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BIG UP! HOW TO【楽器店編】
バンドをやってみたい、でも楽器の経験がないし、まず何からやったらいいのかまったくわからない......というのは初心者に共通した悩み。そんなときは思い切って楽器店に行き、店員さんにいろいろ聞いてみるといいだろう。この記事ではstellaの4人が島村楽器 新宿PePe店を訪れ、店員の湯村健太郎さんから、パートごとに機材選びのアドバイスをしてもらった。
stella:桑山 玲奈(Vo/Key) 谷崎 有香(Gt) 野崎 菜央(Ba) 水澤 恵(Dr)
島村楽器 新宿PePe店(ライトミュージックフロア):湯村 健太郎 佐瀬 彰吾(店長)
取材/構成:岡本 貴之 Photo by ゆうばひかり
●初心者は楽器店でどんなことを聞けばいい?
桑山:初心者の人には楽器屋さんに行ってどんなことを聞いたらいいのかわからない人もいると思います。そんな人にはどのように接しているんですか?
湯村:たしかに、初心者の方には楽器店ってちょっと入りづらいというイメージもあるかもしれないですね。でも、何も知らないっていう状態で私たちに聞いてもらって大丈夫です。"なんとなくバンドをやりたい"っていう人でも、ギターをやってみたいとかヴォーカルをやってみたいと教えてもらえれば、それに合わせてご提案できますし、本当に何をやっていいかわからないという方でも、好きなジャンルや好きなバンドを教えてもらえれば、それに合わせて楽器をご紹介することもできますよ。
野崎:店内でギターを弾いたり、ドラムを叩いている人っていますけど、どんな人でも音を出していいんですか?
湯村:はい、もちろんです。基本的に店内にある楽器は演奏できるようにしているのが、島村楽器のコンセプトなので、"この楽器を触ってみたい"と言ってもらえれば。もし演奏ができなければ、店員が代わりに演奏して音をお聴かせすることができる場合もあります。
水澤::初心者の方で楽器店屋さんに来るのはどんな人が多いですか?
湯村:学生さんで、部活に入ってバンドを組むことになったとかっていうケースが多いですね。それから、お年玉を貰ったからとか、夏休み前に楽器を始めたいという人も多いです。
谷崎:他に初心者の方に知っておいてほしいことはありますか。
佐瀬:楽器店って専門性が高い印象からか、洋服店さんなどと違って入るのに緊張してしまう感じがあるかもしれないですけど、楽器店を訪れるにはどなたでも何かしら動機があると思うんです。楽器をやっている人をテレビで観たとか、友達がやっていてカッコいいと思ったとか。そういうことをよく聞いたりしますね。そのイメージがすごく大事だと思います。スポーツと同じで、すぐに弾けるようになるっていうことはないので、地道に練習する必要があるんですよ。例えばギターなら、指が痛かったり弦が押さえられないっていうこともあるんですけど、やっているうちに指先が固くなってきて楽に押さえられるようになったりっていう段階を経て、だんだんうまくなっていくものなんです。なので、初期衝動的な部分がすごく大事ですし、お店に来ていただいた方には、まず"なんの曲をやりたいか"を最初に聞くようにしています。その曲を弾きたいっていう情熱がないと挫折してしまったりするので。そこを手助けすることができるように、島村楽器では"ビギナーズ倶楽部"というサービスもあって、楽器をお買い上げいただいた方にチューニングや(ギターの)持ち方、コードの弾き方なんかをお手伝いさせてもらってます。
野崎:私は今、宅録に興味があるんですけど、宅録をするために持っていた方がいい機材ってありますか?
湯村:機材を選ぶ前にまずレコーディングを始めるにあたり最初に決めるのが、"何に録音するか"というところなんですね。具体的には、パソコンを使うのか、専用の録音機を使うのか、スマホを使うのかです。スマホもアプリを入れたら立派な録音機になるんです。その何を使うかで必要な機材も変わってきます。
野崎:今は、パソコンを使っています。
湯村:パソコンを使った録音で必要になってくるのが、レコーディング・ソフト(以下 ソフト)と楽器をパソコンに繋ぐオーディオ・インターフェース(以下 インターフェース)というものですね。まずこのふたつが必要になります。あとは、パートごとですね。ヴォーカルだったらマイクが必要になりますし、キーボードだったら鍵盤が必要になります。ギターとかベースならインターフェースに直接繋いで録音できますので、パソコンとソフト、インターフェース、あとは自分の楽器、ケーブルがあればもう宅録が始められますよ。
野崎:一番簡単な方法で言うと、スマホになるんですかね?
湯村:そうですね。パソコンがなくてもスマホなら結構みんな持っていると思いますし、無料から数百円のアプリで録音できたりするので始めやすい簡単かもしれませんね。パソコンと同じくインターフェースが必要ですけど、1万円しないものがたくさんあります。パソコンならソフトとインターフェース、スマホならアプリとインターフェースがあれば宅録することができると覚えておいてください。
谷崎:そのインターフェースは価格の差によってどう違うんですか?
湯村:1万円しないものから、数十万円するものまであるんですけど、そもそもインターフェースって何か簡単に言うと、パソコンやスマホに録音するときに、"音をデータに変える"ものなんです。なので音質に非常に影響します。価格の差で何が違うのかというと、高くていい機材ほど、より正確な音、本当の音質に近い状態で録ってくれます。
水澤::ライヴ用と宅録用で録音機材って違ったりしますか?
湯村:機材そのものは変わらないんですけど、宅録とライヴ録音は録音の仕方が異なります。宅録用はパソコンとかインターフェースを使ってひとつひとつの音を丁寧に録って重ねていけますが、ライヴは一発録りなので、音源制作というよりは記録用という場面が多いかと思います。
桑山:ライヴで録音するときには、録る場所ってどんなところがいいですか。
湯村:そこはやっぱりお客様の位置っていうんですかね。バランス良く聴こえるところを何度も試しに録って聴いてみて、バランス調整をしたり場所を変えたりして探っていくしかないんですよ。ベースやドラムの隣よりはちょっと離れて、みんなが見える位置に置くのが基本ですね。
野崎:機材を買って初めて使うときって全然使い方がわからないことがあると思うんです。私もDTM(※デスクトップミュージックの略称)を始めたとき、本当に全然わからなくて大変だったんですけど(笑)、そういう相談にも乗ってもらえますか?
湯村:そういう相談もしていただいて大丈夫です。やっぱりそういう機械系って、多少知識がないとスタート地点に立てない部分があるので、独学でやるとハードルが高くなっちゃうんです。詳しい人が近くにいない場合は楽器店で聞くというのがひとつの選択肢になると思いますけど、意外と知らない人も多いんですよね。なので、DTMの知識があって且つ親身になって教えてくれる楽器店さんが近くにあれば一番いいですね。当店がそれにあたると思うんですけどね(笑)。
一同:あははははは(笑)。
湯村:レコーディング機材を扱っているお店に行って、優しそうな店員さんに声を掛けてみるというのが一番いいと思います。自分で30分かけて調べることを3秒で答えてくれることもあるので。そこはコミュニケーションが大事ですね。聞いちゃったもん勝ちです。
谷崎:中高生でお金に余裕がない人たちでも、最低限これがあれば大丈夫! っていう、低価格の機材ってありますか。
湯村:やっぱり、低価格となるとスマホの活用ですね。レコーディング単体の専門機材になると、安くても1万円ほど、高いものだと5~6万円しちゃうんですけど、スマホだと数千円~1万円くらいのインターフェースを買えば、もう録音できます。スマホを電話とメールだけにしか使ってないなんてもったいないので、ぜひレコーディングにも活用してほしいですね。いろんな用途に対応したスマホ用インターフェースがありますので、総合的に考えるとそれが一番安くできる方法だと思います。
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