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【Skream!×MUSE音楽院特別企画】 空想委員会特別講義

2014年10月号掲載

【Skream!×MUSE音楽院特別企画】 空想委員会特別講義

-そのようなアマチュア時代を過ごされた空想委員会のみなさまですが、次はインディーズに突入します。2011年12月に『恋愛下手の作り方』でインディーズ・デビューを果たします。タワレコメンを獲得し、年間チャート1位にも輝きました。それ以降は顧問でもあるテディさん主宰の"ONE EIGHT RECORDS"にて音源をリリース。どこの会社にも所属せずDIYで活動をし、インディーズ時代に恵比寿LIQUIDROOMでのワンマン・ライヴを開催し800人を動員。その後は大型野外ロックフェスにも多数、出演を果たしてきました。その時代のことを教えていただけますか?

テディ:1番長かった時代だよね。2年半とか。インディーズとは名ばかりでほとんど自分たちでやってたよね。だから、あまりアマチュア時代と変わらないというか。 岡田:ただ、インディーズってものになれたのは、さっき言った転換中にやってたバンド・プロモーションをレコード会社の人がたまたま見てくれてて、声をかけてもらったんです。それがあったから、一応インディーズに入れたっていうのはありますね。

テディ:そうそう。あとから教えてもらった話では、本当は他のバンドを観に来てたっていう(笑)。それで、あの転換中の映像をみて、面白いバンドだなって観たのが、かっこよかったって。

佐々木:最初、"妄想委員会"って言われたんですけど、空想委員会ですって。

岡田:気になったくせにさ、名前間違えて覚えてて。

テディ:そのおっちょこちょいの人は"購買部"にいますね。わかる人にはわかると思います。そして、まさかタワレコメンに選んでもらえるとはね。

佐々木:僕最初タワレコメンって知らなかったんですよ。

岡田:俺も。

佐々木:すごいんだよ、とは言われてたんですけど、その感覚がわからなかったんですけど、調べてみたらとてもすごいことだったっていう。そのCDは僕らのデビュー作だったので、寝ずにひたすら作ったんですけど。デビューして何が変わるのかとかもまったくわかんなかったけど、タワレコメンを取れたのは嬉しかったですね。全国で展開してもらって、聴いてもらえたじゃん。よかったよね。

テディ:CDを出すときって、イニシャル・オーダーというものがくるわけですよ。どのくらいお店がCDを入荷してくれるかを考えて出すわけなんですけど、空想委員会はアマチュアでの実績も少なかったので、そんなに入荷もしてもらえないと思ってて苦しいリリースになるかなとは思っていたんですけど、自主盤をAmazonやdiskunionで買ってくれてた人が全国各地に広がっていたおかげで、アルバムを出すよってなったときに、ありがたいことに全国で予約をしてくれる人がいたんですよ。普段は、東京でしかライヴをやってないから、東京でしか買いたいって言ってくれる人がいないはずなんですけど。そういうこともあり、CDショップの人たちも名前聞いたことないけど問い合わせが多いっていうので、こういう結果に繋がったのかなと。ただ、タワレコメンを取れたのは純粋に音をちゃんと聴いてくださったんだとは思うんですけど。彼らがやっていた地道な努力が実を結んだんだと思います。

三浦:そんなことも、あったね!

佐々木:あった!

三浦:CDが出るときに、タワレコに挨拶に行くと"名前は知ってたんですけど、どんなバンドか知らない"っていう人ばっかりで。"空想委員会です"って言うと"ああー!"みたいな。"謎のバンドの!"って(笑)。あと、ライヴハウス・シーンにいなかったので、そういうところでも驚かれてましたね、CDショップでは。

テディ:今だったら、O-Crestとか、eggmanとかでいろんなバンドさん出てきてますけど、そういうところにいなかったもんね。ツアーに行ったことがあるわけでもなく。まあ、そもそも空想委員会の発想としては、ファンもいないのに、ツアーやっちゃだめだろうって。そんなおこがましいようなっていう考えの人たちだったので。まあ、アマチュア時代から実験的なことをやってましたし、自分たちのやりたいことも明確にあったので、レーベルを立ち上げてリリースということになったんですけど、まあ、大変だったこと......レコーディングはみんな大変そうだったよね。

佐々木:レコーディングは本当に大変でしたよ。エンジニアさんがすごく厳しいかたで、僕が今でも覚えてるのは音作りをして"こんな感じでいいですかねー?"っていったら"(苦笑で)だめだろ、そんなんじゃ録れねーよ"って。結構怒られるっていうのはあったね。

三浦:佐々木はマーシャルのアンプを使ってるんですけど、"マーシャルの意味ないけど大丈夫?"とか言われたり(笑)。

テディ:結構言われたね。

佐々木:まあ、それがあったから音に関しては勉強できたんですけど。レコーディングって自分たちの音楽やるから結構楽しくてわくわくするはずなんですけど、最初は全然楽しめなかったですね。"あ~レコーディングかあ"って。恐怖でしかなかった(笑)。

三浦:最近まで僕はそうでした。"レコーディングなんかやりたくねーな"って。最近やっと考えた通りにできるようになったけど、それまではわかんないし、でもやんなきゃいけないし。でも怒られるしって。怒られに行く3日間ってなんなんですかねって。でも、それがあったから。

岡田:だいぶ鍛えてもらったというか。

佐々木:逆にそれがなかったらね、どうなってたんだろうね。ぐっちゃぐっちゃの音源になっていたかもしれない。

テディ:窓口は僕でしたけど、ほぼみんなでやってたよね。だから、CDの特典とかも岡田君がイラスト描いたりとか。

岡田:デザインはできないんですけど、考えてくれる人と一緒にデータの入稿チェックしたりとかね。もともと印刷会社で働いていたので、そういうとこはちょっと強かったですね。まさか、そこが生きるとは。

テディ:なかなかいないよね、バンドマンでフライヤーの紙質こだわる人(笑)。

佐々木:(岡田を指差しながら)めっちゃ詳しいんですよ(笑)!この人!

会場:(笑)

佐々木:しかも文句いうときとかもあって(笑)。

岡田:そうだよね。これは210×249......。

佐々木:いい!いい!そういうのいいから(笑)!でもそういうの全部覚えてるからね。さすが正社員(笑)!

岡田:自分の持った力が役に立ってよかったです。

テディ:CDできたらダンボールを流通会社に納品しに行くんですけど、これも自分たちで車を借りて持ってったりしてましたね。

佐々木:そうですね。TOWER RECORDSさんの倉庫にCDを何百枚と納品しに行きましたね。そこですごい面白かったのが、メンバーで行ったので、"ヴォーカルの三浦です""ギターの佐々木です"みたいな感じで自己紹介したら"あ、メンバーさんっすか!?"って(笑)。

三浦:しかも僕たちこういう感じ(スーツにネクタイ姿)でしょ?完全スタッフ側なんだ(笑)。

佐々木:しかもそのとき軍手してたしね(笑)。でも、そのときは"託します"っていう気持ちがあったよね。

三浦:我が子をね。