Japanese
2016年09月号掲載
-
年齢を重ねるごとに、純粋に夢を追うことは難しくなる。バンドなんてその代表格と言っていい。諦めさせようとする環境に勝てず辞めていく仲間もいる中で、自分はこのままでいいのだろうか? 今作の1曲目を飾る「クライマー」には、葛藤と戦いながら、それでも"次こそは"と高みを目指す、asayake no atoの本音が綴られている。息継ぎする間もなく重ねられていく言葉、気持ちに拍車をかける疾走感と横溢する眩しい音の粒――きっと、同じように夢を胸に抱いたままもがくすべての人の心を奮い立たせるはずだ。そんなメッセージ性もさることながら、このバンドの素晴らしいところは、歌詞の内容を抜きにしても情感溢れる歌、ポスト・ロック/エモの影響をいい塩梅の押し引きで散りばめながら描く美しいサウンドスケープ。そのアンサンブルの妙に感動する。 (松井 恵梨菜)
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号