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INTERVIEW

Japanese

リアクション ザ ブッタ

2023年11月号掲載

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Member:佐々木 直人(Vo/Ba) 木田 健太郎(Gt/Cho) 大野 宏二朗(Dr)

Interviewer:藤坂 綾

2017年リリースの「ドラマのあとで」(7thミニ・アルバム『After drama』収録曲)がTikTokで話題を呼び、若い世代を中心に注目を集めるリアクション ザ ブッタが、ニュー・デジタル・アルバム『酸いも甘いも、好きも嫌いも』をリリース。タイアップ曲2曲を含む全8曲は、ジャンルという枠を飛び越え生き生きと輝き、彼らの新たな扉を開いた。2007年の結成まで遡りそこから現在に至るまで、そしてこのアルバムについて、メンバー3人にたっぷり話してもらった。

-2007年結成ということですが、3人の出会いから教えていただけますか?

佐々木:僕と木田が小学校からの同級生で、小中と同じサッカー部で、同じクラスになったりもしていたんです。そこから中学2年生くらいのときにそれぞれベースとギターを触り始めて、高校は別々なんですけどお互い軽音楽部に入って、だいたいコピー・バンドをやるじゃないですか。でも僕はオリジナル曲のバンドをやりたいなと思って、木田に声を掛けたんです。当初ドラムは僕の高校の同級生で、それが始まりになるんですけど、そこから3人でオリジナル曲2~3曲とTRICERATOPSのカバーでライヴをやっていました。

-高校のときからオリジナル曲ってすごいですね。

木田:かなり手探り状態だったんですけど、なんとかやっていました。

佐々木:当時はめっちゃポップでしたね。それこそトライセラ(TRICERATOPS)とかユニゾン(UNISON SQUARE GARDEN)とか、3ピースのバンドを聴いて参考にしていたところがあったんで、そういう要素もありながらポップス中心で、あんまりBPMが速い曲はなかったかな。

木田:あるよあるよ。UNISON SQUARE GARDENみたいな曲をやりたいって言って。

佐々木:あー、あった。「Change」(2009年リリースの1stデモCD『How about you?』収録曲)は速いか。BPM180くらい。

-3ピースにはこだわっていたんですか?

佐々木:当初は僕がヴォーカルっていうのも仮で、もしかしたら別にヴォーカルを入れるかもって話だったんです。だから4人になるかもしれないし、どうなるかわからない状況で。でも気がついたら3人でずっとやっていて、2015年にドラムが脱退して、(大野)宏二朗との出会いがあって。最初の1年くらいはサポートでやってもらっていたんですけど、そこから正式に加入してもらって、今に至るという感じですね。

-大野さんは、サポートで入られる前はリアクション ザ ブッタの存在はご存知だったんですか?

大野:名前だけ知っていて、"すごい名前の人たちがいるな"みたいな。あとその頃、オーディションで優勝してフェスに出ていることが多くて、そこで名前もよく聞いていましたね。

佐々木:"ROCK IN JAPAN FESTIVAL"、"COUNTDOWN JAPAN"とかのオーディション("RO JACK")ね。

木田:それこそ(※激ロック10月号表紙を見ながら)BLINK-182と対バンしてそうな名前だよね。

大野:そう。だから、もうちょっと高円寺的な激しいパンク・バンドなんだろうなと思っていたんですけど、知り合いづてに"サポート探してるよ"って聞いて改めて音源を聴いたら結構ポップスだったので、名前とイメージが違ったっていうのが最初の印象ですね。

-サポートから正式になられた流れというのは?

佐々木:まずは友達からってところですよね。お付き合いするのだって、"まずは友達から始めてみましょう"って言うじゃないですか。お互いどんな人間なのかもわからないし。

木田:でも、メンバーになることを見越してサポートしてほしいっていうことは最初に伝えていて、そこからライヴやツアーを通してお互いにいいと思ったら正式に迎え入れたいって。

大野:あんまりはっきりと言われた記憶がないので、サポートの期間はこれからどうなるんだろうなって感じで、"俺、ほんとに入るのかな"っていう思いは発表の当日くらいまではあったかな。

佐々木:俺ら、そんなにサプライズ感出してたっけ(笑)。

木田:メシでもゆっくり食べながら"正式メンバーになってください"とか話したわけではないから覚えてないのかも。

大野:そうそう、そうなの。

木田:たしかツアー・ファイナルだったと思うんですけど、そのツアー中には正式メンバーになってもらいたいことは伝えていて、OKも貰っている状態のはずなんですが、本人はファイナルまでは"ほんとかな?"って気持ちだったみたいですね(笑)。

-最初から正式メンバーになることを見越してというお話でしたが、実際になるときに迷いはなかったですか?

大野:迷いは正直少しあったかな。やっぱりふたりとも当時から上手かったし、(リアクション ザ)ブッタに入る前にやっていたバンドが頓挫したりいろいろあったから。それにちょうど学生を卒業するタイミングだったし、身の振り方をどうしようかって悩んでいた時期でもあったから、こんなに上手くいっていいのかなって気持ちもありましたね。でもツアーを回っているうちに、この感じが続いたら楽しいなと思ったんですよ。そういう意味ではサポートで一緒にツアーを回った時期があって良かったと思います。

-佐々木さんと木田さんはもう迷いなく大野さんと一緒にやりたいと。

佐々木:最初にスタジオで合わせたときから、ほかに合わせた人よりもいいなっていうのもあったし、そこからツアーを回っていくうちに話も合うし、楽しくできるなと思って。『Fantastic Chaos』(2015年リリースの5thミニ・アルバム)のツアー("混沌のファンタスティックツアー2015-2016")だったんだよね。

大野:うん、そうだね。

木田:初めて合わせたとき、身体小っちゃいのに音が一番大きかったんですよ。ドラムで音が大きいのは大事なことだというのは佐々木と共通認識だったし、そのうえでスタジオ1発目のとき、例えばこういうフィルを試しに入れてほしいとか、ここはもうちょっとゆったり叩いてほしいとか、そういうことに対しての反応が速くて、上手いドラムだなと思ったんです。それはライヴやツアーを通してもそうだったから、そこもすごくいいなと思って、ずっと一緒にやっていけたらなと。

-"リアクション ザ ブッタ"というバンド名はいつからなんですか?

佐々木:最初からです。最初は"ブッタ"じゃなくて"ブッダ"で、どこのタイミングだったかは忘れちゃったんですけど、濁点を抜いて。"ブッダ"って言うとお釈迦様みたいになるじゃないですか。それとはまったく関係ないということで"ブッタ"にしようって。

-どなたが考えたんですか?

佐々木:木田です。

木田:当時フェスのタイムテーブルで英語のバンド名が多くて、自分の目当てのバンドを探すのにすごく時間がかかったんですよ。なのでカタカナ、ひらがな、漢字とかだったら見つけやすいなと思っていたらなんとなく"リアクション ザ ブッダ"って思いついて、インパクトあるし、すぐに見つけられるぞっていうことで決めました。

佐々木:メールでこの名前が送られてきて、"なんだこれ?"って(笑)。"何これ? ないないない!"って思いました。

-え、そうなんですか。

木田:最初は却下されましたね。ポップ・ロックをやっているのにパンク・バンドっぽいし、意味もわかんないからやめようって、そこからいろんなバンド名を出したんですけど、どれもしっくりこないなか"リアクション ザ ブッダ"だけはずっと頭にこびりついて離れず(笑)、"じゃあいいのが思い浮かぶまで仮でこれでいってみよう"って。

-当時のバンドのヴィジョンみたいなものはどんなものだったんですか?

佐々木:自分のできることというか、思い浮かんだことを必死にやってただけなんで、あまりヴィジョンみたいなものはなかったんですけど、ひとまずこういう曲が好きだからこういう曲をやってみたいって、単純にそういう想いでやってた感じですね。なおかつ3人でできることとか。