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FUNKIST、2年前に中止となったツーマン・ツアーを再び開催。三浦隆一(空想委員会)、BUZZ THE BEARS、NUBO、二人目のジャイアン、フラチナリズム、IRabBitsら参加
2022.03.08 21:00
ライヴ・バンド FUNKISTが、コロナ禍の沈黙を破りいよいよ本格始動する。
2年前の結成20周年イヤーとなる2020年に企画していたツーマン・ツアー"60minutes tour"は、コロナの影響を受け開催を直前にして全公演中止に。そこから2年、"60minutes tour2022~Reload~"と名前を変え、再びツーマン・ツアーの開催を発表した。
このツアーは両者に持ち時間60分ずつが与えられ、"どっちがヤバいライヴをするのか?"を競い合うバチバチのツーマン・ライヴ・ツアーとなっている。20年のキャリアの中で共に刺激を与え合ってきた盟友たちと全国各地で激突。ツアー・ファイナルのワンマン・ライヴを含む全12本の熱いライヴが決定している。
ジャンルの垣根を超えて活動してきたFUNKISTのツアーらしく、対バン相手もレゲエ、ファンク、ロック、パンク、メロコア、ミクスチャーなど各分野を代表するバンドたちが揃い踏み。チケット一般発売は3月15日から、それに先駆けて明日3月9日からはファンクラブ先行チケットの発売もスタートするので、ぜひチェックしてほしい。
■染谷西郷(Vo)コメント
2年間待たされた分、もう感情は爆発寸前です!やっと来た!今回ツアーをリベンジするにあたり声をかけたら快く引き受けてくれた仲間達に心から感謝です。だからこそ最高のライブでお返ししたい。迎え撃ちたい!今回声をかけたバンドは間違いなく「ライブ」が強いバンドばかりです。「生の音」「今この瞬間」に関してとてつもない瞬間最大風速を叩き出せる強者ばかりです!ぜひライブハウスで目撃してください「LIVE」という奇跡を。『止まった時を巻き戻せ!!』。あの日の続きの幕開けです
▼ライヴ情報
"FUNKIST presents【60minutes tour2022~Reload~】"
5月8日(日)八王子Match Vox
フラチナリズム vs FUNKIST
5月10日(火)大阪Music Club JANUS
BUZZ THE BEARS vs FUNKIST
5月13日(金)名古屋ell.FITS ALL
IRabBits vs FUNKIST
5月15日(日)横浜BAYSIS
NUBO vs FUNKIST
5月19日(木)music zoo KOBE 太陽と虎
EGG BRAIN vs FUNKIST
5月20日(金)長崎DRUM Be-7
Metis vs FUNKIST
5月22日(日)岡山MO:GLA
GRAND COLOR STONE vs FUNKIST
5月24日(火)新潟CLUB RIVERST.
ケミカル⇄リアクション vs FUNKIST
5月25日(水)山形ミュージック昭和セッション
二人目のジャイアン vs FUNKIST
5月27日(金)盛岡the five morioka
coming soon
5月28日(土)石巻BLUE RESISTANCE
三浦隆一(空想委員会)vs FUNKIST
"FUNKIST ワンマンライブ【60minutes tour2022~Reload~FINAL】"
6月1日(水)赤羽ReNY alpha
FUNKIST vs FUNKIST
[チケット]
■FUNKISTファンクラブ先行チケット:3月9日(水)20:00~3月12日(土)23:59まで
■一般発売:3月15日(火)10:00~
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フル・アルバムとしては約5年ぶり。10年の活動をまとめたベスト盤を経た、新しいページをスタートさせる作品だが、その音楽とバンドへの姿勢や、歌に託した想いは不変だ。平坦ではない道を、人知れず涙や汗を流し、また立ち止まったりしながらも、すべてひっくるめて音にして抱きしめる。聴いていると、自然と背中にその手の温かさを感じる音楽がここに詰まっている。メロディックをルーツとした爽快な疾走感と、英語詞と日本語詞とが交じっていつつも、言葉がまっすぐに胸に響くキャッチーなメロディで、陽性のファスト・チューンからドライヴ感のあるロック、じっくり歌い上げるドラマチックな曲まで、幅広いサウンドを揃えた。このままセットリストでも最高な、ライヴ・バンドとしての自負も映る作品。(吉羽 さおり)
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BUZZ THE BEARS、7作目のミニ・アルバム。タイトルの"Q"には、制作中にバンドにとってよい曲とは何かという "問い=Question"があったこと、そして今年結成9年を迎えることもかけあわせている。BUZZ THE BEARSの歌の中心にある、聴く者の背中をガンガン押す熱いメッセージを肝にしつつ、「絵日記」では大事な人がいる日常のほっこりするようなシーンが綴られたり、「B・A・N・D」ではフェスでのあるあるな光景を毒も交えたアッパーな歌詞で歌い上げられる。この歌詞の緩急のバランスがいい塩梅で、彼らのフレンドリーな魅力が伝わるものになっている。だからこそ、檄を飛ばす曲はよりストレートに、スピードを上げて突き進んでいく。冒頭のパンク・チューン「Hurry Up!!」から最高の瞬間をパッケージした、高い熱量のアルバムだ。(吉羽 さおり)
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自身のメッセージが聴き手の生活(Life)に根差し、ライヴハウスに気軽に(Light)足を運んでもらいたいという願いと、新作のテーマでもあるライヴ(Live)、それぞれの頭文字を取ったタイトルを掲げたミニ・アルバム。聴いてまず驚いたのが"Wow wow~"や"Yeah Yeah~"、明快な言葉などが並び、観客がシンガロングできる箇所がたくさん盛り込まれていること。歌を大事にしたメロコアやロックを奏で続けている彼らだが、意外にもこれまでにそういう曲は少ない。そんな新機軸に交わる、差し引きの効いた無駄な力みのないフランクなサウンドも心地よく、聴いてるこちらも自然体で楽しめる。タイトルに込めたテーマを実現させた頼もしい作品だ。より聴き手との距離が縮まるライヴの場景が目に浮かぶ。(沖 さやこ)
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全13曲が閃光のようにあっという間に駆け抜ける、BUZZ THE BEARSのフル・アルバムとしては3年半振りの作品となる『GOLDCAGE』。まさにどの曲も黄金色に輝く強靭なパワーを放つ。“泣きのメロディック・パンク”と形容されることも多い彼らだが、その涙と切っても切れないのは“笑顔”だ。マイナー・コードを多く含んだコードとメロディも、ひたすら果敢に突き抜けながらもふとした瞬間に優しいアルペジオを鳴らすギターも、スピード感のあるリズム隊も、しっかりと人の目を鳴らされていることがわかる非常に真摯な音。彼らの心意気がそのまま楽器を伝って届けられている。メロディックだとか、ロックだとか、バラードだとか、そういう概念をすっ飛ばすほどの強い意思と熱いハートを存分に感じてほしい。(沖 さやこ)
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今年3月にキャリア初のシングル『ダーリン』をリリースしたBUZZ THE BEARSから2ndシングルがリリース。表題曲「声」は越智健太の歌声とギターが鮮やかに響き渡るロック・ナンバー。どこまでも突き抜ける青空と爽やかな風を彷彿させるキャッチーなサウンドはメロディック・パンクの枠を飛び越え、ロック・リスナーのみならずJ-POPリスナーの心も打つに違いない。信号機視点で歌われる「シグナル」のダイナミックなドラミングは、楽曲のスピード感をより生々しく印象付ける。ライヴを取り巻く日常をテーマにした「シンデレラキッズ」は否が応でも笑顔にならざるを得ないほどのアゲ曲。BUZZ THE BEARSのサウンドは、熱いハートがそのまま音に封じ込まれている。嘘や綺麗事などは一切存在しない、純な美しさに胸が焦がれる。(沖 さやこ)
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大阪出身、メロディック・パンクをベースにしたキャッチーかつ疾走感のあるサウンドと誰もが共感し、心を揺さぶる歌詞を武器にファンを増やしてきたBUZZ THE BEARS。彼らがシングルとしては初となる作品をリリース。表題曲である「ダーリン」はマイナー調のメロディと自分の弱さを認めながら"曲げることはできない"という強い気持ちを歌った非常にエモい仕上がり。Track.2「サウンド」はライヴでダイブとシンガロング必至の全英詞の爽快なパンク・チューン。そしてTrack.3の「ふたり」はミディアム・テンポのBUZZ流"卒業ソング"。この3曲はBUZZを今まで好きだったファンには彼ららしさをそのままに進化を感じることができるし、今作で彼らを知る方には名刺代わりの1枚になるはず。(伊藤 啓太)
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FUNKISTほど"BORDERLESS"というアルバム・タイトル、テーマを歌い鳴らすに相応しいロック・バンドは、なかなか見当たらないと思う。個々のルーツや世界各国での武者修行を経て、血肉のレベルで多彩なジャンルと強固なグルーヴをモノにした今の彼らの無敵感が、今作では高らかに轟いている。メンバー・チェンジを経て、今は3人のメンバーになっているが、プロデューサーの松岡モトキを始めとして、多彩なゲスト・ミュージシャンが彼らをバックアップ。強いメッセージや万国共通で踊れるビートといった、日本人には苦手なハードルを高々と越えているあたりも、ボーダレスな今作のひとつの象徴か。それでいて、しっかり"日本のロック"に昇華しているところも素晴らしい。(高橋 美穂)
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ヴォーカル、ギター×2、ベース、ドラムという編成に、パーカッションとフルートが加わった7人組のメジャー3作目のアルバム。ワールド・ミュージックの香りを漂わせる力強いロック・チューンや、まっすぐな歌声が響き渡るバラード、そして完全にお遊びモードのユーモア溢れる曲まで、全15曲の中で多彩な表情を見せてくれる。乙武洋匡が作詞で参加した曲も収録されている。そしてこれは昨年10月に他界した、フルートの春日井陽子が参加した最後のアルバムとなった。FUNKISTはこれからも7人、『7』というタイトルにはそういう決意が込められているという。バンドにとってはもちろん、ファンにとっても、特別な意味を持ったアルバムとして記憶に残っていくだろう。(小澤 剛)
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痛みを知っている人間の持つ優しさは背筋が伸びるほど情熱的なのに、胸が張り裂けそうなほど切ない。FUNKISTのフロントマン・染谷西郷が綴る言葉もそうだ。FUNKIST8ヶ月振りのリリースである今作は、乙武洋匡との共作や、バンド仲間への熱いメッセージ、メンバー7人の存在、愛する人への一途な想いなど、FUNKISTが10年の歴史で大切に育んできた“絆”を強く深く感じる作品となっている。悲しみを乗り越えた人間だからこそ浮かべることが出来る笑顔が8曲全てから滲み、その人間らしさと嘘の無い真実に心から尊さを感じた。繋がる全ての“piece”を優しく強く抱きしめるFUNKISTだからこそ鳴らせる素朴でありながら壮大な“peace”が、この44分間に詰まっている。(沖 さやこ)
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新ドラマーを正式に迎え、新たなラインナップでスタートを切るという想いとともに自らの殻を破ろうという挑戦をダイナミック且つヴィヴィッドに印象づける4人組ピアノ・ロック・バンドの3rdミニ・アルバム。"ピアノ・ロックを美しく汚す"と自ら表現したその挑戦は、とことんアグレッシヴなバンド・サウンドに見事に反映されているが、美しいメロディを伸びやかに歌い上げる歌も一歩も退かず、それぞれに主張し合う演奏に負けずに前へ前へとその魅力をアピールしているところが痛快且つ爽快。リスナーに対して、自分を肯定してごらんと歌いかけるメッセージとともに踊れるビートやシンガロング・パートをふんだんに盛り込んだところからは、ライヴでファンと盛り上がることを前提に作ったことも窺える。(山口 智男)
約3年8ヶ月ぶりにニュー・アルバムをリリース。"永遠"なんてないとわかっているからこそ願うようにそれを歌っていたのが当時だとしたら、限られた時間の中で相手とどう関わっていくかという点に想いを費やしているのが現在。そのくらい焦点は変わったが、それはおそらくバンドにとって苦しい季節もあったからなのだと思う。それでも聴き手の全感情を受け止めそれらをプラスに変換できることがこのバンドの強さであり、その根本にあるのはバンドがずっと守り続けてきた、いくら自分が傷ついても相手のことを信じたいという気持ちだ。1stミニ・アルバム収録曲「I LOVE IT」、「ユニオン」の再録版や、本拠地・横浜に捧ぐ歌「ヨコハマラプソディー」にも今だからこその意味が宿る。(蜂須賀 ちなみ)
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空想委員会が活動休止をして2年、三浦隆一(Vo/Gt)のソロ・デビュー・アルバムが完成。もともとは昨年春の発売を予定していたが、コロナ禍や三浦の体調不良もあり、1年の時を経ての発売となる。Kenji Smith(Gt/ex-ウソツキ)、出口博之(Ba/モノブライト)、渡辺拓郎(Dr/藍坊主)といった盟友と作り上げたのは、三浦の心の内に触れる作品だ。ソロという新たな道を歩んでいく、そこでふと襲われる不安や正解を求める焦燥感は、自分の足元が不安になる出来事が多かった昨今の日常にも重なりそう。その音楽は、どうにもならない悩ましさを抱えながらも、一歩を踏み出す確かで軽やかな躍動がある。彼が自身に問い掛け、自分の声に耳を傾け続け聞こえてきたこの音楽は、誰かにとっての道しるべになりそうだ。(吉羽 さおり)
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これは全世代がライヴで盛り上がれる音楽! と思ったらなんとすでに7枚目のアルバム。ホーンやパーカッションも擁する7人組の大所帯バンドの基調は、ファンク/ダンス・ミュージックだ。リード曲「Hello Hello Hello」でもその厚いアンサンブルを発揮しているが、肝は突き抜けるカラッとしたMasaのヴォーカルだろう。渋目のジャズ・ファンクやレア・グルーヴィなバラード、"肉フェス"出演の際に書き下ろした"お肉食べたい"と銘打たれたディスコ・チューンもあるし、盟友 FUNKISTとのラテン・テイストの「ヒットチャートを駆け上がれ」もある。日常的なMasaの歌詞も相まって、グルーヴに身を任せるだけで、普通の毎日をちょっと明るく痛快なものにしてくれる全9曲。(石角 友香)
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2年間の活動休止を経て、21年4月、活動を再開した空想委員会が『恋愛下手の作り方』で全国デビューしてから10周年という節目にリリースした、全12曲書き下ろしのフル・アルバム。日々の暮らしで感じる生きづらさと、そこに潜む希望の欠片を探す3人組ギター・ロック・バンドと自ら掲げる彼らがここで歌うのは、自分たちも含む"世渡り下手"への愛......ではなく、叱咤激励だ。彼らには不似合いかもしれない叱咤激励という言葉を使いたくなるほど力強くなったメッセージと、ファンクを含めダンサブルなリズムを強化したアレンジに、バンドの成長を感じずにいられない。かつて身上としていた恋愛下手をテーマにした曲は、Track.10「ラブソングゾンビ」のみ。そんなところからも再出発にかけるバンドの思いが窺える。(山口 智男)
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1年3ヶ月ぶりの新作は、クラウドファンディングにより制作された、フロントマン 三浦隆一(Vo/Gt)が原作を手掛ける同名アニメと連動したEP。これまで三浦の実体験や心情に焦点を当てた楽曲制作を行ってきた彼らだが、今作では登場人物ふたりのそれぞれからの視点で綴られたもの、三浦から主人公に向けて宛てられたものと、歌詞表現の幅が広がった。リスナーからメッセージを募って制作されたという「エール」、アニメの主題歌であり歌を最大限に生かしたサウンドスケープの「マイヒーロー」など、着火性は高くないかもしれないが一過性ではない、バンドの核心となるエモーショナルな温度感をじっくりと伝える楽曲がひと際存在感を放つ。楽器隊のシンプルでありながら細やかな音使いも聴きどころだ。(沖 さやこ)
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"作った人間によってデフォルメされた音楽を、聴き手にも好きなようにデフォルメしてほしい"という意味のアルバム・タイトルを冠した約1年2ヶ月ぶりのフル・アルバム。これまでの人生経験を綴った三浦隆一(Vo/Gt)の歌詞も題材が多岐に渡り、岡田典之(Ba)も自らが作曲した楽曲はアレンジのイニシアチブを取るようになるなど、これまでで最もそれぞれのメンバーのカラーが出た作品になった。その結果3人の化学反応の生みだす調和によって、バンドとしての鋭さや楽曲のバリエーションが生まれている。佐々木直也(Gt)による全収録楽曲のフレーズを織り交ぜたインスト・ナンバーももちろん収録。3rdフル・アルバムが原点も成長も存分に含んだ作品になったことは、バンドにとっても大きな自信になったのでは。(沖 さやこ)
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TVアニメEDテーマや映画の主題歌などを収録した両A面シングルから約8ヶ月ぶりのリリースとなるEPは、初期空想委員会の代名詞ともいえる恋愛ソングを主軸にした作品。とはいえリスナーに懐古の念を起こさせないのは、アレンジや歌詞に新しいアプローチがあるからだ。特にアレンジは目覚ましく、通常盤に収録されている「波動砲ガールフレンド」のアコースティック・バージョンは、アップ・テンポの原曲を落ち着いたタッチでリアレンジ。テンポ・チェンジを用いたTrack.1、曲名のとおりトランス要素を取り込んだTrack.2を筆頭に、らしさを残しつつ斬新な印象を与える。非常に理想的なアップデートでは。ラストに"その先"を匂わせる歌詞も、タイトでクールな音のなかで力強く響く。(沖 さやこ)
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世の中には嘘が多く存在する。それは自分自身を優位に立たせるものであったり、自己防衛のものであることも多く、穿った見方をしてしまうこともある。だが音楽を含めた芸術に関して嘘は天敵である。空想委員会は、そういった狡猾なことは一切せず、努力を欠かさず生身の自分自身で音楽を作り鳴らすバンドだ。フロントマンの三浦隆一の人間性はメジャー・デビュー以降さらに楽曲に明け透けになり、心境の変化が新たな色彩をもたらす。楽器隊もそこに突き動かされるように、楽曲の奥行きを作るため以前以上に細部まで音色を追求。これまでの持ち味をブラッシュアップさせながら、新たなチャレンジを要所要所で取り込んだ精度の高い楽曲が揃っている。彼らの音楽愛と好奇心はこれからも我々の心を刺激し続けるだろう。(沖 さやこ)
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男性目線と女性目線の2曲で、ひとつの冬の恋の終わりを描くことをコンセプトに制作された完全限定生産の両A面シングル。Track.1はシンプルで疾走感のあるギター・ロック。冬の冷たい空気の中を疾走していくような力強さもあれば、触れたらすぐに溶けてしまう雪のような繊細さや感傷性も持ち合わせた空想委員会らしい楽曲だ。Track.2は舞い落ちる可憐な雪を彷彿とさせる、ストリングスを用いた軽やかなナンバー。"終わった恋の続きを始められたら"と願う女性の切なくささやかな希望が綴られた歌詞とサウンドの親和性が、冬が終わると春が来ることを伝えてくれるようだ。2015年は制作面でも活動面でも彼らにとって大きな過渡期と言っていい。来年の活躍に期待を寄せざるを得ない完成度である。(沖 さやこ)
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初めて"自分"と"あなた"のことを歌いたくて曲を書いた――三浦隆一(Vo/Gt)に訪れた転機(※詳細はインタビュー記事にて)から生まれたこのミニ・アルバムは、間違いなくバンドの、そして三浦の新境地だ。元来、彼は自分の心情を嘘偽りなく歌詞にしているが、今作にはその心境の変化や新たな意志が克明に記されている。聴き手を誘うTrack.1、自分自身の変化とメッセージを投げかけるTrack.2、作曲者である岡田典之(Ba)を詞に投影したTrack.7など、これまでにはなかったカラフルな表現が揃った。歌の芯が強くなった分、佐々木直也(Gt)の作る遊び心のあるアレンジやギター・ソロもより際立ち、3人のプレイヤーとしての個性が見られるところも面白い。空想委員会、劇的革命の真っ最中だ。(沖 さやこ)
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精力的な活動を行い続ける空想委員会からわずか約3ヶ月で届けられた新作は、枕草子をモチーフに、四季折々の恋模様を描いた4曲入りEP。「春恋、覚醒」は5拍子の上に、6拍子のギター・リフが乗るイントロから、疾走感のあるセクションへと移る様が桜吹雪のように鮮やかで、バンドに新たなモードをもたらす攻勢的な楽曲。メジャー・デビュー以降、サウンドのギミックがさらに洗練されており、よりロック・バンドとしての腕を強化する意思表示と言ってもいい。男子からの共感性抜群であろう生々しい歌詞の描写とダンス・ビートのコントラストもクールな「作戦コード:夏祭り」、夕日に染まる教室が浮かぶ穏やかな「秋暮れタイムカプセル」、現在の空想委員会の原点である「マフラー少女」と、4曲それぞれ異なった趣を楽しめる。 (沖 さやこ)
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バンドの中心人物である三浦隆一は不思議な人だ。冷静で淡々としつつも人当たりは良いし、よく笑うしジョークも言う。だが心の奥底に何か大きなものを抱えているような、深い目をしている。そんな彼の内面が出た"THE三浦隆一"とも言えるのが今回のメジャー1stシングル。表題曲は自分を振った相手を恨む気持ちを歌ったもので、本人は"自分の鬱憤晴らしだ"と言っていた。だがその中でも自然とリスナーを導いたり夢やエンタテインメント性を与える楽曲に昇華されているところは、バンド・メンバーが元来持つ人間力が大きい。三浦が自分をさらけ出した楽曲に対して、ふたりは"歌を聴かせたい"と真摯に向き合い、楽曲制作を経て彼らはさらに絆を深めた。この先バンドの自由度がさらに広がることを予感させる。(沖 さやこ)
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淡々としているのか、それとも情熱的なのか。突き飛ばしても倒れない、そんな強さを持つ声が紡ぐのは、恋愛にまつわる不平不満と恐怖に、憧れ――。インディーズ時代から学校と紐付けされたユーモア溢れる活動と、完成度の高い楽曲で10代のリスナーを中心に話題を集めていた空想委員会がメジャー・デビューを果たす。正統派ギター・ロックとひねくれた恋愛観、遠くから憧れの人を見つめる切なくひとりぼっちの音楽。そこに美しく華やかなギターの音色と安定感のあるベースが加わることで、委員長・三浦隆一ひとりだけの世界だったものがドラマティックに変貌し、空想委員会の世界となる。ひとつひとつの音があたたかいのは、このCDの向こうにいるリスナーへ宛てる想いだろう。そう、彼らの音楽は優しいのだ。(沖 さやこ)
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皆様は雨というものにどのようなイメージをお持ちだろうか。濡れる、髪が広がる、傘が邪魔、頭痛に悩まされる......ネガティヴなことがたくさん思い浮かぶが、本当にそれだけ?少し見方を変えるといろんな世界が広がっているのでは? ――そんなことを教えてくれるのが、春にメジャー・デビューが決定している空想委員会の『空の罠』だ。2013年11月にライヴ会場限定でリリースした2nd EPの後編となる3rd EP。雨をコンセプトにした作品を作ることになった発端は、ライヴの日は大抵雨、ワンマン・ツアー初日に台風直撃等、雨バンドと称されることが多くなったからとのこと。そんな自虐を巧妙にエンタテインする手腕がニクい。ちょっぴり切ないムードの漂う音色と文学的な言葉遊びの罠にかかってみては。(沖 さやこ)