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INTERVIEW

Japanese

空想委員会

2014年06月号掲載

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Member:三浦 隆一 (Vo/Gt) 佐々木 直也 (Gt) 岡田 典之 (Ba)

Interviewer:沖 さやこ

究極の低恋愛偏差値が奏でる草食系文学ギター・ロック―― そのキャッチ・フレーズだけで"ああ、そういうバンドね"で終わらせてしまうのは勿体ない。委員長、三浦隆一率いる空想委員会が今年3月にインディーズを卒業し、晴れてメジャー第1作目となる1stフル・アルバム『種の起源』をリリースする。正統派ながらもテクニカルで華やかなアンサンブルに、素朴でありながらどういう状況であろうともぶれない強さを持った歌声。その楽曲をより印象付けるのが、全力で"空想委員会"を楽しむメンバーの姿だ。楽曲の抜群の完成度とエンターテイナーとしての才能――より勢力を拡大させる3人に迫る。

-"委員長"の三浦さんが中心となって"空想委員会"というバンドを組み、三浦さん以外のメンバーさんが脱退なさって、2010年に現在のメンバーが揃ったんですよね。結成前からこういう学校をリンク付けしたバンド・コンセプトは固まった状態だったのでしょうか?

三浦:いや、全然ですね。名前は空想委員会で、あと決まっていたのはシャツにネクタイでライヴをすることだけでした。ただ、歌っている内容は変わらず、ずっとこんな感じで。恋愛のもやもやしたことを歌うという。

-(笑)ではバンドのアイディアが出てきたのはいつ頃だったのでしょう。

三浦:インディーズ・デビューのタイミングですね。今のメンバーも揃っている状態で、ちゃんとバンド活動もしていて、やりながら手探りでそういうものが決まっていきました。バンド名が空想委員会で、僕がリーダーっていう理由で委員長を名乗っていたので、それに付随して設定がだんだん出来上がって、明確に固まっていったんです。チャイムでライヴが始まったり、ホームページも学校に寄せて、わかりやすくてキャッチーなものにして。そういう設定ができたことによって、(聴き手が)楽曲に入ってきやすくなったと思います。

-バンドのモチーフとなる"学校"は、もともと三浦さんにとってどういうものだったのですか?

三浦:灰色の屈辱の時代でしたね......(笑)。特に高校3年間は楽しかった記憶がほとんどなくて。"あー、3年間過ぎちゃった"って感じで終わっちゃったので、今となっては"もっとなんとかできたんじゃねぇかな?(※若干の青森なまり)"という悔やみ......いや、人生の汚点ですね。

全員:汚点(笑)!

-それでもバンドを空想委員会という学校にちなんだ名前になさった理由とは?

三浦:ライヴハウスのスケジュールを見ると横文字のバンドばっかりで、そのなかに入るのが嫌だったんです。なので、とりあえず漢字の名前がいい!と。あとは......親が"公務員になりなさい"と言うような家だったんです。でも僕は落ちこぼれだったからそうもいかなくて。だから教育委員会とか国家公安委員会とか、公的な響きに憧れがあって、そういう響きに酔いたくて(笑)。

-ああ、当初のきっかけは学校ではなく公的機関だったんですね(笑)。

三浦:委員会のなかでいちばんくだらない委員会はなんだ?と考えて、空想ばかりしている委員会、ということで空想委員会にしたんです。教室に居場所がなかったので、吐き出す場所......その方法が音楽だったので、大学の頃に初めてバンドを組んで。バンドに出会って良かったな、というか救われたなと思ってます。

-空想委員会で歌われている恋愛観は、委員長そのまま?

三浦:そうですね。あれが嘘偽りない状態です(笑)。

岡田:僕ら(岡田と佐々木)が知り合った頃から、歌っている内容はそんなに変わってないかな?

三浦:昔はもうちょっとオブラートに包んでたと思うんですけど。寧ろこの2人に出会ってから悪化したかもしれない。空想委員会は現在第3期メンバーで、僕2回ヴォーカルをクビになってるんです。だから今のこのメンバーで最後だ、という気持ちだったんですね。これでだめだったらもうバンドやめようって。最後だから......多分吹っ切れたというか。後悔しないようにやりたいことをやろうと歌ったのが(インディーズ・デビュー作『恋愛下手の作り方』に収録されている)「独占禁止法」とか。だから悪化した、本性を現したと思います(笑)。