0.8秒と衝撃。 塔山忠臣 の 「アホボケカスは俺か？」【第35回】

0.8秒と衝撃。塔山忠臣の「アホボケカスは俺か？」【第35回】

2016年06月号掲載

0.8秒と衝撃。

現在、新たなる作品を、作っています。
僕の最高傑作になります。
　
我らが、未体験のエンジニアを迎え。
みなさんを、体験したコトのない、
音楽ゾーンへと、冒険させます。
　
で......。
　
あまりこういう機会も無いので、
　
僕がこれまで0.8秒と衝撃。の楽曲として創ってきた作品について、
　
簡単ではありますが、ひとことずつ、
コメントしていきたいと思います。
　
【Zoo＆LENNON】
この作品は全額レコーディング費用を自分で負担して完成させました。総額は100万以上......。あほです。でもそれだけにJ.M.さんと二人、自分たちに妥協するコトなく、まっすぐに向き合って仕上げられたと思います。J.M.さんはまた違うでしょうが、僕個人としてのお気に入りTrackは、"POSTMAN JOHN"、"黒猫のコーラ"。たまに聴いた方に、この世で一番美しい病気を褒めていただけるのは、素直にとてもうれしいです。
この頃はリリース先もLIVEすらも、まったく決まってないのに、とにかく良いものを作りたい。その一心で作業を続けていました。

　
【エスノファンキードフトエフスキーカムカムクラブEP】
ある週末、日曜の朝にベッドで寝転んでいる時にうかんだメロディー。それを気持ち良くつないでいき、合わせてドラムマシンを叩き、打ち込んでいったら、あっという間に、数時間後には、ほぼ全体像が完成したのが、"ビートニクキラーズ"。いまだに僕らの曲としての認知度は高いのかも知れません。
"21世紀の自殺者"は題名からダークネスなイメージを持たれるかもしれませんが、書いた本人には別にまったくそんな意図はなく、ただ単純に、シンプルでセクシーなBassラインの曲を書きたいと思っていただけです。
"号84谷渋"は、東京に来た時にバイト先で出会った同僚をモデルにして書きました。歌詞の内容もそんなふうですが、とても寡黙で勤勉だった彼が、ストレスと世の中の封建的で怠慢なゆるい空気に耐えられず、後には48号として収監されてしまう様を歌っています。
好きな世界観です。

　
【1暴2暴3暴4暴5暴6暴、東洋のテクノ。】
この頃は、とにかくストレスが全開で、周りに出会う人、見るモノすべてが、ぬるっちく感じていました。まずは"「町蔵・町子・破壊」"という殺戮的なダンスハードコアを皮切りに、収録曲すべてに通底する、暴力的なまでの、怒り。怒り。怒り。
この頃に使っていたドラムマシンのキックのイコライジングは、通常では考えられない、低音ブリブリ仕様。踊らせるというよりは、相手の顔面に、笑いながらパイをブチまけるようなサウンドになっています。
この頃からLIVEでは暴れるというような連中も出てきますが僕は基本、内省的な自分と向き合うのが好きなタイプなので、あまり暴力的なイメージのみを推し進める考えもありませんでした。
　

【バーティカルJ.M.ヤーヤーヤードEP】
ある種、ハチゲキの一番のプログレッシヴな時期の作品。この時の自分はとにかくキャッチーとされるような方法論を意味嫌うようなトコロがあり、実験。
いや、結局、完成せず。みたいな、昔の洋楽の伝説的なアーティストたちに魅了されていました。既存の僕たちの作品に比べ、一曲が長いのも、プログレに影響されてのことだと思います。
"ロカ"や、"ROCA2"のようなエレクトリックな可愛い曲も好きなので、"ラザニア"は書いていて楽しかったです。
現状の全作品の中で、ジャケットは一番好きかも♪♪♪