Japanese
共鳴レンサTOUR 2014秋 関東サーキットvol.2
Skream! マガジン 2014年10月号掲載
2014.09.22 @新代田FEVER
Writer 蜂須賀 ちなみ
DISK GARAGE主催の対バン・ツアー"共鳴レンサ"。この秋行われている"共鳴レンサTOUR 2014秋 関東サーキットvol.2"では、カラーボトル、reading note、READ ALOUDの3バンド+ゲスト・バンド1組の計4組で関東地方のライヴハウスを廻っている。15日間で9公演を行う怒涛のツアー。以下では、ゲスト・バンドにラックライフを迎えた6公演目、新代田FEVERでの模様をレポート! 奇しくも出演バンドは4組ともヴォーカル&ギター、ギター、ベース、ドラムの編成(カラーボトルはサポート・メンバーを迎えた編成だが)。そして、日本語詞の歌を真ん中に据えた構成の"歌モノバンド"だが、それぞれが自分たちの歌を真っ直ぐと響かせている姿が印象的だった。
トップ・バッターはラックライフ。ストレートなメッセージが込められたPON(Vo/Gt)の歌声はバンドの音を引き連れて大きく羽を広げるかのように気持ちよく伸びていく。CD音源で聴くよりも大胆不敵なそのパフォーマンスに驚いた。10月15日にリリースされる4thアルバム『正しい僕の作り方。』に収録の「フールズ」の"あんたもたまに思い出して 僕らのこの終わらない歌を あんたも一人じゃないから"というフレーズは、ライヴが終わっても決して途切れることのないバンドとオーディエンスの間の絆を約束するかのようだった。
続いて登場したのはreading noteだ。静寂と激流のコントラストが鮮やかな表現や、低音域が効いたバランスは、楽曲の中の主人公の悲痛な叫びを際立たせる。特に"ねえ 誰か名前を呼んでよ 本当の自分が分からなくなるから"と唄う「name」のヒリヒリとした情感、和旋律のサビが特徴的な「たゆたう」の流麗さが印象に残った。MCでは平田勝久(Vo/Gt)が"6ヵ所目だから(他出演バンドとは)友達以上恋人未満みたいな感じになってきた"と笑い、演奏時とはまた違った一面が垣間見えた。
3番手はREAD ALOUD。登場するなり性急なギターのカッティング。1曲目は「言花-コトヴァナ-」だ。歌詞における美しい情景描写とベースのリフが印象的な楽曲でライヴをスタートさせる。2曲目の「怪光」では早くもクワタユウキ(Vo/Gt)が汗を散らしながら熱唱しているほどの、アグレッシヴな滑り出しだ。しかし安定したテンポや「オートマチック」の複雑なキメを4人でバッチリ揃える様子がとても頼もしい。このバンドのアッパー・チューンは、勢いと根性だけでは到底こなすことのできないものばかりなのだ。エッジの効いた王道ギター・ロックとしての一面を見せつつ、唄い出しにR&B的な匂いを感じさせる「幸せのハナシ」や、"止まない雨はないとか、明けない夜はない、という言葉があるけど、そういうありきたりな言葉に救われるときがあると思います。僕らなりの、そういう言葉です"と紹介していたミディアム・チューン「未だ黄昏が咆吼るなら」ではソウルフルな一面も見せてくれた。また、11月5日にリリースされる3rdミニ・アルバム『アカンサス』からは「BGK」が披露されたのだが、今までの楽曲に比べてサビでのメロディの飛翔感が格段に増した印象。これからライヴで演奏される回数が増すにつれて、この曲がどのように成長していくのか楽しみになった。
トリはカラーボトル。"カラーボトルと一緒に楽しんでいきましょう!"と竹森マサユキ(Vo)の元気のいい挨拶でスタート。バンドの様々な面を見せるために毎公演セットリストを変えていると言っていたが、ファンク風味のグルーヴがうねる「金星に願った」、カントリー調の「長靴」など、この日だけも様々な魅力を見せてくれた。オーディエンスは手拍子をしてそれに応えたり歌詞を口ずさんだりしていて多幸感に包まれる会場。地元、宮城への想いを込めた「地元賛歌」がラストを飾ると、アンコールでは「ボストンバッグ」でハンドクラップの花を一面に咲かせて大団円を迎えたのだった。
なお、ラックライフは東名阪ワンマン、reading noteは渋谷WWWでのワンマン・ライヴ、READ ALOUDは渋谷CLUB QUATTROでのワンマン・ライヴ、カラーボトルはワンマン・ライヴ・ツアーが決定している。この秋冬にかけてさらなる成長が期待できるこの4組の今後を楽しみにしたいと思う。
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加速をつけて一気に爆発していく「タイムトラベラー」で始まり、幅広いタイプの曲が揃った。晴れやかなメロディが冴える爽やかなギター・ロックから、繊細なサウンドを大らかなメロディが包み込むUKロック風もあれば、アイリッシュ・テイストが効いたオルタナ曲から、ライヴで盛り上がるダンサブルな曲にしっとりと聴かせる曲まで、今聴いてほしいREAD ALOUDを形にした。ツアーの移動のバンの中でも楽器やPCを広げて曲作りをし、今作のためのデモは20曲を超えたという。同じものを見ながら、同じ時間を過ごし、そしてライヴを積み重ねながらできた曲たちということもあって、色とりどりのサウンドでありながらも、開放的なバンドの空気が満ち溢れている。ここから大きくステップ・アップしていく作品だ。(吉羽 さおり)
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2010年に前身バンドが始動し、2012年夏にバンド名を一新。関東近郊を中心にライヴ活動を行い、昨年末の渋谷STAR LOUNGEでの初ワンマン・ライヴをソールド・アウトさせた4人組ロック・バンド、READ ALOUDの2ndミニ・アルバムがリリース。READ ALOUDとは“読み上げる”“朗読する”という意味を持つ言葉で、その名が示す通り彼らの楽曲は丁寧かつアグレッシヴに展開されてゆく。そしてこのバンドの大きな特徴は、切々とした心象を花鳥風月で彩るロマンティックな日本語詞と、1990年代のジャパニーズ・ロックや歌謡曲を彷彿させるメロディ。現代にアップデートされた直球かつ憂いのある甘美なサウンドと、感情がふんだんに込められたヴォーカルは、懐かしくも新鮮に響く。 (沖 さやこ)
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2016年10月には再び3人から4人体制に戻り、自主レーベルを立ち上げたreading noteだが、ミニ・アルバムは前作『19200』以来約2年4ヶ月ぶり。この間、おそらくバンドは苦しい経験もしてきたのだろう。しかし本作では、昨年末リリースのシングル『花』に引き続きレコーディング・エンジニアに池田 洋(never young beach、Yogee New Wavesらを担当)を招いたり、デジタル・サウンドを取り入れることに挑戦していたり、メジャー・コードの明るい響きをした曲が増えていたりと、逆境をチャンスと捉え、サウンド面の刷新を試みるバンドの前のめりな姿勢がよく表れている。"人間味"を文字どおりひとつの味(あじ)として捉えるユーモアの効いた歌詞の世界観も良いスパイスに。(蜂須賀 ちなみ)
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自分を変えてくれるのは、繰り返される日々に意味を見つけてくれるのはいつだって周りの人々や環境の変化であって欲しい。"五月病バンド"と称される大阪発の4人組バンド、reading noteはストレートなギター・ロックにそういった諦めや憤り、そこから生まれるため息まですべて音に込める。生々しい感情で綴られた歌詞はゆっくりと心を蝕んでいくようだ。はっぴぃえんどや高田渡などを輩出し、日本のフォーク・ロック創世記を作ったBellwood Recordsの新レーベル、ROCKBELL recordsよりリリースされるこの2ndミニ・アルバム。リアリティがあり自己を見つめる歌詞を中心としたロックを放つこのレーベルから、reading noteはあなたに赤裸々な心情を投げかける。(齋藤 日穂)
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カラーボトルのフル・アルバムとしては1年半ぶりとなる新作。昨年自主レーベルからリリースされたミニ・アルバム『情熱のうた』をリリース後、インディーズ時代からのメンバーでありリーダーでもあった穐元タイチ(Ba)が脱退。今作が制作されるまでの過程は決して平坦ではなかっただろう。しかしどうだ、アルバムの1曲目、イントロからのリフが印象的な「SHOW」から、このアルバムは今の彼らを体現した熱に満ちた楽曲で溢れている。 "光照らすステージの主人公はあなただ"――音楽は常にバンドで完結するものでは無い。聴いて、感じ取ってくれるリスナーと完成させるものだ、という一貫した彼らの思いがこの言葉に詰まっている。自身のバンド名を題した今作。彼らの思いを、音を、ぜひ受け止めていただきたい。(伊藤 啓太)
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正直、カラーボトルがこんなにロックバンドだなんて意識したことがなかった。バラードの楽曲が秀逸、そんな印象を持っていたバンドだった。だが、このミニ・アルバムからあふれ出すアツい叫びはロック以外のなんと呼ぼうか。自分の心の声に正直に、リスナーにまっすぐにぶつかっている。かっこ悪い自分を認めたからこそ、がむしゃらに壁に立ち向かい、それがカッコいいと自らの姿を持ってして伝えてくれる。音楽を始めた頃のワクワクした気持ち、それを今、また改めて手にしたカラーボトルに怖いものなんかない。良く作られた音ではなく、この曲たちのように人の魂を揺さぶる音こそがいつの時代も世界を変えるのだろう。全身全霊を音に込めるその姿勢、まぎれもなくロック!!(花塚 寿美礼)
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2020年3月で結成12周年を迎えたラックライフによる通算9枚目のシングル。カンロ"ボイスケアのど飴"キャンペーン・ソングである表題曲は、彼らの真骨頂とも言えるストレートで熱い言葉を紡いだ応援歌だ。思わず拳を上げて歌いたくなるような冒頭のシンガロング、青春の匂いが漂うドラマチックなギター・リフ、どこか懐かしさも感じられるメロディにガシッと心を掴まれる。"何度も立ち上がれ"と夢を追う人の背中を押す歌詞は、紆余曲折の道のりを歩んできた彼ら自身の思いも描かれているのではないかと思う。だからこそ説得力があり、胸に直接刺さるのだろう。カップリングの「image」、「あんたが大将」も聴き手を肯定してくれるナンバー。どんなときでも味方でいてくれるような心強い1枚だ。(三木 あゆみ)
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