Japanese
空想委員会
2016年02月号掲載
Member:三浦 隆一(Vo/Gt) 佐々木 直也(Gt) 岡田 典之(Ba)
Interviewer:沖 さやこ
昨年夏にミニ・アルバム『GPS』をリリースして以降、精力的な全国ツアーやイベント出演とメディア露出、12月リリースの完全限定生産両A面シングル『僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由』の制作......と、かなり過密スケジュールの中で制作された空想委員会の2ndフル・アルバム『ダウトの行進』は、メジャー・デビュー以降のバンドの充実や変化、それ以前の心境が反映された楽曲、インディーズ時代の楽曲をも網羅している。空想委員会の歴史のアルバムを1ページずつめくるような今作。12編の赤裸々な真実は、あなたの人生にも寄り添うはずだ。
-空想委員会はコンセプチュアルな作品を作ることも多いけれど、今作『ダウトの行進』はメジャー・デビュー作である1stフル・アルバム『種の起源』(2014年リリース)以降のバンドの変化がそのまま入った作品になりましたね。
浦:そうですね。昨年12月に出した『僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由』はコンセプトを決めてがっちりやったので、今回は何も決めずに自由に。決め打ちしたあとはフリースタイル・バトルみたいな......。
岡田:フリースタイル......バトル(笑)!?
-制作における己との戦い(笑)。
三浦:そうそう(笑)。今までもその繰り返しで制作しているので。
-たしかに。2015年1月にリリースされた1st EP『空想片恋枕草子』は枕草子をモチーフに四季折々の恋愛を描き、夏にリリースされた『GPS』は三浦さんの心情の変化がそのまま出たものになり、『僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由』はひとつの事象を男女それぞれの視点で書いたものでしたね。今作『ダウトの行進』はアルバム・トータルのバランスで"いいアルバムだね!"というよりは、1曲1曲の精度が高い作品だなと。
三浦:今回は空想委員会史上初のシングル曲が入ったアルバムなので、やっぱり制作では単純に"シングル曲に負けない曲を作ろう"という意識は強くて。
岡田:"アルバム曲はあんまり聴かない"みたいになっちゃうことは避けたかったんで。
佐々木:"こっちがシングルでもよかったんじゃん?"と思えるような曲を作る気で制作しましたね。
-いつも三浦さんはそのときそのときのご自分をそのまま楽曲に反映させているけれど、それを"本当に? 嘘でしょう?"と疑う人も少なくない。そういう背景から"疑い深いものの行進"という意味で"ダウトの行進"というタイトルをつけたそうですね。
三浦:本当に最初からずっと一貫して本当のことしか歌ってないんですけど、感覚が違うと聴こえ方は全然違うので、聴く人によっては"いやあ、嘘でしょう"と言われるんです。でも全部本当のことなので"疑わしいものでも真っ向勝負します"という気持ちを込めました。
-それだけ三浦さんにとっては真実や本当のことを歌うのは大事だと。
三浦:本当のことでないと、ライヴで歌っていてきついので。だってねえ......。僕が嘘を歌ってて、それを観てるお客さんに"いやいや、本当は違うじゃん(笑)"と思われたら嫌だし(笑)。聴く人によって捉え方が全然違うのは構わないんですけど、こっちから"これは本当のことなんですよ"と伝えるのは大事なことかなと思ってますね。
-そういうこともあって、素直に三浦さんの人生が出た曲が多い印象がありました。バンドマンとしての人生、バンドの人生、ひとりの音楽好きとしての人生、大人の男性としての人生。三浦さんを取り巻くそれぞれの人生に向き合った曲が多い。
三浦:そうですね。恋愛の曲が少なくなって、バンドのことや人生のことを考えることが多くなったので自然とそうなったというだけですね。まあ、恋愛をしてないってことです(笑)。
-ははは。そういうところまで今の三浦さんが反映されているんですね(笑)。Track.9「新機軸」もそうですが、Track.4「容れ物と中身」なんて三浦さんそのまますぎて......。
三浦:いや~、「容れ物と中身」のバランス感は永遠のテーマですよね~......(笑)。
-"いつしか相手が古くなってっても/変わらず可愛がっていける自信がない"という言葉をサビに持ってくるという思い切りのよさ、たまらなくいいです。
三浦:(笑)この曲は"よく言ったよね!"とツッコまれることが多くて。でも僕はそう思ってしまったので最早しょうがない。この曲で歌っているのは"人を好きになる場合は容姿か性格か?"という話なんですけど、やっぱり人によりけりで。だから"僕の場合はこうだよ、あなたはどっち?"という曲ですね。
佐々木:......僕は中身ですけどね!
岡田:僕も中身ですね!
-ははは! 中身の良さが外見に出ることもありますけどね。
佐々木:ああ~、それもあるかなあ。でも僕の過去の恋愛経験では容姿が可愛い子はみんな中身が可愛くなかったので......。
三浦:過去に何があったんだよ(笑)!
-(笑)この曲は佐々木さん作曲。サンバ的なリズムに鍵盤が入るのびやかな曲ですね。ドラムの音がパキッとしているぶん、ウワモノとベースの音がソフトで。
佐々木:僕はいつもアレンジ担当なんですけど、今回は曲を作るということで初めてメロを作ったんです。"鍵盤を使って新しい音を入れてみたいな"ってことも思ったから、すごく自由に何も考えずに楽しんで作りました。僕がアレンジを作って、音作りに関してはどっちかというとチームのみんなにお任せだったんです。僕が三浦君の曲をアレンジしたときに三浦君が"あ、(自分の作った曲が)こんな感じになるんだ"と言うことがあるんですけど、この曲で初めて三浦君の"あ、こうなるんだ!"という感覚がわかりました。いい意味で思ってたのと全然違うものができたんですよ。だからレコーディングもすごく面白かったです。
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