らの中に今沸々と湧く闘争心や野心をむき出しにする。結成から8年、"バズらせ系バンド"先駆者として邦ロック界における確固たる地位を築いてきたと言えるキュウソ。5人が目指す、さらなる高みに期待。
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キュウソネコカミ
人生はまだまだ続く
"2ndフル・アルバム『大事なお知らせ』をブラッシュアップさせたもの"というコンセプトで作られた今作は、この3年でバンドがスキル・アップし、許容範囲が拡大したことを感じさせる。エッジーなギターとシンセが疾走する"THEキュウソ"な楽曲はもちろん、キュートで人懐っこいリフも印象的な「NEKOSAMA」、ピアノの音色とエフェクティヴなギターが和メロを引き立てる「春になっても」など、フル・アルバムだからこそ収録できる楽曲の存在は作中で大きなアクセントだ。歌詞も単なるディスではなく、成長や味わいを感じさせるものが多いが、「ヤブ医者」は"うるせぇバーカ!!"と初期のように全力で不平不満をまき散らす。今も過去も全部詰めこんだエネルギッシュな作品、非常に痛快だ。
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キュウソネコカミ
DMCC-REAL ONEMAN TOUR- ~ドコまでもチョコチョコ~ Live in STUDIO COAST
今年1月24日のライヴを早くも映像化。成長期真っ盛りなバンドの記録をリアルタイムなものにするために極短スパンでリリースする必要があったのだろう。この作品は言うなれば成長痛の記録だ。フロアの人波に揉まれるスタッフ目線やクレーン・カメラによるカットなど、20台超のカメラによる映像は会場の熱狂をダイナミックに映し出すと同時に、葛藤の最中でもがくバンドの姿をも浮き彫りにした。"楽しみながら多くの人を巻き込んでいきたい""でもファン全員に楽しんでもらうためにはやりたい放題では済まない"――つんざくような葛藤の中から手を伸ばし、キュウソは如何にして歓喜を掴んでいくのか。どんなエンターテインメントを描いていくのか。泣き笑いに満ちた過程の熱さがヒシヒシと伝わってくる。
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キュウソネコカミ
大事なお知らせ
前作『10代で出したかった』が一部のインディー・ロック好きの間で話題になり、最近ではライヴの動員も急上昇中。共感できるような気もするし、そんなこともないような、知らんがなとツッコミたくなるような歌詞とやたらとキャッチーなダンス・ロック、衝撃的なライヴ・パフォーマンスで今やネクスト・ブレイカーの一角に挙げられることも多い彼らの2ndアルバム。前作から曲の構成力は格段に増し、各パートの輪郭が顕著になり、メリハリのついたサウンドに悔しいけど体が揺れる。ツイン・ヴォーカルの必然性も一段と増し、しっかりとキャラクター分けができており、お互いが曲のアクセントとなっている。もっと、見るからにストイックに魂を削ってます感溢れるバンドが売れるシーンが望ましいのかもしれないが仕方ない、彼らは面白い。
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キュウソネコカミ
10代で出したかった
約束しよう、この音源を聴き終え、特に予定も無く街を歩いている時にふと"ヤーンキーこーわいー"と口ずさんでしまう事を。日本のインディー・ロック・シーンにありがちなダンス・ロック・サウンドと彼らは全く違う、彼らは段違いに"面白い"。コミカルな詞の世界観、凄まじい熱量でそれを体現するライヴ・パフォーマンス、そしてMC、全てが1つのエンターテイメントとなって笑えるのは間違いないのだが、彼らは決してコミック・バンドに収まらない音楽的IQの高さを持っている。全てが計算なのか偶然の産物なのかは正直わからない。しかし多様な音楽を吸収するというよりは貪り食っているかの如く超展開していく彼らの音が非凡であるという事は、このアルバムを聴いていただければ伝わるはずだ。
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クリープハイプ
死ぬまで一生愛されてると思ってたよ
一度聴いたら忘れられないハイトーン・ヴォイスと歌詞で衝撃的な人間ドラマを表現する尾崎世界観(Vo&Gt)率いるクリープハイプ。彼らが満を持してメジャー・デビューを果たす。その1作目となる今作、いい意味で彼らは変わっていなかった。現実と妄想の狭間を突っ切る歌詞世界も勿論健在。だがそこにはしっかり進化の形もある。ポップでありつつも鋭さを持つ、空間を操るように飛び回る4人のサウンド・メイクはより強力に。そこにはギター・ロックへの敬愛心がとめどなく溢れており、その純粋さと初期衝動に焦燥感が激しく煽られた。今のメンバーでは初収録となるインディーズ時代の既発曲4曲も新たな息吹を手に入れて蘇る。ここからクリープハイプの何かが変わる――そんな予感と確信を抱かせる快作。
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クリープハイプ
待ちくたびれて朝がくる
ひと度口に含めば体の芯まで温まり、心を解きほぐす。そして、甘い香りと共に上がる湯気のような安心感と温もり。まるで冬の日のココアのような声だ。メロディと演奏の中をたゆたう無垢なその声は、冒頭曲から、なんと53回も"キライ"と繰り返す。これには不意打ちを食らった。無防備な佇まいでありながら、胸にはナイフを忍ばせていたのだ。これが、クリープハイプ――。己を打ち砕くほどに、もがき、あがくような歌詞は、途方もなく強い自我の掃き溜めという孤独で溢れ返っている。その苛立ちを、怒りを、劣等を、そして悲しみを、画用紙がぐちゃぐちゃになるまで、クレヨンが潰れるまで、一心不乱に書き続ける......。そんな風に世界と対峙し、言葉を書き連ねるからこそ、その声は聴き手の中の深くまで突き刺さるのだろう。
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クリープハイプ
踊り場から愛を込めて
耳に突き刺さるように飛び込んでくるハイトーン・ボイス。特異なまでに男女の視点が交錯し、息遣いが聴こえるほどにリアルな日常。ロックと呼ぶには余りに繊細で、フォークと呼ぶには余りに生々しい。尾崎世界観(Vo&Gt)の描く歌詞は、自分の身を守る術を知らない子供のように無防備だ。その無防備さゆえに、鋭利でやや暴力的に人間関係の核心にするりと迫っている。そして、平常のうちに一瞬ギラリと光る瞬間を切り取り、現在の時間軸とは別に独立させて捉える。だからこそ、特定の個人の時間軸・経験の延長上にあるのではなく切り離されたものとして、非常にリアルでありながらも一種の"物語" として、どの瞬間に対しても私たちは入り込むことが出来るのだろう。世の中を動かしたいだとか、世界を救いたいだとか、尾崎の言葉の中には大義名分はない。今そこにある人間関係を描いているからこそ、ヘッドフォンから流れる搾り出すようにギリギリの歌声は、確かに心を打ち震わせ、閉まっていた思いを直接的に揺さぶる。"人と人との繋がりを描きたい"という尾崎の言葉が、レコードを通して4人と私たちとを繋ぐのだ。
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ザ・クロマニヨンズ
イノチノマーチ
"ギョギョッとサカナ★スター"の主題歌として春に番組が放送開始されて以来、待望の音源化となった「イノチノマーチ」。さかなクン描き下ろしのジャケットには、"水の中"、"地図の外"へ駆け出す海の生き物に扮したメンバーが。輝く目からみなぎるワクワク感がまさにこの楽曲を物語っている。何年経っても変わらず無垢な瞳を輝かせ、"無限のファンファーレ"を鳴らし続けていくであろう彼らの止まらぬ勢いを表す軽快な1曲だ。そんなエネルギッシュな表題曲とは裏腹な「さぼりたい」が趣深い。哀愁漂う間奏のハーモニカとギター、"さぼりたい"と連呼するヴォーカルに"そうだね"と返すコーラス。とにかく人間味たっぷりだ。元気をくれるポジティヴさがありながらも、それを押しつけることなくありのままも肯定するバンドの包容力が詰まった1枚。
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ザ・クロマニヨンズ
ザ・クロマニヨンズ ツアー SIX KICKS ROCK&ROLL
6ヶ月連続でシングルをリリース、その全曲を収録したアルバムを引っ提げ2年ぶりの全国ツアーを行ったザ・クロマニヨンズ。そんなコロナ禍を駆け抜けた一大プロジェクト"SIX KICKS ROCK&ROLL"を締めくくるツアーの模様を収めた映像作品が到着した。音源同様多くは語らず魂をぶつけるロック・スターと、それに応えるように力強く拳を突き上げるオーディエンス。声は出せずとも心で対話しているのが伝わってくる臨場感たっぷりの映像は、こんな状況にも屈せず、バンドとファンによって貫かれた"ロックンロールのあるべき姿"を映す。垣間見えるメンバーのお茶目な姿にも注目。そしてDISC2にはシングル曲6作のミュージック・ビデオが収録された。コラージュ、アニメーション、CGと初の試みも多く、こちらも見応えは十分だ。
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ザ・クロマニヨンズ
ごくつぶし
ついに6ヶ月に及ぶ"SIX KICKS ROCK&ROLL"企画のラストを飾るシングルが到着、タイトルは"ごくつぶし"。ジャケットでは"59224"と語呂合わせでかわいく表記されているが、"穀潰し"とは無為徒食で役に立たない人を罵る言葉だ。そんな言葉を放つコーラスをよそに"ああ 生まれてよかった"と歌う姿が清々しい。短い単語の組み合わせでパワー・ワードを連発するワード・センスが光る1曲。そしてカップリング曲「イエー! ロックンロール」は、一緒に叫びたくなるようなド直球なタイトルが付けられた。先行きの見えない鬱屈した世の中で、6ヶ月にわたり痛快なロックンロールを届けてくれた彼ら。錆びついた転轍機を持ち上げ、切り替えた進路の先に待つ次なる展開が楽しみだ。
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ザ・クロマニヨンズ
縄文BABY
6ヶ月連続でリリースする"SIX KICKS ROCK&ROLL"プロジェクトの第5弾。表題曲「縄文BABY」は、聴けば誰もが温かい気持ちになるラヴ・ソングだ。"カモン"、"縄文"、"土器"、"ドキドキ"と韻を踏む言葉が、シンプルなサウンドの中でいっそう際立っている。さらに後半"シャララ"と歌うコーラスが、楽曲をよりロマンチックに盛り上げる。歌詞に登場する土器、炎、渦巻き、星の屑を表現したジャケットにも注目。そしてカップリングには「ナイフの時代」が収録された。「Anarchy In The U.K」(SEX PISTOLS)を思わせるイントロから、今も青春時代の憧れを追い続ける姿が見て取れる。言葉遊びに名曲のオマージュと、今作も茶目っ気たっぷりの1枚だ。
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ザ・クロマニヨンズ
もぐらとボンゴ
"SIX KICKS ROCK&ROLL"と銘打ち、6ヶ月連続でアルバムの収録曲を2曲ずつリリースするというバンド史上初のプロジェクトを進行中のザ・クロマニヨンズ。ここまでに発表してきた6曲の毛色が見事にバラバラなあたりに、バンドの器の大きさを感じるが、第4弾となる「もぐらとボンゴ」も変化球だ。大きく手足を振って行進するような豪快なリズム、"ボンゴボンゴボンゴ"と繰り返す野性的なシンガロング。ほのぼのとしたメロディに甲本ヒロト(Vo)が綴った、"道が無いから もぐらは掘った"という比喩からは、勝手に熱い想いを汲み取ってしまう。カップリングにはレゲエとクリスマスのエッセンスが交じり合った「冬のくわがた」を収録。もぐらとくわがた。生きもの縛りのかわいいシングル。
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ザ・クロマニヨンズ
大空がある
6ヶ月に及ぶ一大プロジェクト"SIX KICKS ROCK&ROLL"の第3弾。表題曲「大空がある」は、甲本ヒロトの説得力ある声で繰り返される"大丈夫だ"という言葉が、コロナ禍で不安を抱える人々の心を救い、ジャングル・ビートの軽快なリズムもまた気分を軽くしてくれる。"だいじょうぶだぁ"とも聞こえるその歌い方には、2020年3月に亡くなったあの大スターを思わせる温かさが。多くを語らないその歌詞が聴く人それぞれの物語に寄り添い、俯く人々に"見ろよでかい空だ"と語り掛け自然と上を向かせてくれる、そんな1曲だ。そして、切なさが滲む歌詞とメロディ、悲しみを振り払うように駆け抜けるギター・ソロが胸を打つ「爆音サイレンサー」も収録。今回はエモーショナルな2曲となった。
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ザ・クロマニヨンズ
光の魔人
6ヶ月連続リリース企画"SIX KICKS ROCK&ROLL"の第2弾となる本作。前作『ドライブ GO!』では疾走感や勢いが前面に押し出された図太いロックンロールが収録されたが、今作はメロディやコーラスの美しさが際立つ爽やかなロックンロールに仕上がった。そこに"これが恋か"や"好きなんだ"などピュアでストレートな歌詞が乗り、その混じり気のない言葉がまっすぐ耳に飛び込んでくる。表題曲「光の魔人」は、恋の喜びに胸を弾ませた"光の魔人"が煙突を蹴飛ばしながら星降る夜空を駆け巡る、そんな光景が目に浮かび、ジャケット写真ともリンクする。またカップリングは、繰り返すギター・リフがずっしりとした存在感を放つシンプルでド直球な1曲「ここにある」。陽気で痛快なクロマニヨンズ節に心躍る1枚だ。
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ザ・クロマニヨンズ
ドライブ GO!
"SIX KICKS ROCK&ROLL"と銘打った6ヶ月連続リリース企画の第1弾。疾走感あふれる表題曲「ドライブ GO!」では、1音目から薫る古き良きロックンロール臭に心を奪われる。間奏やアウトロのライヴ感もたまらない。続く「千円ボウズ」は、繰り返される"どうでもいいぜ 千円くれ"という無骨なワードが強烈なインパクトを残す1曲だ。悩みごとが絶えない昨今。悩みなど"どうでもいい"と言い放ち、聴いているときだけは忘れさせてくれる、そんな痛快な音楽こそ、この息の詰まる日々には必要なのだろう。世界が大きく変わってしまっても、ザ・クロマニヨンズ節は不変だ。音楽を純粋に楽しみ続ける彼らが6ヶ月連続で放つロックンロールは、世の中に漂う閉塞感をぶっ飛ばしてくれるに違いない。
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ザ・クロマニヨンズ
BIMBOROLL
結成10年を迎えたザ・クロマニヨンズ10枚目のニュー・アルバムが到着。今作でも相変わらずBPMの速い12曲が出揃い、シングル曲「ペテン師ロック」を始めとしたストレートな8ビートを刻むザ・クロマニヨンズ節が詰まっている。"BIMBO=美人だけど頭の中はからっぽの女"と題された今作は、まったくからっぽではなく、純粋無垢な心を思い出させてくれる1枚となっている。特に、"大体そうだ それでいいのだ"と歌うラスト・ナンバー「大体そう」では、目の前のことだけをやっていると特に何もなく終わってしまうだけの毎日を肯定してくれる。そんな彼らの毎日はきっと、いい曲ができたらすごく嬉しくて、曲が完成しなかったら少し寂しくて。そうやってくたばるまで生きていくんだと思う。ザ・クロマニヨンズ独特の死生観みたいなものが見え隠れするのも印象的。
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ザ・クロマニヨンズ
YETI vs CROMAGNON
クロマニヨンズのアルバムももう7枚目。バンドも今年で7年目になる。とはいえこのアルバムに詰められた12曲は、不変のクロマニヨンズ節だ。インタビュー中、ヒロトとマーシーは何度も4人で音を鳴らしているのが“楽しい”と言っていたが、彼らの音楽はそこに尽きるのだろう。瑞々しいバンド・サウンド、一度聴けば忘れられず耳に残り続けるフック。音楽性に変化はないかもしれないが、何事も保つということは並大抵なことではない。でも本人たちは敢えてそうしようとしているわけではなく、それが“普通”。そういうところが異端なのだ。ツアーの本数も減るどころか増え続けている、まさしくロックンロール・ジャンキー。ストレートで混じりけのない力強いサウンドは、ぶれることのない彼らの生き様そのものだ。
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ザ・クロマニヨンズ
流線型/飛び乗れ!!ボニー!!
初となる両A面シングルが到着"ビューン ビューン ビューン"という擬音語が印象的な「流線型」は宇宙への思いをはせる歌詞だけれどなんだか意味深なフレーズも。ハイテンションな叫び声、笑い声も入っていたりと楽しい雰囲気でレコーディングされたことがうかがえる。「飛び乗れ!!ボニー!!」は西部劇を連想させるサウンドに"飛び乗れ!!ボニー!!"のコーラスが耳に残る。自分の今までのスタイル、世間の流行りなんて関係ない。いやもはやそんな次元ではなく、どこまでも最新で常に変化し続けるのがザ・クロマニヨンズの凄みだろう。彼らは止まったら死んでしまうんじゃないかと思うほどに走り続けているから。初回生産限定盤にはライヴ音源も収録。
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ザ・クロマニヨンズ
Oi! Um bobo
そもそも、“ザ・クロマニヨンズ” ですから。現代人(ホモ・サピエンス)と同族ではあるが、あくまで原始人なわけで、“人間の極み” とも言えてしまう単語を掲げるこのバンドは、ロックにおける普遍性の極みも知っている。最小限の機材による演奏。エイトビートに乗っかる、ごくシンプルな歌詞。こんなになんてことのない要素のみで構成されているのに、力強く刻まれるビートと共に、熱く直感に訴えかけてくるという不思議。これというのは、本人たちも分かっているのかいないのか、“ロックと普遍性” という永遠のテーマを、言葉による解明ではなく、生き方そのもの、存在そのもので解明しちゃっているからなのだろう。ロックを更新することばかりが当たり前になっていく中で、ロックを丸裸にしていくことができる貴重な存在だ。
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ザ・クロマニヨンズ
MONDO ROCCIA
ザ・クロマニヨンズの新作が到着した。今作では、マーシーと甲本ヒロトの楽曲が半々ずつ収録され、二人の充実ぶりが伺える。熱のこもったビートで冒頭を飾る「ジャングル ジャミン」「グリセリーン・クイーン」からラスト「エロこそすべて」まで、今回も瑞々しさを失わないストレートで痛快なロックンロール・アルバムだ。変わることのないスタンスを貫きながら、ザ・クロマニヨンズには全く留まっているところがない。この人達にとって、ロックンロールはもう生理現象のようなものなんだろう。そして、彼らのシンプルな遊び心が詰まった言語感覚の面白さは今回も随所に見られるが、「恋に落ちたら」は圧巻。John Lennon「Love」を越えるシンプルさでありながら、「恋に落ちた」瞬間が音の隙間から溢れ出してくる。
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OKAMOTO'S
VXV
CDデビュー5周年を迎え、1月に5thアルバムをリリースしたばかりのOKAMOTO'Sによる"5.5th"アルバムは5組のアーティストとのコラボレーション作品。RIP SLYMEとはAEROSMITH & RUN-D.M.Cばりのオールド・スクールな王道ヒップホップとハード・ロック・サウンドの融合を聴かせ、スカパラとは大編成イケイケ音楽部隊と化し、Wilson PickettばりにシャウトするROYとはクロさ全開で渡り合う。タイトルと曲調から"民生愛"がビンビン感じられる「答えはMaybe」と、いずれもOKAMOTO'Sならではの、この企画を実現できる実力と各アーティストへの敬意を感じさせる内容。中でもラストの黒猫チェルシーとのデュエット「Family Song」が出色で、2組の友情を感じさせる感動的な楽曲となっている。
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東京スカパラダイスオーケストラ
欲望
EGO-WRAPPIN'の中納良恵とハナレグミが参加した東京スカパラダイスオーケストラ通算17枚目のアルバム。ヨーロッパ・ツアーの合間を縫って1週間という短期間でレコーディングされたというエピソードからも分かるとおり、衝動がそのまま切り取られてパッケージされている。Track.1の「黄昏を遊ぶ猫」を聴いた瞬間から、顔面に熱風を吹きかけられたような熱さと勢いに呑み込まれそうになる。もちろんそこには長くに渡って音楽シーンを牽引してきた彼らだからこその楽曲の深みと質の高さがしっかり存在しているのだが、それよりも音楽への歓喜の叫びが聴こえてきそうな作品に仕上がっているのが印象的だ。誰よりも音楽を楽しみ、音楽への欲を追求する、衰え知らずの攻めの姿勢は、最高にロックなのではないだろうか。
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東京スカパラダイスオーケストラ
Walkin'
約2年ぶり通算16枚目となるニュー・アルバム。ピアニストの上原ひろみ、サックス・プレイヤーの菊地成孔、Manu Chaoといった面々との豪華コラボ曲も収録し、中でも中納良恵(EGO-WRAPPIN')が参加した「縦書きの雨」はしっとりとしたミディアム・チューンでお互いの良さを最大限に生かした都会的な大人のスカに仕上がっている。スカパラ節が炸裂したアッパーな展開も痛快だが、こういった沁みるサウンドも素晴らしい。アルバム・タイトルが示すとおり、一歩一歩確実に踏みしめてきた今までの彼らの歩みと、これからも自分たちらしい速さで歩んで行く意思を感じる。デビュー23年目、また新たな想いのもとに鳴らされる音はとてつもなく新鮮で煌びやか。
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東京スカパラダイスオーケストラ
World Ska Symphony
スカという枠組みをさらに押し広げながら独自のスタイルを確立して20年間君臨するスカパラ。多彩なスタイルと方法論で、大衆性と独自の音楽性を両立する彼らの面目躍如とも言えるポップなアルバムだ。洗練されていながら、ダイナミズムに満ちたその音楽性はもちろんだが、スカパラほどメジャー・フィールドに対して戦略的なバンドはそういない。それはスカパラのようなバンドが未だに現れないという事実が物語っている。例えば多様なコラボ(今作では奥田民生、Crystal Key、斉藤和義が参加)をとっても、とてつもなく意識的で戦略的だからこそ、その高い音楽性をキープできるのだろう。「Won't You Fight For Happy People?」スカパラはファイティング・ポーズをとり続けている。
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東京スカパラダイスオーケストラ
流星とバラード
東京スカパラダイスオーケストラが20周年を迎える今年、まず放つのがこのシングル。何と、「美しく燃える森」以来となる奥田民生との2度目のコラボレーションである。都会的で洗練されたスカパラの音に合わせて、奥田民生もこれまであまり見せたことのない大人っぽい歌声が印象的でグッと歌に引き込まれてしまう。少し切なさが滲むこのシングルは、奥田民生の新たな一面を垣間見させるとともに、スタイリッシュな雰囲気を生み出すスカパラのアレンジ、演奏能力の高さを示すシングルとなっている。スピード感はありながらも、それがこれまでの歌モノと違うのは、熱を抑えたスタイリッシュなナンバーであること。スカパラ20 周年がどういう一年になるのか、早速楽しみになる一曲だ。
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東京スカパラダイスオーケストラ
KinouKyouAshita
スカパラデビュー20周年!記念碑的な今回の4曲入りニュー・シングル。タイトル・ナンバー「KinouKyouAshita」ではFISHMANS の茂木欣一がリード・ヴォーカルを務め、作曲にも参加している。メジャーコードながらもどこか哀愁が漂うメロディと、ダブの手法に乗っ取って強調されているベースのグルーヴが印象的なナンバーだ。「Give Me Back Ball」はスカパラらしいアッパーなナンバーで、曲中盤ではキーボードのソロが炸裂している。そしてシャンソンの名曲、エディット・ピアフ「愛の讃歌」のカヴァーでは、スカパラならではの工夫を凝らしたアレンジがそこかしこに加えられており、正にお見事!な出来栄えだ。更にラストは、「トーキョースカメドレー」のライヴ音源が収録されている。
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