Japanese
ラックライフ
Skream! マガジン 2016年08月号掲載
2016.06.24 @渋谷eggman
Writer 秦 理絵
"メジャーだぜ、俺たち、ついに!"。開口一番、いつものように会心の笑顔で喜びを爆発させたPON(Vo/Gt)の表情がとても印象的だった。前身バンドを含めればバンド結成から11年。地元・大阪を中心に地道な活動を続けてきたラックライフが今年5月11日にシングル『名前を呼ぶよ』で晴れてメジャーへと進出した。それを記念した東名阪レコ発ツアーは対バン形式で行われ、初日となる東京・渋谷eggmanは大阪の盟友ユビキタスが参戦。ここから始まるラックライフの新たな決意を込めた意義深いライヴだった。
まずステージに登場したのはユビキタス。"ラックライフを応援しに来たよ!"というヤスキ(Vo/Gt)が静かに歌い出した1曲目「空の距離、消えた声」から、ダンサブルなビートが炸裂した「ディスコード」へ、骨太な3ピースの演奏が序盤からがっつりとオーディエンスをあたためていく。"大阪ではラックライフとあまりやることないよね"と言うヤスキに、"嫌われてるのかな(笑)"と言うニケ(Ba)。そんなふうに冗談を言い合うMCからは両バンドの気の置けない関係が伝わってきた。素晴らしかったのは中盤、柔らかなメロディに乗せて紡いだ「僕の証明」だった。自分の内側にいる自分と対話するように紡いだ葛藤のナンバーだ。音楽性や形態はまったく違うラックライフとユビキタス。だが、歌うことが生きることと同義である、そんな真摯な歌の在り方はとてもよく似た2組だと思う。
ステージに登場した4人が心をひとつにするように向き合ってスタートしたラックライフ。1曲目「変わらない空」からアグレッシヴなサウンドでフロアの興奮を煽っていった。いきなりアップ・テンポなナンバーを連発する攻めのモードだ。"オン・ベース、たく!"というPONの声で躍動感のあるベースが唸りを上げた「ブレイバー」、"世界一かっこいいギター!"という煽りにイコマ(Gt/Cho)が鮮やかなギター・ソロを聴かせた「チキンボーイ」。3人の後ろのLOVE大石(Dr)もくるりとスティックを回すパフォーマンスで魅せる。"今日は歴史に残る1日にします。目ん玉に焼きつけて帰ってください!"と、その見た目とは裏腹に荒々しいヴォーカルで捲し立てるPONの言葉からも、この記念すべきライヴへのラックライフのただならぬ気合いが伝わってきた。ひとりひとりの目をしっかりと見ながら、歌に込めたメッセージを聴き手へと伝えようとするPONは、お客さんのことを"あなた"と呼ぶ。この日もPONは"あなたに向けて歌うんだよ!"と、絶叫しながらシンガロングを呼んだ「ハートイズ」へと繋いだ。自分たちが歌う理由は"あなた"の笑顔のためだという想いを込めたナンバーだ。さらにシニカルな歌詞が印象的なロックンロール「そんな世界になればいい」でも、"この世界を笑顔に変えたい"と歌う。ラックライフの音楽は聴く人の笑顔のためにある。そんな信念を持って歌い続けてきた曲の数々は、メジャー・デビューを記念したこの日のライヴでは、バンドが今後も変わらずに歌い続けるための決意のように聞こえてならなかった。
ラックライフにとって渋谷eggmanという会場は、5、6年前のライヴで苦い思い出を残した会場だったという。MCでは"ほとんど床しか見えへんかった"と当時を振り返り、今回この会場をソールド・アウトできて嬉しいと喜びを語ったPON。"当時の自分に聞かせたい自慢話です"と言う表情はとても誇らしげだ。そしてライヴの終盤は"一生ラックライフの音楽をそばに置いてほしい"という願いを込めたラヴ・ソング「アイトユウ」から、出会えた奇跡を軽やかに歌うポップ・ソング「その手とこの手」へと、次第にその演奏はエモーショナルな熱を帯びながらクライマックスへと向かっていった。
最後のMCでは、高校の同級生としてメンバーに出会い、初めてオリジナル曲を作り、ひたすらライヴに明け暮れた日々を語ったPON。"それを俺らアホやから11年も続けてしまった(笑)"とおどけるように言ったが、ついに掴んだメジャー・デビューに触れて、お客さんからたくさんの"おめでとー!"という声が上がると、"それ以上は泣くからやめよう"と照れくさそうな表情を見せた。そして最後に披露したのはメジャー・デビュー曲「名前を呼ぶよ」だった。声を枯らしながら振り絞るように届けた力強いバラードは、これまでのバンド人生をすべてぶつけるような渾身の1曲だった。アンコールでは新曲「初めの一歩」まで全13曲を披露したラックライフ。"ライヴハウスで目と目で見て、心と心で会話するバンドになりたいです"。最後にPONが掲げたバンドの目標は、人と人の繋がりを何よりも大事に音楽を鳴らし続けるラックライフらしい誠実さが溢れていた。
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"夜"をテーマにした前作から約2ヶ月半というインターバルでリリースされる4thミニ・アルバムは"昼"をテーマに制作。メンバー3人の出す音とメロディで魅せる楽曲が多く、これまで以上に彼らのルーツが色濃く出ている。制作期間中のヤスキ(Vo/Gt)の辿ったメンタリティが素直に反映されているのも特徴的で、楽曲が生まれた順と曲順はほぼ同じ。ラストの「カタルシス」はサウンドにも歌詞にも新しい気づきを得た多幸感や力強さが漲った曲になった。「R」の詞にあるように"今日から何か変わりそう"という予感を十二分に感じられる。1年間で2枚のミニ・アルバムを制作したことで、バンドがひと回りもふた回りも骨太になったのでは。ジレンマからカタルシスへ移りゆくリアル・ドラマを堪能してほしい。(沖 さやこ)
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独りの夜に――余計なことを考えてしまったり、心の奥にしまい込んでいた気持ちがこみ上げてしまったり。どうにも感情がコントロールできないなんて経験は、きっと誰にだってあるはず。今作は、そのとき対峙する様々な自己や感情によって、人は構成されている="シンフォニー"だと、人のどんな面も肯定する1枚だ。エッジー且つ重心低めのサウンドに乗せ、渦巻く葛藤を吐き出していく「サカナ」、静かな夜に聞こえる雨音や時計の秒針音を思い出させる最小限の演奏とともに、タイトルそのままの時間に溢れる思いをトレースした「眠れない夜に」など、喜怒哀楽さながらの表情を見せる全7曲。頭から駆け抜けるタッピング・ギターが、めまぐるしく展開するパレードのような世界へと連れていくラスト「ハッピーエンド」を聴けば、どんな夜も笑って許したくなるはず。(松井 恵梨菜)
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5月と7月のシングル連続リリースを経て完成した初のフル・アルバム。シングルにも収録された4曲も然ることながら、今回新録された6曲の勢いが非常に瑞々しい。リード・トラック「ヒーローのつくり方」のコードを力強いストロークで刻むTHEギター・ロックな音像は逆境をも覆すヒーロー像と重なる。展開の激しい楽曲、ストリングスが優しく壮大に響くミディアム・ナンバー、リフレインを取り入れた縦ノリのダンス・ロック、ファンクの匂いがあるポップ・ソングなど、好奇心の赴くままに様々な音楽性を楽しんでいるようだ。ベースとドラムも骨が太くなり、バンドへの想いが率直に綴られた歌詞をまっすぐ歌うヴォーカルも頼もしい。新しい面と懐かしい面が収録された全10曲、すべてに共通するのは音楽に対する純粋な感情だ。(沖 さやこ)
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今年5月のシングル『空の距離、消えた声』に続いてリリースされる、ユビキタスのTOWER RECORDS限定3曲入りワンコイン・シングル。フロントマンの黒田保輝曰くバンドが"結成したときのモードに戻ってきた"とのことで、その言葉の通り音が隅々まで澄み渡っている。だが彼らは全国デビューしてからの約1年半でミニ・アルバム2枚とシングル1枚を制作するという逞しさを持つバンド。音の空白を効果的に使ったアンサンブルや、1音1音丁寧に鳴らされるフレーズなど、積み重ねてきた経験があってこそのサウンドとメロディと歌詞だ。表題曲はファルセットで歌われるサビの抜けが心地良く、ロックに攻めるTrack.2、爽やかなアップテンポ曲Track.3と、全曲でバンドのネクスト・ステージを感じられる。(沖 さやこ)
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順調にリリースとライヴを重ね、じわじわと人気を伸ばしている大阪の3人組ロック・バンドが2作連続でリリースするTOWER RECORDS限定シングルの第1弾。切なさが感じられる3曲は、どれもユビキタスらしいと思えるものの、2月のツアー・ファイナルで披露した表題曲のストレート且つシンプルなアレンジにちょっとびっくり。より多くの人に届けたい、いや、届けられるという自信があるからこその直球勝負。その他、ダンサブルなリズムを忍ばせたミッドテンポの「ガタンゴトン」、ライヴの人気曲「足跡」の再録バージョンを収録。その「足跡」は3人それぞれに個性を主張しあう熱度満点のアンサンブルが聴きどころ。ライヴの盛り上がりが頭の中で想像できるような仕上がりになっているところがいい。(山口 智男)
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前作から9ヶ月でリリースする2ndミニ・アルバム。楽曲そのものは人と人との繋がりや、繋がることで起こるあれこれを歌った等身大のギター・ロックながら、ひねりをきかせたクセのある演奏がこの大阪の3人組の個性を際立たせている。ダンサブルなところもあるプッシュ曲の「パラレルワード」など、歌ものといえる曲がある一方で、ライヴ・バンドとしての緊張感をアピールする「アマノジャク」のような曲もあれば、グルーヴや跳ねるリズムを意識した「飛行機雲」「拝啓、日曜日」という新境地を思わせる曲もあって、曲調はなかなか幅広い。ポップな作品をイメージしながら、"ポップなだけでは終わらさんぞ"と思ったメンバーの意欲をいろいろな形で感じられるところが今回の1番の聴きどころだ。(山口 智男)
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2012年10月に結成という若いバンドでありながら、DIRTY OLD MENやBLUE ENCOUNTなどとの競演も果たす、大阪を拠点に活動中の3ピース・ロック・バンド、ユビキタス初の全国流通盤。シンプルでソリッドとキャッチーが同居する歌ものバンド・サウンドに、等身大の心情吐露とリアリティのある歌詞――典型的なギター・ロック・バンドとも言える。そんな彼らの光るセンスとは、歌詞世界とアレンジが密接なところ。10年代の主流となりつつあるラウド寄りなキメが盛り込まれたサウンド・メイクの「SNS」、情景がドラマティックに移り変わる「この世とあの世」、J-POP的な展開を見せるミディアム・ナンバー「再生」など、歌を汲んだアレンジはリスナーへ明快かつユーモラスにイメージを運ぶ。(沖 さやこ)
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今年結成15周年を迎えるラックライフの両A面シングル。それぞれアニメのタイアップということで作品に寄り添ってはいるものの、間違いなくこれらは彼らの歌として存在する。ここにいる意味をくれた喜びを歌うミドル・バラードの「しるし」("文豪ストレイドッグス"第4シーズンED主題歌)、そしてお互いの"らしさ"を手のぬくもりで表す爽快なバンド・サウンド「℃」("ツルネ -つながりの一射-"OP主題歌)。不器用だけど人が好きで好きでたまらなくて、超がつくほどまっすぐで。後悔も迷いも悔しさも何もかもを正直に曝け出してきた彼らだからこそ、そしてすべてが本当の気持ちで本当の姿だからこそ、こんなにも強く心を動かされる。迷いない2曲、ここにはただ"あなた"へと向けた愛があるだけだ。(藤坂 綾)
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2020年3月で結成12周年を迎えたラックライフによる通算9枚目のシングル。カンロ"ボイスケアのど飴"キャンペーン・ソングである表題曲は、彼らの真骨頂とも言えるストレートで熱い言葉を紡いだ応援歌だ。思わず拳を上げて歌いたくなるような冒頭のシンガロング、青春の匂いが漂うドラマチックなギター・リフ、どこか懐かしさも感じられるメロディにガシッと心を掴まれる。"何度も立ち上がれ"と夢を追う人の背中を押す歌詞は、紆余曲折の道のりを歩んできた彼ら自身の思いも描かれているのではないかと思う。だからこそ説得力があり、胸に直接刺さるのだろう。カップリングの「image」、「あんたが大将」も聴き手を肯定してくれるナンバー。どんなときでも味方でいてくれるような心強い1枚だ。(三木 あゆみ)
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所属事務所移籍後初となる音源。そこに彼らは、ここから再び走り始める決意をしっかりと刻み込んだ。シンガロング/コーラスを擁した「理想像」で、込み上げてくる思いを力強く叫ぶPON(Vo/Gt)の歌声は、いつにも増してエモーショナルで、いつも以上に4人の姿が目に浮かんでくる躍動的なバンド・アンサンブルは、アップテンポなものだけでなく、壮大なスロー・ナンバー「朝が来る前に」でも、生々しく胸に迫ってくる。ユニークなリフレインが一瞬で耳から離れなくなる(けど、歌詞の内容は"超"がつくほどエモい)「けんけんぱ」や、「Don't you say」のような肩の力を抜いた曲もありつつ、決して"壊れることのない"自分たちの意志、そして音楽への情熱をまっすぐに燃やしている。(山口 哲生)
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第1、第2シーズン&劇場版に続き、アニメ"文豪ストレイドッグス"第3シーズンED主題歌に採用されたラックライフが、同曲「Lily」をシングル・リリース。爽やかなグッド・メロディでありつつ、歌詞では"僕には何がある 何ができる"と自問し、"自分らしさ"とは何かと問い掛ける。もがきながらも、聴き手に寄り添い、光を見せようと奮闘してきた彼らのあり方が投影されたような、深みのあるナンバーとなった。c/wでは、冒頭のカッティング・ギターが心地よい「meaning」で"君は君だ"と聴く者の背中をぐっと押し、「フレンズ」ではハートフルなメッセージを温かいアコギの音が包み込む。強固なアンサンブルも安定感があり、ファンの期待を裏切らない1枚と言えるだろう。(稲垣 遥)
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結成10周年を迎えたラックライフ待望のメジャー2ndフル・アルバムは、全14曲入りの大作。サウンド・プロデュースに数々のヒット曲を手掛ける本間昭光を迎えた「走って」をリード・トラックに据え、タイアップ曲のほか、結成日にリリースした幻のラヴ・ソング「夕焼け小道」や、ライヴでも人気の「その手とこの手」の再録など、明るく爽やかなポップ・チューンからスロー・ナンバー、王道ロックまで、多彩な楽曲を収録している。ラックライフが10年間で出会った喜び、後悔、迷い、そのすべてがあってこそ歌えるPON(Vo/Gt)による等身大の歌詞が、共に音を鳴らし続けたメンバーと奏でるサウンドに乗せ届けられる。中でも最後を飾る「ソレ」は、今改めて抱く音楽に対する強い決意と"君"への愛が溢れている。(渋江 典子)
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3月にメジャー1stフル・アルバム『Life is beautiful』をリリースしたばかりのラックライフが、早くもニュー・シングル『リフレイン』を完成させた。TVアニメ"最遊記RELOAD BLAST"のED主題歌となる表題曲「リフレイン」は、ダンサブルなロック・ナンバー。アニメに寄り添いながらも、その歌詞では全曲のソングライティングを手掛けるヴォーカル PONが、曲作りの中で感じる葛藤をありのままに綴っている。常に誰かの幸せを願うラックライフには珍しい、負の感情を纏ったマイナー調の楽曲がバンドの新たな魅力を引き出した。表題曲で歌われる"世界を変える"というまっすぐなメッセージが、カップリングの「存在証明」と「sweet my life」の2曲にも貫かれるというコンセプチュアルな性格の今作は、いまのバンドの攻めのモードを表している気がする。(秦 理絵)
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前作アルバム『正しい僕の作り方。』から約2年半ぶりとなるラックライフのメジャー1stアルバム。「名前を呼ぶよ」を始めとするシングル5曲を含んだ全13曲は、その1曲1曲が"人生は素晴らしい"というひとつの結論に向けて美しく収束していく。初めてアレンジにホーン・セクションを加えたリード曲「サニーデイ」や、柄にもなくダンス・ロックに挑戦した「ラブリープリティーミュージック」など、メロディと歌詞を大切にしながらも、新たに取り組んだサウンド・アプローチからもバンドの風通しの良さを感じる。アルバム中盤の「君の匂い」は珠玉のバラード曲。"君は幸せだったかい"と静かに問い掛けるその歌には、悲しい出来事ですら、どうにか納得して生きようする人間の健気な姿に胸を打たれた。(秦 理絵)
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今年5月のメジャー・デビューから早くも3枚目となるラックライフのニュー・シングルは、デビュー・シングル表題曲「名前を呼ぶよ」に続き、アニメ"文豪ストレイドッグス"のエンディング・テーマに抜擢された攻めのロック・ナンバー。疾走感溢れる8ビートに乗せたエッジの効いたギター・リフと衝動滾る歌メロには、ライヴハウスで長年培ってきたラックライフの泥臭くて熱いエナジーが詰まっている。"誰かにもらった言葉が今の自分を動かす原動力になる"というテーマも彼ららしい。カップリングには軽妙なグルーヴでゆったりと踊らせるポップ・ソング「journey」と、穏やかで甘いスロー・バラード「デイルニハ」というまったく異なる世界観を描いた2曲を収録。続くアルバムへの期待も膨らむ意欲作に仕上がった。(秦 理絵)
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躍動感溢れるバンド・サウンドに乗せて"行け、飛べ/ありのままで"とストレートに聴き手へのエールを送るラックライフのメジャー2ndシングル。表題曲「初めの一歩」は、チアリーディングに奮闘する男子大学生をテーマにしたスポ根アニメ"チア男子!!"のための書き下ろしとなる。10年に渡りバンドを続けることで、チームとして何かを成し遂げることの尊さを身をもって知っているPON(Vo/Gt)が、自身の経験を重ね合わせながら完成させた1曲だ。キラキラとした爽快なサウンドに乗せて、たとえ自分ひとりでは無理でも、誰かと一緒なら最初の一歩も踏み出せると歌う、どこまでもラックライフらしいメッセージが詰まっている。カップリングには音楽の道を諦めてしまったかつての仲間への想いを綴った「ソライロ」も収録。(秦 理絵)
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"満を持して"という言葉がぴったりくる、ラックライフのメジャー・デビュー・シングル。タイトル曲「名前を呼ぶよ」は、バンドが丁寧に歌い紡いできた思いを、シンプルに、あたたかな音で表現する曲だ。聴いている人にとって、迷いの中にいる人にとって、ひと息つける場所を作っていくような、雨風を凌いであたたかいスープまで差し出してくれるような、そんな歌になっている。ミドル・テンポで、飾り気のないバンド・サウンドだけれども、なんだか懐かしい手触りでほっとする。甘酸っぱい記憶やまっすぐな思いを掘り起こしてくれる歌で、ラックライフはそういうことをさらっと、何のてらいもためらいもなくやってくれるバンドだと改めて思わせてくれる。カップリングで、ライヴ・バンドとしてのアグレッシヴな汗も封じ込めた1枚となった。(吉羽 さおり)
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PON(Vo/Gt)の爽快でパラフルなヴォーカルでスタートする、「変わらない空」。仲間だったり、暮らす街であったり、自分自身の思いであったり人生のあれこれだったり、そういったものを歌にして、にっこりと笑えるようなバンド・サウンドで聴かせるのがラックライフだが、この「変わらない空」では恋愛歌。心が弾んだり、そわそわと落ち着かない気持ちを切り取って、アップテンポなギター・ロックに乗せ歌う。その性急さにフッと笑顔になる曲だ。もう1曲の「メイキング」は、ラックライフというバンドが奏でる歌、曲のできるまで、なぜ歌うのか、どうして笑顔を求めていくのか、そんな思いを綴っている、まさに"メイキング"。いつもの笑顔の裏で、ぽろっと本音を覗かせたりくよくよとしたりする、さらに等身大の姿が見える曲だ。(吉羽 さおり)
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ラックライフとしては珍しいラヴ・ソング「アイトユウ」、そして4thアルバム『正しい僕の作り方。』を経て、まだ書き足りなかった、言い足りなかった思いに突き動かされ書いた「ラングレット」、誰もが自分自身の映画の主人公であり、またこれから始まる物語を後押しするサウンドトラックとなる「シネマ」。曲の種はそれぞれ違うものだったけれど、1歩を踏み出すときの、ワクワクするような、またわずかに臆するような、心地良い心の揺れがバンド・サウンドとなった。明るく、伸びやかなヴォーカルが冴えるメロディはとても爽やか。思いに苛まれて窮屈になってしまった気分をつついて、空気を入れ替えてくれるようなまっすぐさがある。突っ走ったり、転げたりしながらも、ちゃんと風を感じて、心が動いていく、そんな歌が揃った。(吉羽 さおり)
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Track.3「plain」にこんなフレーズがある。"誰かと言葉を交わす度 僕は新しい僕に変わるよ"――人との出会いによって自分が作られていくという、実にPON(Vo/Gt)らしい歌詞だ。これまでの人生での、ひとつひとつの出会いに意味があり、それらが今のPONという人間を構築してきた。そんな彼がひとつひとつを歌にして、詰め込んだのがこのアルバムだ。リスナーへの思いを歌った「ハートイズ」や、自分の弱さを歌ったバラード「僕と月の話」、キュートなラヴ・ソング「へへもひじ」、「ハルカヒカリ」の進化系ともいえる「フールズ」など、どの曲もラックライフの温かさを感じられる仕上がり。人と人との繋がりを大切にしてきた彼らだからこそ歌える"あなた"へのメッセージを受け取って欲しい。(奥村 小雪)
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同じ高校のクラスメイトによって結成された大阪発の4ピース・バンド、ラックライフがリリースする3曲入りの1stシングル。まずはミディアム・スローのアッパーなバラード「ハルカヒカリ」が心にそっと寄り添い、同じ目線に立って元気づけてくれる。そしてTrack.2「my pace」では、爽やかなロック・チューンのど真ん中でブレることなく"夢を叶える"という力強い意思をストレートに歌い上げるPON(Vo/Gt)の歌声がなんとも心地良い。躍動感のあるリズム隊と軽快なギター・サウンドに思わず身を委ねるライヴの定番曲「ローグ」も新録。2014年、新たな1歩を踏み出すラックライフの決意表明とも言えるこの3曲は、昔からのファンはもちろん、初めて聴くリスナーの胸にも響くだろう。(奥村 小雪)