Japanese
2015.11.03
LINE wanna be Anchors
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LINE wanna be Anchors presents "Anchors is ××"
~Anchors Is Mine Release FINAL~
11/3(火・祝)阿倍野ROCK TOWN
OPEN 13:00 / CLOSE 21:00
出演: LINE wanna be Anchors / asayake no ato / the irony / ユビキタス / 愛はズボーン / 音沙汰(永原真夏+工藤歩里) / 鳴ル銅鑼 / Lyu:Lyu / Qaijff / だいじろー(ex.宇宙コンビニ) / 伊集院香織(みるきーうぇい) / Auntie(ex.fifi yosie) / scraps
Food : つけ麺本舗辛部
前売¥2,500
VENUE INFORMATION
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
Never Open Door For Strangers
ソングライターのコヤマヒデカズ(Vo/Gt)が、前向きな意味で作らなければ音楽家としての死は不可避だと感じていたというだけあって、彼の吐き出したかった思いや業が純度高く、且つ音楽的にも生々しい手触りで鳴っている苛烈なアルバムだ。そこに迷いはなく、1曲目の「わらけてくるわ」のイントロから意表を突く憎悪が音になったようなギター・リフが聴こえてくる。徹底的に軽蔑したり怒ったりすることで、このバンドの輪郭がむしろ明確に見え、後半に行くに従って、誰も信じられないけど誰かに愛されたいというアンビバレントな思いを書いた「光」や、自分にしか表現できない傷についての「僕だけの真相」、アルバムの発端になった「déclassé」、まるで海の底から世界を見ているような「遠征録」へと、微かな光が見えてくる構造も見事。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
灯命
前作『eve』から約4年ぶり。地球滅亡の絶望がやがて逃げ場のないコロナ禍の苦境へと重なるポエトリー・リーディング「遙か先の君へ」から幕を開ける2ndアルバム。誰も予想だにしなかった世界的情勢のなかでCIVILIANが投げ掛けるのは、命の残り時間を知ったとき、人は何を想うのか、という問い掛けだろう。人生の責任は自分にあると説く「ぜんぶあんたのせい」をはじめ、眠れぬ夜の苦悩を綴った「懲役85年」、いつか訪れる終わりが頭をよぎる「本当」や「残火」など、これまでも"命の使い道"を真面目すぎるほどに考え続けてきたコヤマヒデカズ(Vo/Gt)の歌詞は、こんな時代により強く心を揺さぶる。バンド史上最も自由に、貪欲に、多彩に振り切ったサウンド・アプローチも挑戦的。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
eve
Lyu:Lyuからバンド名をCIVILIANに改めた3人組によるメジャー1stアルバム。前作『君と僕と世界の心的ジスキネジア』から約4年8ヶ月ぶりのアルバムとなる。メランコリックなメロディを持ったオルタナティヴ・ロックという大枠こそ変わらないものの、壁にぶつかりながらバンドが求めてきた数々の変化が多彩な楽曲に結実。全14曲約68分はなかなかのボリュームだと思うが、過去を未来に繋げる挑戦の数々を表現するには、それだけの曲数が必要だったということだろう。"命の価値とは"という問いに、全曲を費やしてひとつの回答を導き出した思慮深さは彼らならではだ。そんなふうに歌詞のメッセージが評価されてきた彼らではあるが、今作では曲とともに広がったバンド・アンサンブルにも耳を傾けたい。(山口 智男)
CIVILIAN名義初のフル・アルバム。メジャー・デビュー後リリースされたすべてのシングルの表題曲、フロントマンのコヤマヒデカズ(Vo/Gt)がボカロP"ナノウ"として発表した楽曲のカバー、コヤマによるLyu:Lyu時代の楽曲の弾き語り、ライヴで育んできた新曲を収録し、これまでの歩みを見せながら"CIVILIANとはこういうものだ"を突きつける指針の作品となった。アレンジメントや詞世界の物語性が強化され、晴れやかなサウンドが高らかに舞う。かつてのコヤマにとって音楽は心の奥底を曝け出せる唯一の拠り所だったが、いまは様々な自分を表現できる場所であり、聴き手とコネクトする手段になっているのではないだろうか。"リセット"ではなく"転生"したバンドの姿が刻まれている。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
愛 / 憎
フロントマンであるコヤマヒデカズの"今までのバンドとして、ネット上の架空の表現者として、メンバー個人個人のすべての音楽をCIVILIANというひとつの大きなものにする"という言葉どおりのものになった。TVドラマ"黒い十人の女"書き下ろし主題歌Track.1は、歌謡曲風の耽美なメロディとエッジが効いたロック・ナンバー。Track.2はTrack.1のプロトタイプで、随所に共通のコードやワードなどが発見でき、1曲だけでは見えにくい核心も味わえるため非常に興味深い。制作過程を覗いているような感覚も貴重だ。Track.3は意外にも初の試みである、コヤマがナノウ名義で作った楽曲のバンド・カバー。CIVILIANを楽しむための様々な趣向が凝らされた、メジャー・デビューに相応しいシングルである。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
Bake no kawa
Lyu:Lyu改めCIVILIAN、新機軸を掲げた快作だ。バンドにとって2年振りの新作は、最新モードを表題曲に、そこに辿り着くまでに生まれた2曲をカップリングとして収録している。「Bake no kawa」は化けの皮を被った人間に傷つけられる人間だけではなく、化けの皮を被った人間の心情も汲み取るという視野の広い歌詞ももちろんだが、様々な音色のギターと華やかなヴォーカル・エフェクト、躍動的なグルーヴを作り楽曲を引っ張っていくドラムと、サウンド的にも一皮むけた。自らに課していた制約を作らなくなったことで自分たちを解放し、さらに彼ららしい音楽ができる境地へと足を踏み入れたと言っていい。過去も今も未来も全部引き連れて活動していくという決意がどの音からも感じられる。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
Lyu:Lyu ONE MAN LIVE 2014「ディストーテッド・アガペーの世界」
まず、あの日あの場所で起こった出来事が、映像として残ることが心から嬉しい。そしてあの空間そのものが、ひとつの作品だったのだと改めて思う。2014年11月に渋谷TSUTAYA O-EASTにて行われたワンマン・ライヴ"ディストーテッド・アガペーの世界"を映像化したバンド初のライヴ映像作品。コヤマヒデカズ(Vo/Gt)が連載していた小説"ディストーテッド・アガペー"の世界観を映像や照明を駆使し表現したステージだ。バンドの想いが小説の世界に新たな輝きをもたらし、そこに観客の想いが重なり、さらに強く優しい光を放つ。"生まれて初めてあなたたちへ曲を書きました"――孤独の中で鳴り響いていた彼らの音楽を外へ向けたのは聴き手からの愛。彼らの姿を丁寧に切り取る画ひとつひとつからも、それが滲む。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
ディストーテッド・アガペー
心が傷だらけになった人がいて、自分はその人に何ができるだろうか、自分だったらなんと言ってもらえたら救われるだろうか。でも本当にその言葉が人を救うのだろうか? 相手も自分も傷つける可能性があるなら、何もしないままがいいのではないか? ......人間誰しも、傷つくことはできる限り避けたい。だが、他者を護り、救うために自分自身が傷つく覚悟をした人間の歌は深く、強かで優しい。「ディストーテッド・アガペー」はそういう曲だ。絶望の淵に落ちた人間を否定せず享受し、透明な声でまっすぐ"僕だって同じなんだよ"と語り掛ける。包容力のあるリズム隊の音色が寄り添い、ギターは人の息遣いや声のように歌い、囁き、泣き、叫ぶ。これは血の通った人間だからこそ作ることができる、愛という気魄だ。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
GLORIA QUALIA
"のたうち回る"――彼らの音楽に出会ったとき、そんな言葉が頭をよぎった。感情を吐き出すように歌い叫び、傷口を抉るようにギターをかき鳴らしていたコヤマヒデカズ。文学的な歌詞に常につきまとう"死"という概念に苦しみながらも、微かな希望を求め、もがく。そんな姿が痛烈だった。彼が歌っていることは今も昔も変わっていないかもしれない。だが全てを受け入れる覚悟をした彼は、信頼する仲間、聴き手の想いと共に新たな一歩を踏み出した。ざらついた攻撃的な音は研ぎ澄まされ、より鋭利に美しく、やわらかく響く。音の向こう側にいる我々に向かって全力で鳴らされる音色のひとつひとつに、血の通ったぬくもりが溢れているのだ。Lyu:Lyuは間違いなくこの作品で、新たなフェーズへと突入した。
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CIVILIAN(ex-Lyu:Lyu)
君と僕と世界の心的ジスキネジア
動画再生サイトで人気を誇るボーカロイド・プロデューサーでもあるコヤマヒデカズを擁する3ピース・ロック・バンドの待望の1stフル・アルバム。いつも黙殺している冷たい日常のひとコマ、人から言われてちくりと心に刺さったひと言、どこかで常に感じている焦燥。悲劇ではない。絶望でもない。誰もが少なからず肌で感じている人間の、そして自分の心の弱さだ。普段は目を背けているその弱さと向き合って、親しみやすいエモーショナル・ロックに乗せて歌う。克服した先にある希望を歌うわけではない。そこにあるのは自分ではどうにもできない歯がゆさかもしれない。ただただひたむきに歌う。歌うことによって全て消化されていく。今作を聴き終えれば、そこには心が少し軽くなったような解放感と安堵が待っている。
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LINE wanna be Anchors
Braille
全国流通こそ約1年4ヶ月ぶりだが、季節ごとに会場限定シングルのリリースとツアーを行うなど、止まることなく活動していたLINE wanna be Anchors。器用さよりも泥臭さ、生々しさの方が立っているのは、全6曲(シングルから3曲+初収録3曲)がバンドのこれまでとこれからを映しているからだろう。"性,酒,音"と書いて"欲望麻薬"と読ませる「欲望麻薬」、「人生」のストレートな響きが特に象徴的だが、音楽に魅せられ表現に身を賭す自らの性(さが)を描くことによって、彼らは、混沌を抱えながら進むバンドの姿勢を改めて提示したのだ。自らターニング・ポイントを作りにいったような気合いが感じられる作品。ここから快進撃が始まることを期待したい。
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LINE wanna be Anchors
Almost Famous
初の全国流通盤だった前作『Anchors Is Mine』ではまるでバンドの自己紹介をするかのように様々な表情を持つ曲を収録していたが、今作は自身のバックボーンだという歌謡色の濃い曲が中心となっている。アコースティック・ギターの音色がよく聴こえる曲が多いのも印象的だ。その結果、音の隙間を味わわせてくれるような引き算のアンサンブルが冴えているし、そういうバンド・サウンドによって、阿部将也(Vo/Gt)の艶やかな歌声や節回し、どこか捻れた性格をしている歌詞などが正しく活かされている。この1年間で、バンドの長所や短所をしっかりと自覚することができたのだろう。このバンドにしか歌えない歌は、もう彼らの手の中にある。そのまま突き進んでほしい。
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LINE wanna be Anchors
Anchors Is Mine
職業柄"今気になっているバンド"を訊かれることが多いが、この長ったらしい名前を今後は答えないといけないようだ。切り口鮮やかなサウンド。緻密な曲構成&アンサンブル。纏うのは、鈍く光る刃物のように灰色の空気。"君"という二人称が多く登場するにもかかわらず、常に焦燥と孤独を抱えている歌詞。ヴォーカリストがGRAPEVINE好きを公言していると知り少し腑に落ちたが、それでもやはり、年相応の青さと妙な老成感がギリギリのバランスで共存するこのバンドが、どうしても気になるのだ。京都発のLINE wanna be Anchors、本作が初の全国流通盤。現在アンビバレントなバランスで立っているこのバンドが、今後どのように歳を重ねていくのかを見てみたい。
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LINE wanna be Anchors
アンチヒーロー
京都の4人組ギター・ロック・バンドLINE wanna be Anchorsが、初の流通音源としてTOWER RECORDS限定100円シングルをリリースする。正統派ギター・ロックというには少し捻くれているように感じるのは、阿部将也(Gt/Vo)のソングライティングの成す技だろう。一見、決して難しくはない単語の羅列が、哀愁を漂わせるソリッドなメロディ・ラインに乗った途端にドラマティックに加速していく。歌詞がもたらす4分弱のストーリーの起伏に合わせて展開されていくフレーズの構成が実に緻密で、曲が生み出す情景の見たさに何度も再生ボタンを押してしまう中毒性をはらんでいる。静寂と激情を叙情的に表現するスキルは、おそらく今後もさらに磨かれていくであろう。彼らの将来に大きく期待できる、希望的作品。
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asayake no ato
Climbers aim high
年齢を重ねるごとに、純粋に夢を追うことは難しくなる。バンドなんてその代表格と言っていい。諦めさせようとする環境に勝てず辞めていく仲間もいる中で、自分はこのままでいいのだろうか? 今作の1曲目を飾る「クライマー」には、葛藤と戦いながら、それでも"次こそは"と高みを目指す、asayake no atoの本音が綴られている。息継ぎする間もなく重ねられていく言葉、気持ちに拍車をかける疾走感と横溢する眩しい音の粒――きっと、同じように夢を胸に抱いたままもがくすべての人の心を奮い立たせるはずだ。そんなメッセージ性もさることながら、このバンドの素晴らしいところは、歌詞の内容を抜きにしても情感溢れる歌、ポスト・ロック/エモの影響をいい塩梅の押し引きで散りばめながら描く美しいサウンドスケープ。そのアンサンブルの妙に感動する。
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asayake no ato
Memories
cinema staffが2011年にリリースした1stフル・アルバムは、砂漠から"海"を目指す旅路を描いたものだった。asayake no atoは同じく2011年、京都で結成された4ピース。cinema staffやLOSTAGEなどからの影響を感じさせるエモさと、独自のセンスで多彩なサウンドを鳴らす彼らがいよいよ攻めに入る。1stミニ・アルバムのテーマは"海"。悲しみや弱さを抱えながらも、美しく強くあろうとした人たちの生き様を描いたドラマチックな7曲が展開される。スケール感のある音像も魅力的だが、なにより神社 宏行(Vo/Gt)のヴォーカルが素晴らしい。凛としたその歌声は、聴けば聴くほどにリスナーをひき込んでゆく。小説を1ページずつ捲っていくように、じっくりと味わいたい。
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ユビキタス
ジレンマとカタルシス
"夜"をテーマにした前作から約2ヶ月半というインターバルでリリースされる4thミニ・アルバムは"昼"をテーマに制作。メンバー3人の出す音とメロディで魅せる楽曲が多く、これまで以上に彼らのルーツが色濃く出ている。制作期間中のヤスキ(Vo/Gt)の辿ったメンタリティが素直に反映されているのも特徴的で、楽曲が生まれた順と曲順はほぼ同じ。ラストの「カタルシス」はサウンドにも歌詞にも新しい気づきを得た多幸感や力強さが漲った曲になった。「R」の詞にあるように"今日から何か変わりそう"という予感を十二分に感じられる。1年間で2枚のミニ・アルバムを制作したことで、バンドがひと回りもふた回りも骨太になったのでは。ジレンマからカタルシスへ移りゆくリアル・ドラマを堪能してほしい。
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ユビキタス
孤独な夜とシンフォニー
独りの夜に――余計なことを考えてしまったり、心の奥にしまい込んでいた気持ちがこみ上げてしまったり。どうにも感情がコントロールできないなんて経験は、きっと誰にだってあるはず。今作は、そのとき対峙する様々な自己や感情によって、人は構成されている="シンフォニー"だと、人のどんな面も肯定する1枚だ。エッジー且つ重心低めのサウンドに乗せ、渦巻く葛藤を吐き出していく「サカナ」、静かな夜に聞こえる雨音や時計の秒針音を思い出させる最小限の演奏とともに、タイトルそのままの時間に溢れる思いをトレースした「眠れない夜に」など、喜怒哀楽さながらの表情を見せる全7曲。頭から駆け抜けるタッピング・ギターが、めまぐるしく展開するパレードのような世界へと連れていくラスト「ハッピーエンド」を聴けば、どんな夜も笑って許したくなるはず。
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ユビキタス
記憶の中と三秒の選択
5月と7月のシングル連続リリースを経て完成した初のフル・アルバム。シングルにも収録された4曲も然ることながら、今回新録された6曲の勢いが非常に瑞々しい。リード・トラック「ヒーローのつくり方」のコードを力強いストロークで刻むTHEギター・ロックな音像は逆境をも覆すヒーロー像と重なる。展開の激しい楽曲、ストリングスが優しく壮大に響くミディアム・ナンバー、リフレインを取り入れた縦ノリのダンス・ロック、ファンクの匂いがあるポップ・ソングなど、好奇心の赴くままに様々な音楽性を楽しんでいるようだ。ベースとドラムも骨が太くなり、バンドへの想いが率直に綴られた歌詞をまっすぐ歌うヴォーカルも頼もしい。新しい面と懐かしい面が収録された全10曲、すべてに共通するのは音楽に対する純粋な感情だ。
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ユビキタス
透明人間
今年5月のシングル『空の距離、消えた声』に続いてリリースされる、ユビキタスのTOWER RECORDS限定3曲入りワンコイン・シングル。フロントマンの黒田保輝曰くバンドが"結成したときのモードに戻ってきた"とのことで、その言葉の通り音が隅々まで澄み渡っている。だが彼らは全国デビューしてからの約1年半でミニ・アルバム2枚とシングル1枚を制作するという逞しさを持つバンド。音の空白を効果的に使ったアンサンブルや、1音1音丁寧に鳴らされるフレーズなど、積み重ねてきた経験があってこそのサウンドとメロディと歌詞だ。表題曲はファルセットで歌われるサビの抜けが心地良く、ロックに攻めるTrack.2、爽やかなアップテンポ曲Track.3と、全曲でバンドのネクスト・ステージを感じられる。
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ユビキタス
空の距離、消えた声
順調にリリースとライヴを重ね、じわじわと人気を伸ばしている大阪の3人組ロック・バンドが2作連続でリリースするTOWER RECORDS限定シングルの第1弾。切なさが感じられる3曲は、どれもユビキタスらしいと思えるものの、2月のツアー・ファイナルで披露した表題曲のストレート且つシンプルなアレンジにちょっとびっくり。より多くの人に届けたい、いや、届けられるという自信があるからこその直球勝負。その他、ダンサブルなリズムを忍ばせたミッドテンポの「ガタンゴトン」、ライヴの人気曲「足跡」の再録バージョンを収録。その「足跡」は3人それぞれに個性を主張しあう熱度満点のアンサンブルが聴きどころ。ライヴの盛り上がりが頭の中で想像できるような仕上がりになっているところがいい。
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ユビキタス
奇跡に触れる2つの約束
前作から9ヶ月でリリースする2ndミニ・アルバム。楽曲そのものは人と人との繋がりや、繋がることで起こるあれこれを歌った等身大のギター・ロックながら、ひねりをきかせたクセのある演奏がこの大阪の3人組の個性を際立たせている。ダンサブルなところもあるプッシュ曲の「パラレルワード」など、歌ものといえる曲がある一方で、ライヴ・バンドとしての緊張感をアピールする「アマノジャク」のような曲もあれば、グルーヴや跳ねるリズムを意識した「飛行機雲」「拝啓、日曜日」という新境地を思わせる曲もあって、曲調はなかなか幅広い。ポップな作品をイメージしながら、"ポップなだけでは終わらさんぞ"と思ったメンバーの意欲をいろいろな形で感じられるところが今回の1番の聴きどころだ。
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ユビキタス
リアクタンスの法則
2012年10月に結成という若いバンドでありながら、DIRTY OLD MENやBLUE ENCOUNTなどとの競演も果たす、大阪を拠点に活動中の3ピース・ロック・バンド、ユビキタス初の全国流通盤。シンプルでソリッドとキャッチーが同居する歌ものバンド・サウンドに、等身大の心情吐露とリアリティのある歌詞――典型的なギター・ロック・バンドとも言える。そんな彼らの光るセンスとは、歌詞世界とアレンジが密接なところ。10年代の主流となりつつあるラウド寄りなキメが盛り込まれたサウンド・メイクの「SNS」、情景がドラマティックに移り変わる「この世とあの世」、J-POP的な展開を見せるミディアム・ナンバー「再生」など、歌を汲んだアレンジはリスナーへ明快かつユーモラスにイメージを運ぶ。
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愛はズボーン
MIRACLE MILK
テーマは"ミラクル"、"マジカル"、"ケミカル"の3ワードという、愛はズボーンの4thフル・アルバム。まさに、それらの感覚が全12曲を通して散りばめられた1枚になっている。赤ちゃんの泣き声や牛の鳴き声を交えながら"また1日が始まる"と切り出す「IN OUT YOU~Good Introduction~」から、言葉遊びと音遊びが炸裂。とはいえ、ぶっ飛んでいるだけではなく、"ヒーローは遅れて現れる/それが愛はズボーン式/スーパーエンターテイメント"という歌詞の通りのストレートな勢いを感じることもできる。ラップと歌を行き来する声に秘めたグッド・メロディと極彩色の音色が描く、混沌としたポップな世界観。皮肉も熱情も真実も溶かした心地いいミルクを飲めば、明日からも踊りながら生きていける。
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愛はズボーン
I was born 10 years ago.~TRIBUTE~
愛はズボーン結成10周年を記念したトリビュート盤。ラインナップするメンバーは彼らが敬愛する先輩や盟友たちで、轟くシャウトとキレッキレのギターで中毒性の高いリフレインをさらに印象づけるキュウソネコカミの「まさかのイマジネイション」や、オリジナルに忠実ながらも独自のレゲエ・テイストでアルバムのポイントとなるDENIMSの「ゆ~らめりか」など、10バンドによる一曲入魂の全10曲を収める。もともとクセ強めの原曲は、豪華面々のセンスと技と愛情により新たな魅力を引き出され、"愛はズフリーク"も大納得の仕上がりだが、参加バンドのファンにとっても聴きごたえたっぷりだ。また、愛はズが同作に参加した10組の曲をカバーしたアルバムも同発されているので合わせて聴くのもおすすめ。
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愛はズボーン
I was born 10 years ago.~COVER~
バンドの周年を記念して、豪華アーティストがそのバンドの曲をカバーするというのはあっても、さらに、そのトリビュートに参加したアーティストの曲をバンドがカバーした作品集の同時リリースは前代未聞では? そんな愛はズボーンの10周年記念盤が完成。まさにインディーズで戦い続けてきた彼らが、キュウソネコカミの魂を受け継いだとも言える「ウィーアーインディーズバンド!!」、原曲の優しさはそのままに、浮遊感たっぷりのアレンジで歌うことで、ひと味違うエモーショナルなムードを湛え、愛はズの新境地を切り拓いた岡崎体育「エクレア」など全10曲を収めた。企画の面白さのみならず、より個性を研ぎ澄まし、全員が曲作りに積極的に携わるようになった今の愛はズがカバーするからこそ、バンドの最新作としても楽しめる意欲作。
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愛はズボーン
TECHNO BLUES
誰にも似ていないサウンドと言葉選びの発明を続けてきた愛はズボーンが、結成10周年を前に2ndアルバムを発表。今作では作品タイトル通り、シーケンスを多用した"テクノ"+魂の叫びを歌う"ブルース"の彼らなりの融合に挑戦し、新たな愛はズらしさを手にしている。これは金城昌秀(Gt/Vo)が結成当初からしたかったことにバンドの地力が追いつき、さらにGIMA☆KENTA(Vo/Gt)が歌に自信を持てたこと、そして4人が同じ方向を向けたことにより成せた業だという。冒頭「ぼくらのために part 1」から全曲そんな威勢のいいニュー・マインドを堪能できるが、タフなバンド・サウンドが際立つ「ひっくりかえす」は従来からのファンも痺れると思う。10年の挑戦と試行錯誤の末に作り上げた自信作。
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愛はズボーン
Psycho Western
2019年第1弾リリースとなる全2曲入りのシングル。表題曲は彼ららしい多国籍感溢れる"ごちゃ混ぜパーティー・チューン"で、イントロの雷鳴に続き弾けるサビで幕を開ける。一緒に叫びたくなる"最高! 最高!"や"ラララ"のコーラスが生み出すキャッチーさと、どこかサイケデリックでキラキラする感触が入り混じり、"これでいいのか? これでいいのだ!"の自問自答を伴ってクライマックスへ! "サイコで最高!"、"YES!"の結論には誰もが痛快な気分になること間違いなしだ。またc/wは、1stフル・アルバム『どれじんてえぜ』の収録曲「adult swim-friends 岡崎体育-」のバンド・バージョン。表題曲と好対照にどっしりとしたグルーヴが小気味よくクール・ダウンさせてくれる。
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愛はズボーン
どれじんてえぜ
愛はズボーン待望の1stフル・アルバムはミニ・アルバム2枚からの再録を含む12曲を収録。よくぞここまで豊富なアレンジ、曲調、歌詞が出てくるものだと改めて感心してしまうほど凝りに凝った作品。何しろバンド・サウンドとは一線を画す岡崎体育との共演作「adult swim-friends 岡崎体育-」ですら、これはこれで愛はズボーンらしいと思えるのだから不思議だ(そしてめちゃくちゃカッコいい)。カネシロ、ギマの両ボーカルがそれぞれのパーソナリティを発揮する「27」、「もねの絵のよう」やキャッチーなポップ・ロック「空飛ぶピンクのユニコーン」、ラスト「生きてるって感じ」のめちゃくちゃ長い"ラララ"まで、聴きどころ満載のアルバム。じっくり1枚ずつ曲順どおりに聴くことをおすすめしたい。今作で彼らの音楽は確立されたといってもいいのではないだろうか。
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愛はズボーン
ゆ~らめりか
愛はズボーンの2ndシングルは1,000枚限定でリリース。表題曲「ゆ~らめりか」(Track.1)のタイトル、アートワーク、歌詞、序盤から湧き上がるようにリズム・チェンジして後半へと向かうアレンジまで、気になることだらけで気がつけば何度も繰り返し聴いていた。緻密なアンサンブルが進行していき、スケールの大きなメロディと繋がってカタルシスを感じさせる展開はこのバンドの大きな魅力。「へんなの」(Track.2)で聴かせるサイケデリックな音像もスタジオ・セッションの面白さをそのまま出してきたようで興味深いし、ラストのエモ/スクリーモなミディアム曲「恋のスーパーオレンジ」(Track.3)まで聴き応え満点。ますます長時間のライヴで彼らの曲を聴いてみたくなった。
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愛はズボーン
MAGMAそれは太陽のデジャヴュ
大阪を拠点に活動を続ける4人組バンドの1年ぶりとなる2ndミニ・アルバム。2015年は初の全国流通盤を発売すると共に全国ツアー、イベントにも多数出演することで音楽ファンの間で着々と知名度を上げて行った彼ら。前作収録の「まさかのイマジネイション」を思わせる1ワードで繰り広げられるTrack.4「ピカソゲルニカ」はどんな展開になって行くのかずっと聴いていたくなる彼らの発明品のごとき必勝パターン。どこか懐かしいポップ・ロックのTrack.5「BABY君は悪魔ちゃん」、Track.6「エレクトリックオーシャンビュー」も気持ちが晴々とする爽快感があって楽しい。やりたいことが収まりきらずにはみ出しまくっているような音楽バカっぷりが最高です。
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愛はズボーン
IWZBN
2014年に"COMIN'KOBE"のオーディションで見事1位に輝き出演したことを始めとして"MINAMI WHEEL""見放題"等、関西の音楽イベントで軒並み入場規制となるライヴでその名を轟かせる4人組バンド初の全国流通盤となるミニ・アルバム。ライヴを観たことがなくてもその楽しさが伝わってくる楽曲たちは決まったフォーマットを持たない自由なもの。バンドのテーマ曲的な「愛はズボーン」、ひたすらワン・ワードで押す「まさかのイマジネイション」といった曲は頭も身体もバンドの演奏に委ねなさい、と言わんばかり。下を向いている人間も否応なく顔を挙げてしまう突き抜けた明るさと力技で盛り上げる曲が続いた後のラスト「デーモンのレモン」がバンドの奥深さを感じさせる。
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鳴ル銅鑼
汎神論
フロントマンの三輪和也(唄/六弦)が"徹底的に媚びずぶれず、まっすぐに自分がかっこいいと思うことを、自分たちに嘘をつかずにやりきった"と語るとおり、彼らの2ndフル・アルバムはエネルギッシュでありながら自然体の作品に仕上がった。メンバー4人で作るアンサンブルの空気感やグルーヴもより濃密に。ロック・ナンバーから彼ら流のダンス・ナンバー、歌謡ジャズ、バラード、ロジックのように構築された楽曲、そしてストレートでエモーショナルなものまで、多彩な楽曲群はどれも鋭さとポップ・センスを兼ね備え、少年性と艶を併せ持つ三輪の歌声も鮮やかに響く。特にTrack.1「兆シ」の晴れやかさと、最後を飾る「DUNE」の壮大な包容力は新機軸。過去の集大成的作品であり、詞、音共により自由になった飛躍作と言っていい。
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鳴ル銅鑼
極彩色
2014年に"RO69 JACK"優勝、2015年に初の全国流通盤『無知』をリリースした岐阜出身4ピースの1stフル・アルバム。『無知』が妖艶でクールな空気にダンスの要素やキャッチーさを加えた、バンドの個性をきれいに整えた名刺代わりの作品なら、今作はその基礎体力を持ったまま音楽に体当たりする感情的な作品だ。バンド名、日本語の響きを重んじた歌詞などを見ると和のイメージが強いかもしれないが、音の礎はブルースやロックンロール。時代も洋楽邦楽も関係なく巻き込んだ音楽性と存在感のある歌は、老若男女幅広い層に響きそうだ。映画に出てくる謎めいた主人公に翻弄されるような感覚を味わえる前作も趣があるが、より体温が伝わる今作には前作にない情熱や高揚がある。様々な色合いを持つ濃密な浪漫に身を任せてみては。
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鳴ル銅鑼
無知
ニヤリと妖艶に笑った顔が浮かび上がる。岐阜出身の4人組バンド、鳴ル銅鑼の1stミニ・アルバム『無知』はそれぐらい自信を持ってリリースされるはずだ。マスタリングには、前作EP『電波』でもタッグを組んだPEACE MUSICの中村宗一郎を起用。前作に比べてまとまり良く、整理された印象のある今作は音の輪郭がはっきりとしていて完成度の高さが窺える。キレのあるビートやベースのうねり、ギターの音色が意思を持って鳴っているようだ。もちろん三輪和也(Vo/Gt)の艶っぽい歌声も健在。それどころかどんどん魅力を増している。"映画ぐらい特別な世界観のあるバンドでありたい"とメンバー自身が語るように、鳴ル銅鑼ならではの独特な妖しい世界へあっという間に引きずり込まれていく。
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鳴ル銅鑼
電波
岐阜を拠点として活動している4ピース・ロック・バンド、鳴ル銅鑼(ナルドラ)が新作をiTunes限定でリリースする。彼らはRO69JACK 2014入賞という実力を持ち、今作はピース・ミュージックの中村宗一郎がマスタリングを手掛けたとのこと。疾走感溢れるグルーヴィーなロック・ナンバーに、ジャズや"和"の要素を取り入れたサウンドは、鳴ル銅鑼の個性が爆発した聴き応えのある仕上がりだ。日本語の響きにこだわりを持つという三輪和也(Vo/Gt)の艶のある歌声には思わず身震いしてしまうほどの魅力が詰まっている。その妖艶さは「御祭騒ぎ」冒頭の"鳴ル銅鑼、開演"という彼の囁きを聴いてもらえばお分かりいただけるだろう。この今後どんな風に化けていくのか楽しみで仕方がない。
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