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消えてしまうものに、あるいは触れられないものに手を伸ばそうとする人の姿は、いつだって美しいものだ。ACIDMAN、4月の『EVERLIGHT』に続く今年2作目のシングルである本作。タイトル・トラック「Stay in my head」は力強くアグレッシヴなロック・チューンで、疾走感溢れるバンド・サウンドの上で大木は振り絞るように歌い叫ぶ。"いつかは誰もが 消えるだろう/数えきれぬ星も 全て/もう少しもう少しだけで/触れられる様な気がして"――どれほどのキャリアを積もうと、消えてしまうであろう煌きに手を伸ばし続けるACIDMANの姿は、かくも美しい。おなじみ"second line"は、しっとりしたジャズ・アレンジの「スロウレイン」に、静謐なエレクトロ調の「HUM」。バンドの音楽的成熟を感じさせる。
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暖かい季節になった。朝、起き抜けにベッドから飛び出し、窓を開け放ってみる。すると、陽の光が降り注ぐ。このちっぽけな地球の、ちっぽけな日本の、ちっぽけな街に住む、ちっぽけな僕にも、陽の光が降り注ぐ。この「EVERLIGHT」という曲には、どうしようもない孤独と痛みを抱える人間が、それでも太陽から降り注ぐ光を浴びて、自らのふてぶてしいほどの生命力を感じずにはいられなくなるような、そんな瑞々しい力強さが宿っている。壮大なサウンドスケープに乗せて、私たちがどれほどの哀しみと共にあろうと、心臓は鼓動し、光に向かって足は自ずと動き始めてしまうのだと、人間の"生"という性(サガ)を目一杯の確信で描いている。もはやキャリア15年。しかし、その眼差しは変わらずロマンティックな煌きに満ちている。
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結成15周年&デビュー10周年を迎えたACIDMAN。アニバーサリー・イヤーを締めくくるシングルはACIDMANらしい力強いロック・ナンバーだ。未来への希望をただ歌っているわけはない。熱く伝わってくるのは確固たる意志と信念だ。大木(Vo/Gt)が"世界は生まれ変わる"と叫ぶ。自然と生まれ変わるのではなく、世界が、そしてそこにいる"僕たち"が前を向き生きていこうとする自分たちの力で生まれ変わるのだ。Track.2とTrack.3は過去の作品をリアレンジするセルフ・カバー・シリーズ「second line」の新作。これは「second line」の楽曲でライヴも行われるほどの人気シリーズで、原曲が好きなファンは勿論のこと、知らないリスナーも十分堪能できる完成度の高いリアレンジとなっている。
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SHE'Sが1年7ヶ月ぶり、6枚目のフル・アルバム『Shepherd』をリリース。本アルバムには、バンドにとって初のアニメーション映画への書き下ろしとなった楽曲「Blue Thermal」をはじめ、TBS系"王様のブランチ"テーマ・ソング(2022年4~9月)「Grow Old With Me」、軽快なカントリー調に仕上げたリード曲「Boat on a Lake」、打ち込みと生音が絡み合うアグレッシヴなピアノ・ロック「Raided」など、全11曲が収録される。また本作に収められた新曲は、全楽曲のソングライティングを担う井上竜馬(Vo/Key)がパウロ・コエーリョによる小説"アルケミスト 夢を旅した少年"から着想を得て制作されたようで、コンセプト・アルバムの趣もある意欲作になっている。
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'22年2月の日本武道館公演の模様を収めた、SHE'S初のライヴ映像作品。SHE'S 10年の軌跡と言うべき音楽的に豊かな楽曲群を表現する心のこもったバンドの演奏、そしてメンバーに"声を出してないはずやのに一緒に歌っているような感覚です。聞こえてくる。そんな感じがする"と言わしめた観客がともに作り上げたあの日の温かな空気が、純度高くパッケージングされている。メンバーが終始いい表情をしているのがたまらない。弦楽カルテット+ホーン隊含む11名編成で届けた22曲をMC含めノーカットで収録。結成10周年の集大成と呼ぶに相応しいライヴの模様をしっかりと記録したファン必携のアイテムだ。完全数量限定盤にはドキュメンタリー映像や全31曲のMVも収録。
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"ブルーサーマル"とは上昇気流の意味。航空部をテーマにしたアニメ映画"ブルーサーマル"の主題歌&挿入歌を収録した、2022年第1弾シングルだ。主題歌「Blue Thermal」は、まさに青く澄み切る大空が似合うブラス・バンドに乗せて、痛みを抱えながらも夢に向かう熱い想いが綴られる。"パーフェクトブルー"、"雲"、"気流"などアニメの世界観に寄り添ったワードを散りばめながら、そこにはバンド自身の在り方もくっきりと重なる。一方、挿入歌「Beautiful Bird」はホーリーなハーモニーで紡ぐ静謐なバラード。"君"の存在が"僕"を未来へと導くという歌詞は、これまでSHE'Sが多くの楽曲で歌ってきたテーマにも通じる。初の武道館ワンマンを経たSHE'Sの11周年の幕開けとなる1枚。
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4thアルバム『Tragicomedy』に引き続き、傑作アルバムの到着だ。バンドの10年が詰まった「追い風」を発端に彩り豊かに展開する構成は、未来への広がりを感じさせるもの。ジャンルレスでいたいという考えを持つバンドだけに幅広いアプローチには納得だが、加えて、どんな人も完璧じゃない、しかしそれこそが個性だと謳う「Imperfect」でゴスペルを取り入れるなど、音と言葉がさらに密接な関係を結ぶようになった。ひとりでいる人に語り掛けるようなピアノの独奏から始まり、誰しもが抱える欠落を肯定する今作のタイトルは、"Amulet"=お守り。海外インディー・ポップ・シーンと共鳴する軽やかな音像、真摯な目線から綴られた言葉は、日々の灯となってくれる。
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"生きていく者だけに吹く 追い風"。そんな力強いフレーズが、痛みを背負いながらも懸命に生きる私たちの背中を押すSHE'Sのニュー・シングル。寂寥感を孕んだエレクトロな音の粒が、やがて華やかに開放されていく美しいサウンド・アプローチは、今年結成10周年を迎えるバンドがこれまで積み重ねてきたものが凝縮された1曲になった。ドラマ"青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-"の主題歌の書き下ろしだが、"いかに生きるか"を主軸にしたテーマはバンドとの親和性も高い。カップリングの新機軸となった味わい深いバラード「Mirai」、ステイホーム期間にファンと共に完成させたカントリー・ソング「In Your Room」も含めて、先の見えない未来に優しく光を照らすような3曲。
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ソングライターの井上竜馬(Key/Gt/Vo)が"心"そのものと向き合うなかで生まれた楽曲を収録し、"悲喜劇"の意味を持つタイトルを冠した4thアルバム。井上が直感的に制作したという楽曲たちは、これまでバンドが続けてきたジャンルレスなサウンド・アプローチにおける挑戦がさらに磨き上げた精鋭揃いだ。バンドの生演奏にプログラミングとストリングスを巧みに取り入れた楽曲や、ブラック・ミュージックの匂いをブレンドさせた楽曲などの2020年代的ミクスチャー・サウンド、トラックメーカー的アプローチなど自由でユーモアに富んだ音楽たちは、4人の感情や人間性と深く密接な関係にある。キャリアを重ねたことで得た成熟と純粋さを兼ね揃えた作品。来年の10周年を目前に、バンドの未来を切り開く気概に溢れている。
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3ヶ月連続リリースのデジタル・シングル3曲を含む全4曲収録のシングル。ヴァイオリン、ギター、リズムで作り出すラテン感のあるサウンドが特徴的な挑戦性の高い「Masquerade」、SHE'Sの真骨頂とも言うべきピアノ・ロックの中でもぬくもりと優しさに満ちた「Letter」、力強さと気品を持ち合わせたスケール感のあるエモーショナル・ナンバー「Your Song」と、SHE'Sがこれまで追求してきた大きな3つの特色を明確に示した楽曲が揃っている。3曲共通して生き方や人との向き合い方にフォーカスしたメッセージ性の強い言葉が並んだことで、より歌の力も増した。バンドの核心を感じられる組曲的作品に仕上がっている。
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2枚のシングルを経て完成させた"Now(=今)"と"Then(=あの時)"がテーマの3rdフル・アルバム。本作では、これまで彼らがチャレンジしてきたバラエティ豊かなピアノ・ロックに加え、「歓びの陽」とは異なる解釈でプログラミングやエレクトロ・テイストを取り入れた楽曲、アコギのリフを効果的に生かしたソウル・ナンバー、アルバム・アレンジが施された「月は美しく」など、様々なジャンルが持つポップネスを十二分に生かしている。インディーズ時代からスケールの大きな音作りを続け、メジャー・デビュー以降は様々な音楽性を積極的に取り入れながら、自分たちの音楽の可能性を広げ続けてきたSHE'Sの、ひとつの金字塔的作品と言っていい。より高みを目指す4人の健やかな音色を体感できる。
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約3ヶ月ぶりにリリースされるシングルは、挑戦的な楽曲が多かった前作と打って変わり、バンドの原点をパワーアップさせた3曲が揃った。表題曲はバンドの特色のひとつであるピアノとストリングスが描く華やかさと、バンドの力強さを掛け合わせた、ピアノ・ロックの進化版。サビのメッセージや湧き上がる想いを丁寧にサウンドにも落とし込んでいる。c/wの「Come Back」はソングライター、井上竜馬(Key/Gt/Vo)の憧れの存在であるELLEGARDENへのリスペクトを込めた楽曲で、「月は美しく」はジャズ・テイストのアプローチが新しい。3曲に共通しているのは堂々としつつもどこか肩の力が抜けたような軽やかさがあること。聴いたあとに残る幸福感もまた、「The Everglow」が歌う"永遠の輝き"なのかもしれない。
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昨年、フル・アルバム2枚とミニ・アルバム1枚という脅威のペースでリリースを続けてきたSHE'Sが、約2年ぶりとなるシングルを完成。agehaspringsの百田留衣がプロデュースしたTrack.1は、打ち込みのトラックを大胆に取り入れ、"哀しみも傷跡もそのままでいい、無駄じゃない"と過去を肯定したうえで寄り添ってくれる、大きな温もりが感じられる1曲だ。Track.2はTVアニメ"アンゴルモア元寇合戦記"のEDテーマ。闘志を奮い立たせるような力強いビートとドラマチックなストリングスから幕を開け、サビでパッと開けるような明るいコード感が気持ちいい。Track.3は井上竜馬の歌唱とピアノ、そしてコーラスのみというシンプルな構成。優しくしなやかでのびのびとした歌声が、心地いい余韻を残してくれる。
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今年2作目となるメジャー2ndフル・アルバムは、初の外部プロデューサーとして片寄明人(GREAT3/Vo/Gt)を、ゲスト・ミュージシャンとしてストリングス隊とホーン隊を招くだけでなく、マスタリングはBob DylanやBon Iverなどを手掛け、グラミー賞ノミネート経験もあるエンジニア Greg Calbiが担当という、ロック且つスタイリッシュな音像を作るには完璧と言っていいほどの布陣で制作された。もともと大きなスケールを持つ楽曲を作ることに長けているバンドだが、今回は勢いで突き抜けると言うよりはどっしりと構えたうえでパワーを発揮するサウンドスケープが際立つ。歌詞世界も過去2作と比較しても格段に視野が広がった。特に最後を飾る「Home」は、追い風が吹く彼らに最適な華やかさだ。
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1stフル・アルバム『プルーストと花束』から5ヶ月という驚異のスピードでリリースされる7曲入りミニ・アルバム。初夏を意識して作ったという楽曲はどれも軽快なニュアンスが強く、太陽の光が似合うものが多い。エモーショナルな音像に横ノリのリズムを入れた楽曲や、軽やかなミディアム・ナンバーなどからもバンドも新しい季節を迎えていることがわかる。歌詞もTrack.2を筆頭に強い決意に加え大いなる自信が刻まれ、もっと前に進んでいくという意志がこれまで以上に強く表れたものになった。今回は珍しくコンセプトありきでの制作ではなかったらしいが、だからこそワンマン・ツアーで確かな手応えを感じ、上京し環境が変化したというリアルタイムのSHE'Sが太い軸になったアルバムを作ることができたのだろう。
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バンド史上初のフル・アルバム。タイトルにある"プルースト"とは"プルースト効果"のことで、とあるきっかけで無意識下の記憶が蘇ることを言う。コンセプチュアルな制作を得意とするソングライター/フロントマンの井上竜馬(Key/Gt/Vo)だが、今作はメロディの断片や歌詞の中の一言に導かれながら、記憶の中に眠っていた光景を蘇らせてひとつの曲にする、という試みの制作だったそうだ。シンセ、ホーンなどを入れた楽曲も見られ、ポップ・パンク×ピアノ・ロックという音楽性はさらに拡張。もちろん元来の音楽性を追求した楽曲もあり、Track.8はポジティヴなメッセージを堂々とまっすぐ届け、Track.10は美しく雄大な音像が眩しい。すべての曲にもっと大きく羽ばたこうとする意志を感じさせる。
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6月にメジャー・デビューした大阪の4人組ピアノ・ロック・バンドが早くも2ndシングルをリリース。Track.1は"どれだけつらい過去も悲しい現実も、生きていないとそれを癒す歓びは待っていない。小さくなってしまったロウソクの灯りをどうか今夜も灯したままでいてほしい"という願いが宿る、静かでありながら確かな強さやポジティヴィティを感じさせるミディアム・ナンバー。煌びやかなピアノも夜空を彷彿とさせる。Track.2は初の書き下ろしドラマ主題歌。メジャー・デビューをしてさらなる高みを果敢に目指すバンドの姿が重なる、まさしくピアノ・ロック・バンドを体現する楽曲だ。ハードな側面を見せるTrack.3もピアノだけでなくオルガンを用いるなど、音色豊かで力強い。
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メンバー全員1992年生まれの次世代ピアノ・ロック・バンド、SHE'Sのメジャー・デビュー・シングル。コンセプトは"過去、現在、未来"で、実体験をもとに綴られている。彼らのピアノ・ロックはポップ・パンクの音像とキャッチーなメロディと、クラシック・ピアノの融合。Track.1はそこに優雅なストリングスが入り、雄大な日の出のイメージを豊かに描いている。詞世界に重きを置いた音作りゆえに、すべての曲に情景が浮かび、ドラマ性も高い。海外のボーイズ・グループを彷彿とさせるTrack.2は都会的なポップスで、未来へ向かって飛び込んでいくという気持ちを歌ったTrack.3はライヴ映えすること間違いなしのパンク・ナンバー。これまでのリスナーも新しいリスナーも虜にする新章のプロローグだ。
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井上竜馬(Key/Vo)をセンターに据えた大阪出身のピアノ・ロック・バンド、SHE'Sの3rdミニ・アルバム。エッジの効いたロック・サウンドとピアノの繊細且つ煌びやかな音色、そしてそれぞれの高い演奏力と表現力が相まって、壮大なファンタジーの幕開けのようなワクワク感を与えてくれる今作。Track.1の重厚なストリングスとメロディのキャッチ―さや、Track.3の増幅していくバンドのグルーヴ感、Track.6の突き抜けるサビの痛快さなど、サウンド面だけでも伝えたいことは山ほどあるが、何といってもTrack.7に込められた強い想いを感じで欲しい。彼らがここまで辿り着いた理由、そして彼らがこれからも奏でる理由。ひと言ひと言を大切に歌う井上の真っ直ぐな思いは、届かないわけがない。間違いなく次世代のシーンを担う彼らの渾身の1枚は、一聴の価値あり。
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デビュー10周年、結成15周年というアニバーサリー・イヤーを締めくくるのは、新たな幕開けへの祝砲ともなるニュー・アルバム。全12曲、どの曲がシングルになってもいい、最高に踊れて笑顔になって、甘酸っぱくて、エキサイティングな、喜怒哀楽を総動員するロックンロールが次々と放たれる。彼らがルーツ・ミュージックから啓示のごとく受け取ったロックンロールの持つプリミティヴな力を継承する核は変わらず。その使命感をより強固に、ソウルフルで華のあるプレイで聴かせる。中でも、ポピュラー・ミュージックの歴史をモダンにマッシュアップしたような「THE BEAT」は面白く、またキャリアを積んだ今だからこそ歌えるバラード「STARS」も洗練された深みがある。この1枚でどんな旅もできそうなアルバムだ。
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CDデビュー5周年を迎え、1月に5thアルバムをリリースしたばかりのOKAMOTO'Sによる"5.5th"アルバムは5組のアーティストとのコラボレーション作品。RIP SLYMEとはAEROSMITH & RUN-D.M.Cばりのオールド・スクールな王道ヒップホップとハード・ロック・サウンドの融合を聴かせ、スカパラとは大編成イケイケ音楽部隊と化し、Wilson PickettばりにシャウトするROYとはクロさ全開で渡り合う。タイトルと曲調から"民生愛"がビンビン感じられる「答えはMaybe」と、いずれもOKAMOTO'Sならではの、この企画を実現できる実力と各アーティストへの敬意を感じさせる内容。中でもラストの黒猫チェルシーとのデュエット「Family Song」が出色で、2組の友情を感じさせる感動的な楽曲となっている。
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小さい頃から音楽が大好きで、英国や米国のリズム&ブルースやロックンロールを聴き続けてきたのだろう。彼らの楽曲を聴いたらそう思わない人はいないのではないか。それ程トラディショナルなロックンロールを追求し続け、今作もそこからは一瞬たりともぶれてはいない。シンプルでパワフルなサウンド、渋いヴォーカル、全部英語の歌詞。しかし、ただの模倣とは違うのである。古き良き音楽を昇華することにより純度を高め、現代に再構築したのが彼らだ。そして、ファンキー・ビートなTrack.2には驚かされる。ROYの歌声が日本人離れした稀有なものであることを改めて感じずにはいられない。また、Etta Jamesへの愛と尊敬の念に溢れた「TOUGH LOVER」は彼女を知らない人でも楽しめる1曲に仕上がっている。
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異色コラボ? いやいや寧ろ合いすぎちゃってどうしましょう! THE BAWDIESのトレード・マークとも言えるスーツを脱いで臨んだ、ソウル・シンガーAIとのコラボ曲「LOVE YOU NEED YOU」はハンズ・クラップやメロディアスなギター・リフなどがモダンな空気を醸し出す伝統的なロックンロール。ROYとAIのパワフルなツイン・ヴォーカルは息ピッタリ。5人がのびのびと楽しんで音を出しているのが伝わってくるので、聴いてるこっちもウキウキでスキップでもしたくなってくる。Ray Charlesの名曲「HIT THE ROAD JACK」のカヴァーも秀逸。THE BAWDIESの持つエンタテインメント性、AIのシンガーとしての力量をこれでもかと見せ付ける、エネルギッシュなシングルだ。
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THE BAWDIESの勢いは留まることを知らない。現在バンドは怒涛のツアー中、にもかかわらずまさかのニューシングルのリリース。さらにHOT、HOTと言って来たバンドがまさかの"JUST BE COOL"というタイトル。いったいどうなっているんだ!?と思いながら音源を聴いてみると、なるほど納得。ソウル・ミュージックのループ感をTHE BAWDIES流に解釈した素晴らしい楽曲に仕上がっていた。Track.2には7月5日下北沢SHELTERで行われた「THERE'S NO TURNING BACK」TOUR FINALのプレミア音源を収録。これがまたベスト盤か!?というようなTHE BAWDIESの代表曲が収録されている。どちらにせよ、内容、ヴォリュームともに申し分のない一枚。
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前作『THIS IS MY STORY』でTHE BAWDIESがただのルーツ・バンドなどではないと提示した後で、彼らがどう進むのかと思っていたが、ここまで幅広い音楽性をパッケージしたアルバムになるとは思っていなかった。痛快なシングル「HOT DOG」のようなロックンロールから、「I WANT YOU TO THANK YOU」といった驚くほどのポップ・ソングまで、これまでのTHE BAWDIESとは違う振れ幅を披露している。しかし、インタビューでも語ってくれたように、そこには変な力みなどなく、あくまで自然体で楽しんだ結果生まれたフレッシュな感覚が詰まっている。ROY のシャウトも凄まじく、これまでのTHE BAWDIESのロックンロールというイメージをさらに強固に塗り替える一枚。
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『THIS IS MY STORY』で、それまでのルーツ・ミュージックからさらに前進したTHE BAWDIES 独自のサウンドを鳴らした彼等が、メジャー・ファーストシングルとなる『IT'S TOO LATE』をリリースする。音の質感は『THIS IS MY STORY』と同じくモダンなもの。その音は、うねりをあげるギター・フレーズが印象的な痛快なロックンロール。まさに、インタビューでも語られる通り、ルーツ・ミュージックの枠組みでは説明することのできない、独自のスタイルを獲得したことをはっきりと示す楽曲だ。カップリングは、今年のツアー・ファイナルの模様を収録したライヴ・ヴァージョン。そのエネルギッシュなライヴを疑似体験できる内容となっている。
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50~60'sのロックンロールへの憧れだけでは到底太刀打ちできない、「本物」のグルーヴに満ちたTHE BAWDIESの登場は、黒船来航さながらだった。当時のレコードから飛び出してきたかのような、ソウルフルなヴォーカルや跳ね回るリズムは、海外からスタイルだけを拝借するような日本のバンドが持つ、ある種のカッコ悪さを炙り出した。
真の意味での1stアルバムだ、とメンバーが口を揃えて語る本作は、ルーツ・ミュージックの飽くなき探求を進めてきたTHE BAWDIESが、いよいよ本格的にオリジナリティーを開拓した傑作である。モータウン的だったりモダンR&B的だったり、多様さを増した楽曲の中に見え隠れするのは、THE BAWDIESならではのポップ感覚。懐古主義なんて言葉から遠く離れた未来のポップ・シーンに、この音は鳴っている。
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2023年を彩ったヒット曲「青のすみか」で"NHK紅白歌合戦"への出場も果たしたキタニタツヤ。タイアップ曲満載の前作『BIPOLAR』から強めた大衆へのアプローチが見事に結実した今、約1年半ぶりとなる待望のアルバムをリリースした。絶望に寄り添いながらも生きていてほしいと願いリスナーと固い約束を交わす「私が明日死ぬなら」を筆頭に、死を意識することで生への希望を見いだしていくような楽曲たちは、注目を集める今だからこそこれまで以上の訴求力をもってより多くの人々を救うことだろう。また「Moonthief」といった挑戦的な楽曲からは、まだまだ進化を止めない彼の計り知れない可能性が感じられる。そしてヒリつくエンディング・ナンバー「大人になっても」では本音を曝け出し、終幕を飾る強烈な捨て台詞がぶっ刺さる。
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SSWとしてはもちろん、他アーティストのサポートや楽曲制作/提供などマルチに活躍するキタニタツヤが、EP『青のすみか』をリリース。TVアニメ"『呪術廻戦』「懐玉・玉折」"のOP主題歌として書き下ろされた表題曲は、物語でフォーカスされる五条と夏油の姿が頭に浮かぶ。戻れない過去を彷彿とさせる歌詞や学校のチャイムの旋律を用いたスキャットなどで彩られる儚い青春ナンバーとなっており、"呪術廻戦"ファンのみならず青春時代を通ってきた人たちも唸らせるに違いない。Mizoreと共同編曲した「素敵なしゅうまつを!」、コラボEP『LOVE: AMPLIFIED』より「ラブソング feat. Eve」のセルフ・カバーも収録。キタニの真骨頂と言えるオルタナティヴ・ロック・サウンドにも注目してほしい。
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新EP『スカー』は、とにかくコンセプチュアルな作品だ。"週刊少年ジャンプ"で15年間連載された人気漫画"BLEACH"の生誕20周年を記念して開催された原画展"BLEACH EX."のテーマ・ソングとして書き下ろした「Rapport」、展示イメージ・ソングの「タナトフォビア」。"BLEACH 千年血戦篇"OPテーマのために作った「スカー」、同時期に作った「永遠」。どれもが"BLEACH"の世界観を巧みに表現し、そこにキタニ自身の人間愛、死生観、哲学も見事に反映している。さらにインスト曲「Insel」では「Rapport」の特徴的なリフが盛り込まれており、楽曲への解釈をより深めてくれる。類稀なソングライティング力、作品全体のプロデュース力が遺憾なく発揮された1枚。
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タイトルの"BIPOLAR"は双極性を意味する。"消えてしまいたいと願う朝が/生きていてよかったと咽ぶ夜に塗り潰され"と歌う、オープニングの壮大なロック・バラード「振り子の上で」が象徴するように、今作は、日々の生活の中で激しく浮き沈みする人間の心の変化や、美しさと醜さ、希望と絶望という世界の二面性を対称的な曲構成で浮き彫りにする1枚だ。キタニタツヤの真骨頂となるファンキーなロック・ナンバー「PINK」や、初めてニュー・ウェイヴのアプローチを取り入れた「夜警」など、アルバムの新録曲にエッジを残しつつ、より歌を大切にした大衆的なポップ・ミュージックとして突き詰めたところに、キタニの覚悟を感じた。ドラマ主題歌に書き下ろした「プラネテス」は普遍性の高い名曲。
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7月にリリースされたn-buna(ヨルシカ/Gt/Composer)とアユニ・D(BiSH/PEDRO)を迎えたコラボ曲「初恋」に続き、フィーチャリング第2弾として、神サイがキタニタツヤとタッグを組んだ配信シングル。ファンキー且つポップなサウンドに乗せて、恋愛における醜くも美しい感情を生々しく描いた今作は、まさに2組の"らしさ"が溶け合ったコラボレーションになった。優しく包容力のある柳田周作とまろやかで鋭いキタニタツヤという、声質の異なるふたりのヴォーカリストの味が際立つほか、全プレイヤーが主役になるアレンジの展開も痛快。神サイに新たなグルーヴをもたらした今作の経験を血肉にしてゆくことで、このフィーチャリングはバンドにとってより意義深いものになっていくはず。
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"ノイタミナ"枠のTVアニメ"平穏世代の韋駄天達"のOPテーマとして、キタニタツヤが初めてタイアップに書き下ろしたニュー・シングル。無感情に列をなす不穏なパレードを想像させるダークなサウンドにのせて、無慈悲に生かされる人間の弱さと、それでも"幸福の種"に縋りたい儚さを鋭い言葉で歌い上げる。デビューから一貫して、厭世的に世界を捉え、そこでいかに生きるかを歌い続けてきたキタニのクリエイティヴが、アニメ・タイアップという機会を得て強い訴求力を伴って結実した。カップリングには、今年配信リリースされ、ALIがアレンジを手掛けた「Ghost!?」をキタニ自身がリアレンジした、"Bad Mood Junkie ver."などを収録。全3曲でキタニタツヤという才能を多面的に伝える1枚。
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先行公開曲「ハイドアンドシーク」を含む3枚目のアルバム。前作『Seven Girls' H(e)avens』で獲得したシンセ・ポップのアプローチを、自身の原点であるオルタナティヴ・ロックと融合させることで、新たなキタニサウンドを確立した。全曲のマスタリングに世界的エンジニア、John Greenhamを起用して完成させた統一感のある音質はコンセプチュアルな作風との相性もいい。タイトルに掲げる"デマゴーグ"とは、扇動者の意味。新型コロナの流行という先の見えない混沌の中で、祈るように光へと導いていく作品になった。相互監視社会や悪意といった人間の嫌な部分を掘り下げながら、それでも愚かで孤独な人間そのものを愛せずにはいられない、そんなキタニタツヤの思想に救われる。
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ネット発のソロ・アーティストとして、高いクリエイティヴ・センスを印象づけた前作フル・アルバムから、1年ぶりにリリースされるキタニタツヤの1stミニ・アルバム。前作『I DO (NOT) LOVE YOU.』は、プログラミングからギター、ベースまでひとりで完成させたが、今回は、一部の楽曲でサポート・ミュージシャンを迎えた他、作風もオルタナティヴなロック・サウンドから一転して、メロウなポップ・ナンバーを多数収録した。歌詞のテーマは、"逃げ場所"。身体を差し出すことで孤独を満たす女性を描いた「Sad Girl」を始め、アルコールに逃げる「Stoned Child」や、銃を乱射することで恍惚を得る「トリガーハッピー」など、どこかに逃げることで心の安寧を得る人間の姿を描く。
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「芥の部屋は錆色に沈む」など、自己嫌悪を滲ませた楽曲がネット・シーンで注目を集めるシンガー・ソングライター、キタニタツヤの1stフル・アルバム。左右のスピーカーに音を振る不穏なイントロに始まり、承認欲求に取り憑かれた人間の愚かさを辛辣な言葉で描いた「悪魔の踊り方」に始まり、転生や死生観をテーマにした「波に名前をつけること、僕らの呼吸に終わりがあること。」など、人間の心を抉るような筆致で綴る13曲を収録した。素晴らしいのは"I DO LOVE YOU."と"I DO NOT LOVE YOU."という真逆のタイトルを付けたラスト2曲。人を強く愛することと、憎むこと。その間を激しく行き来する感情の揺らぎを歌わずにはいられなかった。それが今作の衝動の源だと思う。
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祝、四星球結成20周年! 彼らのベスト盤が単なるベスト盤であるわけがなく、新曲4曲に、彼らの音源にはお馴染みとも言えるコント4本を収録、というのがトラックリストを見ただけでもわかるが、さらに「薬草」ではコザック前田(ガガガSP/唄い手)がゲスト参加するなど、既存曲も全曲最新バージョンに。おかげで聴き進めると、不意に詰め込まれた遊びに思わず吹き出しそうになったり、涙腺を刺激されてしまったり......。曲という単位ではなくアルバム全体を使い、CDの最大収録時間に差し迫るほどに、サービス精神旺盛な四星球の姿勢をこれでもかと詰め込んだ。1枚通して最後まで聴くと胸が温かくなる、私たちの気持ちを"心の穴の奥そこ"から掬い上げるパワーを閉じ込めた、玉手箱のような作品。(稲垣 遥)
四星球結成20周年を記念して作られた、ベスト盤ではなく"ベスト選曲アルバム"。ライヴでおなじみの楽曲たちはもちろん、4曲の新曲や曲間のコントも収録。ベスト盤として、最新オリジナル・アルバムとして、存分に楽しめるボリューム満点の1枚になっている。アルバムを象徴する曲且つ、四星球の最新型と言える1曲目「トップ・オブ・ザ・ワースト」でガッツリ心を掴まれたと思ったら、コントで四星球の不思議ワールドに誘われ、そこからは急転直下の80分。アルバム中のたくさんのネタフリが後半で回収される作品の物語性や、新曲「リンネリンネ」で終わる美しいラストはちょっと感動的ですらある。軽くネタバレしちゃったけど、あんまり情報を入れずに一気聴きするのがオススメ!
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スマートとは言えない、けど思いやりと信念が表れた作品名。四星球にしかできない術で、疲弊しかけた私たちを笑顔にする1枚が届いた。リード曲「ライブハウス音頭」は彼らの戦友である関係者、アーティスト100名以上がコーラス参加。ライヴハウスあるあるに頷き頬がほころぶと同時に、"ガラガラのライブハウスは いつだって最先端"などグッとくる一節も。また2度目のアルバム収録となった「運動会やりたい」も笑ったし、"段ボーラー"に続き、あるドラマーを描いたナンバーも意外と(?)名曲! シンガー、北島康雄節満載の愛の歌「シンガーソングライダー」はテッパンの温かな仕上がりで、あの曲のアンサー・ソング「早朝高速」にはリアルなバンドの生きる姿が刻まれていていい。やっぱりエンタメって絶対、何にも代えられない。
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突如台湾進出を発表した、大阪の賑やかしバンド PANと、盟友である徳島のコミックバンド 四星球。台湾と日本の両国で開催する"台日爆音 BORDERLESS 2018"に彼らが引っ提げていくのが今作だ。両者共に新曲、代表曲、共作曲の全5曲を中国語で歌唱し気合十分。共作の「用小籠包都包起來吧(小籠包で包みましょう)」はPANらしい弾けるメロディック・ポップなサビに四星球お得意の言葉が跳ねるメロと、2組の十八番が融合した印象の、誰もが一発で盛り上がれる曲。中国語に挑戦した影響もあるのだろう、性急な初期衝動が詰まっている。そのうえ終わったかと思えばピアノが流れドラマチック(?)にメンバー全員が語り出し再び歌う展開に、"欲しがるなぁ~"とニヤニヤ。これは前代未聞の何かが起きるかも!?
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前面に押し出した"段ボール"とまさやん(Gt)。彼らのライヴに欠かせない小道具(もはや大道具の場合も)をすべて彼ひとりが段ボールで制作していることが由来なわけだが、オチやオマケ以外で彼にスポットライトが当てられたことに少し感動。本楽曲はそんな陰の努力者への賛歌であることに加え、リスナーへのメッセージ・ソングにもなっている。続く「発明倶楽部」も"新しい時代"を作ろうとするバンドの本気のロック・ナンバーでニクい。またライヴでは数年前に披露していた「直りかけのCamera」、インディー期の隠れた名ラヴ・ソング「六文役者」の再録版、限定盤DVDには大阪の名物フェス"OTODAMA"の映像も収められているのも嬉しい。シンガー 北島康雄の歌唱力が着実にアップしているところも必聴。
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四星球が放つメジャー1stシングルは"占い"をテーマとして、1枚に13曲47分43秒収録という、シングルCDの概念を破壊した作品。表題曲が終わると牡羊座から魚座まで、星座順に1曲ずつ歌われているので当然まずは自分の星座から聴きたくなってしまうのだが、「蟹 座『い蟹ひそ蟹したた蟹』」、「天秤座『天秤の座』」等、趣向を凝らした楽曲(とコント)たちを順番に聴いていけば、ニュー・アルバムを聴くくらいの満足感あり。チャットモンチーの橋本絵莉子をフィーチャーしたセルフ・カバー「乙女座『蛍の影 feat.橋本絵莉子』」、八木優樹がKEYTALKをアピールすべく参加(?)の「山羊座『哺乳類星座会議 feat.八木優樹』」等も収録。"自分の星座よりあっちの星座の方がいい!"とか思わないように。完全限定生産盤には、デビュー前夜の2016年秋以降制作されたMVや企画動画を収録。
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四星球、結成15周年にしてビクターのレーベル"Getting Better"からまさかのメジャー・デビュー! 誰もが驚いたその吉報が届いた際の様子は初回限定盤付属DVDに収録された、2016年10月のワンマン・ライヴの映像で観ていただくとして、記念すべきメジャー1stアルバムの内容はというと、ライヴ定番曲+新曲で構成されたベスト・アルバム的な内容。「Mr.Cosmo」(Track.2)でのビクター担当者登場や「四星球十五年史 ~上巻~」(Track.12)でのバンドの歴史紹介、「メジャーデビューできなかった曲たちの逆襲」(Track.14)など、メジャー・デビューをたっぷりネタにしてエンタメ感全開の1枚に仕上げている。「HEY!HEY!HEY!に出たかった」(Track.6)が"HEY!HEY!HEY!"特番で聴ける日もそう遠くないのでは!?
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自ら"出世作"と名づけた通算5枚目となるフル・アルバム。"四季折々/12ヶ月のうた"をコンセプトにそれぞれの曲に"○月のうた"とつけ、生々しく現在のバンドの心境を歌い上げる表題曲から始まり、盛りだくさんの14曲+ボーナス・トラック「桃源郷をやってみた」が収録される。新たな挑戦を彼らなりの表現で示唆したTrack.2「鍋奉行パエリアに挑戦」などユーモア溢れる楽曲がある一方、訥々と歌い上げるメロディアスなTrack.7「蛍の影ではセンチメンタルな一面も。そんなムードをTrack.8「今作ここまでのダメ出し」で自らを戒めて(?)後半戦では怒涛のネタをぶっこんでくるあたりに、コミック・バンドとしての"バカ真面目さ"を感じることができるアルバム。祈!出世!
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四星球は、去年、地元・四国最大のフェス"MONSTERbaSH"のオオトリを務めた。本作の表題曲は、その経験から生まれた曲だという。"今日のための今日までが 明日のための今日に変わる"というラインは、フェス参加者だけじゃない、毎日を必死に生き抜くあらゆる人々に捧げたい言葉だ。Track.2「武器を捨てよ 太鼓を持て」では、バンドの本質を歌う。不毛な争いをして誰かを傷つけるくらいなら、笑かしてやろうと。たとえ、それで馬鹿にされようが、笑かしたもん勝ちだと。自分に尊厳と誇りを持てなければ歌えない歌だ。彼らが地元で、そして地元から遠く離れた場所でも愛される理由が良くわかる。本当に大事なものなど数えるほどしかないが、本当に大事なものが何かわかっていれば、人もバンドも、大いに笑えるのだ。