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INTERVIEW

Japanese

クリープハイプ

2012年04月号掲載

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Member:尾崎 世界観(Vo&Gt)

Interviewer:沖 さやこ

バンド始動から約10年、クリープハイプが満を持してメジャー・デビュー! その第1弾リリースとなるフル・アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』は胸を掻き毟るような焦燥と鋭さ、心地良いポップという両極端のエネルギーが共存する快作だ。彼らの変わらないスタンスに磨きが掛かった今作について、バンドの首謀者である尾崎世界観に直撃した。

-メジャー・デビューおめでとうございます。バンドが始動して約10年、現メンバーになったのが2009年11月。尾崎さんにとってこのタイミングでのメジャー・デビューは早かったですか? それとも遅かったでしょうか。

……やっぱバンド始めてからすぐメジャー・デビューするって、気持ち的にはあったので。遅かったですね。あと、諦めてました。“メジャーとか行かずにそのままでもやってけるな、いいやー”って思ってたんです。前回のアルバム『待ちくたびれて朝がくる』が、いい出来だと思ったし、それをある程度周りに受け入れてもらえたので “メジャーじゃなくてもいけるな”って確信できたんですけど、その直後に……そういう話が来て二つ返事で(笑)。嬉しかったですね。ライヴにお客さんが来てくれるようにもなったり、前よりCDがいろんな人に聴いてもらえるようになったんですけど、メジャーのレコード会社の人から全然話が無かったんですよね。ずっとそういうコンプレックスもあったんで……“見返してやった”みたいな気持ちは凄くありました。

-今作は“ここからクリープハイプの何かが変わる”という分岐点にもなりつつ、このバンドを知るには持ってこいのアルバムだなと思います。

そうですね、昔の曲も入ってるし。“昔の曲を再録しないか”ってリクエストがあって。最初は抵抗があったんですけど……でも、そうやって言われるっていうことはこの曲たちがまだ良くなると思われてるってことだな、って気持ちを切り替えてアレンジを詰めて。今のメンバーで前の曲を録音するのは初めてだったので、ちゃんと納得できる形になったし。そういう、昔自分に足りなかったりしたところもちゃんと今回……やり直す、って言ったら変ですけど、ちゃんと形に出来て。新しく作った曲も入れられたから凄いスッキリした気持ちで出せますね。

-昔自分に足りなかったところ、とは何でしょうか。

今もなんですけど“これでいいのかな?”とか“これが正解なのかな? 他に何かあるんじゃないかな”って気持ちは持ってやってるっていうのもあるし、単純に曲として……もっといい形があったと思うんですよ、昔レコーディングしたときに。それをちゃんと今のメンバーで、音でちゃんと表せられてるし。歌詞もメロディも変わってないですけど、聴き比べても全然違うし。今回入れて良かったなぁと思いますね。

-クリープハイプは尾崎さんの詞と声に特徴がありすぎて、勿論それは強力な武器なんですが、同じくらいサウンド・メイクも興味深いですよね。ポップに磨きが掛かりつつもしっかり鋭さもあって。ギター・ロックへのリスペクトを強烈に感じられるんです。

ああ、そうです。僕はギター・ロック大好きなんで。僕らにも四つ打ちの曲があるけど、実際にそういう音楽を聴いているわけではなく、ギター・ロックと言われるバンドが取り入れてる四つ打ちを聴いて“こういう風にやるんだ”って吸収してるんで。そういうのを隠したくないし、ギター・ロック・バンドと呼ばれることに何も嫌悪感もないし。それを出していきたいから自然とそういう音になると思うんですよね。アレンジを作るときに最初、僕がギターを弾きながらバンドに合わせて歌うんですけど、自分のギターがそういう弾き方をしてるんでしょうね。そういう演奏になるように、無意識のうちにそこに引っ張ってるところはあると思うんで。その残ったところにバンド・メンバーがうまく入ってって曲を作っていってるのかもしれないですね。だから自然と、自分が録った楽曲がギター・ロックっていうものに寄ってるところなのかもしれないです。