cinema staff 「萌えもemo」【第49回】
2020年06月号掲載
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
こんな状況でもコラムは書けちゃうんですよね~。続けてきて良かったこのルーティン。って言っても今回も締切日に急いで書く始末。こんな状況だからやりたいことやらなきゃいけないことどんどんやれるはずなのに結局やれない性格ですよね~......ぴえん。
そう現在の僕の状況と言いますと、ライブは中止、延期の連続、バンド活動はろくにできない、店舗の方も営業できず、なんとかレコ屋はオンラインショップや店頭受け取り等で動かし、呑み屋の方はテイクアウト、デリバリーで凌いでいると言った状況です。日々慣れない文章を読み、助成金、補助金、給付金とかなんてものも色々勉強してます。コレもまあ色々と良い機会、今の状況もそれなりに楽しんでやっております。
ただやはり酒場へ呑みに行くのが人生の一番の楽しみである僕にとって酒場へ行けないことはストレスなのであります......。流行りのオンライン呑みも、僕はそんなに乗り気になれず......月一くらいのペースで同じメンバーで集まって半分情報交換的な感じでやる程度。やはり酒場の雰囲気を味わいながら呑むのが好きな体質、酒場の大切さをより実感している最中です。
なので現在は仲良い酒場のつまみメニューをテイクアウトしつつ、最初はもちろんビール、からのソーダストリームで炭酸にした炭酸水でチューハイを作り一人呑み続ける生活。
そしてこんな呑み生活に一番マッチしたのが"男はつらいよ"シリーズ。
寅さんの態度話し方、取り巻く家族(叔父叔母タコ社長......)、毎回大体同じ振られるパターン、何気に鋭い社会風刺、寅さんのマドンナと妹さくらの圧倒的可愛さ、シリーズ終盤メインはさくらの息子満男のストーリー、一緒に一喜一憂しながら楽しんでました。
ちなみに、この"男はつらいよ"シリーズ、一個僕なりの視点があるとすれば、使われているビールの銘柄。基本はあまり映らないように隠されているのですが、サッポロからエビス、そこからキリン、サッポロを基本に、たまにモルツの会、沖縄ではちゃんとオリオンビールだったり。昔のビールのジャケ写見るだけでもなかなか楽しいです。ちなみにストーリー内で映る甲類焼酎は宝のみだった気がします。
そんな感じで実は、ちょうど昨日、全49話、1ヶ月もしないうちに観終えてしまいました。実に寂しい気分で今このコラムを書いておる限りです。去年公開の50話早く観たい......(写真はお気に入りの回1979年の作品"男はつらいよ 翔んでる寅次郎"ジャケ)。
さて、そんなエモい寅さんストーリーにに合う音源を今回は一枚紹介いたしましょう。
USミシガンの3ピースオルタナティヴバンドGreet Deathの2019年リリースの2ndアルバム。リリース元はConvergeのヴォーカリストJacob BannonがオーナーのハードコアレーベルDeathwish inc.。ですが、こちらは俗にいう叫びまくるタイプのハードコアな音楽ではではありません。
昨今のWill Yip(Nothing、Quicksand、Turnover等のプロデューサー)界隈、ハードコア通過後のシューゲイズ要素を取り込んだ流れも感じつつ、アコースティックなRadiohead等も彷彿とするようなより壮大で美しくメロディーが引き立つ楽曲、中性的なヴォーカルもクセになります。
この独特の切なさが、また今の甘酸っぱい切ない感情に合っちゃうな~と思いつつ今回はこの作品を選びました。是非。
こういうバンドは本当は生で体感したら、音とか含めてクソヤバイという傾向だから生で体感したいですね......。最近は色々な海外のバンドも来日延期、キャンセルの連続、またあの海外のバンドが来日した時の胸の高鳴りを感じられる日々を少しでも早く迎えられますようにと願うばかり。もちろん日本のバンドをライブハウスに行って目の前で感じられる喜びもね。
今はどこの業界もつらい時期かと思いますが、とりあえず今しか経験できないこの時間の中で楽しみを見つけつつ、みんなで乗り越えて最高の乾杯をしましょうね。
それではまた元気で2ヶ月後コラムでお会いしましょう~。
cinema staff
2003年、辻 友貴(Gt)、飯田瑞規(Vo/Gt)、三島想平(Ba)により前身バンドを結成。2006年に久野洋平(Dr)が加入し、現在の編成となる。2008年、残響recordより1stミニ・アルバムをリリースし、2012年にメジャー・デビュー。オルタナティヴ、エモ、ポスト・ロックに影響を受けたセンス溢れるポップなメロディと、それとは対照的な直情的で衝動性の強い攻撃性を持ち合わせたギター・ロック・バンドとして人気を高めている。2014年にZepp DiverCity(TOKYO)、2017年に日比谷野外大音楽堂にてワンマン・ライヴを開催し、成功を収める。2018年、アルカラとのスプリットEP『undivided E.P.』を発表。2019年9月にはバンド初となるベスト・アルバム『BEST OF THE SUPER CINEMA 2008-2011/2012-2019』をリリースした。
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