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INTERVIEW

Japanese

AYANE

2024年05月号掲載

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関西出身、2002年生まれのシンガー・ソングライター AYANE。各サブスクリプション・サービスで立て続けにヴァイラル・ヒットを生み出す彼女の確かな歌唱力と、聴き手の日常に寄り添い、背中を押してくれる飾らない言葉たちは、10代を中心に強い支持を集めている。今回のインタビューでは、物心つく前から音楽に没頭してきたバイオグラフィや、「Love U」、「ごめんね」といったSNSでトレンドに上がった楽曲を収録した最新EP『#YOLO』と、自身のマインドをそのまま詰め込んだタイトル曲をひもときながら、彼女のパーソナリティに迫った。

-SNSのプロフィールに"長所ポジティブ、短所ポジティブ"と書かれていますが、短所がポジティヴというのは?

悪いことや落ち込むことが起きても、一回寝たらすぐ忘れちゃうタイプなんです。一回めっちゃ落ち込むんですけど、"こんな落ち込んでもしょうがないしなぁ"と思って、寝て忘れるみたいな(笑)。時によってはそれがいい方向に行くときもあるんですけど、絶対に反省しないといけないのに、すぐに忘れてまた同じ失敗をしちゃったりとか。昔からそういうことが結構あるので、"長所ポジティブ、短所ポジティブ"というのは自分らしいかなと思って書いてます。

-同じ失敗を繰り返してしまって、さらに深く落ち込んだりはします?

"あぁ、またやっちゃったなぁ......"っていうぐらいです(笑)。

-なるほど(笑)。「#YOLO」の歌詞に"まぁいっかで乗り切る悪い癖"とありますけど......。

まさに自分っていう感じですね(笑)。この曲の歌詞は、私が人生で常に思ってきたマインドをそのまま書いているので。

-楽観的なタイプというか。

めちゃくちゃ楽観的です。このままでいいのかな......と考えたこともあったんですけど、それが自分の良さでもあるのかなって、1~2年前ぐらいに思えて。そこからは、"これが自分なんやからこれでいいやん"と思えるマインドになってきました。

-昔はそうは思えなかったんですね。

もうちょっとしっかりした面を見せなきゃって思ってましたね。私生活もちゃんとしていて、部屋もきれいで、みたいな(笑)。そういう理想の自分みたいなものがあったし、周りにもそう見られたほうがいいよねと考えていたときがあったんですけど、自分の素のままでいたほうが、自分の一番いい部分を常に出せる気がして。仮面を被っているよりも、素で生きたほうが生きやすいし、そのほうが唯一無二というか、そういう存在になれるんじゃないかなって思うようになりました。

-今のお話の感じですと、"部屋が汚い"ということになってしまうんですけど、大丈夫ですか(苦笑)?

部屋が汚いのは曲を聴いてもらえればわかると思います(笑)。「ごめんね」は、"ぐちゃぐちゃのこの部屋で"から始まるので、まぁ、そういう感じですね(笑)。

-(笑)昔からポジティヴな子でしたか?

ずっとこういう感じで変わってないですね。楽しいこと大好き! やりたいこと全部やっちゃう! っていう子供でした。

-小さい頃から音楽も好きでした?

そうですね。4歳からダンスを始めたんですけど、そもそも音楽が好きだったので、5~6歳ぐらいから歌いたいと思うようになって。ただ、通っていたレッスンのところが、歌は小学校1年生からしか無理だったので、"1年生になったらやろうね"って言われて、1年生から始めました。

-物心つく前から音楽が好きだったと。

母から聞いたのは、0歳のときにめっちゃ泣いていても、音楽を流すと泣き止んでいたらしいんですよ。たぶん本能的にずっと好きなんやと思います。

-その中でも特に好きだった音楽というと?

"このジャンルが好き"とか、"このアーティストしか聴かない"とかがなくて、結構いろんな音楽を聴いてましたね。小学2年生のときにiPodを買ってもらって、好きな音楽を自分で聴いてというのをずっとしてきたので。その中でも、中学校のときにONE OK ROCKさんに激ハマりしまして。それまではJ-POPを歌っていたんですけど、そこからロックにハマりました。

-ONE OK ROCKのどういった部分に激ハマりしました?

友達にライヴに誘われたんですけど、正直それまで曲を聴いたことがなくて。"チケット余ってるなら行こうかなぁ......"ぐらいの感じで連れて行ってもらったんですけど、生で観たらめっちゃカッコいいし、サウンドも洋楽が混じった感じでめっちゃ好みだったので、帰ってから聴きまくって大好きになりました。なので、ライヴ・パフォーマンス惚れですね。

-小さい頃から音楽が好きだったとのことでしたけど、そもそもご両親が音楽が好きだったとか?

めちゃくちゃ好きでした。両親が絢香さんが好きなので、歌を始めた頃によくカバーしたりしてましたね。

-そうなってくると、自分は将来歌を歌う人になるという夢を持つのも、かなり自然だったというか。

そうですね。小さい頃から日記をつけていて。毎日書いているわけじゃないんですけど、節目節目で自分が思ったことを書くノートがあるんです。そこには"将来は絶対歌手になる"とか、"たくさんの人の前で歌う"とか、そういうことを書いてました。

-今も書いてるんですか?

書いてます、気が向いたら(笑)。今は年に1回とかですけど、最初に書いたのは2010年でしたね。だから8歳のときからやってます。

-もう10年以上やっているんですね。

曲を書くときもそうなんですけど、あとで見返したときに、思い出じゃないけど、自分が歩いてきた跡みたいなものを見るのが好きで。そういうものを残しておきたいなと思って始めたんですよ。例えば、オーディションの前日に今の自分の気持ちを書いたりとか、オーディションのあとに"結果はこうだった、次はこうしていこうと思う"みたいな感じで書いてました。あと、夢だけじゃなくて、小学生のときに"運動会が終わったあと、疲れてるのに頑張って歌の練習をした。なのに、歌があまりうまくないと母に怒られた"とか(笑)。そういう小さいことも書いてましたね。

-自分が歩いてきた跡を残しておきたいという発想って、8歳のときにはなかなか思い浮かばないと思うので、かなり早いというか。

例えば、そのときハマっていた本の一番後ろに、"またこの本を2回目に読んだときの自分へ"っていう手紙を挟んでたりしていて、たまにそれが出てきたりするんですよ。"何年後の自分へ"とか、"これを見た自分へ"みたいな手紙が、いろんなところから出てきます。

-へぇー! めちゃくちゃ素敵ですね。

なんか好きなんですよね、そういうの(笑)。地元の近所の公園の土とか掘ったら、たぶん出てきます。

-タイム・カプセルが?

はい。埋めた記憶がめっちゃあるんです(笑)。ガチャガチャの丸いケースに、手紙と、そのときにハマっていたペンダントみたいなのを一緒に入れて。

-いつか掘り起こしに行きたいですね(笑)。書き残すことも好きだし、歌うのも好きとなると、自分で音楽を作ろうと思ったのも自然な流れではあったんですか?

それは父に言われたのが最初でした。父が音楽活動に協力的で、小学校のときもライヴに連れて行ってくれたり、"次はこの曲を歌ってみたら?"とか、いろいろ言ってくれていたんですけど、そのなかで"曲を作ってみたら?"と言われたんです。最初は曲を作るのはあんまり興味がなかったんですけど、小学校5年生のときに、ある日ピアノを触っていたら"あれ? これ作れるんじゃね?"と思って。最初は気が向いたときに作る感じだったんですけど、中学生ぐらいから打ち込みにハマって、それが楽しくて、結構な頻度で曲を作ってました。